「ザ ベスト トレーナー」
アルカナ地方。俺がシエルコーポレーションの研究所を爆破し、
ミニスカートのミハルが俺を助け、そして俺と共に行動することを決めたこの場所は、
アルカナ地方と呼ばれる地域に属している。気候は温暖で、常春の地方だ。
そしてあの後、俺たちは今、チャンピオンロードに向かっていた
「・・・ね、それよりもさ、なんで私を誘ったの?」
「・・・料理が美味かったから」
「え・・・それ・・・だけ?嬉しいような悲しいような・・・」
「もう一つ。俺と同じ目をしていたから」
「・・・同じ・・・目・・・」
「ああ」
「でもノワールくん赤眼だけど私青眼・・・」
「そういう意味じゃないっ!!」
「ええっ!違うの?じゃあ・・・」
本当に誘って正解だっただろうか・・・
「そういえば・・・さ、そろそろ教えてくれないかな?
私たち、なんでチャンピオンロードに向かってるの?」
「チャンピオンに呼ばれた」
「えええっ!!な、なんで・・・?」
「たぶん・・・国からの指令だろうな。アルカナ地方で一番強いと言われているトレーナーを
差し向けるのが一番いいとでも思ったんだろう」
「で、でも・・・罠だったらどうするの・・・?警察とかに囲まれたら・・・」
「それくらいの罠なら抜け出せなかったらテロリストやってられないよ」
「で、でもでも、もし本当に相手がチャンピオンだったら・・・ノワールくん大丈夫なの・・・?」
「・・・俺より強いポケモントレーナーなんて居ないよ。少なくともこのアルカナには。」
「え・・・」
「試したいこともあるからな。相手がチャンピオンなら丁度いい。
・・・というか、そのためにわざわざ来たんだよ俺は。」
「・・・試したいこと・・・?」
チャンピオンロードの途中に、一人男性が立って道を塞いでいた
「・・・ミハル。あれは・・・」
「うん・・・チャンピオンの・・・ミツルさん・・・」
「はじめまして。ノワール君。それから・・・」
「み、みにすかーとのみはる・・・です・・・はじめまして・・・」
「声がロボットみたいになってるぞ。なんでそんな緊張してるんだ」
「だ、だってー!チャンピオンだよ!生で今会えてるんだよー!」
「あはは・・・なんか照れるな・・・。けど、それはさておき・・・」
「政府の命令で来たのか?」
「うん。まぁそんなところかな。あと僕、悪いことをしてる人ってほっとけない主義なんだよね」
「・・・」
「そんな怖い顔しないでよ。とにかく、今から僕とキミはポケモンバトルをして、
キミが勝ったらキミは逃亡。僕が勝ったらキミは連行。そういうことになってるから・・・よろしく。」
「チャンピオン・・・ってことはさ、もちろん強いんだよな?」
「うん・・・まぁ、それなりには・・・ね。」
あ・・・わわ・・・私っ・・・どうしよう・・・
見てればいいのかな・・・?・・・と、とにかくノワールくんがんばって・・・!
「・・・頼む。アブソル!」
ノワールくんのモンスターボールから、昨夜のアブソルが飛び出してきた
ノワールくん凄く可愛がってたし、相棒・・・みたいな関係なのかな。
「僕は・・・行け!チルタリス!」
ミツルさんはチルタリスを出してきた。明らかに強そうなのが目で見てるだけでもわかる。
ノワールくん・・・チャンピオンに・・・ミツルさんに本当に勝てるのかな・・・
「チルタリス!りゅうせいぐん!」
ミツルさんの合図で、上空からチルタリスの技「りゅうせいぐん」が降ってくる
「アブソル。動かずにサイコカッターで自衛。とにかく終わるまで耐えるんだ。」
ノワールくんのアブソルのツノが輝いて、襲い掛かる隕石を1つ1つ切り裂いていく
アブソルは・・・一歩も動いてない!
