影山蒼
影山有希
影山咲希
以上3名
俺は有希と旅行することになり、今日から出かける……はずだった。
「ゲホッ、ゲホッ」
「大丈夫か、苦しくないか」
有希が風邪を引いてしまい、咲希と俺で看病していた。俺は有希に寄り添い、咲希は慣れない料理を作っていた。
「うぅ…蒼くん…移っちゃうから…」
「今は有希が1番だ」
俺は有希の手を握った。有希は苦しそうに笑った。
「ほっとする…」
「今は風邪を治すことに専念してくれ。それが1番いい」
すると、キッチンから咲希の声が聞こえた。普通の声じゃなくて、叫んでいるようだった。
「行かなくちゃ…」
「俺が行くよ。ゆっくり寝てて」
俺は咲希のところに向かった。咲希はキッチンで仰向けになっていた。
「何してるんだ、咲希」
「お兄ちゃん…夕飯できたから…」
咲希はその場にグーグーと眠った。なんでそんなギリギリで作る…俺は咲希をクッションの上に寝かせ、すぐに戻った。
「有希、夕飯出来たってよ。持ってくるから待ってて」
「うん…ありがとう…」
俺は有希と俺の分を持ってきた。お粥だった。まぁ、病人にはこれがいいだろう。
「有希、口開けて」
「え?いいよ…食べれる…」
「大丈夫だから。ほら、口開けて」
有希は口を開けた。俺はそのなかにお粥を入れた。
「んぐ…」
「無理するなよ」
「自分で、食べれるから…」
「そうか…?無理するなよ」
俺は有希の部屋から出た。俺も疲労が溜まっていて、休みたかった。俺はリビングの咲希から離れた位置に座った。咲希はクッションに仰向けで眠っていた。場所が変わってないから寝返りすらうってないんだろう。俺はテレビもつけず、静かなリビングでボーッとしていた。
「……有希……」
俺はそれだけ言ってヘッドフォンをつけた。静かだった部屋は音楽で掻き消された。
俺が気付いたときにはもう20:00を過ぎていた。俺は有希の部屋に向かった。
「有希、どうだ」
有希はぐっすり寝ていた。汗もかいている。熱も下がっていることだろう。俺は氷枕を新しいものに取り替えた。冷えピタも新しいものにした。有希は起きない。
(そうだ、旅行の準備するか)
俺は今日行けなかった旅行の準備を進めた。といっても、今日行くつもりだったから大半は終わっている。スーツケースにも着替えは入ってるし、各自のリュックなどにも自分のものは入っている。
(あとは…もう全部入れたか?)
俺は全てを確認した。すると、ひとつ足りないのに気づいた。
「あれ…俺の長袖4着あるのに、ズボン3着しかねぇや」
俺は自分の部屋のたんすからズボンをもう1着持ってきた。そして、スーツケースにいれる。
「あれ、それだと有希のズボンも1着足りないな…」
俺はさらに確認した。すると、有希のパンツが足りなかった。
「…取ってくるべきか…」
俺は有希の部屋に向かい、こっそりドアを開けた。お粥は全て食べていて、ぐっすり寝ていた。俺はこっそり有希のたんすを開けた。そして、パンツを1つ持ち、急いで外に出た。俺は溜めていた息を一気に吐き出した。
「はあぁぁ…これで大丈夫だろ」
俺はスーツケースの中に入れた。すごい変態みたいなことしたな…
俺はソファに座った。
【影山有希視点】
私が目を覚ましたのは日が明けた8:30くらい。私はベットから起き上がってみた。氷枕がまだ冷たく、冷えピタも冷たかった。
「あれ…だるくない…」
私は部屋の中をぐるぐる歩いてみた。
「歩くの、辛くない…あ、熱」
私はテーブルの上に置いてあった体温計を手に取り、体温を測った。音が鳴り、私は数字を見た。
「36.2…全然平熱…治ったのかな…」
私は部屋から出てリビングに入った。
「おはよう、蒼くん」
リビングは静かで、蒼くんはソファでスーツケースを前に寝ていた。咲希はクッションでうつ伏せになって寝ていた。
「…蒼くん、ありがとう」
私は朝ごはんを作り始めた。すると、蒼くんがむくりと起き上がった。
「あれ…俺寝てた?」
「うん。寝落ちしちゃった?」
「あぁ、多分そう」
蒼くんはゆっくり歩いていた。私は朝ごはんのサンドイッチを作り始めた。
その時、蒼くんが私の後ろから抱きついた。
「ちょっと、蒼くん…危ないよ…」
「有希が足りなかった。しばらく、このままいさせてくれ…」
蒼くんは私に密着して言った。
「うん。いいよ」
私は前にあった蒼くんの手を握った。
「今日旅行行く?」
「そうするか。けど、有希から多分離れないよ?」
「ふふっ、面白い。いいよ、ずっとくっついてても」
「じゃあずっとキスしてても」
私は嫌じゃなかった。素直に私は答えた。
「いいよ?」
すると、蒼くんは私の口に蒼くんの口を付けてきた。
「んっ」
キスだった。蒼くんは一向に離れようとしない。
「ぷはっ」
「いやじゃないか」
「嫌じゃ、ない」
私は蒼くんに抱きついた。
「蒼くん、大好き」
「俺も。大好き」
私と蒼くんはぎゅっと抱きついたままでいた。