その後私たちはムスタファーに向かい、ウェイファインダーをゲットして戻ってきました。メンバーは他にレイちゃんと私、フィンくん、それにBB-8です。
ルークさんは嫌な予感がするから、ってことで、ハンさんやチューイくん、R2と別行動です。シスカルトのオーチを調べるために今も辺境の星パサーナに留まってるランド・カルリジアンさんを迎えに行くそうです。おかげで道中の船内の空気が悪くならないで済みました。
ムスタファーではシスの関係者だと思われる人たちに邪魔されたりもしましたが、正直ベンくんとレイちゃんがいたら並みの妨害なんて妨害にならないのです。
なので余裕の正面突破でした。何人か残してフィンくんの訓練相手に残せるくらい余裕綽々でした。
ただ、ウェイファインダーを見つけたタイミングでますたぁがスピリットで出てきたのは予想外でした。
ルークさんの言ってた嫌な予感はこれでしょう。そりゃあ、今更実の父親と何を話せばいいのかわかんないでしょうし、色々やらかしたあとなので顔を合わせるのも気まずいでしょうねぇ。
でもこのせいで、私の未来人っていう正体がみんなにバレそうで困りました。
考えてみればそれは当然です。私に色々教えてくれたますたぁは未来のますたぁなので、この時代のますたぁは私のことなんて欠片も知らないですからね。
けど私のフォースはコトちゃんと同じ……つまりますたぁの親友だったアヴタスくんとも同じなので、この時代のますたぁたちはまだ確信できてないみたいです。
なので、コトちゃんのふりをしてとりあえず凌ぎました。大好きなコトちゃんになり切るのは、そんなに難しくないのです。
まあ、いつか地球に帰るなら、少なくともこの時代のますたぁやレイちゃんたちには本当のことを話しといたほうがいいんだろうなとは思います。
でも今はそういう話をする時間ももったいないので、この件に関しては戦争が落ち着いてからでいいかなとも思うのです。
私が知らないことも含めて、色んな修行方法とかを提供してくれたのは素直にありがたいんですけどね。ますたぁは近年のジェダイとシス両方の教えを教えられる唯一の人なので、貴重な情報をたくさんもらえましたから。
おかげでこのあと全員――私はもちろんルークさんも含みます――の修行が格段に捗ったので、ホントそこはありたがかったんですよね。複雑な心境です。
ちなみにですが、ベンくんはますたぁ本人と対面してる間、終始オールマイトを目の前にした出久くんみたいなテンションになってました。
最初はこの人ホントにベンくんかな? ってその場にいた全員が思いましたが、よくよく考えたらそりゃそうでしょうねって感じでした。録画できなかったのが悔やまれます。
で。そんなこんなでウェイファインダーを手に入れた私たちですが、しばらくは修行に専念することになりました。ますたぁがたくさん落としてくれた情報のおかげで、やりたいこと試したいこと、調べたいことがたくさんあったのです。
ルークさんも、パサーナから情報を持ち帰ってきてくれました。オーチの乗っていたスターシップや、中で機能停止していたドロイドなんかを精査したところ、エクセゴルについても多少わかることがあったのです。
結果として、今すぐにエクセゴルに突入するには戦力不足すぎる、ってのが私たちの総意でした。ますたぁからもらった情報と、ルークさんが見つけてきた情報を統合すると、そう考えざるを得ないのです。
とはいえ、そもそもシディアスのおじいちゃんはまだ本格的に動いていません。レジスタンスはレジスタンスで戦力の増強と、指導者がいなくなってゴタゴタしてるファーストオーダーへの反撃にも時間を使いたいみたいでしたから、修行するなら今のうちって認識もありましたしね。
それにエクセゴルへの突入は、レジスタンスの軍事的な戦力も重要になるというのがルークさんとレイアさんの意見です。私も同感です。
私は実際に行ったことのあるますたぁほど詳しくないですが、それでもエクセゴルに結構な人がいることは知っていました。シスのカルト集団で、シスのためなら死ねる人たちの集まりがあるのです。
その上彼らは、独自の戦力を持ってました。ルークさんが持ち帰った情報でも、それらははっきりしてました。帝国が健在だった時期でもそれなりの規模だったその戦力を、一度死んで潜まざるを得なくなったシディアスのおじいちゃんが拡充してないとは思えません。
とまあそういうわけなので、レジスタンスも私たちも戦力が足りてない現状。軍人さんとは別に、私たちは私たちで修行をみっちりすることになったわけです。
あのダース・シディアスと対決するとなれば、フォースの技、ライトセーバーの技、どっちも疎かにはできません。少しでも強くなるために、ものすごくハードな日々でした。夏合宿でやった”個性”伸ばし訓練なんか目じゃないくらいハードだったと思います。
この間、レジスタンスの人たちは先に少し言った通り戦力の増強に励みつつも、各地でファーストオーダーに反撃して動きが鈍くなってるところを各個撃破していました。レジスタンス始まって以来初めての快進撃が続いたそうです。
