このごろ顎痙攣させるのがお気に入りです。
緋乃Sido
「きゃっ!」
「うわっ!」
なんか誰かとぶつかったようだ。
琴羽、女とぶつかってよろけるな。
俺が支えてやってるのが見えてなくってよかったな。
見えてたら確実にただの引きこもりだぞ。
・・・・・・ん?俺はなんか違和感を覚えながら声をかける。
「おっと、悪い!」
「あ、ごめんね?怪我はない?」
どこか見たことあるような雰囲気の男女二人だった。
どちらも帽子をかぶっており、表情を伺うことはできない。
と、次の瞬間、バッと男が顔をあげた。
訂正・・・男じゃねぇ、女だ。
「・・・久しぶり」
笑ったそいつは、俺らをしっかり見てた。
この声、まさか・・・!?
俺はここで帽子を取りたい欲求に駆られたが、ここで外すとあいつらだったら結構ヤバイ。
俺はちょいちょいと手で招くジェスチャーをする。
「悪いな、ちょっとついてきてくれるか?」
笑ったまま、俺はそういう。
はたから見たら誘拐・・・?いやでもまて。
久しぶりと言ってきたし、俺だって了承はとってる。
「ひ、緋乃?!誘拐は犯罪だよ?!」
「誰も誘拐はしてねー!」
失礼な!っとまくし立て、俺はどこか男っぽい格好をしたやつの腕をつかんで引き上げる。
琴羽はもう一人の女に立てるか聞いていた。
・・・そこはさ、時間差攻撃がきても引き上げろよお前。
「こっちだ」
俺は手を引いて駆け出す。
琴羽も手を繋いでいるらしく俺と並走。
着いたのは、ひと気のない路地裏。
俺がいつも大量殺人犯との密会の場所だな。
それで、人から見えそうなところに俺らが立ち、二人に話しかける。
「帽子を取れ」
「急に何かと思えば・・・」
俺が連れてきたやつが帽子を外す。
・・・・・・・やっぱりかよこの野郎。
そいつは、俺が朝葛藤した元凶、後来輪花だった。
「・・・・で、あの突拍子もない久しぶり、か」
「うん。悪かったね」
「名前くらい言えっての・・・」
俺は額に手を当てため息をつく。
輪花の隣のやつもとっくに帽子を取っていた。
耳が見える。・・・朱莉だ。
「で?お前らはなんで本屋に?」
「緋乃の家に行こうと思って、地図を」
「・・・・ああ、そうか。よく本屋がわかったな」
「交番で聞いてきた」
交番・・・!?
俺は笑いが込み上げてくるのを感じた。
「ぷっ、くく・・・くく・・・」
「なんで!?」
「いやなんでもない・・・そうか、俺の家か・・・じゃあ荷物置くついでに行こうか」
「ねえ、僕の本は」
「あー・・・・・俺が頂戴しとこうか?」
「やだよ!?」
うん、琴羽をいじって調子が戻ってきた。
「・・・まあ琴羽は荷物置いてこいよ。お前ら二人は帽子かぶって俺について来い」
「のけ者?!」
「じゃあどうすればいいんだよ!」
提案すれば一々突っ込んでくる。
なんだよ!お前は俺に何を求めてるの?!
「じゃあ私がついてくわ」
「・・・まあ、そしたら同行するのが最善か。朱莉、頼む」
「一人は寂しかったからよかったー」
「子供か!?」
「それは心の中で叫んでくれる!?傷ついたよ!」
ああ、悪い。と心の中でいう。
俺は輪花の手を取って歩く。迷われたら困る。
「謝ってよ!?」
「謝った。心の中で」
「それこそ言ってよ!」
「・・・・めんどくせぇ」
「聞こえた!聞こえたからね・・・・あがが!」
琴羽が顎を押さえる。
あ、そろそろ時間差攻撃か。
「・・・お前、まず荷物置くまえに病院行ってその痙攣直してくるか?」
琴羽はブンブンと首を振る。
なんだ、つまらん。
「めんどくせぇから放置。じゃあ移動しようぜ。流石にやばい」
俺は歩き出す。
琴羽は頷いた気がする。
朱莉はなんか不安と言った面持ちで、輪花も同じような表情をしてた。
俺にそんな顔を向けるな!!!
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琴羽Sido
あー、顎治った。
「さて、ここだよ」
「それはわかってるわ」
「ですよね・・・ん?鍵開いてる・・・」
・・・・・・ゑ?
僕は扉に鍵を刺して回して開けようとする。開かない。
もう一度同じことをする。開いた。
「・・・」
「・・・」
玄関には見覚えのある靴。
梨沙さんだ。
「お、おかえ・・・おお!朱莉!やっほー!」
「ええ・・・久しぶり・・・」
梨沙さんの手には鍵が握られている。
「梨沙さん」
「ん?なんだその荷物」
「勝手に入ってこないでよ・・・」
「別にやらしーもんがあるんじゃないんだろ?ほれ、どうせ緋乃と合流するだろ。荷物よこせ」
「へー、梨沙さんにしては気が利きますねー」
「なんだそれ!勝手に入ったことへの怒りか?!」
梨沙さんに本を手渡し僕は朱莉さんと外へ出て鍵をかける。
中から呼ぶ声がするが気にしない。
「・・・・・・・帰りたくない」
「ええっと・・ドンマイ、琴羽」
大きいため息をつきながら僕は緋乃の家へと向かった。
わーいわーい。
輪花「急にどうしたの?」
いやー、やっぱり微笑ましいなーと。
朱莉「・・・そう」
にしても顎痙攣は楽しいなー。
輪花「なんか考えが危ないよ・・・(汗」
僕は食事中に話のネタが決まるタイプです。
朱莉「どういうこと?」
つまり、この話の初っ端は食事中に思いつきました。
緋乃たちはさっきの言葉だけで察してくれます。
輪花「そんな高等技術を要求しないでよ・・・」
あいさー。では!