銀河の片隅でジェダイを復興したい!   作:ひさなぽぴー

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2.フィン

 次の日、レイちゃんは早速スピーダーに乗って、闇の気配がしたほうに向けて出発しました。もちろん私も一緒です。

 

 基本的に、普段の私はレイちゃんかペンダントに憑りついています。別に並んで歩いたり、スピーダーに二人乗りしたりもできますけど、私はフォースセンシティブじゃないと見えないので、二人の会話は大抵の場合レイちゃんの独り言って思われるんですよね。それはさすがにちょっとかわいそうです。

 あとはまあ、幽霊の私が物質に干渉しようとすると疲れるので。いざってときレイちゃんを守れるように、普段はなるべく温存してるんですね。

 

 あ、そうそう。私たちのペンダントは今はレイちゃんに預けていて、レイちゃんが着けています。本当ならこれも私が着けてたいんですけど、さっきも言った通り疲れるんですよね、物質への干渉。

 

 ……話を戻しましょう。

 

 そんなわけで、私たちはたぶん虐殺が起きただろう場所に向かいました。

 けどその途中で、たった一機でぽつんと砂漠の中を進むアストロメクドロイドと遭遇したのです。ボール型の身体に、ドーム型の頭部が乗っかってるBBシリーズのドロイドでした。

 

 このドロイド……BB-8に出会った直後にゴミ漁りのティードーが襲ってきましたが、そっちはさらっと返り討ちにして。

 それで改めて話を聞いてみたところ、BB-8の返事は「極秘任務なので話せない」。それを言っちゃったらほとんど答えも同然なんですけど、素直な彼に私は思わずくすっと笑っちゃいました。

 

 でもレイちゃんが気配がしたほうを指さして、

 

「あっちの方角で人が大勢殺されたはずだけど、それと何か関係あるの?」

 

 って聞けば、目に見えて狼狽えていました。カァイイですね。

 

 まあ、銀河ベーシック標準語を文字まで含めてしっかり身に着けるまで数年もかかった私には、アストロメクドロイドの電子音声はまだ何言ってるのかわかんないんですけど。そこはレイちゃんがいるので、通訳は完璧です。要は適材適所なのです。

 

 そんなBB-8ですが、最初は何が何でも言わないって態度だったんですけど、レイちゃんが腰に吊ってるライトセーバーを見て手のひらを返しました。

 

「え? いや、私はジェダイじゃないわ。……その、訓練を受けてないわけでもないけど……でも正規の訓練でもないし」

 

 レイちゃんの返答は謙虚なものでしたけど、それでもBB-8には十分だったんでしょう。

 そんなわけで、私たちは彼と、彼のご主人サマの「極秘任務」とやらを知ることになりました。

 

『……うーん、本当にルークくん行方不明なんですね』

 

 思わずうーんと唸りました。

 

 私はルークくんの冒険と、活躍を知ってます。フォースを通じて、まるですぐ近くで見るような経験をしましたからね。

 そんな私に言わせれば、あのルークくんがすべて投げ出してどっかに行っちゃうなんて、信じられないんですよね。

 だからたぶん、帰るに帰れない状況にあるのか、それか本当にどうしようもないことに巻き込まれちゃったとか、そんなじゃないかなぁ。

 

 と、それはともかく。BB-8の任務は、このルークくんの居場所に繋がる地図を手に入れることだったそうです。

 幸いそれは手に入ったんですけど、直後にファーストオーダー……その中でも悪名高いレン騎士団に襲われたことで、村ごと壊滅の憂き目を見たんだとか。

 

 BB-8のご主人サマ……ポー・ダメロンさんは、データをBB-8に託して足止めを務めたらしいんですけど……現時点では、どこにいるのか。そもそも生きているのかもわかりません。BB-8は絶対生きてるって信じてるみたいですけど。

 

 なのでBB-8はご主人サマを探すこと、それにレジスタンスまで戻るために力を貸してほしいとレイちゃんにお願いしてきました。

 

 これに対して、レイちゃんは少し迷います。この星に、というよりいつかお父さんお母さんが来るかもしれないって淡い希望に固執してるのがレイちゃんです。だからこの星を離れることになる話には、いい顔ができないんですよね。

 

 でも、困ってる人を見過ごせないのもレイちゃんで。

 

