魔法少女リリカルなのはVivid~私のパパは魔法剣士~   作:ピーナ

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第一話 セット・アップ!

「早く帰ってくると良い事があるって何だろうね~」

「しかも、家に集合でしょ? 進級祝いだとは思うんだけど…」

「楽しみだね~」

「そうだね~」

 

リオとコロナと別れた私とヴィヴィオは帰り道、おしゃべりしながら帰っていた。

話題は図書館で私達に送られてきた「早く帰ってくると良い事がある」という中の「良い事」についてだ。

私に送って来たのはパパ、ヴィヴィオに送って来たのはヴィヴィオのママのなのはさん。

話していると、私の家に着いた。

 

「「ただいま~」」

「お帰り、ヴィヴィオ、咲耶」

 

私達を出迎えたのは金髪の長い髪を腰当たりで纏めた、女の人。ママたちの幼馴染で親友のフェイト・テスタロッサさん。

 

「お久しぶりです、フェイトさん。どうして、ここに?」

「私も二人の進級祝いに来たんだよ? ダメかな?」

「「いえいえ、むしろ凄く嬉しいです!」」

「良かった。艦の整備で時間が有ったからなんとか来れたけど、そう言ってもらえると私も嬉しいよ。立ち話もなんだし、中に入って」

 

フェイトさんにそう言われ、私達はリビングに入る。

 

「おっ、お帰り咲耶、ヴィヴィオ」

「ただいま、パパ。…しかし、凄い料理だね~」

「久しぶりに本気を出してみたよ。僕だけじゃなくて、はやてやなのは、フェイトと一緒にやったけどね」

「こんな事言ってるけど、私らは仕事が少しあったから、かなり八雲君が作ってるんやで?」

「しかも、喫茶店を臨時休業して」

「ちょ、はやて、なのは、それは言わなくても良い事だろ!?」

 

慌てるパパを見て皆が笑う。

 

「守護騎士の皆は?」

「残念ながら、皆お仕事や。今日は遅くなるから咲耶とヴィヴィオによろしくやって」

「ウチのパパは?」

「ユーノ君はもうすぐ「遅れてゴメン!」ほら、帰って来た」

 

慌てて入って来たスーツの男性、ヴィヴィオのパパ、ユーノ・T・スクライアさん。無限書庫の司書長だから、私やコロナたちもお世話になってる。

 

「お帰り、パパ!」

「ただいま、ヴィヴィオ」

「さて、全員揃ったし、咲耶とヴィヴィオの進級祝いの食事会を始めようか」

 

パパの言葉で私達は用意された料理を食べ始める。

うーん、どれもこれもすっごく美味しい! 喫茶店をやってるパパは当たり前だけども、ママもなのはさんもフェイトさんも本当に料理上手だ。それでいて、美人で仕事もできる。ホント、凄いなあ。

そんなママ達を持っているから、私とヴィヴィオは料理を私のパパから教えてもらっている。目指すはママみたいな大人。

 

「料理はだいぶ減って来たね。それじゃ、これは特別サービス」

 

そう言ってパパが持って来たのは大きなホールのイチゴのショートケーキ。『八神堂』の人気メニューでお昼にはなくなるという一品だ。

ちなみに、パパのケーキとかの師匠はなのはさんのママの桃子さん。なのはさんのお家はママたちの故郷で『翠屋』という喫茶店をやっている。そこのケーキは本当に美味しい。ミッドでもあそこまでのお店はそうは無い。あるとしても高級店になると思う。その桃子さん仕込みのパパのスイーツはどれも美味しい。

 

「まずは、主役の咲耶とヴィヴィオからだな。大人組はその後で。あっと、美咲は先にあげるからなー」

 

切り分けながらパパはそう言う。流石の親バカだ。美咲に接する感じを見ていて分かる。まあ、私にも同じ感じなんだけど。

それが嫌って訳じゃなくて、普通に嬉しい。先輩たちに聞くと父親を嫌うらしいけど、そんな事を考えられない。

私とヴィヴィオはパパに切り分けてもらった特製のケーキを食べる。『八神堂』不動の人気メニューの力はやはり凄まじい。

 

「「ん~、美味しい~♪」」

 

この一言に尽きる。

パパ曰く「お店で出すものと家で出すものは違う。お店のは『いつ来ても同じ味』というのを意識している。その味が所謂『八神堂の味』だから。逆に家で出してるのはその時、僕が出来る最高の物を出してる。皆に喜んでもらいたいからね」との事だ。そのせいか、家で出てくる物はお店の物と比べて美味しい。お店のでも十分だけど。

私達子供三人が満足したのを確認して、大人組も食べ始める。食べてる皆の顔は笑顔だ。パパの料理には皆の顔を笑顔にする力があるのかも。

 

 

皆が満足した食事会が終わってから、なのはさんとママが箱を持って来た。

 

「ママ、なのはさん、その箱何?」

 

私は二人に聞く。

 

