仮面ライダーダブル&トリガー ~風都超常犯罪事件簿 ~   作:さじたりうす

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第3話 理不尽のF /射手と烏天狗のパートナー

「―――キサマを……狙い砕く!!!」

 

 

 

ダダダダダンッ!!! ダダダダダンッ!!!

 

 

 

「ガァグォオオオオああああがッ?!!な、何だぁっ?!!い、威力がはね上がってやがる?!!」

 

仮面ライダートリガーがトリガーマグナムを放ち、ワスプドーパントへエネルギー弾を浴びせる。

 

 着弾と共に小爆発が連続で表皮で起こっており、ワスプドーパントが叫ぶその反応から窺えるように、トリガーマグナムの威力が格段に上昇していた。

 

「トリガーメモリと俺の愛称がイイって事だ。ガイアメモリの特性補正がかかってんのさ」

 

 仮面ライダートリガーは、そう言いながら射撃中に引き金を断続で引き重ね、マシンガンのように攻撃を浴びせる。

 

 

 

ダダダダダダダダダンッ、ダダダダダダダダダダダダンッッ!!!

 

 ドォドォドォドォドォドォガガガンッ、ガァドォドォドォドドドドォガガガガガァンッッ!!!

 

 

 

「ギグぅァアああアアアァあああっっ!!?くそがぁっっ……!!!」

 

 更なるダメージを撃ち与えられたワスプドーパントは、再び空中に舞い上がって腹部先の針を撃ち放ちにかる。

 

 撃ち放たれた針を仮面ライダートリガーはダッシュと共に、文は素早い飛翔と共に躱すが、ワスプドーパントも仮面ライダートリガーに対面追従するような軌道で飛行し、アスファルトや周囲のコンテナパレット、車両に被弾させて被害を拡げながら針を射撃しいく。

 

 仮面ライダートリガーも空中に向かって銃撃しながら走り、どこかの危険な刑事の銃撃戦さながらの様相で双方の銃撃戦が展開し、エネルギー弾と針の銃弾が飛び交う。

 

 空中に一度上がれば攻撃のイニシアチブはワスプドーパント寄りになる。

 

 並行飛行していたワスプドーパントは針で射撃を仕掛けながら仮面ライダートリガーに向かって間合いを詰めはじめる。

 

「お?!!」

 

「こっちはせっかくハチになれてるんだ!!!特性活かさずに入れるか!!!更にライダー怪人の初戦はこっちの特性紹介兼ねて有利に運ぶのが鉄則なんだよ!!!」

 

「確かにその傾向あるけどなっ……うぁっ、嫌な間合いに来やがったな!!!近寄んなっての!!!」

 

「ぐぅううっっっ、ぐぎがががぎぎっ……!!!おらあああああ!!!」

 

ハチ独特の変則的な飛行軌道で接近してきたワスプドーパントは、仮面ライダートリガーの銃撃に被弾しながらも近距離からの針射撃を被弾しながらゴリ押しで仕掛け、その攻撃は仮面ライダートリガーの左腕と左股に被弾する。

 

「がぁああああああああっっっ?!!くそォおおおおっっ!!!くぅぁああああっ、がっっ……!!!」

 

 針は高速で強化外骨格を貫いており、仮面ライダートリガーは激痛に叫びながら崩れ落ちた。

 

 その間にもワスプドーパントは飛行しながらの蹴りを見舞う。

 

「があ?!!」

 

 それをきっかけにワスプドーパントは飛び交うように蹴りやパンチを繰り出し、仮面ライダートリガーに押し攻める。

 

「ひゃはははっはー!!!」

 

 吹っ飛ばされた仮面ライダートリガーは駐車していたトラックのコンテナに激突し、その激突部をへこませながらコンクリートに落下してその体が叩きつけられる。

 

「ぐあはっっ……!!!」

 

「接近してしまえば……らぁあああああ!!!」

 

「ごはぁっっ……ググぐぐぐぅううっっ!!!」

 

 ワスプドーパントの攻撃は手を緩めることなく繋がれ、超高速にはばたく羽から戦闘レベルの超高周波が発せられ、ドカンと更に仮面ライダートリガーを地面に押しつぶす力が作用した。

 

 更には首根っこを掴み上げたワスプドーパントは、止めと言わんばかりに針を仮面ライダートリガーに突き立てた。

 

「これで終いだぁっ!!!女の方はじっくり味わってからそっちに送ってやるよ!!!なんなら半殺しにされた上で女が汚されていく様を見るか?!!名ばかりの仮面ライダーさん?!!」

 

「あ、文に……ってぇ、出させるかぁあッッ!!!」

 

「あいにく、あなたのような危ない蟲は嫌いです!!!それに、私は……普通の女子とは違う所があります!!」

 

 

 

 ドォオオオオオンッッ!!!

