魔法少女リリカルなのはVivid~私のパパは魔法剣士~ 作:ピーナ
咲耶の戦闘シーンはこの後にあるインターミドル編でたっぷり描くのでご了承ください。
翌朝、私はパパとメガーヌさんのお手伝いをしています。
「やっぱりレアだよね、朝がパンなのは」
我が家の朝食は圧倒的にご飯が多いです。人数が多く、皆がいる時は出来るだけ一緒に食べるので作り慣れているこっちの方が楽なんだとか。それと、パパとママの「「朝はご飯に味噌汁!」」って言ってたのも大きいかな。
私がパンを食べる機会は、月に1~2回の朝食とたまにお弁当になってるサンドイッチと間食の菓子パン(パパの手作り)位。
「まあ、はやてと一緒に暮らし始めた頃からずっと朝は腹もち良いからご飯だったからねえ。味噌汁は色々具材入れれるから、日や季節でバリエーションも豊富だからね」
「私は芋類が入ってたら嬉しいなあ。特に里芋。あの周りが少しトロっとした感じと中のほくほく感が最高だね」
「わが娘ながら良いセンスしてるねえ。僕は根菜系かな。ニンジンとか、ゴボウとか、大根とか」
ちなみに私の妹の美咲はお豆腐と油揚げのお味噌汁が大好きです。というより、大豆で出来た物が好きなようで、夏はパパが茹でた枝豆を晩酌しているパパの横で食べたり、冷奴を食べたりしてるし、冬場は湯豆腐食べたいってよく言うし、好きな食べ物は麻婆豆腐だし、豆乳大好きだし。
「そういや、ママは何が好きなのかな?」
聞いた事が無かった気がします。
「はやて? はやてはキノコ。特にしめじだな」
「キノコか~、良いよね」
結論、お味噌汁最高!
「んで、今回の模擬戦はどんな感じだい?」
「うーん、ポジションが綺麗に分かれてるし、多分1VS1が多くなるんじゃないかな? 私の相手はミウラさんかな」
パワーファイターという意味ではアインハルトさんと同タイプだけど、打撃格闘戦が得意なアインハルトさんに対し、ミウラさんは一撃必殺の強襲が得意。どちらも一瞬で流れを持っていけるから、その辺を私は気を付けて戦わなければいけない。
「ミウラはそろそろ、技の一つを教えようかなって考えてるんだよね」
「珍しいねえ」
パパは「戦い方は十人十色だから、それを一つ一つ皆に教える事は出来ないし、それじゃ、成長も出来ない」と考えているから、体作り重視で基本的な事しか教えていません。見ているのはちゃんと基礎が出来ているかというのと無茶をしていないかを見ています。
今は六人だけだし、それぞれ自分なりの戦い方が見つけれているから、聞けばちゃんと答えてくれます。
「ミウラは戦い方が不器用だからね。格闘戦オンリーなアインハルトにも言える事だけど、格闘戦は寄らないと始まんないからね。そこまでの技術をヴィータに見てもらいながら、寄った後のミウラの距離での選択肢も増やしていかないとね。ま、とりあえずはインターミドルまでに一個覚えるくらいで良いだろうけど」
ミウラさんの場合、その選択肢が一個増えるだけでも脅威になります。一個で試合を終わらせれるから。スピードと連携と手数が身上な私とは正反対。スタイル的には一発系の技だと簡単に想像が付きます。
でも……一発系の技を私はほとんど習っていないから、どういう技なのか気になるなあ。
「ね、どんな技を教えるの?」
「それは秘密。言えるのは咲耶には教えてないって事かな」
うー、ますます気になります。
一応、私がパパに教えてもらった技で一発系となると……獅子戦吼と飛天翔駆の二つくらい? 魔神拳は遠距離牽制だし、崩襲脚や幻龍拳なんかは繋ぎの技だから違うと思う。
パパの技は純粋な格闘の技だけで100はあるし、剣術の応用での技も含めればもっと増える。さらに、魔導師らしい、魔法技も豊富。そして、それを組み合わせてどんな距離、どんな方法でも100%の力で戦える、現役バリバリの提督であるクロノさんをして「次元世界最強の魔導師」と言わせる実力の持ち主です。
まあ、パパ本人は「その呼ばれ方はあんまり好きじゃないけどね。そんな重い物じゃなくて『魔導騎士』とか『八極の騎士』とかの方が好きだね」って言ってますけど。
つまり、パパの引き出しの中で私が教えてもらっていない技はいっぱいあるって事。ってか、付き合いの長いなのはさんやフェイトさん、守護騎士の皆も「全部の技を把握してないと思う」って言うレベルの数だし。
「さて、準備も終わったし、咲耶、皆を呼んできてくれ」
「はーい」
皆で美味しい朝ご飯を食べて、少し食休みを挟み、私達はルール―特製の陸戦競技場に来ています。
そう、いよいよこの旅行のメインイベントであるエキシビションマッチが始まります!
