銀河の片隅でジェダイを復興したい!   作:ひさなぽぴー

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幕間 まるで暗闇に一筋の光が差し込むような

「経営科との特別授業があります」

 

 ある日の朝、マスター・イレイザーヘッドがそう宣言した。普段あまり接点のない科の名前に、私たちは目を丸くする。

 サポート科は何かと関わりがあるのだが、経営科は関わりが薄い。合同の授業など初めてだ。

 

 だからこそ、いつものようにテンヤが勢いよく挙手した。

 

「はいっ! それは一体どういう授業になるのでしょうか!?」

「経営科によるヒーロープロデュースだ。経営科の生徒とペア、もしくはグループになり、一分以内のヒーロープロモーション映像を作る。そして普通科生徒による投票で順位を決める。ちなみにB組と合同だ」

 

 この説明に、教室の中から色んな声が上がった。大体は面白そう、といった前向きな声だった。

 

 だが私とヒミコだけは違う。マスターの言葉に乗った感情、その裏にある心の感情をも読んでしまった私たちは、顔をしかめた。

 

「いいか、これはあくまで経営科主導の授業だ。どんなヒーローになるのかは経営科の生徒次第。つまり、プロモーション映像を作るときは、全部あちらの生徒の言う通りのヒーローを演じろということだ」

 

 そして続けられた言葉で確信する。

 

 これは――地獄絵図が繰り広げられる……!

 

『コトちゃん、どうしましょ?』

『どうもこうも……そういう授業なのだと言われれば、私たちに拒否する権利はあるまい。強いて言うならば、まっとうなプロデュースがされることを祈るくらいだろう』

『やりたくないことやるのすっっっごく嫌なんですけど……!』

『君は特にそうだろうな……』

 

 ヒミコは出来る限り他人に縛られたくないタイプの人間だ。だからこそ、道を踏み外した場合はあっという間にヴィランになり得る。

 私と出会ってからはだいぶ鳴りを潜めている性質だが、別に改善したわけではない。クラスメイトのように関係の深い人の言うことなら受け入れられる、というだけだ。今回のように、初対面の人間の好きなようにされるというのは、我慢ならないことだろう。

 

 私としても、ヒミコに何かあろうものなら抑えられる自信がない。本当、頼むぞ経営科……常識で考えて行動してくれよ……。

 

「ペアおよびグループは事前に経営科で決めてある。これから顔合わせだ。行くぞ」

 

 そうこうしているうちに、移動することになった。

 なったが……先ほどからマスターの内心にある感情が同情一色なのがとても不穏だ。

 

 少し深めに探った感じだと、この授業は雄英で長く続けられている授業らしい。マスターも雄英出身なので、この授業を受けさせられたことがあるようだ。なるほどそれで同情一色に……。

 

「? ひみちゃんとことちゃん顔色悪いよ? どっか悪い?」

「いや……そういうことではなく……」

「ううう透ちゃん……私何かあったら自分を抑えられる自信がないので、そのときは何してもいいのでとめてくださいね……!」

「本当にどうしたの!? 地獄でも見たような顔でとんでもないこと言うじゃん!?」

「地獄はこれから見るのだよ、トール……」

「……この授業もしかしてヤバいの?」

「端的に言うと、非常にヤバい」

「……わぁ。帰りたくなってきた……!」

 

 私たちが三人でそんなことを話していれば当然周りには聞こえるので、他のクラスメイトたちにも不安が広がり始めた。

 

 マスターが余計なことをとつぶやいたが、それでも珍しく彼が私語を咎めなかったのは、彼もまた人の子ということだろう。事前に知っていれば覚悟を固める時間くらいは持てるか、などと考えているのだから……。

 

***

 

 経営科との初顔合わせ。幸い、私とヒミコは一緒だった。最愛の伴侶と一緒なら、地獄だろうとどこにでも行ってみせようではないか。

 

 そう思いながら二人で指定された人物のところに向かい、担当者と対面することになったのだが……。

 

「来たわねご両人! 今日という日を首を長くして待っていたわ!」

「む? 君は確か……」

「峰田くんの同志の人でしたっけ」

 

 そう、出迎えた人物はいつぞやのバレンタイン騒動のとき、ミノルを訪ねてきた少女だった。どうやら世界は狭いらしい。

 

 名前は確か……ホージョウ、だったか。そういえば経営科と名乗っていたな。

 

「ええそうよ! アタシこそは百合の伝道師! 雄英ヒミコトファンクラブ創設者の一人とは何を隠そうアタシのことよ!」

「あれは君の仕業だったのか……」

「これまた世界は狭いですねぇ……」

 

