私と貴方のカデンツァ   作:秋月玲

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今作は過去2作とは違い、恋愛メインにするかもです。


エピソード 1

薄暗い場所に少女が立っている。白銀の鎧のようなものを身につけて。

 

 

「どうしてあなたがやらなくちゃいけないのよ。セレナ」

 

 

その少女、セレナに投げかけるように話すもう1人の少女。

 

 

「大丈夫だよ。マリア姉さんがいてくれる。みんなを守るためだもの」

 

 

マリアにそう伝えて奥へと進むセレナ。奥では怪物とも怪獣とも言えそうな生物が暴れていた。

 

 

《Gatrandis babel ziggurat edenal

Emustolronzen fine el zizzl》

 

 

歌と同時に辺りを暴風が包む。

 

 

「ネフィリムの暴走が止まったぞ」

 

 

俺の側にいる連中がそう言って叫んでいるのが目に入る。しかし、俺は壁や天井が崩れていくのが目に入り、飛び出していた。

 

 

「セレナ! マリア!」

 

 

2人がいる場所まで来た頃には、瓦礫で辺りを見渡すのも難しくなっていた。

 

 

「いた!」

 

 

ようやく2人を見つけたときだ。セレナの姿を見て俺は一瞬動きが止まる。目や口、耳からも血を流すその姿に。

 

 

「セレナー!!!」

 

 

マリアの叫び声で我に帰る。セレナに大きな瓦礫が落ちてきていた。

 

 

「マリア!」

 

 

俺は咄嗟にマリアを庇うように被い被さる。セレナが押し潰される音が聞こえた気がした。同時に俺の足を砕く音も。

 

 

「嫌ー!!!」

 

 

 

 

「またあの夢を見ていたの?」

 

 

目を覚ますと、自分の部屋でベッドで寝ていたらしい。

 

 

「うなされていたわよ」

 

 

そう言って俺の手を握りしめているのは、夢で見ていた少女。いや、もう少女というより立派な女性と成長したマリア。淡いピンクの髪を揺らしながらこちらを見つめている。

 

 

「すまない。もう大丈夫だ」

 

 

俺の言葉を聞いて手を離すマリア。

 

 

「しかし、毎度勝手に部屋に入ってくるのはやめてもらいたいな」

 

 

「鍵をかけない貴方が悪いんじゃない。それに通路まで聞こえるほどうなされていたらほっとけないわ」

 

 

俺の部屋に備えつけてある冷蔵庫から水のペットボトルを2本取り出すと、片方を俺に手渡しベッドに腰かけるマリア。

 

 

「あれからもう6年よ。セレナのことは貴方のせいじゃない。そんなに自分を責めないで」

 

 

マリアの言葉になんて返したらいいかわからない。あのとき、俺がマリアとセレナ、2人を救えたなら。そう思ってしまうのだ。

 

 

その時、部屋をノックする音が聞こえる。

 

 

「起きていましたね。マリア、やはりまたここに来ていたのですね」

 

 

入ってきたのは、この施設長のような存在。ナスターシャ教授だ。

 

 

「ちょうどいいでしょう。あなた方2人に新たな任務を与えます」

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