ウルトラマンヴィクロス《完結》   作:ラピス・ラズリ

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受け継ぐ覚悟

「ジィアアアアッ」

アバドンたちの裂帛の気合が空間を裂く。

「……正直に言って良い…?しんどいから早く終わらせたい…」

ラピスは呼吸を整えながら言った。

「つかお前よく生き残ったよな」

軽口を叩くアバドン。

「マジでギリギリだったからね?ヤプールの空間に入って邪気を感じる子供を手刀で失神させて出口探すのに余計な光エネルギーを消耗させてまで脱出してここまで来たんだからね?」

ペラペラと長く説明するが、前回描写してないだけで事実である。

「さっさと奴を倒さねば!」

ビータはサッと懐に入る。

「てか…その……変に力が入らないのは気のせい?」

「……!」

ヴェラムはなにかに気づく。

「……ヴェラム?」

「しまった、罠だ……!」

その声とともに、響き渡る金属音。

「……鎖…!?」

「しまった!」

「グッ…!」

一瞬にして鎖が四肢と首に巻きつき、十字架に磔にされてしまった。

「……ヤバいなあ」

「……ヤプールの可能性があるなら…何をする気?」

「察したぞこれ」

大きく溜息を吐いたラピスは覚悟を決めて呟いた。

「ヤプール……見ているんでしょ?察してはいるけど、何をする気?外道がッ」

『フフフ……往くのだヴィクロスキラー!奴らからエネルギーを奪ってやれ!』

ヤプールは叫ぶ。それと共に現れたのは─────────

「マジか」

────────異次元超人 ヴィクロスキラーだった。

「エースキラーならぬ……ヴィクロスキラーがきましたか…」

最早次の展開に察しがついてこれ以上何も言えなくなってしまった。

『ウルトラマンアバドンのアバディウムエネルギーをヴィクロスキラーに移せ!』

くずおれるアバドン。

『ウルトラマンヴェラムのイマージュパワーをヴィクロスキラーに移せ!』

項垂れるヴェラム。

『ウルトラマンビータのガレリオンエネルギーをヴィクロスキラーに移せ!』

首がしなだれるビータ。

『ウルトラウーマンラピスのスターライトパワーをヴィクロスキラーに移せ!』

糸が切れたかのように力が抜けてくずおれるラピス。

4人のエネルギーは全てヴィクロスキラーに移されてしまい、カラータイマーが鳴り響き始めた。

 

エネルギーを奪われたせいでろくに力が出ず、鎖から自力で解放することは不可能だった。

『フッハハハハハハハ!!闇の力よ奴らを奪い殺せ!!』

「ヴィクロス……」

ラピスは小声で呟いた。

『フッハハハハハハハ!!!』

 

その頃地球では。

完全に意気消沈してしまった羅衣は家でスケッチブックに人物画を描き続けた。ここ1週間、基地にも行ってなかった。右腕にはヴィクロスリングを身につけていなかった。ウルトラマンとして心を失いかけているのだ。脳には自分の過ちだけが残り、エースのことをガラスの破片のように忘れかけていた。

その陰鬱な雰囲気は闇を纏っているかのようだ。

「……はぁ…」

溜息だけが空間に響き渡る。そして愛用のスケッチブックに描かれた人物画は全て《紗和》だった。

自分がやらかした過ちを忘れてるためか、片想い人の記憶を忘れないためにか、ひたすら紗和を描き続けていた。少しヤンデレみたいで怖いが…

目には光がとうに無く、哀しみと鬱が満ち溢れている。

羅衣はひたすら絵を描き続けた。着信にも出ることはなかった。無ツ木、キャスからの連絡は何度か来るが応対せずそのまま放置を続けた。SDTの基地全体も羅衣のことを心配していた。