 やけに高揚した言動を隠すことなく、声高に名乗ったホージョウに私たちはのっぺりとした顔を向ける。

 

 私たちの言葉から察せられると思うが、実はファンクラブがあること自体は知っていた。文化祭のあとくらいに、そういうものを設立したいと経営科から打診が来ていたからな。

 

 経営科は先にも述べたが、ヒーローのプロデュースなどを学ぶ学科。であるからこそ、ヒーロー科の生徒のファンクラブなどを自主的に立ち上げ運営するという行為は、我々で言うところのヒーローインターンのような扱いになるらしいのだ。

 そのときに規約なども見せてもらったが、私たちに実害はなさそうだったので許可した経緯がある。なので認知はしており、ひとまず健全に運営されているということも知っていた。

 

 ということを思い返しながら端末に保存している規約関係の写しを確認して見たら、確かにそこにはホージョウの名前が連名で記入されていた。うーむ、こんなところですれ違っていたのだなぁ。

 

「……というわけで今回の特別授業、お二人のプロデュースを担当するのはこのアタシ、北条豊です。改めてよろしくお願いします」

「う、うむ、よろしく頼む……」

「急に丁寧になられるとびっくりしますよね」

 

 不意に態度を落ち着かせて、ホージョウが礼をしてきた。あまりの落差に二人で面食らう。内心はまだ荒ぶっているようだが。

 

「早速なんだけど、お二人はどんなPVがいい?」

「ん?」「え?」

 

 だが続けられた言葉に、私たちはさらに驚いた。マスターがあれほど同情していたように、押しつけがましい頓珍漢なものを強いられると思っていたのだが。

 

「え? そりゃ経営が傾いてて起死回生のプロデュースを、とか言われたらあれこれ口出すけど今回はそんなんじゃないし。だったらその人がやりたいのをやるのが一番でしょ?」

「……ヒミコ。どうやら我々は大当たりを引いたらしいぞ」

「みたいですね。これは勝ちましたよコトちゃん!」

 

 不思議そうにホージョウは言ったが、こうした相手の立場を慮る想像力をしっかり持っている生徒は、恐らくほとんどいないはずだ。そうでなければマスターはあんなことを考えない。

 何せ周辺からは、今も断続的に阿鼻叫喚の心の声が届いているからな。乗り気なのはフミカゲくらいしかいないでは?

 

「あー……まあ、アタシもお二人の担当じゃなかったらやらかしてたとは思う。自分の思い描いてたヒーローを実現できるってなったら、歯止めが利かなくなってもおかしくないっていうか」

「しかし君は他でもなく今、この瞬間に自制できている。我々としてはそれが何よりありがたいのだ」

「そりゃまあヒミコトファンクラブ創設者の一人としては、お二人に理不尽を強いるなんて村八分にされてもおかしくない所業はできないし、何よりアタシのプライドが許さないからね!」

 

 結局そこに行き着くのか……とは思うが、今はその矜持がありがたい。私たちはこれ以上藪をつついて蛇を出さないために、至極真面目腐った顔を作って話を進めるよう促すのだった。

 

 とはいえ……どんなプロモーションがいいか、と聞かれても正直困る。なぜなら、

 

「私たちは別にヒーローになりたくてヒーロー科にいるわけではないからなぁ……」

「ええ!? じゃあなんで!?」

「無許可で”個性”を使ったら犯罪じゃないか。だから単に免許目当てだ」

 

 今は……まあ、その、少しくらいは。クラスのみんなとなら普通のヒーロー事務所を立ち上げるのも悪くないとは思っているが、ヒューマライズ事件で私の目標も固まったからなぁ。

 

「私はコトちゃんと一緒の学校に通いたかったので」

「お二人の理由が解釈一致過ぎて死にそう」

「死なないでくれ、頼むから」

 

 てぇてぇ……などとつぶやきながら天を仰いで倒れようとするホージョウを、多少無理にでも引き留める。

 これでもし彼女が体調不良などで、私たちの担当から外れようものならどうなることか。増幅やフォースヒーリングを使ってでも引き留めて見せるぞ。

 

「じゃ、じゃあ質問変えるわね。ヒーロー免許取ってどうしたいとか、そういうのはある?」

「この星の自由と平和を守る。それが私の理念だ」

「人命救助のときもヴィラン退治のときも、コトちゃんの隣にいる過激な女の子になります」

「ミ゜」

「いちいち死なないでくれ!」

「うーん、峰田くんの同類感がすごいです」

 

 その後も、たびたび死ぬホージョウをなだめすかしながら話し合ったのだが……。

 

