影山蒼
影山有希
影山咲希
以上3名
「咲希~、なにするぅ?」
有希がデレデレしたように言う声が聞こえる。
俺はいかにも、今二度寝をして起きた時だった。なんで二度寝したか?眠いからさ。当たり前だろう?
「お姉ちゃ~ん、お散歩!」
「いいね、行こっ!」
有希と咲希はおそらく外に出ていった。俺は三度寝をしようとした。
「いや、三度寝はやめとこ」
俺はゆっくり起き上がった。もう10:00過ぎてたか。
明日は有給を取ったし、明後日は元からリモート会議だ。
「さて……有希と久しぶりにデート行くか」
もう10月だからなぁ。ハロウィーンか。丁度明日だし、朝の内に行っておくか。有希、一回だけハロウィーンの渋谷行ってみたいって言ってたし。
俺は有希に、吉祥寺で泊まるように伝え、翌日、吉祥寺から渋谷へ移動した。7:38発各駅停車渋谷行き。通勤ラッシュ真っ只中で、吉祥寺では当駅始発なのに、座席に座れなかった。仕方なく、ドア横に2人で寄りかかっていた。
「有希、俺にくっつけよ」
「むぎゅっ」
有希は俺にがっつりくっつく。
電車は乗車率80%ほどで出発。次の停車駅は井の頭公園だが、到着するなり大量に乗ってくる。
「きゃっ」
「大丈夫。俺にくっついてれば」
俺は有希を強く抱き締めた。
「わぁ、蒼くん」
有希は乗ってくる客に驚いていた。
最終的に、下北沢や明大前で大量に乗り、渋谷では乗車率180%ほどだった。吐き出されるようにホームに降りると、有希はくたくたで、俺にくっついていないと歩けなくなっていた。
普段の東海道線は、乗車率最大150%で、15号車は空いている。しかし、今回の井の頭線は、1から5号車まで満員。東海道線とは話が違う。
「有希、大丈夫か」
「うん……」
有希は俺におんぶされて改札を出た。
有希は深夜になり、ハロウィーンの渋谷へ行った。心配で、俺も付いていった。有希は最初、仮装をみて楽しんでいたが、やがて辛くなっていった。
「やぁっ、くっつかないで!キモい……」
「有希、俺はここだ」
「蒼くん!きゃっ!」
有希はドミノ倒しに遭い、潰されるように転んだ。俺は予測できたはずだったのに、行かなかった。
「有希!」
俺は上に乗った奴を退けて、有希を助けた。有希は膝を痛めていて、俺はすぐに山手線の電車に乗った。
23:31発内回り、品川・東京方面。これで品川まで行き、品川から時刻通りだと、23:58発東海道線普通国府津行きに乗り換えられる。
「有希、まだ痛むか」
「うん……この体勢、まだ楽な方……」
膝を触らず、楽にしていた。お姫様抱っこに近いが、膝を触っていないから違う。
「家に帰ったらすぐに見てやるからな。それまで少し我慢してくれ」
俺は有希を介護して帰った。
家についてから、俺は咲希と一緒に手当てし始めた。病院はもうやっていないため、とりあえず応急処置で膝を痛くない体勢で固定させた。あとは明日になって、病院に連れていくだけだ。
「咲希、明日って会社あるか」
「うん。午前半取る?」
「無理だったらいいけど、お願いできるかな」
「オッケー」
咲希はパソコンを開いて、メールを打つ。俺は包帯を有希に巻いている。
「有希、大丈夫か」
「うん……平気……」
有希は痛みを堪えながら言う。
咲希がメールを打ち終わり、こっちに来た。
「ごめん!午前締め切りの仕事があって……」
「そうか。無理言って悪かった。俺、明日リモートだから、病院ついでに連れてくよ」
「蒼くん……仕事だったら無理しないで……?」
「いいから。有希のためだ」
俺は有希の手を握って言った。