離れて近づいて 完結   作:月島柊

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今回の登場人物
影山蒼
影山有希
以上2名


スペシャル編 クリスマス 離れて近づいて

 今日は12月25日。有希とクリスマスデートの日だった。俺は有希と一緒に家を出て、まず向かったのは東京駅前。クリスマスムード一色の駅前はカップルで埋め尽くされていた。所々に一人でいる人や女性、男性同士の人もいるが、カップルが大半を占めている。

 

「蒼くん!あのツリー行こ!」

 

有希が指差したのは5mはあるであろう大きなクリスマスツリー。俺は有希と一緒にそのクリスマスツリーの所に小走りで向かった。

 

「おっきいね」

「だな」

 

俺と有希は知らない間に手を繋いでいた。俺は有希にあることを聞いた。

 

「有希のクリスマスプレゼントはなんだ?」

「私の?うーん…あ、指輪とか。まだもらってないし」

「じゃあサンタがくれるといいな」

「うん!蒼くんのクリスマスプレゼントは?」

 

俺は有希を抱き寄せ、耳元で囁くように小さな声で言った。

 

「有希の笑顔だよ」

「あっ、じゃあこっち向いて」

 

有希は俺に向くように指示した。俺は有希の顔を見た。有希の顔は笑っていた。

 

「これ、なーんだ」

「クリスマスプレゼントか。有希」

 

有希は「ふふっ」と笑った後に、小さく片手で丸をした。

 

「クリスマスプレゼント、私だけもらってないじゃん」

「いつか来るさ。有希のサンタが」

 

俺は有希と手を繋いで東京駅まで歩いた。有希はハグしたそうにしていたが、俺は手を繋ぐだけにした。東京駅からは山手線で御徒町まで移動する。

 

 御徒町に着くと、有希がアメ横でなんか買ってくると言って、集合場所だけを決めて行ってしまった。俺にとってはちょうどよかった。だって、ここで指輪を買うつもりだったんだから。俺はすぐに指輪を売っている店に行き、俺とお揃いの指輪を合計2つ買った。有希の分は紺色の箱にいれて、俺の分は胸ポケットにいれた。そして、決められた集合場所に向かった。ここでは渡さない。

 

「あれ、そんなに買ってないんだな」

「蒼くんのアメあるよ?アメ横だけに」

 

結構うまいこと言うな。面白い。俺は指輪を渡すところに有希を誘導させた。気付かれないように山手線で東京まで戻った。

 

 東京駅に戻ると、俺は近くの東京駅が見えるビルの屋上に行った。ここで、俺は自分の指輪をはめた。そして、有希と手を繋ぐときに、こっそり指輪を左手の薬指にはめた。

 

「蒼くん♪」

 

気付いてないのか?確かにさりげなくつけたけど。

 

「ん?なんかある?」

 

有希が左手の薬指を触った。

 

「え…指輪…いつ…?」

「気付かなかったのかよ、さっき手繋いだときにはめたぞ」

「えぇ!気付かなかった…蒼くんが買ってくれたの?」

「あぁ。どうだ、気に入ったか?」

 

有希は薬指の指輪をずっと見ている。

 

「気に入った…あれ、蒼くんもはめてるの?」

「お揃いだぞ」

 

有希は俺を抱きしめた。

 

「ありがと!1番素敵なクリスマスプレゼントだよ!」

「そういってもらえると嬉しい」

 

俺は有希の背中を擦りながら言った。有希は俺の肩に頭をのせて力を抜いていた。

 

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