おかげで日和見していた人たちもレジスタンスに合流するようになり始めたので、レジスタンスの規模は日に日に増しています。
それにしても、たった一人の最高指導者がいなくなっただけでそんなに弱体化するって、どれだけワンマンだったんでしょうね。有能すぎる一人に全部かかってると、あとが怖いんだなぁって思い知らされた気分です。
私、独裁制にはレイアさんたちほど拒否感ないんですけど、こういうところは怖いなって思いました。
……まあ、そうやっていられたのは数か月程度だったんですけどね。
年が明けて少しして、いきなり銀河全体にシディアスのおじいちゃんの放送があったのです。自分もシスも、滅んでなんかない。復活したんだって感じの放送です。
そんなことになれば当然、銀河はどこもかしこも混乱しました。派手に内輪もめしてたファーストオーダーもそうで、ハックス将軍がどうにかこうにかボロボロの艦隊をまとめて未知領域に撤退してったそうです。その方向はばっちりエクセゴルの方角だったので、私たちは色々と確信したんですけどね。
新共和国――は、もうほとんど国としての体を成してなかったですけど――なんかは悲惨で、放送のあともほとんど対策を取れないまま右往左往してました。
彼らはレジスタンスがファーストオーダー相手にあっちこっちで活躍してたときもなんにもできてなかったので、もう本当に完璧にダメなんだと思います。民主制もダメダメなときはとことんダメダメですよね。
なので、ああ、お義父さんがお説教――仏教的にもお叱り的にも――でよく言ってる「何事もほどほどが一番」って、ホントなんだなって改めて思った私です。
で。
そんな状況の中でも混乱してなかったのは、武器とかを売ってお金儲けしようとしてた軍需産業の人たちと……それから、レイアさんをはじめとするレジスタンスの首脳陣くらいでした。
けど、レイアさんは自分が皇帝の復活を既に予期していて、そのために色々な手を打っていたことを明かして逆にレジスタンスの士気を高めることに成功していました。これのおかげでもう一度日和見に回ろうとする人は一人も出なかったので、そこはさすが長年色々やってきた政治家だなって感じです。
そしてレジスタンスは、ウェイファインダーを繋いだファルコンの先導でエクセゴルに向かうことになったのですが……未知領域の手前まで来たところで、エクセゴルのほうからジャンプしてきたスターデストロイヤーと鉢合わせました。これにはみんなびっくりです。
とはいえそれは向こうも同じだったみたいで、奇妙な空白の時間ができました。
先にこの驚きから回復したのは、私たち。スターデストロイヤーが何かする前に集中砲火を浴びせて撃沈させることに成功したのです。
あっちも途中から、船体下部にある明らかにヤバそうな大きいレーザー砲を発射しようとしていましたが、その前になんとかできたので運もよかったんでしょう。
これを開戦の狼煙にして、私たちは一斉にエクセゴルに攻め込みました。
まあ、お出迎えが何百隻以上ものスターデストロイヤーだったのには、びっくりするしかなかったですけど……それでも数で言えばこっちだって負けていません。
何より、エクセゴルのことはもう未知じゃありません。ルークさんが入手した情報通り、そこは磁気嵐と重力井戸が入り乱れる不安定な大気圏で、大きな艦艇が宇宙に進出するためには地上からのナビゲーションが必要不可欠な星でした。
であれば、やることは予定通りです。ナビゲートタワーを破壊してこの大艦隊を大気圏内で釘付けにしつつ、飽和攻撃を浴びせればいいんです。
直前の緒戦で、シス艦隊のスターデストロイヤーは超兵器を積んでる代わりにそこを破壊されると誘導して船そのものを破壊できる、ってことはわかっていますからね。
そうして始まった最終決戦をよそに、ファルコンに乗った私たちは戦場を離れてエクセゴルの中枢へと向かいました。
具体的にどこかは、フォースを通じてわかります。直立に切り立った大きい大きい岸壁の、隙間の先が目的地です。
当然、ファルコンでその先には行けません。ここからは、フォースユーザーだけが進むべき道です。なので私たちを下ろしたあと、ファルコンは戦場へと戻っていきました。ハンさんとチューイくんが操縦するファルコンなら、万に一つもないでしょう。
闇の向こう側へ進みます。強い、とっても強い闇が渦巻く邪悪な場所です。フォースが導く先は地下で、進めば進むほど闇が強くなっていきます。それはまるで、手招きされているような感じでした。
……いえ、実際手招きされてるんでしょう。手ぐすね引いて待ってる、って言ったほうがより正確でしょうか。
とはいえ、招かれているのはレイちゃんだけなんでしょう。私たちの前に、大勢のシスエターナル信徒が現れたのです。
相手もみんな何かしらの形で武装していて、私たちを見るや襲い掛かってきます。レイちゃん、ベンくん、ルークさん、フィンくんが合わせてライトセーバーを起動しました。順に青、赤、緑、緑です。
