ハイスクールD×D 転生者はアラガミ   作:オラクリオン

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お久しぶりです!


第四章 停止教室のノルン
第二十三話 悪夢と波乱の幕開け


何処までも続く、何もない焼け焦げた平原。その中に唯一(そび)え立つ一本の大樹のような建造物。その頂上でただ一人、何も映していないかのような虚ろな目で、淀みきった空を見上げる少年。その足元にはかつて仲間だった、しかし今はただの肉塊となってしまっている者たち。少年は空を見上げたまま、口だけを動かす。

 

「一体、何回やり直せば…お前に会えるんだろうな…? ■■■…?」

 

 

*                    *                     *

 

 

「また、この夢かよ…」

 

眼を開けると、焼け焦げた平原でも、どこかで見たことがあるような少年でもなく、いつも通りの見慣れた天井が映る。自分が世界を破滅させかけるあの夢を見てからほぼ毎日と言っていいほど、俺はこの夢を見ている。見るたびに少年の辿る道筋は少しずつ変わっているが、行き着く結果は全て同じだった。彼が全てを破壊した後、ノイズがかかって聞こえない誰か(・・)の名前を呼んで終わる。おかげで毎朝落ち込んだ気分での起床を余儀無くされる。悪夢の余韻を頭を振り起き上がる。制服に着替えながら、やはり気になる悪夢のことを考える。

 

「あの樹、まるで暴走した『螺旋の木』みたいだったな…」

 

悪夢の中で出てきた大樹。その姿はまるで暴走した螺旋の木に似ていた。そして、その頂上に佇む一人の少年…

 

「あれ?」

 

そういえば何故、俺は彼を『どこかで見たことがある』と思ったのだろう。彼の顔はほとんど(・・・・)写って(・・・)いなかった(・・・・・)というのに。夢の進み方もまるで彼の視点から見ているような感じだったし…

 

「ああ、クソ…はっきり思い出せねぇ…」

 

普通の夢のように、見ているときははっきりしているのに、目が覚めた途端に内容が思い出せなくなる。モヤモヤとした感情の中、下の階から俺を呼ぶ声が聞こえてくる。急いで着替えを終え、漠然としない不安のような感情を胸にしまったまま、下の階へと降りていく。

 

 

*                    *                     *

 

 

「冗談じゃないわよ、全く…」

「す、すみません…」

「いいのよイッセー、あなたが悪いんじゃないんだから」

 

部室の中では何やら面倒事のような空気が広がっていた。部長は頭を抱え、イッセーは気まずそうにしている。他のみんなは通常運転だが。

 

「アザゼルはかなり重度の神器マニアだと聞くわ。恐らく、あなたの赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)が目当てなんだろうけど…」

「何かあったんですか?」

「ああ、アラト。それが堕天使の総督であるアザゼルがイッセーを悪魔の仕事を使って呼び出していたのよ」

「それでイッセーの神器がどうだって言ってたんですか」

「まさかこんな形で接触してくるだなんて…」

「アザゼルは昔からそういう男だよ、リアス」

 

聞きなれない声が聞こえてくる。その声の方へと振り向けば、部長と同じ紅い長髪の男性が立っていた。その男性に気が付いた部長は一瞬唖然とした後、ハッとなりその男性に対して驚きの声を上げる。

 

「おおおお兄様!?」

「お兄様ってことは…この人が魔王様!?」

 

小猫ちゃん、木場、姫島先輩はその場に跪き、アーシアさんとゼノヴィアはポカンとしている。すると魔王様は

 

「いや、今日はプライベートで来ているんだ。そんなに畏まらなくていい。いつも通りに寛いでくれ」

 

その言葉を聞いた三人は恐る恐る顔を上げ立ち上がる。アーシアさんとゼノヴィアはようやく事態を理解したのかアタフタしている。

 

「久しぶりだね、リアスとその眷属たち。そして…」

 

魔王様の視線が皆から俺へと移る。

 

「人ならざる異形の少年、神代荒斗君」

「お会い出来て光栄です、サーゼクス・ルシファー様」

 