 

 

 

「うおご?!!」

 

 ワスプドーパントは画面から消えるように、文が木の葉型扇から放った突風で吹き飛ばされた。

 

 連続して仮面ライダートリガーに襲い来るワスプドーパントの攻撃を遮断させたのは文のその攻撃だった。

 

 彼女は烏天狗の先祖返りの力・風の力を操る程度の能力の持ち主であり、その力を木の葉型の扇を介して攻撃に転換するのだ。

 

 文は俊敏に飛行軌道を描いて一気にワスプドーパントに迫り、木の葉扇に風の力を宿して乱舞するように叩きつける。

 

「はぁあああ!!!」

 

「ぐおおおおおおっ……がはっ、がっ、うぐっ、げはっ、ぎゃが?!!つ、つえっっっ!!?(おいおい!!!彼女の方が戦い強くね?!!)」

 

 文は連続の旋風乱舞からのソバットをストレートをワスプドーパントに食らわした上に、突風を与えて仮面ライダートリガーから遠ざけた。

 

 烏天狗の力を発動させている時の彼女はその妖力のおかげもあり、生身でドーパントに応戦できる程の力を備えていた。

 

「ぐわはぁあああっっ(いやいやいや、絶対強いだろおおおおおお?!!)」

 

「……私は誇り高き烏天狗の末裔。力を引き出せばあなたのような怪人種と十分渡り合えます!!それにダーリンは、銃斗さんは格闘接近戦が苦手なんです。近寄らないでください!!!」

 

 文は吹っ飛んでいったワスプドーパントにそう投げかけると、ダメージを蓄積させて倒れ込む仮面ライダートリガーに舞い降り、膝枕をさせてあげるように彼を抱き起した。

 

「大丈夫ですか?!!銃斗さん!!!きっと敵の特性的にも毒も受けてるはずです!!!今、癒しますね!!!」

 

「文……ゴメン、まさかのゴリ押しに意表突かれちまった……確かに敵との初戦にはあっちの見せ場作ってやる必要あるが、イニシアチブ与えすぎちまった。ホント情けないったりゃありゃしない、お恥ずかしいったらありゃしない……あ、これ刑事貴族の本城さんのセリフ……」

 

「はあっ……さり気なくメタりながらまた自分をディスってぇ……それじゃ癒しますね?」

 

「大丈夫……既に文のフトモモとかほりに癒され……」

 

文は顔を赤くしながら仮面ライダートリガーのその発言にパシンと軽く木の葉扇で叩いてみせた。

 

「おふぅっ」

 

「もう……なにバカなコト言ってるんですか?!それに叩かれて喜んでいるし!!まぁ、あなたのM気質は今に始まったことじゃないですけど……くすっ……さ、真剣に癒しますよ……古より伝わりし天狗の力、我に宿りし風の力よ……汝の傷つきし躰を癒さん……治癒の秘術・癒(いやし)風」

 

文が仮面ライダートリガーに木の葉扇をそっと添えながらそう唱えると、穏やかな暖かい風が木の葉扇から吹きはじめ、傷ついたダメージを徐々に癒しはじめる。

 

 この力はあらゆる外傷や解毒を可能にする秘術であり、戦いを生業にする仮面ライダートリガーにとっては内助の功に相当する技だった。

 

「おぉ……癒されてくぜ……」

 

「内助の功ってやつですよ、銃斗さん。ただし、意外と妖力消費するんで頻繁にはできないですよ?いつも言ってますけど」

 

「いや、これだけで十分だぜ……それに後は文が後ろで見ていてくれりゃ自然に癒せるぜ。サンキュ、文!!」

 

「銃斗さん……調子に乗ったり、油断や無理は禁物です……さ、またきますよ?」

 

 文が視線を向けた先には再び向かい来るワスプドーパントの姿があった。

 