「え? 事務所は宇宙もしくは月面に置く予定?」

「ああ。国の枠組みにとらわれない、この星全てを管轄する治安維持組織にしたいのだ」

「それで地球を眺めながらイチャイチャするのです」

「ア゛ッ。……宇宙かァ……宇宙……PVが一分以内とはいえ、そんな映像を用意するとなるとコストすごそうだな……うーん……」

 

 あまりにも私たちが一般的なヒーロー像から程遠く、ホージョウをとことん悩ませることになった。

 このままでは話が進みそうにない。そろそろ一度目の打ち合わせは時間切れになりそうだが、ここである程度の方針を決めておかないと後に響きそうである。

 

 おかしなことをしたいわけではないが、しかしこの授業の主体はあくまで経営科。ホージョウを困らせたいわけでもないので、私たちは「多少なら構わないから、とりあえずホージョウのやりたいことを聞かせてほしい」と譲歩することになった。

 

「じゃ、じゃあこんなプランなんてどうかしら!?」

「え? 最高じゃないですか。私これでいいです。むしろこれがいいです!」

「う、うん……私も……いいんじゃないかな……と、思う……恥ずかしいけれど……まあ……」

「ウッヒョー! まさかアタシの案をそのまま受け入れてくれるなんて! 生きててよかった! 最高のPVを作るぞう!」

 

 ……なったのだが、まさかあんな案を出してくるとは思わなかった。なるほど、これはミノルの同類である。

 

 まあ……口にした通り、私もまんざらではないので別にいいのだが……これは……なんというか、トールがあとで怖いなぁ。

 

 青天井に昂り続けるホージョウを半目で眺めながら、私はそんなことを思っていた。

 

***

 

 一週間後。壇上に大きなスクリーンが掲げられた体育館で、私たちは経営科の生徒と共に集まっていた。舞台の下には観客となる普通科生徒たちが、ずらりと椅子に並んでいる。いよいよプロモーション発表会だ。

 

 だがヒーロー科の面々は、誰も彼もが親しい人を亡くしたかのような暗さに満ち満ちていた。それはA組もB組も変わらない。

 映像を披露した後、映像内で使用していた経営科用意のヒーローコスチュームを実際に見せるため今はあえて黒いフードつきマントを全員が着用している点も、雰囲気を暗くする一端を担っている気がする。

 

「……誰かウソだって言ってくれよ……」

「マジでやんのか……?」

 

 ちらほらと聞こえる言葉のトーンも、完全に葬儀場のそれである。つまり、それだけ経営科の出してきた案がどれもこれもひどかったということに他ならない。

 

 そんな中、彼らにはまったく申し訳ないのだが、私とヒミコは早く出番が来ないかなとさえ思っていた。それだけホージョウが手掛けた映像は、私たちにとってもよくできたと思えるものなのだ。

 ヒミコに至っては笑顔をまき散らしており、周囲から完全に浮いている。接点が薄いB組の一部生徒からは、理解できない何かを見るような視線を向けられていた。

 

「お前らの気持ちはわかる! だが、これも大事な授業だぞ。覚悟決めて舞台に立て!」

「プロヒーローになれば、理不尽なことは一つや二つじゃ済まない。これはそのための予行演習でもある。……いいか? ヒーローとしてのプライドは持て。だが、人前に立つときは恥は捨てろ」

 

 これを見て、マスター・ブラドキングとマスター・イレイザーヘッドがそれぞれのやり方で鼓舞する。

 そう言う裏で、自らの学生時代を思い出しながら「もう二度としたくない」「絶対にやりたくない」などと思っていなければ完璧なのだが……運よく当たりを引けた私たちにそれを言う権利はないだろう。

 

 何はともあれ、どうにかこうにか覚悟を固めたヒーロー科をよそに、いよいよ発表会が始まった。

 

「えー、コンセプトは病弱ヒーローです」

 

 一番手は、A組から出席番号順ということでユーガである。

 ……が、この出だしの言葉からしてもうどうかしているということが察せられるというもの。

 

 実際流された映像も、なぜか入院着に点滴という姿で血反吐を吐きながらもネビルレーザーで敵を倒す、というよくわからないものであり、見せつけられた普通科の生徒たちも絶句していた。体育館内の空気は最悪である。地獄でももう少しはマシなのではなかろうか。

 

 その後も同じような調子の映像が、次から次へと流されていく。歌って戦うアイドルヒーローにされたオチャコとツユちゃんはだいぶマシだと思うが、やんきーとやらにされたミナや、何やら元ネタありきのデンキ、漁師にされたエージローなどなど……本当に死屍累々というありさまで……。