そして、最後の1つまで降り切った
「アブソル。れいとうビーム!」
「あれなら避けれるはずだよ!かわして!10時方向!続いて、げきりん!」
ミツルさんの指示は的確で、アブソルがりゅうせいぐんで動かなかったことから
れいとうビームの照射角を予測した・・・みたい。
「げきりんか・・・ならアブソル、かげぶんしんだ。続いてサイコカッター!」
分身したアブソルが、ツノを輝かせて一斉にチルタリスに攻撃する
だけど、げきりんを発動したチルタリスが、高速で襲い掛かり、
分身したアブソルを片っ端から攻撃していっている
「本物はその一番奥で動かずに攻撃するチャンスを窺ってる・・・チルタリス!あいつだ!あそこを狙って!」
だめ・・・!ミツルさんは本物のアブソルを見抜いてる!ノワールくんっ・・・!
「アブソル、れいとうビーム。」
「それも避けれる!7時方向!」
7時の方向にチルタリスが動く、けど、チルタリスが狙うアブソルは、
一向にれいとうビームを発射して来ない・・・
「し、しまった・・・っ!『一番動いていたアブソル』が本物・・・!?」
チルタリスの背後から、本物のアブソルの攻撃『れいとうビーム』が直撃する
チルタリスはドラゴン飛行・・・4倍の威力。ミツルさんのチルタリスは・・・倒れた。
「・・・チルタリス、戦闘不能・・・みたいだね。よくやったよ。戻れ。」
モンスターボールにチルタリスが戻っていく。
私の目に映るのは、無傷のアブソルと涼しい顔をしたノワールくん
ノワールくん・・・ほんとに強いんだ・・・
そして、次にミツルさんが繰り出したのは・・・
「いってこい!ロズレイド!」
「ロズレイド・・・なら、俺も代えるか。アブソル戻れ。・・・行け・・・!」
ノワールくんがロズレイドを見て取り出したモンスターボール。
そこから出てきたのは・・・赤い鳥。
「ファイアロー!!」
「・・・ファイアロー。と、いうことは特性はもちろん・・・」
「ああ。ファイアロー!ブレイブバード!」
飛行タイプの技を先制で出せる『はやてのつばさ』
でも相手はあのアルカナ地方チャンピオン・・・ミツルさん。
何もせずにいるわけがない・・・。ノワールくん・・・。
凄いスピードでファイアローが飛んでいく。ロズレイドに突撃していく。
「ロズレイド・・・『まもる』だ!」
ロズレイドが『まもる』の体制を取ると、ノワールくんのファイアローの突撃が
完全に止められる。もちろんロズレイドにダメージは入っていない。
「だけどすばやさではこっちが上だ。ファイアロー、フレアドライブ!」
あれ・・・?ミツルさんのロズレイドにノワールくんのファイアロー。
タイプ相性は明らかにロズレイドの方が悪いのに、何で交代させないんだろう・・・?
「ロズレイド・・・耐えてくれ」
「・・・?こっちはタイプ一致と相性抜群で3倍だぜ?耐えられると思ってるのか?」
「ああ」
ロズレイドにファイアローのフレアドライブが直撃する。
ファイアローの炎を纏った突撃がロズレイドを吹き飛ばす
「・・・っ・・・耐えて・・・る・・・!?ノワールくん!なんで・・・っ」
「タスキ・・・か」
「うん。きあいのタスキ。一度だけひんしになる攻撃に耐えられるアイテムだよ」
流石ミツルさん・・・けど、だからってどうしてロズレイドに攻撃を耐えさせて・・・
「ロズレイド!めざめるパワー!」
「なるほどな。きっと岩タイプなんだろうな」
「その通りだよ。ファイアローに岩は4倍。特性はテクニシャンだから威力も申し分ない。喰らえ・・・っ!」
めざめるパワーがノワールくんのファイアローに襲い掛かる
「・・・そろそろか」
私はノワールくんがそう呟いたのが聞こえた
そして、これから何か見てはいけないものを見てしまうような気がした。
ノワールくんがファイアローもロズレイドもミツルさんも何も見ずに、
左手のリストバンド型の機械に触れた。それは昨日私が見た機械。
その瞬間、突然その機械が光りだす。そしてノワールくんは私の目を見て、
振り返った後、手を大きく振り上げて、声を上げた。
「デルタレイシステム・・・始動!」
そのとき、ファイアローは黄金の眩しい光に包まれていた。
そして、岩タイプのめざめるパワーが弱点4倍のほのお・ひこうタイプのファイアローに直撃する。
確かに『直撃した』。間違いなく4倍の威力の攻撃がファイアローに当たった。
なのに、私の目に映ったファイアローは、戦闘不能どころか・・・
何事も無かったかのようにふわふわと飛んでいた。
「な・・・何が・・・起こって・・・」
「ファイアロー。ブレイブバード」
驚くミツルさんを無視して、ファイアローにブレイブバードを命令するノワールくん。
その攻撃は直撃し、ロズレイドは今度こそ戦闘不能になった
「キミ・・・一体何を・・・」
「・・・」
何も言わないノワールくん。さっきの光といい、当たり前のように瀕死状態にならずに飛んでいるファイアローといい・・・
一体何が起こっているの・・・?