「……いいわ。でも、その代わり。私の……私の、両親を探すのを手伝ってほしいの。それがいいなら、やってもいい」

 

 見返り、という形ではありましたが、ともかく彼女は承諾したのでした。

 

 これに喜んだのが私です。ようやくこの星から抜け出すことができそうだって、期待したのです。

 

『……いつか義姉さんの故郷を探すためにも、ツテは多いほうがいいと思って』

『ふふふ、ありがとうございます。レイちゃんが優しい子に育って、私は嬉しいですよ』

 

 と、そんな会話を中で交わしつつ。

 ひとまずBB-8を連れて家に戻ることにしました。BB-8の話が確かなら、先に進んでもあるのは遺棄された村だけですからね。

 

 その後はひとまずニーマ・アウトポストに向かいましたが、特に情報はなくて不発。一旦戻って情報を整理しつつ、翌日を待ちました。

 

 そして、明けて次の日。

 

「……それで? まだ痛い目見たい?」

 

 私たちは、どこぞの誰かが雇ったらしいゴロツキたちに襲われたので、返り討ちにしてました。緑色の光刃を喉元に向けられたゴロツキが、悲鳴を上げながら逃げていきます。

 他のゴロツキも一緒。ただ逃げる先がバラバラですし、目ぼしい情報もなさそうだったので、追いかけはしません。こっちとしても、好き好んで殺したくはないですからね。レイちゃんがため息をつきました。

 

 襲われること自体は珍しくないんですけどね。何せレイちゃん自警団みたいなことをしてるので、感謝してる人も多いですけど恨んでる人も多いんです。逆恨みって、怖いし面倒ですよねぇ。

 

『BB-8を普通に連れ歩いてたのは失敗でしたねぇ』

『うん……高値で買い取るって言われた時点で、気づくべきだった』

 

 ただ、今回は主にBB-8のせいです。いや、せいって言ったら悪いかもなんですけど。

 

 BB-8は、持ち主のポーさんにきっと大事にされてたんでしょう。整備は万全でしたし、そもそもBBユニット自体が比較的最近の機体なので、出すところに出せばかなりの高額で売れるらしいんですよね。

 そんなのを、いい意味で有名とはいえレイちゃん……二十歳にもなってない女の子が一人で持ち歩いてたら、まあ狙われますよね。

 

 BB-8は申し訳なさそうにピコピコ鳴きましたが、彼が悪いわけではないのでレイちゃんは慰めます。

 

『けど、収穫はあったわ』

『そですねぇ』

 

 そして、レイちゃんは勢いよく振り返ると同時に、すっごく迂闊に近づいてきた人にセーバーを向けました。

 

「うわあっ!? ちょ、ま、待って! 違う! 俺はあいつらとは違うって!」

 

 そこにいたのは、肌の黒い男の人でした。両手を挙げて、武器も敵意もないことをアピールです。

 

 フォースの気配からして、嘘は言ってなさそうだったのでレイちゃんはセーバーを下ろ……そうとしたんですけど。

 

 ここでBB-8が血相を変えて男の人に襲い掛かりました。声を荒らげながらマニピュレーターを出して、スタンを起動して何度も押し当てようとしてます。

 

「どわあ!? おい! なんだよ!?」

「泥棒? マスターのジャケット? ……ってことは、あんたまさか」

「へ!? あ、これ!? いや違、違う! マジで! 本当に違うんだって……ぁ痛ッ!? なんなんだよお前はもう!!」

「そのジャケット。彼の主人のものよ。どこで盗んだの?」

 

 この言葉と一緒にもう一度セーバーを向けられて、彼は空を仰ぎました。観念したかのように、深呼吸を一つして。

 

「……ポー・ダメロンのものだ。彼が主人。だろう?」

 

 そう言いました。間違いない情報でした。

 

 レイちゃんが視線で続きを促せば、彼は話を続けます。

 

「彼がファーストオーダーに捕まったところを、俺が助け出した。……けど船が墜落した。それで……ポーは」

 

 嘘は……まったくなさそうですね。レイちゃんもわかったようで、セーバーを下ろしました。

 

 一方、BB-8はがっくりとうなだれてしまいます。仕方ないとはいえ、ちょっと気の毒ですね。

 

