ハイスクールD×D 転生者はアラガミ   作:オラクリオン

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主人公によるライザーフルボッコ回です


第十二話 怒れる皇帝

敵の女王(クイーン)をサリエルと姫島先輩に任せた後、俺とイッセー、小猫ちゃんと木場はそれぞれ別行動をとっていた。イッセーたちは三人、俺は単独で行動している。アラガミを生み出すことができる俺なら大勢に囲まれても、問題なく戦闘ができるからだ。しかし、これだけ動けば何人か見つかるかと思っていたのだが、誰一人として一向に見つからない。もしかして残っている全員が固まって動いてるのか? だとしたらイッセーたちだけではまずいかもしれない。そう思い全身をラーヴァナへと変化する。聴力の高いラーヴァナは、四足歩行のヴァジュラ型なので機動力にも信頼がある。すぐさま全神経を周囲の音を探るのに集中させる。すると、金属と金属がぶつかり合う、独特な高音が聞こえた。すぐさま音が聞こえた方向へと走り出す。校舎裏の森へとたどり着いた俺を迎えたのは、辺り一帯を覆い尽くす剣の山とその中心に立っているイッセーと小猫ちゃん、そして手に持つ剣を地面へと突き刺している木場、そしてその光景を驚いたように見つめるクルクルと髪をまいた、いかにもお嬢様といった外見の少女、そして少女につき従うようにしているとんがり帽子をかぶった魔法使いのような少女だった。

 

<ライザー様の戦車1名、騎士1名戦闘不能です>

 

アナウンスが入り、ここで敵が二人倒されたことを知らせる。そして俺に気づいたイッセーがこちらを向く。

 

「のわ!? 怪獣!? …ああ、アラトか」

「おいこら、なんだその怪獣=俺の図式は」

 

失礼すぎる判断の仕方だな、おい。そんなことを考えながら姿を人間に戻す。すると四足歩行の怪獣が人間に変わるのを見た少女たちは驚き固まってしまう。

 

「な、何なんですの…? 赤い光を受け取った途端、いきなり騎士が強くなったり、怪物が人間になったり… グレモリ―眷属っていったい…」

「うん、まぁそうなるよな」

 

この子が言ってるのは当然のことだな。

 

「って、いけませんわ。ここは余裕を見せないと…」

「(小声だけど聞こえてるんだよなぁ…)」

 

なんか頑張ろうとしてるこの子見てたらほんわかしてくるなぁ…少し間の抜けたことを考えてるのはわかってたが、なんとなくのほほんとしてしまう。すると唐突に足に痛みを感じる。痛くて声も出せず、一体何がと下を見てみれば近づいてきていた小猫ちゃんが俺の足を踏みつけてグリグリやっていたのだ。

 

「あの、小猫ちゃん?」

「…なんですか?」

 

声がめっちゃ不機嫌なんだけど…え? 何? 俺なんかした?

 

「自覚がないのが一番たちが悪いです」

「俺声に出してなかったはずなんだけどなぁ!?」

「顔見ればわかります」

 

おおう、焦ったぜ、小猫ちゃんが読心術でも使えるようになったのかと…

そんな、傍から見れば漫才でもしてるかのような光景を見せられたお嬢様風の少女は顔を俯けながらプルプルと体を震わせている。

 

「やべ、怒らせちゃった…?」

「気を付けてください。彼女はライザー・フェニックスの実の妹、レイヴェル・フェニックスです」

「彼女も不死ってことか…」

 

お嬢様風の少女、レイヴェルはうつむけていた顔を上げ、何とか取り繕いました感満載の顔でこう言い放った。

 

「うふふ、あなた達こんなところでふざけている時間はあるのかしら?」

「なんだと?」

「今頃きっとあなた達の王とお兄様が戦っているのでしょうねぇ?」

「「「!?」」」

 

それを聞いた俺たちの間に驚愕が走る。部長とライザーが戦っているだと!? そうならないためにアラガミを配置しておいたはず…

 

「もちろん、お兄様一人だけではありませんわ。兵士が五人ついて行ってますもの」

「…木場、お前何人倒した?」

「戦車と騎士を一人ずつだね…」

「体育館で兵士三人、戦車と騎士一人ずつ、ここでも戦車と騎士を一人ずつ…おいおい、ほんとの可能性の方が高いぞ…」

 

マズイ、部長一人じゃライザーには勝てない…

 

「イッセー…」

「どうした?」

「お前を乗せて全速力で走る。小猫ちゃん、木場、ここを頼めるか?」

「もちろんです」

「二人とも、部長を頼むよ!」

 

木場はそういうと剣を構え走り出す。小猫ちゃんもそれに続き、レイヴェルとライザーの僧侶であろう少女に接近する。俺は自分の全身をカリギュラへと変化させる。

 

「しっかりつかまってろ」

「おう!」

 