公平性を期すためにDSAAの公式試合用のタグでライフの管理を行います。普通の試合なら1万代なのですが、予定では三試合行うので、多くても一番被弾の多いFAの3千になってます。
「試合開始!」
メガーヌさんの合図で試合が始まりました。
「行くよ、リオ! 咲耶!」
「オッケー、ヴィヴィオ!」
「打ち合わせ通りにね!」
散開してお互いのマッチアップ相手と向かい合う。ヴィヴィオはアインハルトさん、リオはコロナ、私は……
「勝負です、咲耶さん!」
予想通りのミウラさん。
ミウラさんの核となる戦法『抜剣』は一撃必殺、どんなに最悪な状況でもひっくり返す力を持っています。
だけど、ミウラさんは決してそれだけじゃない。努力して積み上げたストライク・アーツでの一撃だって凄く重いです。
チーム戦である事と魔法もOKな事を考えると、ミウラさんの距離に入らず、ひたすら回避と削りに回れば良いと思います。だけど、そんなの何が楽しいの? 私自身つまらないもん。だから!
僕が咲耶に教えた戦闘スタイルは「打たれる前に打つ。そして打ち続ける」という物だった。
咲耶は見た目ははやての血が濃く受け継いでいるけど、魔法の才能や運動神経、身体能力なんかは僕の方を受け継いでいる。正直言うと咲耶の本質は僕と同じでオールラウンダーだ。だけど、経験の浅い咲耶がそれを使いこなせるかといえばNOだ。選択肢の多さがイコールで強さには直結しない。
時には選択肢の少なさから来る開き直りも大事だし、選択肢の多さで迷いを生み負ける事だって十分ある。
だから今は基礎として、咲耶の中で一番秀でていて武器になるスピードを活かす戦い方を教えている。それ以外の戦い方はもっと経験を積んで成長してからでも良いと思う。
「しかし、凄いな陛下を始めとした八雲さんの教え子たちは」
「いや、凄いのは君の妹だよセイン」
確かに僕も教えてはいるけど、最近の練習メニューを考えているのはもっぱらノーヴェだ。真面目なノーヴェだから、皆の個性や体力に合った練習メニューを考えてくれる。だから、すべてを任せられる。
「だけど、その経験を含めて色々やらせているのは八雲さんでしょ? これはディエチにも言えると思うけど」
……普段おちゃらけてるセインだけど、ちゃんと色んな所見てるんだよなあ。まあ、それが彼女らしさかな。
「まあ、僕自身昔からいろいろな事をやらせてもらって、その経験の上で今があるからね。それで良かったと思ってるから、力になれる事はなりたいんだよ」
ミッド、地球、前世、今世全部でホント色んな人にお世話になって、いろいろな事を経験させてもらった。お世話になった人たちに返すのは難しい(返せない人もいるし)から、僕も同じような事を下の子達にやっていく。それが自然の流れだと思うし。
「本当に、歳不相応の落ち着きっぷりね、八雲君。これも小さい頃から管理局に居るからかしら?」
「かもしれませんね」
まあ、小さい体に高校生の精神、傍から見たら僕は歳不相応の落ち着きだったんだろう。今の場合だと身を固めたからもあるかもしれないけど。
「ま、なにより皆楽しそうですからね。その環境を用意してあげるのが大人の僕の仕事ですから」
ちなみに、今回の試合の結果は引き分け。一進一退の攻防だったんだけど、なのはとティアナが容赦なくスターライトブレイカーをぶつけ合いその余波で大半が撃墜、残ったのはティアナ、ヴィヴィオ、アインハルトの三人でティアナも撃墜直前。そこから、ヴィヴィオの攻撃の流れ弾でティアナが落ちて、最後は相打ち。うーん、熱戦だったねえ。
更にその後の二試合も熱戦で良い物が見れた。まあ、熱戦すぎてうちの道場の子達は夜、起き上がれなくなっちゃったんだけどね。
どうも、ここ最近体調不良が続き、そのせいなのかスランプです。この話も書き始めたのは前のお話を書いて少ししてからなのですが、かなりかかりました。
次回からはインターミドル編。原作キャラにも遭遇するかも?