「……じゃああなた、レジスタンス?」

 

 そのまま隅のほうでうずくまっちゃった(?)BB-8をよそに、レイちゃんは改めて問います。

 

 これに対して、男の人は少しだけきょとんとしてから……そうだと答えました。

 

「ああ。そう。俺はレジスタンスだ。正真正銘、レジスタンスだ」

 

 立ち上がってそう言う彼ですが……。

 

『嘘ですね』「ウソね」

「え゛!?」

 

 さっきまでの言葉と違って、その言葉は丸っと嘘まみれでした。最初から最後まで、ぜーんぶ嘘。ここまで行くと逆にすごいです。

 

「い、いや! マジだって! 本当だよ!? 大体、そうじゃなかったらなんでポーを助けるんだ!?」

 

 で、そう言い募ってきましたが、その態度がもう嘘ですって白状してるようなものですよね。

 即座にバレるとは思ってなかったからか、ものすごく焦りまくってて心の中もよく見えます。嘘がつけない人ですねぇ。出久くんみたい。

 

「それもそうね。でも……ふうん? ファーストオーダーについていけなくなって、抜け出そうとしてたのね?」

「ぅえええ!?」

 

 付け加えると、仲間が死ぬのを目の前で見たこととか、何もしてない人を殺さないといけなかったことがイヤだったみたいですね。それで、レジスタンスのポーさんを助ければ一緒に逃げられると踏んだようです。

 

 ただ、レイちゃんにズバリ言い当てられた彼はものすごく驚きましたが、一周回って答えを見つけたのか冷静になりました。

 そして、まっすぐレイちゃんを見つめて言います。

 

「まさか。君、まさか……君もカイロ・レンみたいな力を?」

「そのカイロなんとかっていう人は知らないから、肯定はできないわね。否定もできないけど」

 

 レイちゃんは適当に流しましたけど、まあそうなんでしょう。

 きっとそのカイロ・レンって人が、こないだ感じた強い暗黒面のフォースの持ち主ですかね。聞かれたとき一瞬見えた光景が、ブラスターの弾をフォースで空中に押しとどめるところだったので、まず間違いはないでしょう。

 

 それは目の前の彼も思ったのでしょう。判断材料はなくとも。

 だから彼の中で、様々な感情や言葉が膨れ上がって……それで、彼が口を開こうとした、その瞬間。

 

 BB-8が血相を変えてこちらにやってきました。何事かと三人揃って彼のほうを向けて……さらに視線を上げると、そこには二人のストームトルーパーがブラスターを構えてこっちに向かってきてるところで。

 

「……っ、逃げないと!」

 

 脱走兵の彼がそう言います。

 

「その必要はないわ」

「ぐあっ!」

「うああ!」

 

 放たれた二発のブラスターを、レイちゃんは危なげなくセーバーで跳ね返しました。二発とも射手の二人のところに飛んでいき、そのまま返り討ちにします。

 

「……ワオ。すごい」

「……そうでもないわ」

『義姉さんならもっとうまくやってる。そうでしょ?』

『そんなに信頼されたって、今の私大したことはできないんですけどねぇ』

 

 身体がないから……つまり個性因子がないからでしょう。今の私は変身ができないのです。私の戦闘スタイル、適宜変身を入れ替え続けて臨機応変に対応するのがメインだったので、変身ができないとどうしても手間取るところがあるんですよね。

 

 でも私が育てたからか、レイちゃんは私を色々と大きく見てる節があるんです。色々あって昔ほどじゃないですけど……フォースに関係したところはいまだに結構大きく見られるので、ちょっと……ううん、だいぶくすぐったいです。

 

 けど、そんなことを言ってられたのはそこまで。

 騒ぎを聞きつけて、トルーパーがあちこちからやってきました。どうやら、彼らもBB-8を探しにこの辺りに来てたようです。さっきまでは私たちを認識してなかったので直接的な敵意を感じなかったんですけど、今となってはあっちこっちから強い敵意を感じます。

 

 さすがにこれはまずいですね。包囲されちゃったら、いくらフォースユーザーでライトセーバーがあっても苦戦します。

 

「……逃げるわよ!」

「え。あ、お、おう!」

「BB-8も! 離れないでね!」

 