「よっしゃっ、本気で行きますか!!!」

 

「膝枕までみせびらかしやがってぇえええ!!!」

 

 半ば嫉妬の念も籠ったワスプドーパントの針の射撃が二人を狙い撃つ中、仮面ライダートリガーと文は俊敏にその場から跳躍して攻撃を躱し、同時にトリガーマグナムと風の空気弾を放つ。

 

「グワゴぉおおおっっ?!!ちっくしょっっ!!!」

 

 同時射撃に被弾したワスプドーパントは二人に対し左右交互に針を高速射撃してみせるが、文は高速の羽ばたきで容易く回避し、仮面ライダートリガーは飛び来る針をトリガーマグナムの連射撃で撃ち砕いて見せる。

 

「な?!!針が……撃ち落されただぁ?!!」

 

「射撃センスに関しては長けてるのさ……」

 

「ちっくしょうがっ!!!」

 

 意地になったワスプドーパントは仮面ライダートリガーに標的を絞りこれでもかと針を連発し始めた。

 

 再び撃ち合いになるが仮面ライダートリガーの狙いの殆どがワスプドーパント本体と撃ち放たれた針に命中していた。

 

「ぐああああああぁぁっっ……!!!なら、また接近して今度こそ至近距離でぶっ刺してやらぁあああ!!!」

 

 ワスプドーパントはまたもや間合いを詰めにかかるが、文の援護射撃の空気弾も加わって思うように近づけない。

 

「ウゼェ!!!こっちも本気でとんでやるさぁあああっ……!!!」

 

 ワスプドーパントはこれまでにない高速の飛翔をし、多角形の軌道を描いて一気に仮面ライダートリガーの背後を取った。

 

「死ねっっ!!!」

 

 

 

 ダダダダダダダンッッ!!!

 

 

 

「ギャがあぁっ?!!」

 

 仮面ライダートリガーは零距離射撃を背後のワスプドーパントに浴びせ、その射撃を皮切りに近距離からの連続射撃を頭部や胸部、腹部等に撃ち中て、撃ち損じることなくマシンガンのごとく命中させながら間合いを拡げさせていく。

 

「があああああ!!!またっっ……ぐがっががががあぁっ、ががががぐっ!!!ちいィッッ!!!」

 

 再び高速飛翔で離脱したワスプドーパントは被弾しながらも今度は文に狙いをつけて高速急接近した。

 

「え?!!しまっ……きゃあああ?!!」

 

 ワスプドーパントは不意を突かれた文の胸を鷲掴みにして背後から彼女の体に向けて針を突き付けた。

 

「きひゃあああ!!!スレンダーにフィットした可愛いー胸してんじゃねーか!!!」

 

「きゃあああああっっ、変態っ!!!」

 

「おーっと、下手に動くと針が刺さるぜ?!!ふつーに刺し殺してもいいが、せっかく刺すんだ。もっと違うトコでもいいんだぜぇ……げひひひっ!!!」

 

「いやぁあああっ……!!!」

 

 文がワスプドーパントの針を突き付けられ屈辱に縛られていたその時だった。

 

「さぁて……あ?!!」

 

 妙な軌道の複数の閃光弾が縦横無尽に飛び交うのがワスプドーパントの目に入る。

 

「なんだありゃ?!!」

 

 

 

 ドォドォドォドォオオオオオオッッ!!!

 

 

 

 

「がァアアアア??!」

 

「きゃっ?!!よくも私の体を汚らわしい手で……はぁああああ!!!」

 

「ぐごは?!!」

 

 突然の衝撃が背後よりワスプドーパントを襲いダメージを与えた。

 

 その反動でワスプドーパントの手から逃れた文は、至近距離の突風を食らわしながら離脱する。

 

 そして文が離脱してからツーテンポ後に飛び交っていた閃光弾がワスプドーパントへ集中するように連続着弾した。

 

 

 

 ドォドォドォドォドォギャアアアアアッッ!!!

