銀河の片隅でジェダイを復興したい!   作:ひさなぽぴー

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14.メガ級スタードレッドノート・スプレマシー

 ということで今、私たちはファーストオーダーの旗艦でスノークさんのいるメガ級スタードレッドノートのスプレマシーに来ています。

 

 いやあ、ここに来るまで色々ありました。フォースボンドで見えたベンくんの周りの光景とか、レジスタンスの現状からここだってみんなで割り出したりとか。

 スプレマシーは全体を覆うシールドがばっちり張られてて普通じゃ通り抜けられないんですけど、シールドコードを解読できれば潜り抜けられるってことから暗号解読のプロを探したりとか。本当に大変でした。

 

 シールドコードってのは、あれです。シールドがあると発艦した艦載機とかも戻ってこれないけど、シールドを切ると敵の船も出入りできちゃうのでそれを防ぐためのものです。特定のコードを持つ船に対してはシールドの波長に合わせてすり抜けるようになってるわけです。

 だからそれを解読さえできれば、気にせず通り抜けられるんですけど……それができたら苦労しないわけです。時間もなかったですし。

 

 何せレイアさんたちのいるレジスタンスが、スプレマシーを先頭にしたファーストオーダーの艦隊に追い掛け回されてて絶体絶命でした。今までだったらハイパースペースに跳べさえすれば追跡はほぼ不可能だったんですけど、ファーストオーダーはそれを可能にする技術を開発してたんですよね。

 

 不幸中の幸いだったのは、レジスタンス側の物資が豊富だったこと。私が事前に忠告してたので、ディカーから撤退するときに諸々全部を回収してから脱出する時間があったんですね。

 聞けばタッチの差でディカーにファーストオーダー艦隊が攻めてきたってことなので、私はいっぱい感謝されました。別にそういうのは気にしてないんですけど、死んじゃう人とかがいなくてよかったなとは思います。

 

 ともあれそういうわけで、レジスタンス側は物資が豊富でした。なので亜光速で飛び続けて、ファーストオーダー艦隊の砲撃射程からギリギリ外れた距離を保って逃げ続けてるのが現状です。燃料も十分持ち出せてるので、それなりの時間逃げ続けることができるんですね。

 

 その間に私たちは、回復したハンさんと合流して凄腕の暗号破りをスカウトしに行きました。シールドに一時的に穴を開けて、そこからスプレマシーに乗り込む作戦です。

 

 時間はあんましないわけですが、それはそれとしてファルコンは銀河一速い船です。少し遠回りするくらいはなんてことなかったです。

 無事に暗号破りさんも見つかりましたし、スカウトにも成功しましたしね。

 

 まあ、そのためにちょっと()()()()()()をしないとでしたけど、それはそれです。あれは交渉でした。

 はい、復唱しましょう。あれは交渉でした。

 

 ……ということで私たちは今、三手に分かれてスプレマシーの中にいます。もちろんそのままじゃなくって、潜入中ですよ。

 

 レイちゃんとフィンくんは、ファーストオーダー将校の服とIDを奪っています。これですぐにはバレません。私はこっちに同行しています。

 

 対策はしています。私は今レイちゃんの中にいるんですけど、潜入開始と同時にスプレマシーにフォースハックをかけて色々としっちゃかめっちゃかにしたのであっちこっちがてんやわんやです。

 もちろん、私の存在が露見しないように、細心の注意を払ってです。スノークに対してどこまで偽装できるかはわかんないですけど、やらないよりはやったほうがいいでしょう。

 

 ただスプレマシー側もさすがに旗艦らしく、ハッキングしていられた時間は少なかったです。かく乱にはそれで十分でしたけどね。

 

 あとフォースハックは他にも色々しています。潜入であちこち歩く道中、すれ違ったドロイドとか見かけた装置とかにも適当にかけたりかけなかったりしてましたから、騒ぎが落ち着くことは当分ないでしょう。

 

 そんな私たちが向かう先は、カイロ・レンことベン・ソロくんのいる場所です。レイちゃんが彼のフォースを感知して大まかな方向に当たりをつけて、フィンくんがそれに従って適切な道を選んで案内するって分担ですね。

 