「・・・ノワールくん・・・。」
「くっ・・・見極めてやる・・・!出て来い!ジバコイル!!」
ミツルさんは、腰からモンスターボールを引き出し、今度はジバコイルを繰り出した。
「ジバコイル・・・か」
私はノワールくんが少し笑ったのを見た。・・・この時初めて。
「ジバコイル!かみなり!!」
ファイアローは飛行タイプ。でんきタイプのかみなりは2倍の威力でファイアローは受けてしまう。
なのに何故か、私はもう『ノワールくんのファイアロー』は瀕死にならないような気がしていた。
「ファイアロー。そのまま。」
「ノ、ノワールくん!避けなくていいのっ!?」
「いいんだ。『効果はない』から。」
「は・・・はぁっ!?何言って・・・っ!!」
落雷がファイアローを包み込む。威力110のかみなりが、ジバコイルのタイプ一致と
ファイアロー、ほのお・ひこうタイプに効果抜群で3倍。ファイアローなら確実に落ちる。
けれど、『ノワールくんのファイアロー』は・・・。
「な・・・なんで・・・っ・・・」
降り注ぐかみなりにまったくダメージを受けてないように
何事も無いように飛び続ける『ノワールくんのファイアロー』。
私もミツルさんも、何が起こっているのかまったく理解することはできなかった。
だけど、ノワールくんは・・・それだけじゃなかったみたい。
「ファイアロー・・・『じしん』だ。」
「な・・・じし・・・ん・・・っ!?」
「ノ、ノワールくん!ファイアローはじしん覚え・・・な・・・っ!?」
ノワールくんは、ファイアローが覚えるはずの無い『じしん』という技を命令した。
ファイアローはそれに従うことはできない。だって覚えられないのだから。
けれど、『ノワールくんのファイアロー』が咆哮を上げた瞬間。とても大きな地響きが鳴り響いた。
「そんな・・・馬鹿な・・・」
今ここにあるのは、驚愕するミツルさんと私。
そしてアブソルのときと同じような涼しい顔をしたノワールくん
「なんだこれ・・・。・・・常識が・・・通用しないなんて・・・」
「・・・」
「でも・・・僕にもチャンピオンとしての意地がある。本気を出させて貰うよ」
「・・・好きにしなよ」
「こいつを使うことになるなんて・・・ね。カイオーガ!!」
ミツルさんが出したポケモンを見た瞬間、びっくりするなんてレベルじゃなかった。
誰もが夢見る伝説のポケモン。なのに、ノワールくんはさっきと変わらない涼しい顔をしていた。
「か・・・カイオーガっ!?ノ、ノワールくん!伝説のポケモンだよ!!あれ・・・っ!!」
「見れば分かる」
「な、ならもっと驚いてよー!!で、で、伝説なんだよ!滅多に見られないんだよー!」
「・・・」
「な、なんで何も言わないのーー!!」
ほん・・・っと変な人っていうか・・・一体何なのこの人・・・ノワールくんって・・・
「カイオーガッ!ハイドロポンプ!!」
「ファイアロー!避けろ!」
「今まで攻撃をそのまま受けてたのに・・・ここになって突然『避けろ』・・・?」
ミツルさんの呟いてる言葉が聞こえてくる。確かに彼の言うとおり・・・なんで・・・?