 

 

 

「ぐぎゃあああああ?!!またかぁ!!?」

 

「よくも文に卑猥な手仕草してくれたなぁ、おい……?!!」

 

 その声からして銃斗の大切な人に手を出されたことに対するキレた感情が仮面の上からも読み取れた。

 

 キレた感情のまま仮面ライダートリガーは上空に向かって連射光弾を放つ。

 

 その光弾達は一気にかつ高速で分散しながらワスプドーパントの全方位を包囲する弾道を描いてその全弾が命中した。

 

「があああああああああああ?!!」

 

 この時点でトリガーマグナムには純粋型ガイアメモリ・ルナメモリが装填されていた。

 

 幻想の記憶を宿したメモリで、通常では在り得ない軌道の射撃を意のままにできる特性がある。

 

 この射撃をもろに受けたワスプドーパントは、一時的に落下するものの、再び空中で態勢を整えて針の射撃を開始する。

 

「妙な射撃しくさってぇ!!!」

 

 仮面ライダートリガーはその射撃を跳躍しながら躱し、その間にルナメモリを抜き取りながら爆弾の記憶・ボムメモリをトリガーマグナムに装填する。

 

 

『ボム!!』

 

 

 一瞬マキシマム・ドライブ発動モードにトリガーマグナムの銃身を可動させ、ガチャンと素早く元の通常モードに戻す。

 

 こうすることでトリガーマグナムに装填したメモリーの銃撃特性をリロードするのだ。

 

 仮面ライダートリガーはワスプドーパントの超高速で羽ばたく羽にボムメモリの特性転換したトリガーマグナムの連射撃で狙い撃つ。

 

 

 

 ヴォドォドォドォドォドォッ!!! ヴォヴォヴォヴォヴォヴォドォドォドォッッ!!!

 

 ドォドォドォドォドゴヴァヴォヴォヴォヴォヴォヴォガァアアアアアアアアア!!!

 

 

 

 

「ゴォはがああああッッっっ―――?!!」

 

 着弾した射撃は見事に羽を爆砕させ、ワスプドーパント自身にも連続爆破のダメージを負わせて地上へと落下させた。

 

 飛べなくなれば、厄介さも含めたハチの戦闘力は半分以下に抑えたも同然だ。

 

 ワスプドーパントは廃材コンテナに豪快に落下し、激しい衝撃音を響かせた。

 

「くっ……ごごごっおおお……ぐぐぐぐがっ……ぐぞがあああああ!!!」

 

 廃材をヒステリックに巻き散らかしながらワスプドーパントが廃材コンテナから飛び出し、全速力で仮面ライダートリガーに向かって走り出す。

 

 これに対し、仮面ライダートリガーは真正面からトリガーマグナムの連射を繰り返し浴びせ続ける。

 

 

 

 ヴォヴォヴォヴォヴォヴォドォドォドォンッッ、ヴォヴォヴォヴォヴォヴォドォドォドォダダッ、ヴォヴォヴォヴォヴォヴォドォドォドォダダンッッ!!! 

 

 

 

「ぐうううううっっ、があぁギギギぎっ……がっ、ごががぐぅ……がああああああ!!!」

 

 最初は躍起になり、ゴリ押しの意地を見せ気迫が肉体を凌駕するものの、毎秒連続で蓄積する射撃爆発のダメージに対する許容が限界を迎えたワスプドーパントはその場で体勢を崩す。

 

 更に体が虫系故に爆発系の攻撃はダメージも抜群であった。

 

 

 仮面ライダートリガーは歩を歩ませながらトリガーマグナムの銃口を向けてワスプドーパントに近づいていく。

 

 倒れたワスプドーパントに向け容赦なく射撃爆破を更に引き金三回分の連射撃を浴びせ吹っ飛ばして地面を転がせると、仮面ライダートリガーはボムメモリーを抜き取り、自身のトリガーメモリをトリガーマグナムにセットした。

 

 

『トリガー!!マキシマム・ドライブ!!』

 

 

 マキシマム・ドライブモードに移行し、トリガーマグナムの銃口にエネルギーが充填され始め、仮面ライダートリガーはそれをワスプドーパントに向けて構える。

 

「これで決まりだ……文、合わせようぜ」

 

「はい!!」

 

 文も仮面ライダートリガーの向かって左隣に舞い降り、僅かな低空をホバリングしながら木の葉扇をトリガーマグナムを構える腕に添うようにして前にかざす。

 

「古より伝わりし、我が風の力は……悪しきものを討つ疾の風とならん……功の秘儀・疾風波」

 

 文がかざす木の葉扇に旋風を帯びながら風の力が溜め込まれていき、そのチャージタイミングもトリガーマグナムとリンクしていく。

 

 そして、再びワスプドーパントが辛うじて立ち上がったタイミングで、古からの天狗の力と最先端のオーバーテクノロジー(一般的技術レベルから見ての)の力が織りなす必殺技が放たれる。

 

「いくぜ……ライダーシューティング・エンシェントブラスター!!!」

 

「波ぁあっっ!!!」

 

 

 

 キュイイイイィィィィィ………ディシュドォオオオオオオオオオオッッッ!!!

