魔法少女リリカルなのはVivid~私のパパは魔法剣士~   作:ピーナ

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今回は全編八雲サイドです。


第二話 僕の日常

八雲サイド

 

咲耶とヴィヴィオの進級祝いをしてから数日後の休日の事、僕はいつも通りお店を開いていた。

喫茶『八神堂』は朝九時開店でそこから、メインのケーキが無くなるまでが開店時間である。平均して、午後2時にはなくなる。

休日は意識して多めに作るけど、それでも、昼ごろにはなくなる。ちなみに過去最速は開店から2時間だったりする。その日の2時間は殺人的な忙しさだった。リインとアギトが手伝ってくれて、何とかなったけど。

 

「店長、オーダー、カフェオレとモンブランです」

「はいよー。ディエチはケーキの用意しといて」

 

ウチの唯一のバイト、ウェイトレス兼コック見習い兼パティシエ見習いのディエチ・ナカジマ。

六課時代から知ってはいたんだけど、ここを開店するにあたって、流石にバイトの一人は欲しいかなと思い、募集を掛けたら応募してきたので、採用した。

ちなみに彼女がここに応募して来た理由が「ナカジマ家に入ってから料理を作るのが面白くなって、もっと勉強したいなと思ったから」との事だ。

結構筋が良いので、今では色々仕事を任せている。

 

 

今日は休日なのでお昼にさしかかるころには、ほとんどの物が無くなっていた。

 

「さて、ちょっと早いけど、お店閉めるか。ディエチ、お疲れ様」

「お疲れ様です。それじゃ、closeの札出してきますね」

 

ディエチが動き出そうとしたら、店のドアが開かれる。

 

「ちーす。ちょっといいか?」

「あっ、大和兄さん」

「久しぶり、大和。別に良いよ。店は閉めるところだけど、飲み物くらいは用意するよ」

 

入って来たのは僕の友人、吉野大和。いや、今はヤマト・ナカジマか。

最初はゲンヤさんに遠慮してたけど、結局、ヤマトもナカジマ家の養子になった。

 

「悪いな。…つーか、繁盛してんな。まだ昼だろ」

「おかげさまでね。今日は居ないけど、咲耶やヴィヴィオも手伝ってくれる事があって、それが受けてるみたいだし」

 

少し前から二人が「お手伝いしたい!」と言ったので休日の日はたまに手伝うようになった、二人とも可愛いので結構人気だ。…まあ、咲耶に手を出す奴がいたら八神家の総力を持って排除するけど。ヴィヴィオも同じ。ぶっちゃけ、もう一人の娘みたいなものだし。

 

「それで、今日は何の用?」

「ああ、一応注意を言いに来ただけだ」

「注意?」

「最近な、格闘系の実力者を狙った連続傷害事件が起こってててな。まあ、被害者が被害届を出してないから事件ではないんだけど。心配はないと思うが、念のために言いに来た訳だ」

「なるほどね~。ま、そんなに外に出歩かないし、僕が負けると思う?」

「いや、まったく。お前が負けるとか、天地がひっくり返ってもあり得んだろ」

「それより、ウチのコーチに言うべきだな。その内…」

「師匠、こんにちはー…って兄さん!?」

 

ドアを開けて入って来たのはヤマトやディエチの妹に当たる、ノーヴェ・ナカジマ。僕のしている、『八神道場』の師範代を務めている。面倒見が良いので子供達にも慕われている。

 

「おー、ノーヴェ、今朝ぶり。昨日の話を八雲に言いに来ただけだよ」

「昨日のって…ああ、なるほど」

 

納得の行ったらしいノーヴェ。昨日の内に言ってあったのね。

 

「ノーヴェが来たって事は、イクスのお見舞いは終わったの?」

 

イクス―ヴィヴィオの魔導師素体となった聖王と同じ古代ベルカの王の一人冥府の炎王イクスヴェリア。今から大体一年前に起こった事件が切っ掛けで、ヴィヴィオと咲耶はその少女と知り合った。その事件の最後にイクスは長い眠りに着いて、今もなお聖王教会の一室で眠っている。

二人は今でもたまにお見舞いに行っている。

 

「はい。子供たちは下で準備しています」

「そっか。今日は僕は行かないからよろしくね、師範代」

「…その師範代って言うの止めてもらえませんか。私もまだ修行中ですし…」

「気にしない、気にしない」

 

実際、教えるの上手いし、ピッタリだと思う。

 

「…はあ、もう行きます」

「行ってらっしゃい」

 

そう言ってノーヴェを送り出す。

 

「八雲、あんまウチの妹をからかうなよ」

「店長、私もそう思います」

 

妹を大事にしている兄と姉の図。いいねー、一人っ子の僕には羨ましいよ。咲耶も美咲の事を大切にしてもらいたいな。大丈夫だろうけど。

 

「人生は何事も挑戦だよ。人に教える事で修行じゃ得られない何かをノーヴェに掴んでもらいたいんだよ」

「…やっぱ、お前は凄いわ」

「伊達に師匠と呼ばれてないよ」

 

まあ、僕も人に教えるとか、師匠と呼ばれるのはむず痒いものがあるけど、その辺は大人としてやるべき事と割り切っている。

 

「たしかに。…んじゃ、そろそろ帰るとするか」

「ヤマト、今日上がり?」

「おお、直帰だぜ」

「それじゃ、ディエチももう上がっていいよ。ヤマト、お前は護衛として一緒に帰れ」

「別に俺は構わないけどよ、片付けとかは良いのかよ」

「ディエチが来るまで一人で店回してたから問題無いよ。ディエチは格闘系の実力者ではないけど、さっきの話を聞いたら流石に一人では帰せないよ」

「…サンキューな。そんじゃ、俺は少し待つとしますか」

 

まあ、待つと言っても、ディエチはエプロンを外すだけなんだけどね。

 

「では、お先に上がらせていただきます、店長」

「はいはい、お疲れ~」

 

僕は二人を見送った。

その後は店の片付けを手早く済ませて、夕食の準備を始める。

早いとは思うけど、今日は久しぶりにウチの家族+ヴィヴィオ達が一堂に集まるから、それなりにもてなしたい。

皆頑張ってるからなー。そんな皆に今僕が出来るのはこれくらいな物だし、頑張りますか!




次回はついに覇王登場!
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