流石に伝説のポケモンの攻撃は耐えられないと思ったのかな・・・?
「・・・だが、キミのファイアローなら弱点は突けない。
僕のカイオーガなら必ず1度は耐えられる耐久を持ってる。次の攻撃で・・・っ!」
「次は無いぜ」
「・・・なんだって・・・」
ファイアローがハイドロポンプを飛んで避ける。
「・・・ファイアロー。ボルテッカー!」
「・・・え・・・っ・・・」
「ボルテッカー・・・っ!?」
私とミツルさんはまた同時に驚く。この場で冷静で居られているのはノワールくんただ一人だった。
「ほのお・ひこうタイプのファイアローに、いわタイプとでんきタイプが効かず・・・」
ファイアローは凄い速さで宙返りし、カイオーガに向って突進する。
「覚えるはずのない『じしん』や『ボルテッカー』を当たり前のように使う・・・」
光輝くファイアローが、カイオーガの身体に直撃する。
「まさか・・・それは・・・キミのその力は・・・」
カイオーガが『ノワールくんのファイアロー』の攻撃を喰らってダウンする
あの伝説ポケモンが、一撃で戦闘不能になる。
「デルタ種・・・っ・・・!?」
「・・・知ってるんだ?」
「だけどアレは確か最近開発が終了した段階でまだテスト期間・・・
国から支援されてるどこかの研究所で管理されていたはずじゃ・・・」
「だから、その研究所・・・どうなったか知ってるだろ?」
「・・・キミが奪ったんだね。デルタレイシステムを。」
「ご名答」
ミツルさんは知ってるみたい・・・だけど、私には何のことか全然分からない。
「ノ、ノワールくん!な・・・何?どういうこと?私にも説明して!!」
「今俺のファイアローは『デルタ種』・・・つまり、『でんき・じめんタイプ』なんだ」
「た、タイプが・・・変わるってこと!?」
「要は突然変異を起こしてるだけだ。本来あるはずのないタイプに変化し、あるはずのない技を使う・・・
今この国が一番研究して、喉から手が出るほど欲しがっているモノだよ」
「で、でもなんでそんなことが・・・」
「俺が研究所から奪ったシステム。それが『デルタレイ』だ」
「このリストバンドみたいな機械のこと・・・だよね。」
「そう。これが照射する光に当たったポケモンは、遺伝子がδ式になり、デルタ種へと変化する」
「なに・・・それ・・・」
「・・・それにしても、研究所が破壊されたのは一昨日の出来事のはず。
もうそんなに使いこなせてるなんて・・・ノワール君。キミは凄いね。」
ミツルさんの言うことも分かる気がする。
さっきノワールくんは『試したいこと』って言ってた。それが本当なら
ノワールくんは今初めてデルタ種のポケモンを使ったことになる。
「これくらいできないとポケモンテロリストやってられないから」
「・・・なるほど。でもまだ勝負は終わってないよ」
「・・・まだやるのか?」
「ポケモンバトルは6対6の勝負だろう?それにまだ僕は切り札を残してる・・・」
「・・・なら、さっさと出せよ」
「言われなくても出すよ。・・・行くよ、サーナイト。力を貸してくれ。」
ミツルさんの5体目のポケモン、それはサーナイトだった。
ミツルさんは本家のルビーサファイアエメラルドのラルトス捕まえた彼です
個人的に僕もラルトスが大好きだったので本編のチャンピオンロードで
サーナイトVSサーナイトよくやってました
少し大人びてます。
話の都合上若干弱いように見えるかもしれないですが超強いです。
チャンピオンの名は伊達じゃない。
彼はサーナイトからが本気ですね。
あとカイオーガも一撃でしたが決して弱くはないです。