仮面ライダーダブル&トリガー ~風都超常犯罪事件簿 ~   作:さじたりうす

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第7話 理不尽のF/胸糞の悪さに正義の怒号を

『ファイター!!』

 

 

 格恫喝也はガイアメモリ、「ファイターメモリ」を起動させ、額に刻印された生体コネクタに装填すると、ファイタードーパントに変貌を遂げる。

 

 系統はバイオレンスドーパントに部類するが、更に長身で体躯は一回り大きく、岩のような灰色の筋肉質の皮膚に、白髪の厳つい白目のラオウ型ハルクのようなドーパントだ。

 

「俺と店にとんでもない泥を塗り、悪影響を及ぼしてくれたな……!!!」

 

「うっ……ううっ……あぁがっ!!」

 

 ファイタードーパントは床に這いつくばっていたバードドーパントの唯の頭を片手で鷲掴みにして持ち上げる。

 

「……どういうことか解るか??俺が身を持って教えてやる!!!」

 

「いやぁがっあっ、いゃあああああ……っっ!!!!」

 

 強烈な握力でバードドーパントの頭部をギリギリと潰しにかかるファイタードーパント。

 

 その状態から空中へ投げ、容赦なく昇龍拳のようなジャンプアッパーを食らわせた。

 

「あぐぅっ!!?」

 

 バードドーパントの身体を天井に砕き食い込んだ。

 

 更に一度着地してのジャンプで胸元を鷲掴みにして床に強烈に叩きつけ、上乗せで全体重を乗せた垂直ドロップキックを食らわせる。

 

「うぐぅうううぅぅっ!!!かはっ……!!!!」

 

 吐血するバードドーパントの首を握り持ち上げ、パンチを連続で叩き込む。

 

「いぎっ、ぐぅっ、あがっ、かはっ、あぐぃっ、うくはっ、あぎぃっ……!!!」

 

 そして持ち上げて離し、わずかに宙にバードドーパントの身体がある状態からパンチキックのラッシュコンボを叩き込み始めた。

 

 さながら格ゲーのコンボ技やハメ技のような状態を造り出し、与えるダメージが鈍い音を叩き出す。

 

「いやああぁぁぁあああぁぁぁあああぐぅううっ……!!!!」

 

「ぎゃははひひひ!!!傑作だっ!!!!格恫喝也きゅーん!!!!」

 

 傍らではタケアキ扮するフィンガードーパントが嗤いながら手をたたく。

 

 更にラッシュは続きファイタードーパントは、アッパー、フック、ストレートのパンチとハイ、ロー、ニーキックを組み合わせ、バードドーパントをボコボコに叩きのめしていく。

 

 正に無慈悲かつ容赦手加減無しの非情・理不尽な攻撃だった。

 

「あはは、あはははははー!!!俺も混ぜたら今回のクレームちゃらにしてやるー!!!」

 

 そしてファイタードーパントはそれに答えるようにフィニッシュする為の一撃を胸部に突き入れた。

 

「あがはぁああああ!!!!」

 

 吹き飛んだバードドーパントをフィンガードーパントが掴み取る。

 

 フィンガードーパントは宙に浮く左片手で掴んだバードドーパントへのデコピンのラッシュを食らわせ始めた。

 

「ぎゃはははははは!!!!おらおらほらほらほらららぁ~!!!!」

 

「うっぐ、あがっ、かはっ、あぐっ、あぐぅっ……!!!」

 

「じゃ、とどめ!!レーガン!!!!なんちゃって!!!!」

 

 更にデコピンに止まらず、指鉄砲の形をとり、本当に人差し指の先端からエネルギー弾を発射させた。

 

 エネルギー弾は直撃し、バードドーパントは唯の悲鳴と共に爆発してしまった。

 

「きゃああああああ!!!」

 

 オーバーキルによるメモリブレイクが起こされたのだ。

 

 無論、彼女の状況状態は芳しくなく、全身に痛みを及ぼしていた。

 

「う……ううっ……」

 

「身を持って味わせてやった……後、このホテルの修繕はキサマの預金全てを使わせてもらう」

 

 ファイタードーパントはスマホで袋田に電話をかける。

 

「……袋田。近所のATMにいるな?」

 

「はい、代表。いつでもオッケーです」

 

 

 唯の通帳カードは抜き取られ、袋田が手にした状況になっていた。

 

 ファイタードーパントは唯の胸ぐらを掴み上げながら恫喝する。

 

「言え!!!キサマの暗証番号だ!!!下手な悪あがきすればどうなるか言うまでもない!!!!」

 

 (あのお金だけはっ……いやっ……本当は家族の為に、貯めてきたんだからっ……)

 

「言え!!!!でなければキサマを直接壁に叩き込む!!!!」

 

「3、6、2、5……」

 

「袋田、3625だ」

 

「ハイ……………(プー)だめです、代表違います」

 

