影山蒼
影山有希
影山咲希
以上3名
私は蒼くんと一緒にまた電車に乗った。普通車のボックスシートで、蒼くんと雑談しながら時間を潰していた。
「蒼くん、もうすぐバーチャルの世界行けるね」
「怪我が完治したらな。けどもうすぐか」
実際にも、あと2週間くらいで怪我も治る。そしたら蒼くんと2人でバーチャルの世界に行ける。もう楽しみでしょうがない。
「なにする?行ったら」
「とりあえずスローライフを送りたいよな」
「のんびりとね。自給自足もいいな~」
夢が広がってくる。初期スポーンが郊外だといいな。
「2人で畑耕してね」
「わ、いいね!」
そうやって蒼くんとイチャイチャ生活……ああもう!私はどれだけ幸せ者なの!
「有希?どうした。なんかニコニコしてるな」
「あ、うそ」
さっきの顔に出てたのかな。なんか恥ずかしい。
「嬉しい?」
「うん……」
私は思わず顔を隠してしまった。急に熱くなったから、多分赤くなってる。
「蒼くんは、嬉しい……?」
「嬉しいよ。だって有希と一緒にいれるから」
蒼くんはいつもこういうことを言う。私を褒めてるんだろうけど、さすがに恥ずかしくなってくる。でも、なんか嬉しい。
「早く行けるといいね」
「だな」
電車は品川駅を出発した。
【影山蒼視点】
家に着いた俺たちは、早速機械の購入をした。設定だけして、すぐできるようにしたかった。
「有希、俺と同じ場所にスポーンでいいよな」
「うん!」
俺は設定をして、ベットの上に頭を全て覆うような機械を置いた。
「そういえば、この名前ってなに?」
「機械の名前がインフィニットギア、ゲーム名がインフィニットワールド」
インフィニットとは、無限。無限の世界が広がっているからだろう。
ギアは、装備とかそういう意味。多分インフィニットワールドの装備みたいな感じでつけられたんだろう。
「インフィニット……なんかかっこいい」
「なんだそれ」
理由が雑すぎて俺はつっこんだ。
そして、1週間後、残り3日にまで迫っていた。特に何事もなく1週間が過ぎ、丁度、先週約束していたテラスモールに来ている。
「咲希も来れば良かったのに」
「だってインフィニットギア?だっけ。2つの方がいいって言ってたから」
たしかに、そっちの方が安くて済むし、安全だからそうした。咲希の分も買っておけば良かったかな。
「まぁ、咲希には服買ってやるから」
「やった!あ、そういえば──」
「蒼くん、私にも買って?」
有希が服のおねだりをしてきた。咲希がなんて言おうとしたか気になるが、今はとりあえず有希の対処をしないと。
「有希はどういう服がいい」
「似合いそうなの!」
「咲希は」
「えっと、私も似合いそうなの」
全てを俺に委ねて大丈夫か?どういうのが似合うか知らんぞ。
「有希、これでいいか?」
俺はピンクと白の組み合わせを選んだ。似合うか分からないけど、これでいいかな。
「うん!サイズも……合ってる!」
「良かった」
じゃあ次は咲希の服を選ばないと。咲希は……水色かな。
「これは?」
「海っぽくていいね!」
咲希はサイズの確認をした。ニッコリ笑って、「オッケー」と言った。サイズもバッチリだったんだろう。
「あれ、咲希、さっき何て言おうとしてたんだ?」
「あ、ううん、何でもない」
咲希は何事もなかったかのように振る舞った。俺は不思議に思いながらも、テラスモールをあとにした。
藤沢から家に帰っている途中、俺はインフィニットワールドについて調べた。結構評判も良く、楽しんでいそう。口コミが何件かあり、安心した。しかし、咲希は終始不安そうだった。なんで不安なのかは分からないままだったが、家に着いたときにはいつも通りだった。
「蒼くん、どうかした?」
「あ、いや。何でもない……」
気になって仕方がなかったが、今考えてもしょうがないと思い、考えることをやめた。
「当日のために休んでおこう」
「は~い」
俺は有希の部屋まで行ってインフィニットギアを眺めていた。