このまま超獣が現れないことを祈るしかなかった。超獣を倒せるのは羅衣(ヴィクロス)のみだ。

「まったく……」

そんな声があった。

「……誰かいるのですか?」

手を止めて部屋中を確認した。だが誰かがいる気配はなく、気のせいと結論付けて絵を描くのを続けた。

「情けない」

そんな声が風に乗ってきた。

アバドンの声だった。

「ッ……だ、誰かいるのですか…!?」

立ち上がってスケッチブックと筆をその場に落として部屋中を見渡した。

「……でもこの声…アバドンさん?(いや、僕は今人間体だから慎太郎さん?どっち?)」

「俺だ、アバドンだ。今は諸事情でテレパシーだけを飛ばしている。端的に言うからよく聞いておけ」

「は、はぁ……僕になんの御用でしょうか?」

「惑星ジャームで捕らわれてしまった。そろそろ超獣が来るかもしれないからその時は惨たらしくてもいい、殺せ」

「!?捕らわれたって…いつからですか!?しかも、惑星ジャームって…ッ」

ふと、羅衣は自分でも気づかないくらい腕が小刻みに震えていることに気づいた。身体が闘うことを拒絶しているからだ。そして顔からは冷や汗が流れ落ち、目は泳ぎ続けていた。

「ヤプールは必死だ、俺達を葬るために……」

そう言い残し、意思は消えた。

「ア、アバドンさん…!」

羅衣の叫び声は部屋中に響いた。ふと、胸騒ぎをして窓を開いて外を見てみた。この日は一日中雨が降っていた。外は雨の降る音しか聞こえなかった。

しかし彼の目にはしかと映った。

ウルトラサインだ!

「……あのウルトラサインって…」

雨のせいでよく見えなかったが、目には映っていた文字は絶対に見逃す事はなかった。美学を独学する彼にとって視力は通常より高いからだ。

だがそのウルトラサインを読みながらも羅衣の腕は震え、冷や汗をかき続けていた。

『惑星ジャームにヴィクロスキラーが現れた。超獣を殺してから来てくれ』

アバドンの乱雑な字であった。

「うん、アバドンさんらしいですね…」

そんなこと言う羅衣だが、羅衣の震えは止まらずにいた。罪悪感に押されて身体が拒絶反応を起こし続けているからである。

だが、超獣現れたその瞬間、その震えは止まった。

『キュゴン!』

そんな可愛らしい叫びとともに、鯱のような存在が舞い降りる。

「サカマイト…!」

羅衣の身体に付いてた拒絶反応は瞬時に消えた。覚悟を決めて貴重に保管していたブレスレットを取り出し身につけた瞬間、赤い光と共にヴィクロスへと変身した。

「ハァッ!」

修行での成果を出すためにヴィクロスは集中しながら拳を構えた。

光に包まれてゆく……!

ヴィクロスは息を吸ったり吐いたりながら集中を続けた。一瞬でも取り乱すと罪悪感に押されて力が出なくなってしまうためだからだ。

そして…覚悟を決めた。

「ハァッ!!」

ヴィクロスは拳でサカマイトを吹き飛ばした。

『キュゴン!?』

バタリ。

そんな音で倒れるサカマイト。

「あれ…?なんか……余裕がありますね。サカマイト…あなたは超獣なのに弱いのですか?情けないですね」

いつものヴィクロスとは裏腹に何故か超獣に対して煽りを言った。普段のヴィクロスはこのようなことは絶対に言わない。

まぁこのサカマイト、弱さも演技だ。

「デリャァ!」

ヴィクロスの攻撃は止まらなかった。以前とは裏腹に蹴り技のキレや強さが違い、すぐにでも超獣が倒れてしまいそうな威力がついていた。

そうしていくうちにサカマイトは消える。

「ッ……ど、どこに行ったのですか!?」

拳を構えながら周囲を見渡した。

───────下からであった。

「ッ……ダァッ!」

勢いよく飛び上がり、そのまま顔面に向けて両足で踏みつけた。

それは霧散する。

そして、次は───────

────────上から来るぞ!気をつけろ!