 この船には子供以上成人未満な子たちの教育施設や、彼らが従事する仕事もあるみたいで、フィンくんも一時期そういうことをしてたらしいんですよね。

 ファーストオーダーのトルーパーは、そうやって育つみたいなんです。なんか共和国のジェダイみたいですね。

 

 まあ、スプレマシーが全長六十キロとかいう頭おかしいスケールの要塞戦艦なので、なかなか辿り着けないんですけど。焦りは禁物ってことで、慌てず騒がず粛々と潜入中な私たちです。

 

 一方、ハンさんとルークさんは味方にした暗号破りさんと一緒に、レジスタンス艦隊を逃がさないでいるハイパースペース追跡装置をどうにかするために、別方向に行きました。ベンくんのことも大事ですが、レジスタンス艦隊も助けてあげないとなのでこっちも大事です。

 

 ええ、そう。ルークさんはあのあと、即答はしなかったものの私たちについてきてくれることになりました。だいぶ悩んで悩んで悩みまくっていましたが、フォーススピリットとして現れたヨーダさんに叱咤されて、決意を固めたのです。

 

 思うに、ルークさんの失敗の一番の原因は、師匠役の師匠がいなかったからじゃないでしょうか。

 私、コトちゃんやますたぁから聞いて知ってます。ナイトとしては優秀でとんとん拍子に出世できた人でも、マスターとして優秀とは限らないって。弟子を取って初めて壁にぶつかった人は、そこでものすっごく落ち込んだりするんだって。ルークさんもそのタイプなんだと思うんです。

 

 共和国ジェダイは、それでも師匠と弟子の相性を考慮して誰を弟子にするか評議会が決めていたらしいのでマシだったでしょう。教える側の悩み相談に乗ってくれる人も、それなりにいたはずです。

 でも、最後のジェダイになったルークさんにそんなことしてくれる人なんてどこにもいなかったわけで。

 

 それはヨーダさんもわかっているのか、ルークさんを叱咤するだけじゃなくって、師匠としての心構えとかやるべきこととか、そういうのもレクチャーしていました。

 個人的には、それができるならもっと早い時点でやっておけばよかったのにって思うんですけど……まあ何か事情があるのかもしれませんし、私からは何も言いません。

 

 ……えっと、それで、なんでしたっけ。

 

 そうそう、三手に分かれたって話でしたね。

 はい、ルークさんたちはそんなわけでハイパースペース追跡装置の対処役です。

 

 残る一つのグループは、潜入したまま係留することになったファルコンの留守番役。これがチューイくんと、R2とBB-8のグループです。

 

 チューイくんはウーキーなので、人間がほとんどのスプレマシーに変装して潜入とかできませんからね。

 アストロメクドロイドコンビについては、普段だったらシステムにアクセスする役として必要なんですけど、それは私と暗号破りさんが代役できるので、無事お留守番です。

 だってファーストオーダー規格じゃないアストロメクドロイドなんて連れてたら、一発で潜入がバレちゃいますからね。仕方ないのです。

 

「……ここだわ」

「おいおいウソだろ……この先にはスノークの玉座しかないぞ……」

 

 で、私たちが辿り着いたところがここ。どうやらベンくんは今、スノークの玉座にいるみたいです。

 

『予想通り完全に罠ですね、これ』

「そうね。でもここで逃げ帰るわけにはいかないわ」

「俺はどうすればいい? 手伝いたいのはやまやまなんだけど、その、正直戦力になるかって言うと……」

「……そうかも。私もスノークの全容はわからないけど、少なくとも強力な使い手であることは間違いないし……」

「だよな。……よし、じゃあ俺は万が一にでも邪魔が入らないようにここを見張っておくよ。中についていっても足手まといだ」

「……わかった。でも無茶はしないでね」

「ん、善処する」

 

 ということで、ここでさらにフィンくんとも別行動です。

 

 このとき、別れ際に二人はライトセーバーを交換しました。ますたぁのライトセーバーをレイちゃんに、レイちゃんのライトセーバーをフィンくんに。

 これは単純に、ライトセーバーとしての出来がますたぁのやつのが断然上だからです。強敵と戦うかもだから、レイちゃんが持ってたほうがいいだろうって判断ですね。レイちゃんが造ったセーバーも別に悪いものじゃないんですが、飛びぬけていいってわけでもないので。

 