 

 ビュゴォァアアアアアアアアアッッ!!!

 

 

 

 ライダーシューティングに追従するように疾風波が放たれ、ライダーシューティングの高エネルギー光弾に疾風波の風の力が加わり、光弾が竜巻のような過流状の風の力を帯びながら一気に急加速した。

 

 

 

 キュディドォオオオオオオオオオオオオオォォォッッッ!!!

 

 

 

「ぎぐああああああああああッッッ!!!」

 

 

 

 ドォッッッゴォヴァォオオオオオオオオオオオオオオォォォォォォッッ……!!!

 

 

 

 ワスプドーパントはライダーシューティング・エンシェントブラスターの直撃を受け、豪快に大爆発・メモリーブレイクを引き起こした。

 

 爆発が巻き起こった直後、メモリブレイクによりガイアメモリ使用者の体から排出したワスプメモリがバキャンと破砕する。

 

 ワスプメモリを使用していた男は地面に倒れ込み、毒素型違法ガイアメモリ使用の副作用で気を失った。

 

銃斗はロストドライバーでの変身を解除しながら倒れた男に歩み寄り、文もまた烏天狗の力を解き、普段着の市内情報雑誌記者の容姿となる。

 

 倒れた男は銃斗が調べて追っていた裏社会の人物だった。

 

「……風都のガイアメモリ売買組織・バレットの一味……刺原針矢……」

 

「え?!誰かは判っていたんですか?!!」

 

「ああ。今回、知り合いの風都警察の奴からバレット摘発につなげる為の秘密裏な依頼もらっているんだ。奴らが今日、風都港でガイアメモリ密売するっていう情報があって、その現場を仕切っていたのがコイツ。感じからしてとても上層部の奴とは言えないけどな。ま、そんで張り込みまがいな行動していたらお約束が起こって……」

 

「お約束?あ、よくスマホが鳴ったり空き缶蹴ったりするやつですね?もー……しょうがない人ですね」

 

「……ま、大体正解。忍ばせていたトリガーメモリのボタンが間違って押されて、マダオ的な声が現場に響いちまったんだ。その、よくあるじゃん?今文が言った展開とかアクション映画であと少しってとこでつり橋のロープとかエレベーターのワイヤー切れちゃうヤツ……俺さ、あーいう人ならざる要因がもたらす物理的トラブルとか滞りが大っっ嫌いでさー……」

 

「たまに一人で怒ってる時ありますね、銃斗さん」

 

「うん」

 

 

回想

 

 

銃斗が風都港の一角で身を潜めながら人気がない埠頭の箇所に集まる集団を視認していた。

 

(情報どおり……バレットの一味が、ガイアメモリの密売やってやがるな。しかし、日が短くなったとはいえ、よくもまぁ浅い時間帯に……)

 

もう少し様子を伺おうと身を壁に沿わせたその時……。

 

 

『トリガー!!』

 

 

「は?!!んで鳴るだぁ?!!マダオ、ざけんな!!!!」

 

トリガーメモリの音声と銃斗の怒鳴り声が響き、バレットや密売対象集団が一斉に銃斗が隠れていた箇所を見て、銃を取り出した。

 

「あー!!!なんだ、この文章に書いたよーなお約束はよ?!!クソムカつくわ!!!!こん、クソたれがぁあああらあああ!!!!」

 

怒りに我を忘れた銃斗は半ばヤケクソになり、八つ当たりをするようにトリガーマグナムを密売現場に向けて乱射しまくる。

 

被弾して負傷する者や反撃に転じ銃撃戦を開始する者、粉砕するガイアメモリアタッシュケース、その他埠頭によくあるコンテナやパレットも破砕していく。

 

この状況に販売していた刺原も被弾した。

 

