「ふぅ、暑い…」
貴重な休日の日曜日に俺たちは突然部長に呼び出された。言われた通りに体育着を持って学校にいくとそこにはオカルト研究部のメンバーが勢ぞろいしていた。
「急に呼び出してしまってごめんなさい。けど、どうせなら大勢で楽しみたいと思って」
どうやら学校のプール掃除をする代わりに一番最初にプールを使ってもいいと生徒会と交渉したらしい。確かに人手は多い方が良いし、遊ぶなら大勢の方が楽しいだろう。ということでプール掃除にいそしんでいたのだが…
「いくらなんでもあっついぜ…」
「だなぁ…」
今日はプール日和の猛暑日なのだが、プールに入ってるのではなく掃除をしている今現在では辛いことこの上ない。着ている体育着も汗で体に張り付き気持ちが悪い。が、イッセーはむしろ、
「汗で体育着が体に張り付いててエロ過ぎる…!」
とか言ってうちの女性陣に引かれてたが。暑さに項垂れながらも懸命に体を動かし、どうにかプール掃除を終わらせると、皆はすぐさま更衣室へと向かい水着へと着替えてくる。俺も水着に着替えたのだが、思いのほかプール掃除が重労働だったため少し休憩を入れている。アラガミのみんなも生まれてから初めてのプールに少しはしゃいでるようだ。普段はクールなマルドゥークやカムランですら楽しんでいるように見える。アバドンは運動が苦手だから、プールで泳がずにプールサイドではしゃぐみんなを見て楽しそうに笑っている。
「ご主人様~、遊びましょうよ~?」
「ちょ! その格好でくっ付くなって!」
キュウビは部長や姫島先輩のようにかなり際どい水着を着ており、腰にパレオと呼ばれる布を巻いている。色は紫色でよく似合っているのだが、その格好で抱き着かれるとかなりマズイ。
「おやおやぁ? どうしたんですか、ご主人様ぁ?」
「っ!? 耳元でささやくなッ!」
離れろと言ったにもかかわらずキュウビはさらに体を密着させてくる。背中にはキュウビの肢体が密着しておりかなり心臓に悪い。あれ? そういや俺心臓あったっけ? 等と現実逃避をしたところで背中の感触が消えるわけでもなくすぐに現実に引き戻される。そろそろ限界を感じ始めたところで、
「こらっ!」
「きゃん!?」
軽い打撃音がすると同時に密着していたキュウビが離れる。見ると、そこにはキュウビほど際どくはないが、似たような雰囲気の水色のビキニに同じくパレオを巻いているサリエルの姿があった。そしてその手には『アラガミ鎮静用ハリセンmark-1』が握られていた。
「た、助かった…」
「別にいいよ~。でも、なんだかんだ言ってアラトも男の子だね~?」
「ウグッ!」
ニヤニヤと笑うサリエルの言葉に何も言い返せず恥ずかしくなってしまう。サリエルは縮こまってしまった俺を見てクスクスと笑う。
「別にいーんじゃない? あんまり節操なしでも困るけどね~」
「…はい…」
「イタタ…もう、サリエルさんってばひどいですよ!」
「ごめんね~? でも外であんまりやり過ぎるのはダメだからね?」
「外じゃなきゃいいのかよ!?」
そんなどうでもいいような会話をしていると突然部長に呼ばれ、小猫ちゃんの水泳指導を任された。いわゆるスクール水着で胸元にひらがなで『こねこ』と書かれており、なんだかいつもより子供っぽく見えてしまう。そんな考えがばれたのか小猫ちゃんに一発貰ってしまったのは余談である。
「はい、顔上げて息吸ってー」
「プハ、すみません、先輩。練習に付き合わせてしまって」
「別にかまわないって。小猫ちゃんの頼みならお安い御用だ」
「…ありがとう、ございます…」
小猫ちゃんは顔を少し赤くし、俯いてしまう。練習を重ねることで少しずつ泳げるようになった小猫ちゃんは最後には10メートルぐらいまで自力で泳げるようになっていた。その後はみんなで遊び倒し、帰路へと着く。
* * *
しかし、家の前に着くと何やら変な”影”が見える。
「「「………」」」
遊び疲れて今まで黙っていたみんなも、今までとは別の意味で口を閉ざしている。それだけ異質な存在なのだ。思わず道のど真ん中で円になって小声で話し合う。
「え? 何アレ? 何なんですか!?」
「余が知るか!?」
「あんな変な知り合い堕天使にもいないっすよ!?」
「そ、それより、あ、あの人、さっきからこっち見てませんかぁ?」
「アバドンちゃん駄目だよ! 目を合わせたりしたら絶対ダメだからね!?」
「え? で、でも、なんか雰囲気がどんどん怖く…ひうっ!?」
「私を無視するなァァァ!!!」
「「「ぎゃぁぁぁ!?」」」
突然の怒声に驚き、みんなして飛び上がる。恐る恐る見ると効果音まで付いてそうなぐらいに怒っている謎の人物。しかし俺たちが注目すると途端にニコッ、っと笑う。
「「「え?」」」
「私を無視さえしなければいいのだ、無視さえしなければな!」
「は、はぁ…?」
「私の名は華麗なるビクトリーム様だ! さぁ、言ってごらん?」
「「「か、華麗なるビクトリーム様…?」」」
「テメェらを地獄に送る名前だァァァ!!!」
「「「おわぁぁぁ!?」」」
「というのは冗談で」
「「「冗談だったのかよ!?」」」
そこまでやってハッ、と気が付く。こいつを俺は知っている。この世界に生まれてからじゃなくて、前の世界にいるときから。そうこいつは…!