 で、乗り込んだスノークの玉座ですが。

 

「若きレイよ……ようこそ」

 

 八人の真っ赤な護衛を従えて、余裕たっぷりの態度でスノークご本人が出迎えてくれました。

 でもそんなどこかおどけたような態度に反して、二人のちょうど中間辺りにはベンくんが倒れているので雰囲気は寒々しいです。

 

 やっぱり罠ですねぇ。潜入もばっちり気づいていたけど泳がせていたってとこでしょう。

 

 一応ベンくんの意識ははっきりしてるみたいですけど、フォースライトニングをいっぱい浴びたあとなんでしょう。立ち上がるだけの力がないみたいです。

 それでも「どうしてここに来た」と言いたげな、驚きに満ちた視線は間違いなくレイちゃんにまっすぐ向いています。

 

「ベン! 大丈夫、私が来たわ!」

 

 オールマイトの言葉を借りて、レイちゃんが駆け寄ろうとします……が。

 彼女が踏み込もうとしたタイミングで、膨大な量のフォースが壁となって立ちはだかりました。スノークのフォースです。

 

 ……うーん、こうして直接目の前で見ると、ものすごく強い闇のフォースですよこれ。シディアスのおじいちゃんほどじゃないので、私的にはまだ余裕ですが……こんな強い闇のフォースはレイちゃんにとっては初めてです。これには思わず硬直して足を止めてしまいました。

 

 ただ、普段ならすぐに何かしら声をかけて緊張をほぐしてあげるんですけど、今回に限ってはちょっとやりたいことがあるので、何も言わずひっそりとレイちゃんの奥のほうで身を潜めてる私です。

 

「不肖の弟子のことは捨ておくがいい……さあ……近くにおいで……」

 

 スノークが、ささやくように言います。手招くような言葉でした。

 当然のように、言葉が全部マインドトリックですね。まあ、レイちゃんはもちろん従いませんけど。

 

「強い気を感じる……。とても強い光だ……その歳でこれほどとは、驚嘆に値する。なるほど、若き弟子が抗えぬのも無理はない。警告はしていたのだがな……闇の力が増せば光がそれに釣り合うと。そやつはその光の誘惑をはねのけることができなかった、惰弱者よ……」

「すべてあなたが描いた絵でしょう。何を白々しい」

 

 レイちゃんが即座に切り返しますが、スノークは押し殺した声で笑うだけです。

 

 笑いながら、くいって指を軽く動かしました。何気ない、日常的な動作に見えましたが……それはフォースプルでした。レイちゃんの腰から、ライトセーバーがスノークの手元に引き寄せられて行きます。

 

 スノークはそのセーバーを一瞬だけちらっと見ると、すぐに興味を失くしたみたいで玉座のひじ掛けに置きました。

 

「……スカイウォーカーのことは、さほど買いかぶってはおらんようだな。よほど落ちぶれていたようだ……。……ふむ、もっと近くへ」

 

 うわ、本当に達人ですねこの人。マインドトリックとフォースプルとマインドプローブを同時にやってます。レイちゃんが立った状態のまま、少しずつスノークのほうへ引き寄せられていきます。

 

 見たところ、フォースの多さだけならレイちゃんやベンくんも負けてないですが……これは単純に技量差が大きすぎますね。

 

 もちろん私と比べても、です。

 なのでフォースだけで正面から戦うのは、やめといたほうがいいでしょう。

 

「あなたは私()()を見くびっている。それが命取りになるわ」

「ハハハ……わしが弟子の心の弱さを知りながら、そのまま利用したことはもはや隠すまでもなさそうだな……。にもかかわらずここに来るとは……光のものはいつの世も愚かなものだ……役立たずのために命を無駄遣いしようとする……」

 

 スノークが再び笑います。

 や、これは嗤うって言ったほうがよさそうですね。心底バカにするような、そんな色があります。

 

 同時に、まだまだレイちゃんの身体は引き寄せられていきます。フォースプルにだけなら十分抵抗できると思いますが、マインドトリックとマインドプローブも同時にかけられてるので、フォースプルに気が回らない状態なんですよね。

 