「がぁ?!!な、なんだぁ、あいつ?!!クソっ、大事な取引をよくも……!!!」

 

 

『ワスプ!!』

 

 

刺原もまた怒りに任せてワスプメモリを起動させて自身に挿入し、ワスプドーパントへ変貌する。

 

「ぎゃー!!!ハチ!!!!」

 

実はハチが苦手な銃斗は、ワスプドーパントを見るなりズーマーに又借り逃走。

 

ワスプドーパントに追跡されるハメになった。

 

 

回想終了

 

 

「いや、完全に銃斗さんが悪いじゃないですかっ!!何八つ当たりして、事態悪化させてるんですか?!!しかも、最後オモイッキリ逃げてるじゃないですか?!!しかもハチ苦手って……痩せ我慢して戦ってたんですか?!!」

 

文も半分怒りながら色々とツッコミを入れざるを得ない。

 

しかし、どこか嬉しげに銃斗は謝る。

 

「うぐぅ……はい。ゴメンなさい」

 

「ヤケクソになって突っ走って……追いかけられて……その最中に私を呼んだというわけですか……もーっ!!仕事中だったんですからね!!?銃斗さん!!!」

 

「うん……それも、ゴメン」

 

「はぁ……で、この犯人はどうするんです?」

 

「警察に突き出すよ……あいつに連絡だ」

 

一方、風都署では既に銃撃戦の通報を受けて各パトカーが発進していく状況にあった。

 

真倉が覆面パトカーを運転し、助手席では陣野がマッサージ棒で肩のツボをいじっている。

 

「埠頭で銃撃戦、更にドーパントらしき怪人も目撃されてるぅ!!真倉ぁ、急ぐはいいが事故すんなよ?」

 

「大丈夫っすよ!!陣野刑事……うぉ?!!」

 

陣野達のパトカーを追い越し、赤いバイク・ドゥカティが駆け抜けていく。

 

「相変わらずっすよねー、照井課長」

 

「あー。流石、照井課長だぁ。お前とは気合いと格が違うんだよ。気合いと格が!!!無理に追い付こうとすんなよ、真倉?事故る」

 

「ですから大丈夫ですってぇ~!!!」

 

 照井竜……風都署超常犯罪捜査課課長で、鳴海亜樹子の旦那でもある(戸籍上は照井亜樹子)。

 

 そして彼もまた風都の仮面ライダーであり、ミュージアム最終決戦においてテラードラゴンと戦っていた仮面ライダーアクセルなのだ。

 

 無論彼が仮面ライダーだということは翔太郎達等、ガイアメモリに纏わる事件で関わった人達や特に口が硬い人物達しか知らない。

 

 更に攻斗にバレット摘発協力を依頼したのも彼であり、それは風都署からの極秘要請事項だった。

 

 (昨今、ガイアメモリ犯罪は勿論、ドーパントとは異なる超常犯罪の類いそのものが増えつつある傾向にある。実質的問題上、裏社会の者達に協力を得なければならない……風都のハンター達にな。しかし、日が短くなったとはいえ、浅い時間帯から銃撃戦とはな……世話が焼ける)

 

彼の思考で語られた事が今の風都における超常犯罪捜査の現実であった。

 

風都署はドーパントが直接起こす超常犯罪に対して、首が回らない故にバウンティーハンター達にも秘密裏に協力を要請せざるを得ないのが現状なのだ。

 

照井は先行していたパトカーがひしめく現場に到着すると、夕闇の中で鮮やかに回転するパトライトの中を警察手帳を見せながら現場入りする。

 

「超常犯罪捜査課だ」

 

居合わせる警察官達が照井に敬礼する中、照井は犯人の居場所を訪ねる。

 

「照井警視、お疲れ様です!!」

 

「ガイアメモリ使用犯のホシと銃撃戦をしていたホシは何処にいる?」

 

「はいっ!!ご案内致します!!既に銃撃戦をしていた何名かはパトカーに捕らえてます。後はメモリ使用者でして……」

 

照井は現場の警察官が案内した先に刺原の近くで事情聴取を受ける銃斗を見つけると、案内を務めた警察官を持ち場に戻るよう命じる。

 

「有り難う。持ち場に戻ってくれ……」

 

「はっ!!」

 

照井が近づくと、何やら銃斗と刑事が揉めているようなやり取りが聞こえてきた。

 