「よくぞ聞いてくれました! これはヴィヴィオと咲耶ちゃんのデバイスだよ。もう初等科4年生になって基礎も大分出来てきたから、私達が用意しました」

「「ホントに!?」」

 

嬉しさのあまり声が大きくなる私達。デバイスは前々から欲しかったんだけど、私達のパパとママが四人とも「「「「基礎が終わるまでは自分用のデバイスなんて必要ありません」」」」と言ったので、貰えなかった。

 

「二人とも古代ベルカ式主体やから、アインスにお願いしたんよー。とりあえず開けてみて」

 

私はママからヴィヴィオはなのはさんから箱を受け取り開けると、中には、

 

「うさぎ?」

「私のはいぬだよ?」

 

しかも、これは私がパパとママに初めて貰ったいぬのぬいぐるみにそっくりのデザインだった。少しボロボロになってきたけど、まだ私は大事に持っている。私の宝物だ。

 

「それは、外装っていうかアクセサリー。中身は普通のクリスタルタイプだよ。ちなみに、その外装、八雲君の手作りだよ」

「「へえー」」

 

私達がなのはさんの言葉に反応していると、デバイス達が動き出した。…動き出した!?

 

「と、飛んだよ!? 動いたよ!?」

「ど、どうして!?」

 

慌てる私達にその反応が予想通りだったのか、微笑んでいる大人たち。

 

「ちょっとした遊び心だよ。ヴィヴィオ、咲耶。そのデバイス達は色々調べて二人のデータに合わせた最新の物だけど、中身はまだまっさらな状態なんだ」

「監修したアインス曰く『私みたいな特殊な例を除けばデバイスはマスターと一緒に成長していくもの。だから、出来ればこの子達の名前も決めてあげて欲しい』だって」

 

名前か…。考えていたのは有るんだよね。

 

「じゃあ、外で認証しようか?」

「「うん!」」

 

私の家の庭に出て、私達はマスター認証を始める。まずはヴィヴィオから。

 

「マスター認証、ヴィヴィオ・T・スクライア。術式はベルカ主体のミッド混合ハイブリッド。私のデバイスに個体名称を登録、愛称は『クリス』。正式名称は『セイクリッド・ハート』。…行くよ、クリス! セイクリッド・ハート! セーット・アーップ!」

 

ヴィヴィオは変身…もといセットアップする。大人モードに。

ちゃんと上手く行ったのは流石ヴィヴィオのデータを調べてヴィヴィオの為に作ってあるだけはある。流石はアインス。

にしても、セイクリッド・ハートか。ホントにヴィヴィオはなのはさんの事が好きだね。

 

「なのは!? ヴィヴィオが聖王モードになっちゃったよ!?」

 

突然の事に驚くフェイトさん。

 

「ママ、パパ、フェイトさんに説明してないの!?」

「僕はなのはがしているものかと…」

「つい、うっかり…」

「うっかりってー!?」

 

ヴィヴィオのツッコミが我が家にこだました。

ここから、スクライア家によるフェイトさんに向けての説明を始める。

私はトレーニング中に何度も見てるし、ママもパパも知ってたから見てるだけ。

フェイトさんが納得した所で次は私のマスター認証を始める。

 

「マスター認証、八神咲耶。術式はベルカ主体のミッド混合ハイブリッド。私のデバイスに個体名称を登録、愛称は『クラウ』。正式名称は『クロス・クラウド』。…それじゃ、私も。クロス・クラウド、セーット! アーップ!」

 

私のバリアジャケット、ベルカ主体だから騎士服になるかな。

色は私の魔力光と同じ白。ところどころにピンクのアクセントが入っている。

全体的に格闘戦しやすいように、動きやすさ重視のデザインにしてある。上は半袖、下も短いパンツ。それに両手両足には打撃の保護用にしっかりと布を巻いている。魔力で出来た物だから、布だけど、結構丈夫だ。

 

「うん、いい感じ! パパ、ママどうかな?」

「似合ってるよ」

「私もそう思うで。咲耶には白が良く似合うなー」

 

二人に褒められて嬉しい。思わず笑顔になる。

 

「よし、ヴィヴィオ、魔法の練習に行こう!」

「そうだね! 良いよね?」

 

ヴィヴィオがそう聞いて、パパたちは頷く。

私達は魔法の練習に向かった。場所は、ウチの傍にある海岸。いつもトレーニングしている場所。

自分のデバイスを貰って、ここからが私の魔導師としての始まりかな。




デバイスの名前の由来について。

両親のデバイスの名前を組み合わせてです。

クロス…はやての杖「シュベルトクロイツ」から。「クロイツ」はドイツ語で十字。そこを英語に。英語に直したのは後ろの名前との兼ね合わせで。

クラウド…八雲の剣「叢雲」から。雲を英語の「クラウド」に変換。

言葉に意味は有りません。語感の良い感じで。

咲耶のバリアジャケットのデザインについては、TOVfのソフィです。未来への系譜編のデザインを元にしています。TOEのファラと二択だったのですが、魔力光の色を白というのは結構前から決めてたのでファラの服には合わないかなと思ったので。
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