魔法少女リリカルなのはVivid~私のパパは魔法剣士~ 作:ピーナ
オリキャラ出てきます。
楽しかった合宿旅行から帰ってきて、二週間ほどたったある日、私は学校が終わり、パパのお手伝いをするために、家に帰ってきました。ヴィヴィオ達は今日は教会に行くみたいです。パパは明日にウェディングケーキを作らないといけないのでその下準備中です。なので私は夕飯の買い物をおつかいに出掛けています。
パパは今日はカレーでルーはあったから、野菜とお肉だけで良いって言ってたんだよね。スーパーでも良いんだろうけど、こういう時は近くの商店街にある、パパが良く行っていて私も時々付いて行く八百屋さんとお肉屋さんに行こう。
両方のお店の店長さんとは何度もおつかいで行っているので目利きとかもお願いできるし、お値段も少しだけお得で良い物が買えると思います。
「どけぇー!」
「待て!」
ん? 何か騒がしい。その声は私の後ろの方から聞こえたので振り向くと、女性もののハンドバッグを抱えているおじさんと、それを追う茶髪のショートカット、カチューシャを付けたお姉さん。……ひったくりかな? ちょっとでも逸れてたら我関せずでいれたかもしれないけど、犯人のおじさんの進行方向の上に私はいる。とりあえず、避けるふりをして、走って来た犯人のおじさんに足を掛ける。その時あくまで偶然でぶつかったかのように見せるために、私も倒れる。
私はしりもちをついただけで済んだけど、犯人のおじさんはアスファルトにヘッドスライディングしてた。……私がやった事だけど、痛そう。
「これでも食らえ!」
追いかけていたお姉さんがダイビングフットスタンプ気味の飛び蹴りで追撃。……技は良いんだけど、ミニスカートでそれはどうかなあ?
「げはっ……」
ひったくり犯のおじさんは気を失ってしまった。一件落着の様だね。
「ふう~、疲れたぜ」
「ジェシカ! 『疲れたぜ』じゃ、ありませんわ! 大丈夫?」
犯人のおじさんを踏みつけたお姉さんと一緒に居たらしい金髪ロングのお姉さんが私に手を差し伸べてくれます。
「ありがとうございます。大丈夫です、しりもちついただけですから」
「心配しすぎだぜ、リア。その子、かなりの腕前だ。なんてったって、避けざま足引っかけてそこに伸びてる男を倒したんだからよ」
「……そうだったの?」
あれ? 私がやった事、ばれてる? っていうか、この二人何処かで見たような……あっ。
「ひょっとして、ヴィクトーリア・ダールグリュン選手とジェシカ・スヴェント選手ですか?」
そう、私の目の前に居る二人のお姉さんはインターミドルでも激戦区といわれるミッド中央区の都市本戦で上位入賞もしている凄い人達です。まさか街中で、しかも、こんな形で会う事になるとは思ってもみませんでした。
パパ曰く「ここ10年くらいはミッド中央のトップファイターって個人でやってる子が多いんだよね。いわゆる元プロの魔法戦競技の選手が教えている所とか、規模の大きい道場とかよりもね」らしいです。
確かに現在ミッド中央最強で世界代表戦でも優勝経験のあるジークリンデ・エレミア選手を始めトップファイターは個人でやっている選手が多い印象です。なので、公式戦以外でトップファイターの戦いを見て勉強って言うのは中々機会が有りませんし、横への繋がりが薄いので、一緒にトレーニングやスパーリングって言うのは難しいです。例外はノーヴェの修行仲間で私も面識のあるミカヤ・シェベルさん位です。
ちなみにこの状況をパパは「まあ、型にはまった物じゃなくて自分の個性を爆発させた戦いが出来る子達がトップファイターで、その子達にとっては型にはまったやり方より自分で試行錯誤する方が向いてるんだろうよ。まあ、見てる方はこっちの方が楽しいんだけど」と言っていました。
ヴィクトーリア選手はベルカ諸王時代に名を馳せた『雷帝』の子孫でもあり、彼女もその通称で呼ばれています。そして、子孫の名に恥じず一族相伝の技、『雷帝式』という戦闘法を使います。
