俺は新婚旅行が終わった1週間後、藤沢に新居を移した。それから1ヶ月経ち、それぞれ高校の友達と飲みに行った。俺は高校時代一緒にいた勝島義則と一緒に酒を飲んだ。場所は新宿。
「いやぁ、蒼も奥さんいるんだろ?成長したなぁ」
「よく言うさ。ヨッシーも奥さんいるんだろ?」
義則は普段からヨッシーと呼ばれていた。ほとんどみんながそう呼んでいる。
「まぁな。美歌って人でさ、1つ年下の同じ学校なんだよ」
「へぇ、有希もそうだったな」
俺たちはなぜか奥さんの話で盛り上がっていた。あっちも別の場所だけどそういう話なのかな。
【勝島美歌視点】
私は同級生の有希ちゃんと一緒にお酒を飲んでいた。上野の居酒屋。私と有希ちゃんとの話で盛り上がったのはただひとつだった。
「旦那さんいるの?有希ちゃん」
「いるよぉ。蒼くんっていうの」
ふーん、同級生ではないかな。名前聞いたことある気もするけど、覚えてない。
「1つ年上でぇ、イケメンなの~」
「そっか。私もいてね、義則っていうの。義則も1つ上なんだ」
旦那さんが同級生だったりするのかな。そうだったら面白いなぁ。
「誰に似てるの?」
「う~ん、わかんりゃ~い…」
完全に酔ってる。こんな有希ちゃんみるの初めてかも。
「とにかくかっこいいんりゃもん」
「そうなの?義則くんよりかっこいいかな」
有希ちゃんはすっかり酔いつぶれている。旦那さんにも心配されちゃうよ。
「あと30分も飲むの?」
「うん~。あと30分~」
嘘でしょ、あと30分飲んだら私だって酔いつぶれる…
【影山蒼視点】
俺は酔いつぶれたヨッシーを連れて待ち合わせの新宿駅前に向かった。電車から降りても肩を貸している状態。
「ごめんなー、蒼」
「ホントだよ。ちゃんとしろよ」
俺は有希のことを待った。結構時間がかかって、やがてヨッシーの酔いも覚めていた。すると、角から互いに寄りかかっている有希と有希の同級生がいた。
「蒼くぅん、酔っちゃっらー」
「何してるんだよ」
「美歌、帰るぞ」
「ひゃーい。じゃあれぇ」
有希は俺に寄りかかったまま動かない。
「にゃんにゃん」
「猫の真似してないで、さっさと行くぞ」
俺は有希を引っ張って新宿駅の中に入った。今度の電車は湘南新宿ライン東海道線直通の最終電車。湘南新宿ラインの終電だ。新宿発は22:58で1番線。ヨッシーたちは中央線方面のため、連絡で22:54発豊田行きで帰るそうだ。
俺は新宿駅1番線で有希が酔っぱらってホームに落ちないように見張っていた。今は22:52。あと6分で出発時刻だ。
「グリーン車にしようか。座りたいし、眠いだろ」
「にゃむーい…」
俺はグリーン券を2人分読み込み、グリーン車4号車乗車口に並んだ。深夜ということもあり、人はあまりいない。
「まもなく、1番線に、湘南新宿ライン東海道線直通、快速国府津行きがまいります」
最終は国府津行き。国府津より先は横浜で乗り換えられるが、戸塚が便利。ホームが同じだから。
湘南新宿ライン国府津行きは、途中、渋谷、恵比寿、大崎、武蔵小杉、横浜、戸塚に停車する。横須賀線内の、西大井、新川崎、保土ヶ谷、東戸塚には停車しない。西大井へは大崎で山手線に乗り換え、品川で横須賀線に乗り換え。新川崎、保土ヶ谷、東戸塚へは武蔵小杉で横須賀線に乗り換え。主な駅の到着時刻は
渋谷23:02
恵比寿23:05
大崎23:09
武蔵小杉23:18
横浜23:29
大船23:48
藤沢23:53
茅ヶ崎0:01
平塚0:06
国府津には0:20の到着。
「有希、誰もいないな」
「んん?そうにゃにょ?」
完全に酔ってやがる。
「そうだよ。まだ覚めないか」
「しゃめりゃーい」
ダメだなもうここまで来ると。寝かせた方がいいのかな、こういうときって。
「じゃあ寝る?有希」
「ねりゅー!」
有希は座席に座った。
「そーくーん」
有希が俺を呼んだ。
「なんだ、有希」
「にゃーお。にゃぁー」
招き猫のポーズ。ヤバイ、かわいすぎる。咲希もかわいいけど、有希もかわいい。