「だーかーらっ!!!俺はお宅らから特命受けてる身だって言ってるだろが!!!」

 

「銃撃戦した時点で銃東方……刀法違反だ!!!」

 

「さりげなく東方って言ってんな!!好きなんか?!!」

 

「ああ!!蓬莱山かぐや押しだ!!」

 

「あー、分かる!!!黒髪ロングストレート!!!でも、俺はやっぱ、射命丸!!!嫁だ、嫁!!!」

 

「かぐやも嫁だ!!!抱き枕あるに!!!いいらぁ?!!後、膝枕に耳掻きを所望する!!!」

 

「俺もやってもらいてー……てかやってもらってる!!!なんせ、この二次小説のヒロインの一人で、俺のヒロインでもあるから!!!原作設定の文じゃねーけど」

 

「ずっりー!!いーなー!!!てか、実はいるんだよ~……街中の蓬莱亭っていう料亭屋さんにかぐやが……!!!」

 

「マジ?!!教えてや!!!紹介して!!!ゴーコン、ゴーコン!!!」

 

「イヤだ!!彼女は俺のヒロインだ!!!」

 

「そっかー!!ま、いいや!!そんなゴーコンやったら文に殺されっちゃうからなぁー……(どやぁ~、リア充だぜ)」

 

「もきゃー!!ムカつくわ、その顔~!!!」

 

運が悪いのか否か、事情聴取していた刑事がメタいかつふざけた流れの会話に発展タイミングで照井が彼の背後にやってきた。

 

「……てか照井!!さっきから人の話聞いてくれないんだわ、この刑事!!!」

 

銃斗のその言葉と指差し仕草に戻るよう、に事情聴取していた警察官は「はっ?!」となり振り向く。

 

その背後には眉間にシワを寄せた照井がいた。

 

「いぉあっ?!!て、照井警視!!?」

「桷山(ずみやま)。なんだ?今のふざけた事情聴取は?」

 

「照井警視、い、いつからこちらに??(あ、ヤベ!!!)」

 

(あ、質問しちゃったよ、このアホ刑事……)

「既にいた。お前はもういい。見張りでもしていろ。こいつは風都警察が拡大する超常犯罪対策の手段で秘密裏に雇っているヤツだ。警察内部事情くらい把握しておけ。それから………俺に質問するなぁっっ!!!」

 

「ひー!!!」

 

「ふー……メンドクサイ刑事だったぜ。サンキュー、照井」

 

照井のおかげでメンドクサイ事情聴取から解放された攻斗は頭をかきながら礼を言った。

 

だが照井は先程の会話から銃斗のメンドクサイという発言に矛盾した印象を受けざるを得ない。

 

「……メンドクサイと言う割には大分意気投合して盛り上がっていたようだが?しかもメタい話で……矛盾してる感想だな」

 

「ま、こまけーコトはいいって!!で、こいつがバレットの一味でハチのドーパントだった刺原って男だ……」

 

照井は銃斗が指し示した刺原と砕けたガイアメモリを一通り確認した後に正規に確保する。

 

「18時50分、マルヒ確保。確かにこいつはバレットの手配中のメンバーで、ガイアメモリ販売担当で密売買を担っている下っぱだ。展開があるやもしれん。後はこちらで引き受ける。協力感謝する、獲牙」

 

「いーってコトよ!!そんじゃ、また報酬頼むぜ」

 

「あぁ。とは言っても俺が直接ってわけじゃないがな」

 

銃斗は右指人差し指と中指でビッとサインで答えながらズーマーに又借りエンジンをかけた。

 

ヘルメットをセットすると、幾度か空ぶかししながら加速して風都港を後にしていった。

 

「さて、今日は文に料理作ってやんなきゃなー!!」

 

それを見送った照井は気絶する刺原を掲げ上げ、パトライトの光りがひしめく方へと向かって行く。

 

(確かに、昨今の風都はいつの間にか超常犯罪に獲り囲まれるかのようになっている……また財団Xが動いているのか……?いずれにせよ、俺達仮面ライダーの闘いに終わりはないというコトだな)

 

照井がそう心中で呟く頃、照井達の現場から遠方に対岸となる風都港の別の箇所においてもバレットが暗躍していた。

 