その声は遅く、ヴィクロスは噛みつかれる。

「グゥッ…!(今の声は…!?)」

もがきながらもなんとか自力で解放し、ウルトラギロチンを放った。

それすらも避けられる。

気づけば囲まれていた。分身だらけだ。

「なに…っ!?」

ヴィクロスは集中を途切らず、拳を構えながらこの状況をどうするべきか考え始めた。ふと、先程の声が誰かのかを考えてしまう。

「(聞き覚えのある声……あの声は…)」

しかし戦闘ではその思考が命取りである。

「ッ……集中ッ!」

自分に言い聞かせるように叫び、再び状況を把握した。

どうやら分身は三体。三分の一を引けばいいだけの事だ。

「集中…集中……!」

ヴィクロスは何か思いついたのかウルトラギロチンを放った。エース直々に教わった技ではあるが、この技を極めることが出来れば、自分の《オリジナル》として使うことが出来ると分かったのだ。ギロチンが一体に向かって放たれる。

ズバッ、という音を立て、霧散した。

────二分の一。

「———散」

ヴィクロスは呟いた瞬間、ギロチンが2つに分裂した。一斉にギロチンが直撃をした。

ひとつは霧散し、ひとつは縦切りになった。

「これで終いです!」

ギロチンがさらに分裂し、完全な細切れにさせたのだった。細切れになりながらサカマイトは爆散したのだった。

そうして、ヴィクロスは惑星ジャームに向かう。

生きていて欲しいと願いながら……!

宇宙を飛び、惑星ジャームに向かうヴィクロス。急ぎの焦りのせいか飛ぶスピードが速かった。

「ッ……皆さん、ご無事でいてくだsイダァ!?」

スピードを出し過ぎたせいか目の前の障害物に激突してしまったのだった。しかもその障害物は《錆びれた刀》であった。

ヴィクロスは不快に思ったが、それとは裏腹に何故か《懐かしみ》と《同じ力》を感じたのだ。錆びれたいたため役には立たないが、刀を握りしめて惑星ジャームへ向かった。ただの荷物になるだけになるが、それでも刀から感じる不思議な力に魅了されてしまい、手にしたまま惑星ジャームへ向かうのだった。

闇はより深く黒くなる───────。

 

彼が惑星ジャームについたとき、見た光景は凄惨であった。

「ッ……あ…これは、一体…」

必要が無いのに拾った錆びた刀を岩に立てかけながらその光景に目が震えた。

あの歴戦の勇士たちが磔にされているのだ。

アバドン、ヴェラム、ビータそしてラピス───────このうちふたりはウルトラ大戦争すら経験している。

「……あ…ヴィクロス」

「ラ…ラピスさぁん!!生きていたのですねぇ!!!良かったぁぁ!!!!!」

耳を塞ぎたくなるほど声がバカデカかった。

「……うるせえ」

圧。

アバドンから放たれる圧である。

「あ…す、すみません……つい、嬉しさのあまりに…って……ヤ、ヤプール!!いるのですよね!?どこにいるのですか!?先輩達に何するのですか!?今すぐ解放してください!!!」

「切り替え早ッ…」

『フッフフフフ……』

「ッ…ヤプール、どこにいるのですか!?何をする気ですか!?」

『よく見ておけ!これが貴様らの墓となる!』

「ッ……さてはヤプール!!エースキラーを再度作ったのですか!?」

『ふふふ、ご名答。さすがはエースの弟子だ』

「ッ……なら、僕がそれを必ず破壊してみせます!エース師匠の弟子として必ずソイツを倒してやりますよぉ!クソ青ナメクジヤプール!!」

『フン、青二才がいきがりおって。行け、ヴィクロスキラー!』

ケェァウ。

そんな駆動音がした。

「ッ……僕のですって…!?」

拳を構えながらも顔には焦りが出ていた。悪戦苦闘することをヴィクロスは予測していた。

そこにいたのはエースキラーであった。しかし……。

「……目が紫だと?」

「………ヴェラムさんみたいな瞳、ですね…」

物は試しにヴィクロスはウルトラギロチンを放った。

それを防ぐのは……。

「……!おれのイマージュ!」

イマージュリフレクト星人の『マカラカーン/テトラカーン』!