 

 思っていた以上の地獄絵図に、ヒミコもさすがに浮かれている場合ではないなと思い直したようで居住まいを正していた。

 それでも悪いとは思っていない辺り、よほどプロモーション映像が気に入ったのだろうな……。

 

「よっし、アタシたちの出番ね! 行くわよご両人!」

 

 そうこうしているうちに、私たちの出番だ。出席番号順はヒミコのほうが先なので、私はそちらに引っ張られる形で少し早めの登壇である。

 

「コンセプトは……ずばり、愛! です!」

 

 手短に、しかし高らかに宣言したホージョウに合わせて、映像が始まった……。

 

***

 

 暖かな光で満たされた、白い世界。神聖な輝きすら感じられるその場所は、何を隠そう教会である。

 ステンドグラスの下。父と子、精霊に見守られる壇上に立つのは、これもまた純白のドレスに身を包んだ二人の花嫁。彼女たちを出迎えて、神父が厳かに口を開いた。

 

「汝らは、ここにいる互いを……病めるときも、健やかなるときも……富めるときも、貧しきときも……()()()()退()()()()()()()()()()()()()()……妻として愛し、敬い、慈しむことを誓いますか?」

 

 それは、神が永遠に結び合わせる聖なる儀式。死が二人を分かつまで、永遠に結ばれるための尊い儀式である。

 

「「はい、誓います」」

 

 二人の花嫁が、同時に応じる。顔も背丈も、声も性格も……何もかもが違う二人だが、それでも二人はこの日、神の御名において一つとなる。

 

「よろしい。それでは、誓いの口づけを」

 

 満足げに頷いた神父に促され、二人は静かに向かい合う。ただしそのままでは身長差が甚だしいので、一人が緩やかに膝をつく。

 そうして同じ高さで視線を合わせた二人は、幸せと恥じらいで赤く染めた顔を少しずつ近づけていき……その唇を、そっと合わせた。

 

「おお神よ! 今ここに一組の夫婦が誕生しました! もはや二人は二人ではなく、一人なのです! たとえいかなることがあろうとも、二人を引き離すことはかなわないでしょう!」

 

 神父が声高らかに宣言する。

 

 そして、その宣言を証明するかのように……切り替わった先の画面で、戦う二人が次々に映し出されていく。

 

 あるときはヴィラン退治を、あるときは人命救助を。またあるときは、デートを。

 ときには困難なこともある。一人では立ち向かうことも難しい巨悪とも遭遇するときもある。

 

 けれども、どんなことがあっても二人なら。二人で一人の彼女たちなら……何も恐ろしくはない。二人で手にしたこのオレンジの輝きが、どんな困難も切り裂いて輝かしい未来へと導いてくれるはずだから……。

 

***

 

 映像が終わると同時に私たちは黒いマントを脱ぎ捨て、いつものヒーローコスチューム……すなわちジェダイ装束へと切り替える。

 起動したライトセーバーをいつものように軽く取り回してから、一歩を前に出して橙色の切っ先を交差させる。

 

「「ここより永遠(とわ)に、我らは二人で一人。この星の、自由と平和を守る騎士である!」」

 

 そしてそう宣言したところで、私たちの出番は終わりだ。だが今までと違い、舞台の下からは拍手の音が聞こえてきた。

 うむ。どうやらお気に召していただけたようで何よりだ。ホージョウも報われるだろう。

 

 とはいえ、私たちの出番はここでひとまず終わりだ。ライトセーバーを収めながら、ローブのフードを外して顔を露にした私たちは改めて一礼をし、ホージョウと共に舞台袖へと下がることにした。

 

 だがここで、一つ手違いが起こる。大画面で映像を見て、高揚してしまったのだろう。戻る道中でヒミコが私を抱き上げ、そのまま思い切りキスをしてくれたのである。

 

 公衆の面前で。

 

 当然、というべきか。舞台下はもちろん、袖からも黄色い声の大歓声が巻き起こった。

 視界の端のほうでミノルが一瞬にして入滅の()勢に入り、ホージョウもそれに続いて倒れるのが見えた。トールは野次を飛ばしている。イズクとオチャコは揃って真っ赤になっていた。

 

 あっという間に騒然とした場はそのまま混沌としていき……だがそこから巻き起こる歓声が、影響したのだろう。体育館の天井から、照明が一つ落下してしまった。このままでは、下にいる生徒たちが危ない。

 

 だがフォースの予知でその光景が見えていた私たちは、落下する直前に既に臨戦態勢に入っていた。その視界に、ボルトが先に落ちる様子が見える。

 