「それよりも……今のわしの関心は他にある……。そう……ルークなどよりもよほど頼れるジェダイに出会ったようだな?」

「……ッ」

「さあて……この場に見当たらぬ、謎のジェダイのことをすべて……教えてもらおう……。そのあとで時間をかけ、なぶり殺しにしてくれる……」

「そうはさせない……ッ!」

 

 言葉の応酬は、ここまででした。今まで加減していたスノークが、全力でマインドプローブにかかってきたのです。

 

 全力と言っても、本当の意味での全力ではないです。殺す程度ではない弱いフォースグリップで空中に拘束しつつ、なので。

 それでもなおこれほどのマインドプローブができるんですから、本当に呆れた技量の持ち主ですね――。

 

***

 

 ――ええ、本当に呆れてしまいます。だろうなと思ってはいても、本当にこんなに深くまで入ってくるなんて。

 

「……なんだ……? ここは……?」

 

 レイちゃんの心の底に広がる光景を目の当たりにしたスノークが、困惑した様子で周囲を見渡しています。

 

 無理もありません。だってここにあるのは、この銀河では既に何世代も時代遅れな鉄筋コンクリートの建造物。コルサントのような、誇張抜きに天を衝く高層建築群に比べればいかにもちゃちな、けれど私にとっては十分すぎるほどに大きな建物たちがあるのですから。

 

 それらの建物を従えるようにそびえる一際大きいものは、どの方向から見てもアルファベットのHの形になるように計算してデザインされています。

 

 そう、ここは国立雄英高校。レイちゃんの心の奥の奥……じゃありません。そこを守る形で潜んでいた、私の心象風景なのです。さすがのスノークも、別銀河の光景には多少なりとも意表を突かれたみたいですね。

 

「……ぐぬうッ!?」

 

 そのスキを突いて、()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「き……さま、は……!」

 

 相手の左手首が落ちるのを確認しつつ、一旦距離を取ります。くるくるっと回転しながら着地して、()()()()()()()()をアタロに構え直します。

 

「こんにちは、スノークさん。初めまして。出会ってすぐで悪いんですけど、出てってもらえます?」

 




ル ー ク 参 戦 。
だってだって、ボクはハンとルークが再びタッグを組んで、敵の基地に潜入するシーンが見たかったんです。見たかったんだ・・・!

なのでやりました(その目は澄み切っていた
ホルド機動なんてなかった。いいね?(その目は澄み切っていた

まあ尺の都合と視点の関係で大部分カットせざるを得なかったんですけどね。
以下、途中まで書いて長くなりすぎるからってんでカットした、オク=トー出発直前の二人の会話シーンの一部抜粋。

『ようルーク、元気そうで何よりだ。あとでパンチ一発な。それでチャラにしてやる』
「お手柔らかに頼むよ、ハン」
『けどそれは、お互い生き延びたあとでだ。……いい知らせと悪い知らせと、とびきり悪い知らせがあるんだが、何から聞きたい?』
「あー……うん……いい知らせから聞こうか」
『レジスタンスは全員、ディカーから無事に脱出した。物資も全部持ち出せた。今はクレイトに向かってるところだ』
「なるほど。いいね。じゃあ悪い知らせは?」
『ファーストオーダーに追い回されてる。どうも連中、ハイパースペースの航行経路を追跡する技術を開発したらしくてな……今は砲撃の射程範囲からギリギリ外れた距離を維持した状態で逃げ回ってるところだ』
「なんて悪い知らせなんだ。……それで、とびきり悪い知らせってのは?」
『スノーク直々に追い回されてる。艦隊も一緒だ。どうだ、とびきりだろ?』
「ははは、まさに最悪だ。デススターのときよりひどい」

こんな感じでわちゃわちゃしながら、それでもあの頃よりは洗練された戦い方で、二人でスプレマシー内を駆けずり回ってたんだと思います(潜入の仕方が洗練されたとは言ってない)。
視点主がトガちゃんなのでどうしてもその辺りはカットせざるを得ないため、そこは皆さんの中の理想のルークとハンで補っていただければ・・・。

なお彼らに同行している「暗号破り」は原作でフィンたちが連れ出したDJではなく、当初の目的にしていたマスター・コードブレイカーです。
なので裏切ったりしませんし、何なら普通に協力的です。
ハンとルークとトガちゃんがいて、カントバイトのカジノ程度どうにかならないわけがないんだよなぁ。
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