ハイスクールD×D 転生者はアラガミ   作:オラクリオン

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デート回の予定がふと思いついてしまったネタを投稿することに。このお話はいろいろおかしい部分がありますがそこはまぁifルートだからってことでお願いします。

それとレイジバースト発売しましたね! まだちょっとしかやれてませんが、やっぱり面白いですねー。


閑話 ifルート 終末

そこはまるで肉塊で出来た玉座のような場所がある広間の様だった。そこには一人の少年が眼を伏せながら座っている。少年の右側には両膝を着き、鎖で両腕を後ろに縛られ、背中には傷ついた三対六枚の天使のような羽根。目元は一つ目が描かれている布のようなもので覆われており、両足には足枷が付いている。更に両手両足には巨大な釘が撃ち込まれている巨人。左側で片膝をついているのは、全身を炎に包まれた、御伽話に出てくるような悪魔の姿。曲がりくねった角は先端が熱により真紅に染まっている。右腕に持っている剣、左腕に持っている槍も同じように真紅に染まっており、近づくだけで灰にされてしまいそうなほどである。背後には苦しみ悶える人々の顔が映し出されている火球が二つ浮いている。ふと少年が真紅の眼を開ける。

 

「来たか…」

 

少年の言葉とほぼ同時に広間に通じるドアが蹴破られる。中に数人の少年少女たちが入ってくる。その先頭にいた少年が悲鳴染みた声で玉座に座る少年に叫ぶ。

 

「アラトォォォ!!!」

「…ようこそ、イッセー、みんな。世界の終わり、その中心へ…」

 

玉座に座る少年、アラトは、まるで生気の感じられない虚ろな目で入ってきた少年、イッセーを見る。イッセーの後ろからサリエル、ミッテルト、リアス、祐斗、サーゼクス、アザゼル、ミカエル、オーフィス、女性へと人化したグレートレッドが入ってくる。

 

「アラト…! お前、どうしてこんな…!?」

「アラトくん、どうして君がこんな…!?」

「目を覚まして頂戴、アラト!」

「それを知ったところでどうするんだ? お前たちは所詮、自らの死を早めに来たに過ぎないんだ…」

「アラト…」

「…サリエルか、他の奴等は大方、外で他のアラガミと戦っているんだろうな。お前は行かなくていいのか? いくら世界中から集めた戦士たちとはいえ、『ガイア』から無限に増え続けるアラガミを殲滅できるとでも思っているのか?」

 

そういってアラトは頭上を指さす。そこには何本もの触手の生えた球体から、女性の上半身が生えているアラガミがいた。触手の先端は口のようになっており、そこから外に向けてアラガミ達のコアとなる『種』を今も吐き出し続けている。

 

「…思ってないよ、そんな無茶なこと。だからわざわざここまで来て、元凶のアラトを止めに来たんだから」

「俺を止める、か…ククッ、ハハハハハハハハッ!」

「何さ!?」

「俺を止める、とは随分と甘いなと思ってな。俺を止めれば確かに世界の終わり…『終末捕食』は防げるだろう。特異点となった俺がいなければ、終末捕食は起こせないからな。だが! ガイアには、一年近く補給しなくても活動できるだけのオラクルは与えてある。俺を止めたところでガイアは俺の命令、『アラガミを生み出し、世界を破壊させ続けろ』という命令を実行し続ける。止めたければ俺を殺すしかない!」

「えっ…!?」

 

その場にいた全員が驚愕に見舞われる。アラトの言葉は、全員の動きを止めるだけの衝撃を与えた。

 

「俺が死ねば、お前らとは違い、俺とリンクしたままのガイアとその種により生まれたアラガミも消滅する。お前らは食事でもとればオラクルを維持し続けられる、そういう風に作り替えたからな」

 

アラトは両脇にいるアラガミと頭上のガイアを一瞥すると、再びサリエルに目を向ける。やはりその眼に生気はなく、生き残りたければ自分を殺せばいい、と言っているはずなのに、まるで他人事のように感じられた。サーゼクス、アザゼル、ミカエルたちは前へと進み出る。

 

「アラトくん、何故君はこんなことをするんだ?」

「世界中にアラガミを放って、人間も悪魔も天使も堕天使も喰わせて、何がしてぇんだ、テメェは!?」

「自分の家族すら危険に巻き込んで、一体どうしてしまったというのですか…?」

「それを知ってどうなる、とさっきも言っただろう…まぁいい、冥途の土産、というやつだ」

 

アラトは玉座から立ち上がりまるで舞台の上で劇でもやっているかのごとく大仰に語り始める。

 

「俺は以前から世界各地に動物に変身させたアラガミを放っていた。そいつ等から送られてくる情報を見て愕然としたよ。知識としては知っていたつもりだった。しかし実際に見れば、それが本当に(おぞ)ましいものだと知ったよ」