「なんで魔物のお前がこの世界に…!?」
「…ようやく分かったか。とにかく、今日はその話をしに来たんだ」
* * *
家の中に入りお互いにに向き合う形で座る。他のみんなには少し席を外してもらっている。
「さて、私のことについてだが」
「俺と同じ
「なぜわかった!? 貴様ッ…! アラガミだけでなくエスパーの力まで…!?」
「いや普通わかるだろ」
過剰に驚くビクトリームさんを見て溜め息をつく。この人は、いや、この姿は本来『金色のガッシュ!!』という漫画に出てくるキャラクターなのだ。すなわち、『オラクル細胞』同様『ハイスクールD×D』の世界には存在しないモノのはず、それが此処にいるということは、俺と同じ転生者以外に考えられない。
「それで、どうしていきなり俺の所に?」
「ふむ、突然だが神代君、いや、少し呼びづらいからアラト君と呼ばせてもらおう。君はこの世界についてどこまで知っている?」
「え…?」
「その顔だと知らないようだな」
突然に振られた話題、それが一体何を意味しているのか分からず固まってしまう俺。そんな俺を見てビクトリームさんは納得したように頷く。
「まず最初に、この世界には私と君以外にも、恐らくだが数人の転生者が存在している」
「なっ!?」
「これはあくまで私の推測だ。これを説明するにはもう一つ、別のことを説明せねばならない」
「もう一つのこと、ですか?」
「ああ、この世界を私は『乖離性多重融合世界』と呼んでいる」
「か、かいりせい…?」
「少し難しい言い方だったな。簡単に言えば、『原作から乖離し、いくつもの別の世界の存在が融合した世界』だ」
「それって一体、どういう…!?」
俺は最後まで言葉を紡ぐことができなかった。目の前に出された数枚の写真、そこに移っていたのは紛れもなく俺が知っているものばかりだった。
「不完全だけどこいつは『コンゴウ』に『赤い魔本』、それにこれは『
「そう、『GOD EATER』、『金色のガッシュ!!』、『Fate/staynight』…どれもこれもこの世界には存在しないものだ。いや、『刺し穿つ死棘の槍』は
「でも、どうして!?」
「さっきも言っただろう?
「それってつまり、『GOD EATER』は俺、『金色のガッシュ!!』はビクトリームさん、それと『Fate/staynight』に関連する特典を持った転生者がいる、ってことですか?」
「ああ、その通りだ。ただ『Fate/』はよく特典で選ばれてるからな」
「え? 特典って選べたんですか?」
俺は神様がくじ引きで決めてしまったから全く選択権などなかったのだが…
「ノルンさん、俺にだけ嫌がらせ…?」
「ノルン? 私を転生させたのはヘラと名乗っていたぞ?」
「…え?」
「転生させている神は複数いる、ということなのか…? ふむ、その辺はよくわからんな…」
「確かに、そうですね…」
少し自分の中で引っ掛かりを感じる。しかし漠然としたもので何がどう引っかかっているのかわからず少し歯がゆさを感じる。
「まぁいい、目的である君との対話はできたからな」
「あ、はい、今日はいろいろとありがとうございました…」
「ああ、それと、ちなみに私はサーゼクス・ルシファーの
「え? えええぇぇぇ!?」
「さらばだ!」
「あ、ちょ、嘘だろぉぉぉ!?」
久しぶりの更新あーんどいろいろ無茶苦茶な気がする…
何かいろいろ設定追加しましたが…質問あったらどうぞ、答えられたら答えます!
それでは、次回もよろしくお願いします!
補足
感想であったんですが『金色のガッシュ!!』は漫画のタイトル、『金色のガッシュベル!!』はアニメのタイトルなので今作では漫画版のタイトルで通していきたいと思います。