人目が闇で匿われた松林の中で、スマホのライトを照らしながらガイアメモリの売買をするバレットの一味と買い手の男女の姿が見受けられる。

 

「どうだ?いつもの刺激的なヤツがいいか?」

 

「刺激的って?」

 

筋肉質でいかにも攻撃的な印象のDOQな茶髪男に黒髪ロングの薄着の女がそう訪ねると、いやらしく肩に手を回しながら男は体を寄せ付けて言った。

 

「何言ってんだ?俺達の夜が楽しくなるヤツだぁ。基本、ガイアメモリは人を超人にしてしまうが、中には感覚を楽しませてくれるだけのやつがあるじゃねーかぁ。こいつとかなぁ……」

 

どうやら男もバレットのメンバーらしく、販売進行役をしているようだが、女に対する対応からして「その手」の男と見受けられる。

 

男は手に取ったガイアメモリのスイッチを押す。

 

 

『インビジブル!!』

 

 

「体を透明にさせるガイアメモリ。夜のアソビの際、俺がよく見えるようになるぜ……」

 

「んっ……」

 

そう言いながら男は当然のように女に深い口づけをしながらニヤついた。

 

「……さぁ、他にも色々あるぜぇ……選べ選べ」

 

バレットは「その系列」に関するガイアメモリを扱っているようだった。

 

男は舌を女の頬を舐め、女は虚ろな眼差しでガイアメモリを手にした。

 

 

 

夜もすっかり更けた午後8時頃、風都駅南口にて、翔太郎と蓮子、メリーがこれまでの調査をおさらいしていた。

 

だが、翔太郎の表情が少し強ばっていた。

 

「ふぅー……二人共、今日は長い時間お疲れ様!!ここで今回の青山晶君の依頼調査のおさらいしようか?」

 

翔太郎がそう言うと、蓮子が髪を耳にかき上げながらスマホのメモアプリを見ながら調査結果を読み上げる。

 

「はい!!依頼主の青山晶君が、お母さんの真知子さん、お姉さんの唯さんの二人を探して欲しいという依頼でしたが、まずお姉さん。お姉さんの方は霊夢ちゃん達からの『危ないバイト』っていう情報から未成年であるにも関わらず、夜の街で働いている可能性が出ました。『JKヒャッハー』……店名からしてアレですが、そこでお姉さんの唯さんが出入りしてるという情報を唯さんの通っていた高校の友人さんから情報が得られました」

 

続いてメリーが不意に風都の風に吹かれ靡いた髪を押さえながら晶の母・真知子の調査に関する情報を読み上げる。

 

「っ……母・真知子さんに関してですが、近隣住民や翔太郎さんが紹介してくれた商店街のペットショップ店長さんが持ってる主婦層の話から、失踪する半年前から俗にいうオラオラ系の男性と関係があることがわかりました。そこからウォッチャマンさんからの情報から得た男の画像が、近隣住民の主婦達に再び聞き込んだ所、目撃と一致しました……私達が翔太郎さんに伝える情報は以上になります」

 

「有り難う。途中から俺が引っ込んだ形で調査してたけど、二人共上出来、上出来……と清々しくカフェ奢ろうかと思っていたけど……事態は重くなった。JKヒャッハーと母親の不倫男の話しを改めてウォッチャマンに聞いたら……双方からヤバい事件になりそうな傾向が出てきた……」

 

翔太郎の表情が強ばっていた原因はそれだった。

 

「ヤバい事件って一体……?」

 

「探偵の勘が感じていたが……ガイアメモリだ。JKヒャッハーと不倫関係の男の両方にその陰がでてきた……!!!」

 

「ガイアメモリって……」

 

「俺達が一番深く関わってきた事件の類いさ。相棒の出番になってきたかな?この風向きは……」

 

同じ頃、鳴海探偵事務所の地下倉庫では、音を鳴らして本を畳む青年が叫んだ。

 

彼こそが翔太郎の相棒・フィリップだ。

 

「検索を終えた!!!これでまた一つ知識を得た!!静岡おでんという知識を!!!さ……その静岡おでんの検索中、鳴海探偵事務所にバイト志望がやって来たみたいだね……検索してみたいが、何故か直接会いたい気分だ……何故だ?それがわからない……またわからない事が出てきたようだ。気になるな、僕をそうさせる彼女達が……」

 

 

 

To Be Next Continued

 

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