 

身にまとっている『B特装黒上衣・長刀』の裾を翻しながら目を伏せるアラト。僅かに顔をしかめまた大仰に話の続きを語り始める。その眼にはわずかに光が灯っていた。

 

「秘密裏に行われている同じ人間同士による奴隷化、自らの子を売り飛ばした挙句その金で酒に明け暮れる両親、悪魔による人間の強制的な眷属化、そして眷属にさせられてしまった者たちへの虐待性的暴行冷遇など、一部の幹部たちが腐っている教会、堕天使たちによる無意味な殺戮…それらすべてを知った俺は決めたのさ。世界を壊して、新たな世界を創ると!」

「「「………」」」

 

その場にいた者たちはアラトの口から語られたこの世界の闇に信じたくない、信じられないといった表情になっている。オーフィスとグレートレッド達は無表情のまま目を伏せている。

 

「終末捕食により世界を一度、0へと戻す。そこから新たな生命が、世界が始まる」

「家族も、友だちも、みんなを捨ててまで、欲しい…?」

「オーフィス、お前が次元の狭間に帰りたがっていたのと同じさ。全てを(なげう)ってでも、俺は世界をやり直さなければいけない」

「それで本当に世界が平和になるとでも思っているのか、貴様は?」

「グレートレッド、あんたも見てきただろう? この世は闇が多すぎる。虐げられた人たちの不幸の上で、笑って幸せを享受できるほど、仕方が無いことだと言えるほど、俺は大人じゃない!…これ以上の語り合いは無意味だ…お前らはここで朽ち果てろ!」

 

アラトは侵食モードへと変身し、右腕にロングブレード型神機を出現させる。

 

「やれ! 『サンダルフォン』! 『ベルイアル』!」

 

アラトの命令を受けた二体のアラガミ、拘束された天使のようなアラガミ『サンダルフォン』と燃え盛る悪魔のようなアラガミ『ベルイアル』は、主からの命を受けて立ち上がるとイッセーたちへと向き直る。サンダルフォンは雄叫びを上げ、ベルイアルは剣と槍を振り今一度構え直す。イッセーたちも神器や魔力などのそれぞれの武器を取り出す。

 

「アラト…クソッ! 行くぞドライグ! あの大バカ野郎を止めるんだ!」

『おう! 俺たちの全力を尽くすぞ!』

「我目覚めるは―――」

『過去は変えられない』『今は覆せない』

「無限を纏い、夢幻を宿す緋天の赤龍皇帝なり」

『けれど未来がある!』『運命など関係ない!』

 

イッセーはアラトのおかげで辿り着いた、自らの『覇』を唱える。

 

「荒ぶる神の力を鎮め、血の衝動を解き放つ」

『怒りを制して力に変える!』『己の願いを解き放つ!』

「我、矛盾を体現せし龍の皇帝となりて―――!」

『仲間を護り、敵を薙ぎ払う、それこそが我らの願い!』

「汝を悠久なる神の楽園へと誘おう!!!」

「『もう何も、失わせなどしない!!!』」

 

『Juggernaut God Drive!!!』

 

イッセーの体を深い深い紅の鎧が覆っていく。全身は刃のごとく鋭く、しかし盾のように堅牢なイメージを抱かせる。鎧は全体的に細くなっているが、各所は重厚な鎧のように厚くなっている。頭部はルフス・カリギュラのようになっていて、背部から生えている翼は、これもまた刃のような鋭さを宿しているが外側の鱗はどんなものでも傷つきそうににないほどの輝きを放っている。右腕にはショートブレード型神機と一体になったアスカロン、左腕には神々より与えられた聖なる盾『イージス』が掲げられており、両前腕部にはルフス・カリギュラのブレードが付いている。そして全身を覆う黒いオーラにより、その姿は圧倒的な存在感を放っていた。

 

双極を宿す(ルフス・ドラグニル・)緋天真紅の(ジャガーノート・)覇龍皇帝(オーバードライブ)!!!」

 

それを見たアラトは目を細めながら少し悲しげにつぶやく。

 

「覇龍、か…」

「それだけじゃねぇのは、お前が一番知ってるだろ! 行くぜ、ブラッドレイジ!」

『Rage Burst!』

「うぅぅぅおおおおおおぉぉぉぁぁぁ!!!」

 

イッセーの背中から金色と赤色に輝く翼のようなものが飛び出す。神機型アスカロンもその翼に共鳴するかのように金と赤に輝き始める。翼は覇龍により生まれた龍の翼と相まって神々しさを感じさせる。

 

「そうだな、イッセー…それを教えたのは俺だ、だから俺も使ってくることぐらいわかってるよな? 行くぞ、ブラッドレイジ」

 