 幸いというか、ニーマにはそれなりに人がいて、それに伴ってテントなど遮蔽物も大量にあるので、逃げること自体はそこまで難しくないです。

 囲まれさえしなければ、ブラスターなんて反射して攻撃に使えるいい道具でしかないですしね。

 

「……嘘だろ」

「それだけルーク・スカイウォーカーの地図は、ファーストオーダーにとっても重要ってことね……!」

 

 けど、さすがに戦闘機……タイファイターはどうにもならないです。空からのレーザー砲火はライトセーバーでも跳ね返せません。

 

 しかも二機。おまけに周りの被害なんて一切気にしてないみたいで、問答無用で攻撃してきます。おかげで無関係な人たちが吹き飛んでます。

 

 これが本物の悪の軍隊ってやつですか。ヴィラン連合とかヤクザとかとは戦いましたけど、さすがにこういうのとは戦ったことないです。こんなにとんでもない相手だったんですね。

 

「「うわあっ!?」」『レイちゃん!』

 

 なんてやってるうちに、私たちも吹き飛ばされました。幸い直撃はしなかったんですけど、地面が吹き飛んで砂と一緒に吹き飛びました。

 

 地面に転がる二人と一体。とりあえず、どうにもならないような怪我はないみたいで何よりです。脱走兵の彼は、ちょっと朦朧としたみたいでしたけど。

 

「ねえ! 大丈夫!?」

「ぅ……く、う、大丈夫か?」

『へぇ』

 

 けど、揺り起こされて最初の一声が、レイちゃんを案ずる声だったのはトガ的にポイント高いです。こんな状況でそれができるってことは、きちんと人を気遣える人なんだなってわかるので。

 嘘をつけないところも含めて、そこもなんだか出久くんみたいですね。レイちゃんも、これには感心しています。

 

「……ええ。行きましょう!」

「お、おう!」

 

 そうして、手を取り合って逃げる二人と一体。

 

 けど、後ろからは着実にタイファイターが近づいています。着弾するレーザー砲火もだんだん近づいてきています。このままだと、近いうちに私たちは直撃を受けるでしょう。

 

 それを理解したレイちゃんが、胸元のペンダントを握りました。

 

 タイファイターが空気を切り裂く音が近づいてきます。

 

「ごめん義姉さん、お願い!」

『わかりました……よっ!』

 

 放たれるレーザー砲。レイちゃんから少しだけ離れて出現する私。

 

 そして集中と共に、フォースを繰り出します。

 

 フォースプッシュ。これによって局所的に出現した斥力が、砲撃の軌道を逸らします。明らかな直撃コースだったそれはレイちゃんたちから離れ……って、あ。

 

『あーっ!? ごめんなさい!』

 

 逸れた砲撃が、二人の向かってたスターシップに直撃しちゃいました。これじゃ逃げるに逃げられません。

 

「……大丈夫。まだ手はある」

「手って……まさかとは思うけど、あのポンコツのことじゃないよな……!?」

「そのまさかよ!」

「ウッソだろオイ!?」

 

 レイちゃんが改めて走り出します。その中に戻りつつ、もう一度謝る私。

 

『大丈夫! それに、これで堂々とこの船を使えるもの!』

『この船がミレニアムファルコンって保証はありませんよ?』

『それでもいいの! 少しは夢見させてちょうだい!』

 

 そう、レイちゃんが向かった先にあったのは、ミレニアムファルコン……の同型機です。いや、もしかしたら本物かもですけど、その可能性は低いでしょう。

 

 これはここでジャンク屋を取り仕切ってるおじさんのものです。詳しい経緯は知りませんけど、色々あって手に入れたみたいです。

 でも、使ってるところは見たことがありません。テントを張るための一部にしか使われてないんです。それか荷物置き場。

 

 だけどファルコンの持ち主ハンさんは、ルークくんほどじゃなくても伝説の英雄です。そんな人のものが、こんな辺境の星でただのインテリアにされてるなんて、あるはずがありません。

 

 それでもレイちゃんにとっては、憧れの船なんでしょうね。私が寝物語に、地球のこと以外にも見聞きした銀河内戦のお話なんかも聞かせてたので。

 

「でも誰が操縦するんだ? パイロットいないだろ!?」

「ここにいる!」

「君が!? マジで!?」

「やるしかないでしょ!?」

「ごもっとも!」

「銃座は下よ! 行って!」

「わかった!」

 