「なに…!?ぐぁ!?」

予想外の出来事に攻撃を避けることができず、直撃しその場に倒れてしまった。

「……エースキラーと同様…力を…使えるのですか…!」

ヴィクロスは立ち上がり、硬くとも殴りにかかった。

それは易々とかわされる。

そして放たれるは躰道の蹴り、海老蹴りだ。

そうそれこそが────

「俺の躰道までコピーしてんのかDAMN」

「グァッ!?ッ……まだまだやりますよ!ここで倒れるわけにはいきませんからね!」

動きを少しでも止めようとフロージウム光線を放った。

それは手刀で引き裂かれる。その速度は身軽なラピス。そしてその鋭く重い空手は……!

「……オレの劣化コピーかよ」

「ッ……!はぁ…はぁ…はぁ…」

教わったガードで攻撃をなんとか避けれたが、攻撃が効かない以上ヴィクロスの体力が奪われていく。

「はぁ…はぁ……(師匠…あなたの技、お借りします!)」

ヴィクロスは体力とパワーが減ることを分かっていながらもエースから教わった光線技や体術を使い、ヴィクロスキラーを倒し続けた。

しかし何度でも立ち上がる。

ウルバトだったらきっと固有スキルの内容はダメージカットだろう。

「ッ……クソッ…」

ヴィクロスキラーが静かにヴィクロスの目の前にやってくると拳一つでヴィクロスが吹き飛んだ。

「グァァァァァ!!?」

「あの力……ゴモラ…!ボクのバトルナイザーの力も…!」

「はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…」

息を切らしながらもヴィクロスは何度も立ち上がった。だが身体がよろけて上手く立とうにも立てなかった。ふと、その横で錆びた刀が倒れたことに気づいた。

ヴィクロスキラーがその刀に目に入った瞬間、ヤプールはウルトラ大戦争の時、ヤプール直々に《癒えない傷》を作ったウルトラ剣士のことを思い出し、腹の奥底から怒りが噴出した。

ラピス達4人から見ればただのゴミに思えるが、ヤプールからは怒りが噴出し、ヴィクロスには…何か《受け継ぐ》ような力を感じるのだ。

『まさかあの剣は……』

ヴィクロスは静かにその剣を握りしめた。息を止め、剣で戦ったこともないはずが、何故か握りしめると馴染みを感じたのだ。

その瞬間、ヴィクロスキラーが暴れていることに気づいた。ヤプールが怒りに任せてヴィクロスキラーを動かしているのだ。その場にいなくてもすぐ分かる。

あのヤプールが怒りで暴れていることに…

ケェァウ!!

先程より駆動音を大きく唸らせながらヴィクロスを殺すために近寄る!

「ッ…グァッ!!ガァッ!!」

攻撃をしようにも、動きが速すぎるのか手が出ず、ヴィクロスのカラータイマーが鳴り出した。だが何故か片手に持った剣を放すことはなかった。

なぜ殺せないのかわからない。

分からないが故に恐ろしい。

ヤプールは久し振りに恐怖を覚えた。

「ッ……クッ……ガフッ」

だが体力の限界が近づき、エネルギーも消耗し続けたせいでヴィクロスのカラータイマーが鳴り響いた。

ヴィクロスがピンチだ…!