アラトの背中からは金と黒、いや、ほぼすべてが黒に塗りつぶされた翼が生えてくる。神機にも闇の如き輝きが纏わりつく。

 

「アラトとは…二度も戦いたくなんてないんっすけどねー…」

 

ミッテルトはヴァリアントサイズ型神機を出現させるとクルクルと手元で回転させる。その眼は憂いを帯びており、言葉の通り戦うことを嫌がっているようだった。

 

「ミッテルト…お前もブラッドレイジを使ったらどうだ?」

「わかってるっすよ…あーあ、ほんとどうしてこんなことになったんすっかねぇ…今となっては、言うだけ無駄かもしれないっすけどね。ブラッドレイジ、行くっすよ」

 

ミッテルトの背中からも金色の翼が生え、鎌を光が覆う。そんな二人の背後から他の全員が走り出す。途中に祐斗が後ろを振り返り、こう言う。

 

「二人とも! 僕たちがあの二体の相手をする! だから二人はアラトくんを!」

「おう! 任せとけ!」

「りょーかいっす!」

 

リアス、祐斗、サーゼクス、オーフィスはサンダルフォンを。サリエル、アザゼル、ミカエル、グレートレッドはベルイアルへと向かっていく。

 

 

*                    *                     *

 

 

向かってくる四人に対して、サンダルフォンが口から超音波を放つ。その音波を受けたオーフィス以外の三人が苦しげに呻く。

 

「こ、これは…聖歌を聞いた時と同じ感じ…!?」

「うぐっ…なるほどね…サンダルフォンは、天国の歌を司るそうだ。このアラガミも、元となった天使と同じ力を持っているということか…!」

「くっ…神討ちの神剣(ゴッド・スレイヤー)!」

 

祐斗は聖魔剣を生み出すと思い切り振るい、音の攻撃を断ち切る。その隙に放たれた消滅の魔力がサンダルフォンへと殺到する。さらにはオーフィスによる魔力砲がサンダルフォンを飲み込む。

 

「やったの…?」

「いや、まだだ!」

 

煙の中から巨大な人影が見えてくる。現れたサンダルフォンがその身を震わせると両腕を封じていた鎖が音を立てて砕けちる。サンダルフォンは、自由になった両腕に巨大な光の槍を生み出し、それを四人に向かって投げつける。

 

「ゴアアアアアアッ!」

「天使みたいな見た目なのに、まるで獣ね…!」

「みんな! 同時攻撃だ! くらえ、滅びの魔弾(ルイン・ザ・エクスティンクト)!」

「これならどう!? 崩壊の魔砲(ルイーナ・ザ・エクスブラスト)!」

闇神剣・影獄(ニュクスリアソード・シャドウ)!」

無限龍蛇咬(メビウス・ファング)…!」

 

幾つもの滅びの魔弾が、全てを崩壊させる魔砲が、黒き影を纏ったいくつもの斬撃が、無限を描きながら突き進む強力な魔力弾が襲いかかる。それらすべてを受けたサンダルフォンは、その体をオラクルの粒子へと崩壊させながら消滅する。消滅していくその中で顔を覆っていた布が外れ、顔が露わになる。その眼に涙をいっぱいに溜めながら、サンダルフォンの口が動く。しかし、その口から声が出ることはなく口元のみが、こう動く。

 

『ありがとう、そして、どうか主を救ってあげてください』

 

と。それを見たリアスは先ほどの自らの言葉を恥じる。彼は理性の無い獣などではない。ただ主の望みのために全力を尽くしていただけだったのだ。そして自らが朽ちていこうとしている今その瞬間も、主のことを気にかけている。

 

「任せて頂戴。必ず、アラトのことは救って見せるから」

 

サンダルフォンは口元を僅かに綻ばせると、完全にその体を霧散させた。

 

 

*                    *                     *

 

 

一方、ベルイアルは剣を、槍を振るい迫りくるサリエルの光弾を弾き、アザゼルとミカエルの光の槍や剣を防ぐ。途中グレートレッドが攻撃をかけようとすると背後の火球から巨大な炎弾を放つ。

 

『『ソドムノ煉炎』! 『ゴモラノ獄炎』!』

「くぅっ! 先ほどから同じことばかり…!」

『貴様ガ一番厄介ナノデナ、赤龍神帝』

「俺らを忘れんなっ!」

「はぁぁぁあああ!」

「フロウリングレイ!」

 