イッセーを背中にしがみつかせて、ブースターをフルスロットルで駆け抜けていく。すぐに森を抜けて旧校舎が見えてくる。そこでは何体ものアラガミに囲まれた少女たちが圧倒的劣勢に立たされていた。見捨てるのは普段ならどうかと思うが、今はゲーム中だと割り切り、その横を飛び去る。屋上へ向かえばそこでは炎の翼を出したところどころ服が破けたライザーと、すでに満身創痍の部長と影から見守るアーシアさんがいた。

 

「部長!」

 

俺の背中から部長に声をかけるイッセー。俺はライザーを飛び越え部長の横に降り立つ。両手はカリギュラのまま人間の姿に戻る。俺の姿を見たライザーは驚きを隠せないようだった。

 

「貴様、ただの人間ではないと思っていたが、一体何者だ?」

「ただのアラガミさ!」

 

カリギュラの両腕のブレードを展開しライザーに向かって突進する。ライザーはとっさに炎弾を放つが、それはいともたやすくブレードに切り裂かれ霧散する。すぐ近くまで接近した俺はプリティヴィ・マータ同様、新たに開発した新技を放つ。

 

凍てつく皇帝の剣(ブリザーディア・インペリアル・ソード)!」

 

この技はどちらか片方のブレードに、カリギュラの全エネルギーを集中させることでエネルギー刃を発生させる技だ。全エネルギーを集める為、他の部分のステータスは少しの時間、著しく低下してしまうが、その分威力と射程は折り紙つきだ。右腕から伸びたエネルギー刃による一撃をまともに食らったライザーは大きな傷を負う。しかし、その傷を炎が覆い、それが消えるとライザーの傷は最初からなかったかのように消えていた。

 

「くっ、まさかここまでとは…!」

 

ライザーは炎の翼をはためかせ、上昇する。それなりの高さ、おそらく俺の凍てつく皇帝の剣の届かない高さだろう。さっきの一撃でどのぐらいの射程か見抜かれたということだ。それなりに修羅場は潜ってるってことか…ライザーはその高さから、先ほどのような、闇雲にばら撒くだけの炎弾ではなく、かなりの大きさの狙いをつけた炎弾を放ってくる。さっき撃った凍てつく皇帝の剣の反動で能力が低下している今の状態では、迫りくる炎弾すべてを回避することはできない。そう思い背中からクアドリガ堕天種のミサイルポッドを生成する。そこから放たれた氷結属性のミサイル群は迫ってきていた炎弾に当たり氷の花を咲かせる。そしてミサイルに邪魔された炎弾は氷の花と水蒸気を上げながら対消滅し、数が多かった俺のミサイルが逆にライザーに向かい飛んでいく。水蒸気により視界をつぶされていたライザーはミサイルを躱すことができず、直撃し地面へと落ちていく。墜落したライザーはフラフラと立ち上がり再び炎弾を放つが、俺はハンニバル・プレデターへと変身し、右手の神機でゴッドアーツを放つ。

 

「ゴッドアーツ『不終ノ太刀・海神(オワラズノタチ・ワダツミ)』!」

 

果てなき海の如く終わりの無き連撃、それが不終の太刀・海神だ。何度も繰り返し放たれる青色のオラクル光を纏った斬撃に、さすがのライザーも苦痛に顔を歪める。だが、そんなライザーの眼がふと俺から外れる。次の瞬間、今まで痛みに歪んでいた顔が、ニヤリと俺を嘲笑うかのような笑みに変わる。マズイと思いゴッドアーツを止め、神機を捕食形態でライザーに喰らい付かせる。しかし

 

「ハハハ! 別にお前を倒さなくても、俺は勝てるんだよぉ!」

「なっ!?」

 

高らかに笑いながらライザーは特大の炎弾を放つ。俺に、ではなく、たった今、アーシアさんに傷を治してもらっている、しかし今だ傷だらけの、部長に向かって。

 

「部長!」

「ヒャハハ! 戦いってのはなぁ、勝てればいいんだよ! 勝てればなぁ!!」

 

放たれた炎弾から部長も必死に逃げようと立ち上がるが、傷だらけの体のせいですぐにしゃがみ込んでしまう。そうしている間にも炎弾は部長へと迫り、次の瞬間、大きな爆発を起こす。それは、それなりに離れてる俺ですら熱いと感じるほどだった。俺の視線の先で赤い炎が轟々と燃え盛っていた…

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今回で終わるはずだったんじゃないか、って?
ええ、終わりましたよ、オリジナル主人公によるフルボッコは。
次回は原作主人公の活躍兼覚醒です。

ごめんなさい、ほんとは書き足してたらすごい長くなりそうだったから切ることにしたんです。あんまりアラトばっか活躍させるとイッセーの影が(強化案もあるので)…そんなこんなでこういうことになりました。いや、ほんとすいませんでした。

次回こそ戦闘校舎は終了ですので、どうぞお付き合いください。
感想等お待ちしております。
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