ですがフォースからしてシスエターナルたちはレイちゃんだけを通す気でいて、実際そのように立ち回ろうとしています。こっちとしても、艦隊戦のことを考えればなるべく早く終わらせたいので、急がないと……。
『と、思わせたいんでしょうけど。残念ですがそれはお見通しなのです』
光の人だけがここにいたら、そう思わされていたかもしれません。
確かに上空の艦隊戦は拮抗していて、予断を許しません。ですが私とベンくんは、光の力も闇の力も使う身です。闇の中でも目は曇りません。
そもそもの話、ただでさえ一人一人の戦力じゃシディアスのおじいちゃんには勝てないんですから、数の力を持ち込むしかないわけです。ジェダイはあんまりしないですが、ヒーローは助け合いなのです。あっちもそれがわかってるので、分断したいんでしょうね。
まあ、急いだほうがいいこと自体は間違いないです。
なので……ここはベンくんにフォースライトニングで薙ぎ払ってもらいましょう。まだまだ弱いものしか出ませんが、生き物相手にはそれでも十分な威力は確保できています。
ルークさんはちょびっと顔をしかめましたが、実際広範囲を薙ぎ払う攻撃なので、こういう状況ではとっても便利なのです。電撃を浴びれば人体はしばらくまともに動かせませんし、武器も機械的な機構を持つスタンロッドなどは機能停止に追い込めますしね。
ちなみに私が教えました。言葉だけだとうまく伝わりませんでしたが、身体を借りて数発撃ったらそれで伝わりました。これが案ずるより産むがやすしってやつですよね。私わかりますよ。
とはいえ、いくらどうにでもできるって言っても、ホントに全滅させてる余裕がないのも事実です。わざわざ皆殺しにする意味もないですしね。
なのである程度のところで切り上げて、全員で先に進みましょう。もちろん追いかけられますけど、定期的にベンくんが後ろにフォースライトニングしたり、最後尾を引き受けてくれたフィンくんがうまいことやってくれたりで、特に苦戦せず最深部まで辿り着けました。
そこは、ローマ帝国のコロッセオか劇場かって感じの場所でした。一か所をぐるりと取り囲むように作られた無数の座席はさながら観客席。そこに居並ぶ黒いローブの人たちは、シスエターナルの人たちでしょう。
そして彼らの視線と信仰を一身に集める先には、一つの玉座。腰かけるのは、たくさんの機械に身体を繋がれたボロボロの老人……ダース・シディアスです。
「……長く、待ちわびておった……我が孫が戻ってくるのをな……」
不機嫌を隠そうともせず、彼が言います。フードの下からのぞく顔は口調通りに歪んでいて、その身体からも怒りがフォースとなって立ち上っています。
「……お前に死を望んだことはない……。お前に望むのは、女帝パルパティーンとして玉座に着くこと……。お前は支配者となるべく生まれた……血を継ぐ者の、当然の権利だ……。だが……」
「継ぐつもりなんてないわ。終わらせるために来た」
「であろうな……。しかも……おお……なんということだ……! そなたの中には、余に対する怒りも憎しみも感じられぬ……。この身にとって、おぞましいほどの大量の光に満ち満ちておる……!」
こんなはずではなかった、と吐き捨てるように言うシディアス。彼のフォースはさすがに読みにくいですが、それでもこればっかりは本心みたいです。どうしてこうなった、って感情がとってもよく見えます。
たぶんですけど、私がいなかったら目論見通りに行ってたんでしょう。それくらい、彼が企んだことはほとんど完璧でした。
でも未来から私っていうイレギュラーが来てしまったので、諦めてもらうしかないのです。
「大方、怒りと憎しみに支配されたレイに肉体を殺されることで、彼女の身体を乗っ取り完全復活しようという腹だったのだろう? だが、残念だったな」
ルークさんが言い放ちます。これに目の色を変えて――比喩じゃないです――フォースライトニングを放つシディアス。
けれどルークさんは慌てず騒がず、静かにフォースバリアでライトニングを観客席のほうへ受け流しました。硬いものが壊れる音がして、人が何人か落下したのがわかりました。
「……腕を上げたようだな、若きスカイウォーカーよ。だが……それでもなお、シスのすべてを受け継ぎし余の敵ではない……!」
敵対と殺意をみなぎらせて、邪悪なフォースを全開にしたシディアスが腕を広げました。
応じて、私以外の全員がライトセーバーを構えます。
「我が計画を乱してくれた礼だ……そなたたちには全員、この場で死すらも生ぬるい永劫の痛みと苦しみを堪能させてやろう……!」
そうして、最後の戦いが始まりました。
pixivに行くとおじいちゃんっ子に描かれまくってるベンが見れるので楽しいです。やっぱり彼、ダークサイドの才能ないんだと思います。
本作でフォースライトニングを撃ててるのはトガちゃんが文字通り身体に使い方を叩き込んだというのもそうですが、スノークや皇帝に対する怒りを維持してるからってのが大きいです。
なのでこの戦いが終わったら、攻撃技として満足のいくライトニングは出せなくなると思う。