風雅Sido
走る。
すると、すぐ近くに、珱が居た。
『もう一回、昨日の言葉を言ってくれれば、なにかわかるかもしれない』
我ながら、横着したような言葉だ・・・。
こいつに自分を重ねて見ていたのか。
それで、何を考えていいかわからずにーー横着していた。
情けない・・・いや、珱に失礼すぎた。
俺は、責任を取らなければいけない・・・!
『い、嫌ですっ!なんで・・なんで利用されなきゃいけないんですかぁ!』
涙ながらの珱のセリフ。
我を失っていたな・・・本当に、焦りすぎたんだ。
俺は珱の前に立って、じっと見下ろす。
当人は、落ち込んだように壁に背を向け、体育座りで顔をうつ伏せていた。
「何の用ですか」
「・・・失言だった。すまない」
「いいですよ・・・迷惑だったってことで、私、諦めますよ」
「お、おい」
「・・・いいでしょう?私は、・・・帰りたくない。幸せもなにもない、理桜さんを思い出す・・・嫌なんです。忘れてるみたいで」
珱の腕に力が入った。
俺は、その腕に手を添える。
ビクリと震えた珱の顔がみえ、瞳が潤んでいることに気づく。
そんな表情をさせてしまった・・・!
「・・・・俺は、お前に・・・失礼なことをした」
「いいえ。風雅さんは悪くないですよ。私が迷惑をかけただけでーー」
「横着しすぎた。お前にもう一度言ってもらったところで、迷走するだけなのに」
どうしようもなく、考えようもない。
俺は、最初から迷走していたんだ・・・。
珱の頭を撫で、「すまない」と告げる。
珱はただ、ふるふると首を振っていた。
それはまるで、何も悪くないと言ってくれているようで。
「・・・風雅さん」
「?」
「好きです・・・」
手を握ってくれて、真摯な表情で告げられた。
俺は・・・俺は・・・。
「・・・これも、運命ってか」
「風雅さん?」
「いいや、なんでもない・・・俺を、好いてくれて・・ありがとう」
「・・・」
珱は、断られてると思っているのか?
目が明らかに絶望の色を浮かべている。
そんなわけないだろう。
「・・・・・・俺は、納得できない」
「え?」
「俺は・・・お前の想いを受け取るのに、少し戸惑っている」
「は、はぁ」
「・・・だから、もう少しだけ待ってくれ」
なんとなく、まだ考えたかった。
俺は彼女を好いているかわからない。
だから、そんな生半可な想いを持って受け止めたら・・・失望させてしまう。
本当に、少しだけともう一回言う。
すると珱が、吹き出した。
「わかりました・・でも、返事をもらうまで、私は想い続けることにします」
「・・・すまない」
「いいえ。いいんですよ。元々、迷惑をおかけしちゃったんですから」
苦笑する珱に、つられて笑う。
俺は手を差し伸べる。
立て、という催促だ。
「・・・帰るぞ。お前は家出しすぎだ」
「うぐっ。だ、だって、風雅さんがいけないんですよ?」
「それは否定しないが」
「少しはしてください!」
軽く会話を交わし、俺は先を歩く。
珱はその後ろを歩いていた。
風雅さんなら、すんなりOK出すよりもっと考えてからいうと思いましたという結果
風雅「・・・あってるのか間違っているのか」
輪花「あはは・・・」
朱莉「それにしても、なんというのか・・・一途ね」
珱さんは、真面目ですから(キリッ
輪花「あーはいはい、転生前が妖夢だしねー」
うん軽くあしらわれたけどいいや。
では~。
ィィィ…………
・・・なんかの遠吠え?
輪花「さ、さぁ・・・」