 そのボルトを一本たりとも逃すことなく、私はフォースによるテレキネシスで照明共々空中で静止させると、誰もいない場所へ移動させる。

 同時に、ヒミコは落下地点へ飛んでいく。落下地点周辺にいる生徒たちの無事を確認しつつ、念のため遠ざけながら天井の状態を注視する。その左手はオチャコのものになっていたので、ゼログラビティを併用しているのだろう。

 

「マスター、終わりました」

「こっちも異常なしなのです」

 

 一通りの安全確認が終わったところで、私たちは教師陣へ声をかける。これに応じたのは、マスターたちの満足げな頷きであった。

 

***

 

 照明の騒動によって、映像発表会は十五分ほど中断した。

 だが問題はなく、安全も確保されたのでその後は滞りなく継続され……一度リセットされたからかやはり地獄のような空気は続いたが、無事に……。

 

 ……うん、とりあえずは、すべての映像が無事に発表されて投票を迎えた。

 

 結果は、ホージョウのプロデュースした私たちが他を圧倒する票を得て一位となった。

 

 ただこの結果は映像の出来栄えやコンセプトの優劣がどうこうというより、事故を防いだことのほうが大きそうだ。マスター・イレイザーヘッドが「ヒーローは外見やイメージではなく、行動が大事ということだ」と授業を締めくくったが、その言葉を誰もが実感したことだろう。

 

 まあそれはそれとして。

 

「ズルい!! 二人してあんな……あんな本格的な結婚式なんてしちゃってズルいよ!! 私もしたい!! ウェディングドレス着ーたーいー!」

「透ちゃんごめんねぇ、したかったのでしちゃいました」

「ひみちゃんそういうとこある~~!! そういう自由なとこも好きだけど~~!!」

「ごめんねぇ。お詫びと言ってはなんですけど、はいこれ。撮影で使ったブーケです。肝心のシーンは尺の都合でカットされちゃいましたけど。次は透ちゃんの番ですから……ね?」

「……もー、しょうがないなぁひみちゃんは! 許す!」

 

 予想通り、というべきか。終わったあとには、それからしばらくトールからものすごい勢いで迫られることになったヒミコがいた。

 

 とはいえこれについては、ヒミコも「キリスト教って一人しか好きになっちゃいけないんですよね? それだと困りますよね」と言っていた辺りまんざらではないのだろう。

 その後二人はブーケトスをし合って楽しそうにしていた。ブーケトスの意味を知らないわけではないのだが、たった二人で、しかも何回もするのはどうなのだろう? まあ、二人が楽しいのならそれでいいか。

 

 ……こうやって三人で賑やかに過ごすのも、なんだかもうだいぶ慣れてきたな。もしかしたら、「その日」は近いかもしれない。それも悪くないな。

 などと思う私であった。

 




はい、今回最後の幕間は、公衆の面前で公然とイチャつくバカップルでした。
このネタをやりたかったがために、北条豊というキャラは生まれたと言っても過言ではない。

一応当初は魔法少女とかやらせようかなと思ってましたが、それだと原作にもやらされてる子いるしありきたりだなと思って・・・。
色々考えた結果、全一年生の前で結婚式やったらバチクソ受けるんじゃね? と思いついたあの日の自分を褒めてあげたいですね!

後悔も反省もありません。今はただひたすらに満足してます。

***おまけ***

「ところでご両人。事務所を地球外で開くのはいいけど、食料とかどうするの?」
「自家生産するつもりでいる。私自身に知識はないが、ドロイドを使えばおおむね可能なはずだ」
「ふむ。ところでこれは売り込みなんだけど、アタシの”個性”は『豊穣』っつってね? 土壌を最適化させて農作物の品質と収穫量をグッと増やせるんだけど」
「君を新生ジェダイの広報および、食料調達担当に任命しようと思う」
「異議なしなのです」
「ッシャオラァ就職先ゲーット!!」

 なおその後峰田に自慢しまくったらガチ凹みされたので、慌てて新生ジェダイに峰田も入れられないか交渉をかけた模様。
 交渉の行方がどうなったかは、神のみぞ知る。

***彼女の名前の由来はそういうことだったりして***
***おまけ終わり***

・・・ということで、なんかぐだぐだしてきましたがEP13はこれにておしまい。
次回はいよいよ、原作で言うところの第一次全面戦争編になります。地獄が待っている。
ここからしばらく、いつも通り書き溜め期間に入ります。書き上がったら更新を再開しますので、そのときにまたお会いしましょう。

最後に、EP13も終わったところで、今章の感想・評価などいただけましたらそれはとっても嬉しいなって・・・!
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