人ならざる異形の少年、ね。少し前までの俺なら気になってたんだろうけど、今は何ともないな。サーゼクス様の後ろには彼の『女王(クイーン)』であるグレイフィアさんが佇んでいる。

 

「いやいや、こちらとしてもこの前のゲームで八面六臂の活躍だった君に会えるのはとても嬉しいよ」

「それよりどうしてお兄様がこちらに?」

 

するとサーゼクス様はよくぞ聞いてくれた、とでも言いたいかのようなしたり顔で、ポケットから一枚のプリントを取り出す。そこには『授業参観のお知らせ』と書いてあった。

 

「もうすぐ授業参観だろう。これは、兄として来なければならない理由だよ」

「ぐ、グレイフィアね!? どうして見せたの!? せっかく黙っていたのに!」

「サーゼクス様はこの学園の理事をしています。当然、彼の女王である私の耳にも学園の情報は入ってきますので」

「可愛い妹の勉学に励む姿を見たいのでね。魔王の仕事を速攻で終わらせてきたのさ。ちなみに父上も後から来るそうだよ」

「お父様まで…!?」

 

顔を真っ赤にしながら慌てふためく部長。親類が来るっていうのは何とも言えない気恥ずかしさがあるからなぁ、なんとなく今の部長の気持ちがわかる。俺は来るはずないし、安心だな。

 

「あ、そうだアラト。私たちも授業参観行くからね?」

「…え?」

「アラトがこっそり捨ててたあのプリントをキュウビが見つけちゃってさ、みんなで行こう、って」

「なん…だと…!?」

 

予想だにしていなかった方向からの口撃に俺は茫然としてしまう。考えてみろ、学校の、クラスの中で、もしもキュウビ達が『ご主人様』なんて口走ったら…!

 

「残りの高校生活不登校になるレベルだぞ…!」

「いやー、私も止めようと思ったんだけどねー。あのはしゃぎ様を見たら、ねー」

「ねー、じゃねぇよ!」

 

ガックリとうなだれる俺を見て、クスクスと笑うサーゼクス様に対して部長はどうにか授業参観に来ないようにしようと捲くし立てる。

 

「お兄様は魔王様なんですから、いくら親類とはいえ一悪魔を特別視するのはどうなんですか!?」

「ふふふ、そこも抜かりないさ。三大勢力の会談が行われる会場が此処、駒王学園に決まったんだ。授業参観はそのついで、ということに出来るのさ!」

「会談が、ここで…?」

「ここにはいろいろな要素がありますしね」

「その通りだよ神代荒斗君、長いからアラトくんと呼ばせてもらおう。確かにここには魔王である僕の親類であるリアスとその眷属、同じく魔王であるセラフォルー・レヴィアタンの妹、ソーナ・シトリーとその眷属。これだけでも十分だが、君たちがいることも大きな要因だ」

 

そういうサーゼクス様の顔は先ほどとは打って変わって真剣だ。

 

「レーティングゲームで見せた力、それに加えて上級堕天使であるコカビエルを圧倒し、暴走したエクスカリバーを止めた実力。更には自らの配下を作り出すことが可能である正体不明の力。これらの情報を見れば、君が重要視されるわけだよ」

「………」

「率直に言おう。三大勢力だけでなく、他の神話体系なども君に注目している。その力を自らの陣営に引き込めないかと。今や君たちは、強大な力を持つ新たな勢力として認知されているんだ」

「まぁ、こうなるであろうことは理解していましたが…」

「君は聡明だね。まぁそんなわけで、この学園が選ばれたのさ」

 

アラガミの力を使っていればそのうち眼を着けられるであろうことは解っていたが、まさか新しい勢力として見られてしまうとは。そうなればみんなに負担をかけることになるだろう。これから、どうなってしまうんだろう。




改めて、お久しぶりです。

めでたく進級できることとなり一安心していたのですが、今度は春休みのほとんどが部活で埋まっていて小説を更新する暇がありませんでした。

しかし今回の四章は物語にかかわる重要なことを書いていきたいので、なるべく早く更新したいと思っています。

今回の冒頭の夢、伏線みたいな感じでやってみましたが…正直どうなるかわかりません。そもそも回収できるのかどうか…

とにかく、感想等お待ちしております。
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