アザゼルとミカエルが放った特大の光の槍と、ニュクス・アルヴァへと進化したサリエルの放つ七つに分かれて迫りくる光弾に対して、光槍二つは剣で叩き落とし、槍で振り払ったが、七つの光弾はソドムノ煉炎とゴモラノ獄炎一発ずつを打ち込むことで五発まで数を減らす。しかし残る五発は四肢と胴体に直撃し、一瞬体勢を崩してしまう。その隙に懐に潜り込んだグレートレッドの拳が的確に、光弾の命中した場所を抉る。苦しみに呻くベルイアルに駄目押しとばかりに全員からの同時攻撃が襲う。

 

混沌の聖堕槍(カオスフォールスピア)!」

裁きの雷火(ジャッジメント・レイ)!」

「トゥインクルクライシス!」

「夢想幻界!」

 

再び放たれた光の槍は先ほどとは比べ物にならないほど濃密な力を宿しており、サリエルから放たれた光弾も弾丸ではなく太いレーザーとして放たれる。グレートレッドの放った一撃は、ベルイアルの周辺の空間ごとベルイアルを飲み込む。飲み込まれた中では破壊の奔流が渦巻いており、それが解き放たれた瞬間、他の三人の大技が襲い掛かる。煙が収まると、そこには右腕以外の四肢を消し飛ばされ、背後に浮いていた火球も消え去ってしまった、ボロボロのベルイアルがいた。

 

「…あなたは、アラトが世界を滅ぼしてもいいと思ってたの…?」

『フッ、マサカ…ダガナ、王ノ望ム世界、ソレヲ創ル手助ケヲスルコトコソガ、我ラノ使命ナノダ。我ラハ、ソノ為ニ生ミ出サレタノダカラ』

「そんな…」

『ダガ、体ハモウ動キソウニナイ。後ハ、オ前達ノ好キニスルトイイ…我ハ、モウ眠ルコトニスル…』

 

そう言い残し、その場にいた少女の決意を確かなものにして、ベルイアルは消滅した。

 

 

*                    *                     *

 

 

「二体ともやられたか…」

「あとはお前を止めるだけだ! アラト!」

「ハッ、ほざけ!」

「ウチもいるっすよぉ!」

「チッ!」

 

イッセーとの打ち合いの最中、不意に現れるミッテルトの鎌を左手から創造する新たな神機で防ぐ。アラトは、二刀流となった神機を振るい二人へと斬りかかる。しかしイッセーのブラッドアーツ『フェイタルライザー』によるカウンターを喰らい右腕の神機が上に弾かれる。ミッテルトが横合いから鎌を振るい、ブラッドアーツ『サベージバイト』を放つ。咬刃形態に加えブラッドアーツにより高められた一撃は左手の神機を吹き飛ばすと同時にアラトの体勢を崩させる。そこにフェイタルライザーで飛び上がった状態にいたイッセーの『スパイラルメテオ』が襲い掛かる。いくつものオラクル刃がアラトの体を切り裂き、イッセーの神機が体に突き刺さる。

 

「ガッ…! グハッ!」

「もう終わりにしよう。アラト…」

「ま、だだ…まだ、おわっ、てねぇ…」

「いい加減にしろ! アラト! もう終わったんすよ!」

「っ!?」

 

アラトは、ミッテルトの怒号に気圧され、言葉が出てこなくなる。ぱくぱくと数回口を閉開し、やがてガクリと肩を落とす。

 

「世界は、生まれ変わるべきなんだ…」

「そうかもしれない、けどそれは、俺たちがみんなで手を取り合ってやるべきだ」

「イッセーの覇の呪文を借りるなら、未来はウチらの頑張りでいくらでも変えられるんすよ」

「…もう一度、俺がお前らといてもいいのか…?」

「「もちろん!」」

「そうか、なら、少し離れててくれ…」

「何を…?」

「世界を、巻き戻す…『ノルン』…!」

 

アラトの呼び声に呼応して現れたのは背後に大きな時計を背負った女性のようなアラガミだった。

 

「俺のオラクルを限界までノルンに譲渡する…ノルンの感応能力『時間跳躍』を使って、世界を俺が壊す前まで、巻き戻す…もしかしたら、俺たちが出会う前まで戻っちまうかもしれない…」

「そん時はまた、親友になってくれよ?」

「じゃーウチも絶対拾ってほしいっすよ」

「…ああ、絶対に、だ…」

 

ノルンから目が眩むような光が放たれ、世界を覆い尽くす。そして、世界は、時を超え、平和だった世界へと巻き戻るのだった。世界中の人々の心に、この大戦の僅かな記憶を残して…




まさかのサイドストーリーで6000字越えという俺からすると異常事もありましたが、皆さんどうでしたか? 正直滅茶苦茶な気もしますが…楽しんでいただけたなら幸いです。

今回はオリジナルのアラガミを四体出しました。『サンダルフォン』『ベルイアル』『ガイア』『ノルン』の四体です。この四体はできれば本編でも出せたらなぁ、と思っています。

それでは、感想等お待ちしております。
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