離れて近づいて 完結   作:月島柊

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今回の登場人物
影山蒼
影山有希
影山咲希
以上3名


第20話 膝の痛み

 「咲希~、なにするぅ?」

 

有希がデレデレしたように言う声が聞こえる。

俺はいかにも、今二度寝をして起きた時だった。なんで二度寝したか?眠いからさ。当たり前だろう?

 

「お姉ちゃ~ん、お散歩!」

「いいね、行こっ!」

 

有希と咲希はおそらく外に出ていった。俺は三度寝をしようとした。

 

「いや、三度寝はやめとこ」

 

俺はゆっくり起き上がった。もう10:00過ぎてたか。

明日は有給を取ったし、明後日は元からリモート会議だ。

 

「さて……有希と久しぶりにデート行くか」

 

もう10月だからなぁ。ハロウィーンか。丁度明日だし、朝の内に行っておくか。有希、一回だけハロウィーンの渋谷行ってみたいって言ってたし。

 

 

 

 

 俺は有希に、吉祥寺で泊まるように伝え、翌日、吉祥寺から渋谷へ移動した。7:38発各駅停車渋谷行き。通勤ラッシュ真っ只中で、吉祥寺では当駅始発なのに、座席に座れなかった。仕方なく、ドア横に2人で寄りかかっていた。

 

「有希、俺にくっつけよ」

「むぎゅっ」

 

有希は俺にがっつりくっつく。

電車は乗車率80%ほどで出発。次の停車駅は井の頭公園だが、到着するなり大量に乗ってくる。

 

「きゃっ」

「大丈夫。俺にくっついてれば」

 

俺は有希を強く抱き締めた。

 

「わぁ、蒼くん」

 

有希は乗ってくる客に驚いていた。

 

 最終的に、下北沢や明大前で大量に乗り、渋谷では乗車率180%ほどだった。吐き出されるようにホームに降りると、有希はくたくたで、俺にくっついていないと歩けなくなっていた。

普段の東海道線は、乗車率最大150%で、15号車は空いている。しかし、今回の井の頭線は、1から5号車まで満員。東海道線とは話が違う。

 

「有希、大丈夫か」

「うん……」

 

有希は俺におんぶされて改札を出た。

 

 有希は深夜になり、ハロウィーンの渋谷へ行った。心配で、俺も付いていった。有希は最初、仮装をみて楽しんでいたが、やがて辛くなっていった。

 

「やぁっ、くっつかないで!キモい……」

「有希、俺はここだ」

「蒼くん!きゃっ!」

 

有希はドミノ倒しに遭い、潰されるように転んだ。俺は予測できたはずだったのに、行かなかった。

 

「有希!」

 

俺は上に乗った奴を退けて、有希を助けた。有希は膝を痛めていて、俺はすぐに山手線の電車に乗った。

23:31発内回り、品川・東京方面。これで品川まで行き、品川から時刻通りだと、23:58発東海道線普通国府津行きに乗り換えられる。

 

「有希、まだ痛むか」

「うん……この体勢、まだ楽な方……」

 

膝を触らず、楽にしていた。お姫様抱っこに近いが、膝を触っていないから違う。

 

「家に帰ったらすぐに見てやるからな。それまで少し我慢してくれ」

 

俺は有希を介護して帰った。

 

 家についてから、俺は咲希と一緒に手当てし始めた。病院はもうやっていないため、とりあえず応急処置で膝を痛くない体勢で固定させた。あとは明日になって、病院に連れていくだけだ。

 

「咲希、明日って会社あるか」

「うん。午前半取る?」

「無理だったらいいけど、お願いできるかな」

「オッケー」

 

咲希はパソコンを開いて、メールを打つ。俺は包帯を有希に巻いている。

 

「有希、大丈夫か」

「うん……平気……」

 

有希は痛みを堪えながら言う。

咲希がメールを打ち終わり、こっちに来た。

 

「ごめん!午前締め切りの仕事があって……」

「そうか。無理言って悪かった。俺、明日リモートだから、病院ついでに連れてくよ」

「蒼くん……仕事だったら無理しないで……?」

「いいから。有希のためだ」

 

俺は有希の手を握って言った。

 

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