ジェシカ選手は取材などのコメントや今回の話した感じで荒っぽいので同じトップファイターの『砲撃番長』ハリー・トライベッカ選手と同じ印象を受けますが、戦い方は正反対で、相手の動きを掌握し制圧するアウトレンジシューターで付いた通称が『
「おお、流石リア。都市本戦三位入賞の知名度は伊達じゃねえな」
「一昨年の準優勝者が何を言うのよ」
「ありゃ、組み合わせが良かっただけだっつーの。結局ジークに負けたし」
そもそも、都市本戦まで勝ち上がるのが至難の業なんですけどね。確かに一度都市本戦まで行ければ予選枠が優遇されるので、楽になりますけど、それでも都市予選からです。都市予選の免除は前年度の都市本戦優勝者のみです。
「って話がずれちまったな」
「ですね、ごめんなさい。えーっと、パパがストライクアーツを教えているのでその流れで始めました。今は友達たちと初めてのインターミドルに向けて頑張ってます!」
「懐かしいわね、初めて出た頃を思い出すわ」
「だな。ま、戦う事があったら、全力で楽しもうぜ。お前となら面白い勝負が出来そうだ。えーっと……」
そういや、私名前名乗ってなかった! 自己紹介は一番最初にやるべきだったよね。
「や、八神咲耶です! よろしくお願いします!」
「ん、咲耶な。私はジェシカ・スヴェント。知ってるみたいだけど巷では『指揮者』とか大仰な呼ばれ方してるけど、お前と同じ魔法戦競技の選手をやってる、よろしくな」
「私はヴィクトーリア・ダールグリュン。そこに居る猪娘の主で共に競い合う競技者でもありますわ。よろしく」
そう言えば何かで見たなあ。ジェシカ選手は代々ダールグリュン家に仕える家の生まれで昔からのライバルだって。
「猪娘って酷くねえか、リア!」
「普段のあなたを見れば仕方ないですわ、ジェシカ!」
「仲が良いんですね、ヴィクトーリア選手もジェシカ選手も」
「なあ、そういうのは止めてくれないか? 私らは確かに魔法戦競技の選手だけどさ、今はただの一般人なんだからさ」
ママやなのはさん、フェイトさんは雑誌などに取り上げられてたまに街中で話しかけられる事があります。でもママ達は「うーん、有名税なんはしゃあないけど、あんまり好きやないなあ」って言っていました。お二人も多分近い感覚なんだと思います。
「それなら……ジェシカさんとヴィクトーリアさんで良いですか?」
「「ああ(ええ)」」
なんか、私達インターミドルを目指す人にとっては雲の上の様な人に出会えて今日はラッキーだねえ。
「うっし、咲耶を連れてお茶でも行くか!」
「そうしましょうか」
「えーっと……そのお誘いは嬉しいのですが、今おつかい中で……」
何も無かったら確実にこのお誘いに二つ返事で乗っていました。だけど、今回はパパからの頼まれ事は最優先です。
「そっか。んじゃ、連絡先だけでも交換しておこうぜ。また、時間が合えば誘うからさ」
「良いんですか!」
「良いのよ。こうやって出会ったのも何かの縁なんだろうし」
こうして私は思いがけず二人のトップファイターとメル友になったのです。
いつか機会が有ったらパパやママ、家族達、ヴィヴィオ達私の友達も紹介したいなあ。
簡単なオリキャラ紹介です。
ジェシカ・スヴェント
年齢 15歳
出場歴 5回
最高戦績 都市本戦準優勝
ヴィクトーリアに仕えるメイドで魔法戦競技ではミッドのトップファイター。執事のエドガーは実兄で双子の姉がどこかに居る。
普段はハリー同様、若干言動に荒っぽさを感じる。
しかし魔法戦競技に置いては正反対の緻密で何手も先を読む戦い方から「指揮者」と呼ばれる。
実はスヴェント家は代々ダールグリュン王家に仕える軍人の家柄だったが現在は形を変えてこのようになっている。
最高戦績は二年前。去年はあまりにも学業が悪かったので進学の準備の為参加をしていない。
戦闘スタイル的に一番近いのはティアナです。ある程度接近戦も出来ますが、本領は中距離からの射撃です。
次回は特訓回になるか、インターミドルが始まるか……その辺は未定です。