影山蒼
影山有希
影山咲希
新メンバー1名
以上4名
新幹線に乗ると、A、B、C席に3人が座った。新幹線の切符は今回の新横浜→名古屋のぞみ225号、名古屋→京都のぞみ35号。あとは翌日京都→東京のぞみ200号、東京→高崎はくたか555号。結構少なくしたつもり。最初は名古屋→奈良在来線考えたが、18:00近くなるからやめた。
俺は有希の隣に座り、手を繋いで静岡まで来ていた。
「むぅ…お兄ちゃん、お姉ちゃんとベッタリ…」
ベッタリって言うほどくっついてない気がするが。もうこれでくっついてる内に入るのかな。
「にぎにぎっ♪」
「やっぱり…届かないのをいいことに…」
「いや、違う!そうじゃなくて…ほら、妻だったら当然だろ?手を繋ぐのは」
俺は少し焦り気味に言った。咲希は泣きそうにこっちを見た。
「…じゃあ俺真ん中行くよ。そうすれば両方手繋げるだろ」
俺は真ん中にいた有希と場所を交代した。右側に有希、左側に咲希で、それぞれ手を繋いでいる。
「お兄ちゃんの手あったかい…」
「そうか?」
俺は咲希の手を包むように咲希の手の甲と手の平に手を添えた。
「……」
咲希は黙ってしまった。俺が心配そうに見ると、咲希は俺の手に頬を擦らせてきた。
「しばらく、このままでいたい…」
「はぁ…しょうがないな」
俺は咲希の顔を動かさないように背もたれに体重をかけた。
俺は名古屋に着くとまずみんなが楽しみにしていた小倉トーストの店に向かった。店は名古屋駅構内にあり、近場のため結構すぐ行けそうだった。
有希は咲希の手を繋いで、俺は先頭を歩いていた。後ろに有希たちがいて、お供のように付いてきていた。
「ここだよ」
俺は店の前に着くと有希たちに言った。
「いい匂いするっ」
有希は匂いを嗅いで言った。俺にはそんな匂いしないけど、有希にはするのかな。
「じゃあ食べよっか」
「うん!」
俺たちは小倉トーストの店に入った。
小倉トーストが来ると、有希は早速食べ始めた。咲希もそれに続いて食べ始め、2人同時にうっとりとした顔になった。
「おいし~…」
「よかった。君もよかったろ?」
俺は近くで見ていた店員に言った。
「あぁ。よかった」
この人は俺が以前名古屋に来たときに俺と連絡先を交換し、俺がサインした人で、
「あの、これって家で簡単にできますか?」
「あ、えっと、フレンチトーストに小倉をかけて頂ければ家でも作れますよ」
「折角だったら俺が作ってやろうか?」
俺は有希に聞いた。しかし、有希は首を横に振った。
「ううん、自分で作りたい。蒼くんは、私の作った小倉トースト食べて?」
有希はニコッと笑って言った。
咲希は俺たちの横でうっとりしたような顔をしていた。咲希は美味しそうに食べていて、壮太も嬉しそうだった。
「あ、そうだ。蒼に伝えておくことがあったんだった」
「伝えておくこと?なんだ」
「昔話したじゃないか。5年くらい前かな。『124K2455834U』のこと」
『124K2455834U』?そんな番号あったかな。人違いかもしれないし。けど、124Kは聞いたことあるな。なんだったかな。えっと、なんかの暗証番号だったかな?もう覚えてないな。
「なんだっけ」
「はぁ!?忘れたのかよ!?あれほど命に関わることだって言ったのに」
そんな重要なことだったか。
俺は必死に思い出した。5年前は22歳で、運転士はまだやっていた。124K2455834U…
その時、俺の中にふと1つ思い浮かんだ。そう、英語の前の数字たちを足すことだ。
「7K31U?」
「もう分かったろ」
俺は7K31Uが指す言葉を思い出した。7K31U…あ!
「5年前の爆破予告」
「そう。高崎駅前ビル爆破予告」
高崎駅前ビル爆破予告なんて、もう爆発物は撤去されて、それに実際爆発はしなかった。
「爆発しなかったんだろ?」
「あぁ。しなかった」
こう言うってことは、何かあるんだろう。俺は有希と咲希を先に名古屋城へ向かわせた。
「有希、咲希を連れて先に名古屋城にいってなさい」
「うん。咲希、行くよ」
有希もなんとなく察したらしく、すんなり出ていった。俺は店の裏で話した。
「それで、しなかったのに何の問題があるんだ」
「報道されてたろ、爆発物は撤去されたって」
「あぁ。だから、爆発しないんだろ?」
「爆発するもの。爆弾、ダイナマイト以外に何がある」
爆発物ってことだよな?化学物質を使うと、塩酸、水素、過酸化水素…金属片を塩酸で溶かし、水素を発生させ、火をつける。すると、小さな爆発が起こる。あとは、先述の物質を全て混ぜる。
「塩酸、水素とか」
「だろ?爆発物が撤去された。じゃあ、そのあとタイマーですべての物質を入れ、加熱すれば」
そうすれば、建物全体が崩壊してもおかしくはない。
「まさか…」
「設定時刻は、明日16:00。±10分で爆発するだろう」
明日、か。ちょうど行くけど、爆発しないといいな。