影山蒼
影山有希
影山咲希
月島柊
以上4名
俺は翌日、咲希に転移場所の候補を聞いた。やはり、蒼の家がいいらしい。俺は転移先をそこにして、魔方陣を作った。
「咲希、いっぱい遊んであげろよ」
「うん!じゃあね!」
咲希が転移しいていった。これで、咲希もひと安心だろう。
【影山蒼視点】
俺と有希は帰ることにした。ホテルを後にして、もう暗くなった20:00、長野原草津口駅に到着した。20:33発、吾妻線普通、高崎行き最終電車に乗車し、高崎まで移動する。その後、22:08発あさま632号東京行きで東京まで移動する。
「有希、今は、帰ろう」
「……うん……」
有希は寂しそうだった。実の妹を失ったのだから。
「ご乗車ありがとうございます。この電車は、吾妻線、上越線直通の、高崎行きです。この電車、新前橋まで最終電車として運転いたします」
最終電車という言葉が、俺と有希をこの世界に引きずり戻す。
「主な駅の到着時刻、ご案内いたします。途中、中之条には21:01、渋川21:30、新前橋21:45、終点、高崎には21:55、午後9:55の到着です」
車掌からのアナウンスが誰もいない車内に響く。
「有希、俺も気持ちは同じだから」
「そうだよね……ありがとう……」
俺は高崎に着くと、急いであさま632号の切符を取る。指定席は長野からの乗客で満席だったため、自由席にした。
自由席は窓側全てが埋まっていたが、幸いにも、通路側は空いていた。
あさま632号は、22:08に高崎を出発。停車駅と到着時刻は、
大宮22:36
上野22:55
東京23:00
だ。
東京まで座れることができただけでいいが、有希と俺の感情はどんより沈んだままだった。
「蒼くん……次は……」
「23:22発普通国府津行き……」
俺たちは元気を失ったまま電車に乗った。9番線からの当駅始発で、席は全て空いていた。俺たちはクロスシートに腰を掛けた。
「ご乗車ありがとうございます。この電車は東海道線、国府津行きです。1号車を先頭に、1番後ろが15号車です。終点国府津まで長い15両で運転いたします。お手洗いは1番先頭1号車、中ほど6号車と11号車、グリーン車のお手洗いは5号車にございます。主な駅の到着時刻をご案内いたします。品川には、23:31、横浜23:49、大船0:04、茅ヶ崎0:16、終点国府津には0:36、明日午前0:36に到着いたします。また、車内のマナーにつきましても、ご協力をお願い致します。次は、新橋です」
長いアナウンスが終わり、ジョイント音と、インバーターの音しか聞こえなくなった。
「有希、今日は早く寝よう」
「うん……」
俺と有希は家に帰ってからの事を話した。
藤沢には0:09。スーツケースを開けると、今日咲希が着る予定だった服があった……
「……寝るか」
「うん……」
俺たちはベットで寝た。
俺が仕事に行くと、会社の社員たちから心配された。
「どうした、元気ないぞ」
「え、あぁ、なんでもない。昨日旅行したからかな……」
俺はテーブルに向かった。
仕事が終わって、疲れ果てて帰ってきた旅行翌日。もうクタクタだ。
そんな俺の目の前に、突如水色の光が見えた。幻覚かと思い、もう一度見ても、消えていない。
「なんだ──」
その時、俺の上に急にのっかってくるものがあった。
「お兄ちゃん!」
お兄ちゃんと呼ぶその女性。よく見ると、見慣れた姿。
「お兄ちゃんっ!」
もう一度呼ぶ女性。それは、あの日、居なくなった咲希だった。俺は信じられず、夢ではないのかと疑った。その証明を自分にするため、咲希であろう女性を抱く。
「お兄ちゃん!お兄ちゃん!」
確かに抱いている感触がある。ちゃんと人の感触で、呼ぶ声も咲希と同じだ。髪の色、長さ全て咲希だ。俺の疑いは全て晴れた。
「咲希!咲希!」
俺はひたすらに咲希の名前を呼ぶ。
「蒼くん、咲希は──」
有希がキッチンから出てくる。有希は咲希に気付く。
「お姉ちゃん!」
有希は咲希に聞く。疑っているらしい。
「咲希、血液型は」
「何言ってるの?お姉ちゃん」
咲希は有希に抱きついて言う。
「Bでしょ、お姉ちゃんと同じ!」
「やっぱり咲希だっ!」
有希も嬉しそうにハグする。
「お姉ちゃん!ただいまっ!」
「おかえりっ!咲希!」
「おかえり、咲希!」
2人で歓迎した、
咲希がいるだけで、こんなに空気が変わるんだ。重要な存在だ。