 そうこうしているうちに、船内です。コクピットの中は、なんていうか本当に使われてないんだなって感じでした。埃っぽくてヤですね。

 

「これ飛ばしたことあんの!?」

「ない! 何年も前から置きっぱなし!」

「……そりゃ最高だね」

 

 そんなことを言い合いながらも、二人は着実に準備を進めていきます。

 

「ごめん義姉さん、手伝ってくれる!?」

『もちろんです。シールドはこっちで張りますね』

 

 私もその中に混ざります。レイちゃんからもう一度抜け出て、副操縦席に座ります。

 レイちゃんと一緒に、シミュレーターをいっぱい触ってましたからね。これくらいイケます。

 そんな経験に加えて、記憶の中にあるハンさんとチューイくんのやり取りを思い出しながら、コンソールを順番に触っていきます。

 

 私がそうしてる間に、レイちゃんは早くも操縦を安定させました。さすが、シミュレーターではありますけど、パイロット過程で満点出しただけはあります。私にはできません。

 

「待って! もっと低く! 低く!」

 

 そんな中、銃座から声が聞こえます。

 

「なんで!?」

「追跡されないようにしないと!」

 

 つまり牽制だけじゃなくて、しっかり撃ち落とそうってことですね。

 確かに、ただでさえBB-8が追われてるんです。このままだとまずいですね。

 

「BB-8、踏ん張って! 急降下するわよ!」

 

 レイちゃんもそれを理解しました。

 

 というわけで、とんでもない操縦をする彼女に応じて制御系の操作を合わせます。

 宣言通りの急降下。……BB-8があっちこっちにぶつかってる音が聞こえますね。すぐにはどうしようもないので、我慢してください。

 

 とはいえ、シールドはもう展開済み。さすがのタイファイターでも、一発で決定打を与えることはできなくなりました。

 

 もちろんシールドは無限ではないので、迎撃は依然として必要です。

 幸い、ジャクーはかつて一大艦隊決戦が行われた場所らしく、あっちこっちに戦艦とかの残骸があります。だからこそ廃品回収業者が多いんですけど、そういう残骸はドッグファイトの最中はいい遮蔽物になります。

 

「やるじゃない!」

 

 早速一機を撃ち落とすことに成功です。脱走兵の彼、なかなか上手いですね。

 

 残り一機となれば、遮蔽物を駆使した操縦と砲撃を絡ませて、あっという間に撃墜に成功。お疲れさまでした。

 

 そのまま、私たちを乗せて船は宇宙まで出ます。……地球にいた頃は、思っても見なかった宇宙にこんなに簡単に出られるなんて。

 しかもこんな、唐突なその場の勢い任せだなんて。この星にいた時間はなんだったのかってくらい、あっけない宇宙進出でした。なんだか不思議な気分ですね。

 

 そんな風に妙な感慨にふけっている私をよそに、レイちゃんと脱走兵の彼は互いの健闘を称え合っていました。一緒に困難を切り抜けると、仲良くなれるものですよね。わかります。

 

「あなた名前は?」

「……フィン」

「私はレイ」

 

 ともかく、そういうわけで。

 

 十年以上停滞していた私の物語は、こんな感じで突然動き出したのです。

 




物語開始時から普通にフォースを使い、普通にライトセーバーを使うレイでした。
原作みたく、最初は持たざる者だった主人公がどんどん強くなるのは王道ですが、最初から強い主人公もそれはそれで王道ですよね。
いやまあ、いくらフォースダイアドで一気に引き上げられるとはいえ、あの短期間であの域に達するのはさすがにどうかと思うってのもなくはないんですけどね。ルークだって数年かけてるし、アナキンなんて十年以上かけてるのに。
まあおかげで本作でトガちゃんが一気にフォースに通じた理由付けができているので、善し悪しだなとも思いますけども。

なおそのトガちゃん、十年以上こっちで過ごしていてその間もちゃんと修行を続けてるので、既に地球から消失した時点よりもだいぶ腕を上げています。
地球に着くころには、そして前章の戻って来た時間に到達する頃には、もっと腕を上げているでしょう。

そうそう、昨日は書き忘れてましたが。
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