だが4人は、ヴィクロスの頭部の形に気がつく。

「!……エースさんと同じような形になってる…」

「ヴェラっち!ビータ!あとモブの青いの!あいつのウルトラホールにエネルギーを集めろ!」

「誰がモブだコラァ!!」

ラピスがツッコミながらもヴィクロスに力を託した。

「……ふん」

ふたりも力を託した。

そしてアバドンは、体内の殆どのエネルギーを照射する。

「ッ……!皆さん…」

「ヴィクロス……君に全てを託す!」

「はい!!(エース師匠…受け継ぎます。この力…!あなたがエースキラーを倒した時のと同じように!!)」

ヴィクロスは勢いよく立ち上がった。ウルトラホーンが赤く光っていた。

「受け継ぐ…!!」

ウルトラホーンからのエネルギーを集め、ヴィクロスキラーに投げ飛ばした。

「エース師匠の秘技!スペースQ!!!」

ヴィクロスキラーはついに爆散し、倒すことが出来たのだ。ヴィクロス自身もエースの秘技(?)を受け継ぐことが出来たのだった。

ヴィクロス錆びた刀でなんとか鎖を外そうとした。

しかし鎖は外れない。

「アイツを倒せたのに鎖が外せない…!やっぱ光線じゃないと効かないのですか…!?」

「ヴィ……ヴィクロス…そんなに引っ張らないで…首が」

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁごめんなさいラピスさーーーーーん!!!!」

「フン」

べキッ。

「あ……普通に取れたのですね…」

「オレの怪力がなんとかな」

「最初からそれをやれば…ん?」

「よ、よし…取れました」

ラピスの方はヴィクロスが自力で剣を使って取れたようだ。

「へぇ」

興味深そうにしつつ、アバドンはその強力で引きちぎる。

「よっと…ああ、鎖が繋がったところ痛い……ところでその剣どうしたの?」

「向かってる最中に拾いまして……謎の既視感を感じたので…仕方なく、ですね」

「……おい、それって」

「……え?」

「……これ、よく見たら…」

「……だな」

「どうやら放浪していたらしいな、オレたちはこれをあいつのもとに送るからここで離れるぞ」

「はい…!」

「行こう…(だがヴィクロスは『既視感』があると言った…まさかね…)」

一斉に飛び立ち、惑星ジャームを離れた。

 

銀河に光る五つの星。

ヴィクロスは錆びた剣を眺めながら飛び続けていた。

アバドンは途中でケルビムを食い殺す。

ビータは親衛隊員と合流しエースの元へ。

ヴェラムは安定の迷子。

ラピスはヴィクロスと共に行動していた。ヴィクロス自身が何故か離れないのだ。

「あれ?ヴェラムどこに行ったの?」

「さあどうだか、どうせ道草食ってんだろ」

実際は迷子である。

「ふーん…すぐに戻って来るといいなぁ」

「エース師匠にこれ渡したら、僕は地球に戻りますね。まだやるべきことがありますので」

「おう、行って来い」

「はい」

「とりあえず、あの〜…ヴィクロスそろそろ離れてくれない?くっついてしまうと歩きづらい」

ずっとラピスに引っ付いていたヴィクロスであった。

「はあ、幸先どうなる事やら」

「あ、エース師匠!」

ヴィクロスが駆け出してエースの元へ近づいた。

「おうヴィクロス、かなり顔つきも精悍になったな」

「はい、アバドンさん達のおかげです」

「そうか、あの粗暴な彼も随分と丸くなったものだ」

「丸くなった…?」

その言葉を聞いてラピスは後ろで少し笑っていた。

「昔の殺人衝動はどこへやら、だ」

ラピスは完全にバカにしているかのように笑っていた。

「そ、そうですか…(とはいえ特訓に関してはもう噂でいうジープみたいでした。死にかけたなぁ…)」

「……これは科学技術局に渡しておくよ」

「はい。よろしくお願いします……ですが、その…」

「ん?どうした」

「この剣……調べ終えたら、母上に見せてくれませんか?」

ヴィクロスは苦笑を浮かべていた。母親との関係はあまりよろしく無いのはエースでも知っていた。

だがエースは一瞬だけ顔を暗くしたが、瞬時に明るくなった。

「……そうか。分かった」

「ありがとうございます。では僕は地球での活動を継続していきます!」

元気よく敬礼をし、エースの元を去った。そのタイミングを見計らうようにエースは再び暗い顔になった。ラピスは意味ありげのように思えて首を傾げた。

「……この刀は、ふうむ」

「……何か、あるのですか?この刀……ウルトラ大戦争で活躍していたウルトラ族の《国宝》と聞きましたが…これは、誰の刀なのですか?」

「……ああ、これはだな──────」

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