緋乃Sido
翌日。
俺はその日の珱から、幸せそうなオーラが伝わってくる。
風雅もまた、スカッとしたかのように表情が明るい。
・・・一線、超えたんだなと、俺は察する。
何も言わないさ。からかうのは母さんだけでいい。
が、その当人もからかうようなそぶりは見せない。
大人になったんだなぁ・・・。
「雰囲気が違うわね、珱ちゃん」
「ふぇ?!そ、そうでしょうか・・・?」
「やっぱり恋する女の子っていいわね。それが叶うと、余計輝くの」
「・・・えへへ」
「ふふふ、おめでとう」
そんな会話が聞こえてきて、風雅が途端に顔を背ける。
ほう。それは気づいてくださいの合図か?
「風雅・・・今の会話」
「・・・なんだ?」
「言ったのか?」
「・・・・さぁな」
「じゃあそういう事と考えておくよ」
俺は笑って風雅との会話を切る。
あーあー初心いねぇー。どっかの誰かさんもこんぐらい純粋だったなぁー。
じとーっと輪花を見る。
輪花は気づいたのか、首をかしげて俺を見る。
くっ、可愛いだろ常識的に考えれば!普通!
「まあ・・・なぁ」
「緋乃?」
「いや、なにも」
俺は澄まし顔でそっぽを向く。
変に感づかれたくないからな!
「ねえ、緋乃?」
「なんだよヘタレ一号」
「そんな照れるなヘタレ二号」
「お、おい、お前ら・・・?」
「「何か用?ヘタレ三号」」
「結果、ここの男はヘタレしかいないの?」
あーでも、風雅はヘタレじゃなくって鈍感か。
まあどうでもいいか。
「まあいいじゃない。どちらにせよ、惹かれたなら同じよ」
「なんか・・・言ったな。朱莉」
「朱莉が僕よりかっこよくて生きるのが辛い」
「琴羽、それ言ったら終わり」
「んで?なんだよ琴羽?」
改めて琴羽に向き直る。
琴羽は真剣な表情で俺を見ていた。
「これからだよ」
「・・・」
「いつまでも、僕らは学校を放棄していちゃあいけないんだ。それに、由希さんとの遭遇率が減ったからと言って、安心してちゃダメなんだよ」
「むぅん・・・」
「学生は、授業受けてなきゃですもんね」
そこに、先ほどまで朝食を作っていた珱が俺の隣に座る。
朝食を並べ、ふんわりと笑う。
琴羽は、「そう」と言って頭を抱えた。
「じゃあ退学してみるとk」
「ダメ」
「・・・」
「なんのために学校通ってるの?」
「・・・あーそういや、俺医者目指してたんだっけ。その方向でガッコ通ってたわ」
爽華、黄華のようなやつが二度と出ないように。
この事件の発端を生み出さないように。
俺は・・・医者を目指すようになった。
「ま、その医者がヒト殴ってたらダメだよねって話だけど」
「は?んなもん詮索する奴いないだろ」
「・・・」
「ふとした時に殴りそうだな」
お前ら・・・!
俺はため息をついて首を振った。
ーーー俺は、これからのことに想いを馳せた。
風雅さんと珱さんがリア充になりましたねぇ・・・w
風雅「・・・」
おめでとうっ!
風雅「・・・」
・・・
風雅「・・・」
・・・って無言?!
風雅「いや、別に。他の奴らは?」
さぁ・・・お二人とも見かけませんね。
風雅「・・・じゃあ締めろ」
は、はい!では!