「キサマ……!!!ならば、今思い付いた手法に変える!!!おい!!ガイアメモリ!!」

 

 ファイタードーパントは唯を掴んだまま、アタッシュケースを持った部下に歩みよりガイアメモリを要求した。

 

『マリオネット!!』

 

 テキトーなガイアメモリを選んで起動させ、直に唯へ挿入させた。

 

 唯は文字通り木製のマリオネットのようなドーパントにさせられてしまった。

 

「やれ」

 

 

『バイオレンス!!』

 

 

 ファイタードーパントは後ろにいた部下に命じると、その厳つい体躯の部下の男が頷き一つでバイオレンスメモリを自らに装填し、バイオレンスドーパントに変貌した。

 

 倒れたマリオネットドーパントに容赦無しのパンチをふるい、バイオレンスドーパントの真髄を浴びせ始める。

 

 最早唯は叫ぶ声も出なくなっており、ダメージに誘発された微かな声を出すだけであった。

 

「言え!!」

 

 容赦無しの攻撃を受け続ける唯は生命の危機のレベルに入ろうとしていた。

 

 そして微かな声を振り絞って暗証番号を言った。

 

「……8354」

 

「あ??!」

 

「8354っ……!!」

 

「袋田、8354だ!!」

 

「ハイ……………(プー)ダメです!!次ダメなら下ろせなくなります!!」

 

 唯が今できる微かな抵抗だった。

 

「身の程知らずも大概にしろっ……!!!!」

 

 

『アームズ!!』

 

 

 顎で指示したもう一人のスキンヘッドの厳つい部下の男がアームズドーパントに変貌し、至近距離からマリオネットドーパントに弾丸を撃ち込む。

 

 マリオネットドーパントはバイオレンスドーパントとアームズドーパントの二体に過剰攻撃を受け、更に追い討ちをかけるように歩み寄ったファイタードーパントの零距離パワーウェーブモドキを食らわされ、再びメモリブレイクの爆発をしてしまった。

 

「……これ以上舐めるなら次は生身に攻撃をするっ……!!!!キサマの代わりはいくらでもいるんだ……!!!」

 

「うっ……お母さん、晶……」

 

 唯は涙を流しながら家族の名を溢す。

 

「……っぷっふ、ワハハハハハハ!!!」

 

 そんな唯を嘲嗤う一同だが、意外な人物が止めに入った。

 

 巨大で長い指……フィンガードーパントだった。

 

「まー、まー、ま……俺も気は済んだ。俺が預かるわ」

 

「田中様……!!?」

 

「薄々どっか見覚えあるなって思ったら俺の最近の女コレクションの女だわ!!恐らく勘的に親子……一度親子丼をくってみたかったんだぁ…………連れて帰るわ」

 

 形的に助けるタケアキだが、理由は最低極まりなかった。

 

 

「助けて……だれかっ……」

 

「ばーか!!助けが来るわけねーだろ!!!あ、代表サン、袋田きゅーんもこっちに戻らせて!!なんか気分のってきた!!親子丼の前にフィンガーショー見せるわ!!」

 

「……了解しました……袋田、戻れ」

 

 そして袋田がホテルに戻ると、あたかも公開処刑のように下着姿にされた唯をフィンガードーパントの巨大な指が羽交い締めする状況となる。

 

 人間体に戻った格恫と厳つい部下二人、袋田が囲むように威圧かつ、いやらしい眼差しで見届けていた。

 

 (お得意様とはいえ、つくづく変態な趣味をお持ちだ……)

 

「フィンガー……いくぞぉ……」

 

 フィンガードーパントは女性、況してや少女の尊厳を踏みにじる最低な行動を実行しようとしていた。

 

「いやぁっ……いやぁあっ……助けてぇっ……」

 

 ドーパント達が嘲笑する中、唯の尊厳が汚されつつあった。

 

「親子丼の前の……チュートリアルだ!!!刮目ー!!!親子丼が食いやすくなる!!!」

 

 

 

「親子丼はなぁ、な○卯で食おうぜ。風津山(かざつやま)麓(ふもと)店でなぁっ!!!」

 

 

 

「はぁ―――??」

 

 突如飛び込む突拍子もない発言に誰もが辺りを見回す。

 

 次の瞬間、マシンガンの如くドアを突き破るエネルギー弾がフィンガードーパントのフィンガーハンドに撃ち込まれた。

 

 

 ディドドドドドン!!!

 

 ディガガガガガン!!!

 

 

「がおあっ??!」

 

 

 ドォオオオオン!!!

 

 

 弾痕が残ったドアのジョイントが撃ち砕かれ、トリガーマグナムを構えた銃斗が姿を見せた。

 

「タケアキっ……あんたの行いが積もらせた恨みの依頼、果たしに来た……今夜でシマイだ」

 

「誰だ貴様ぁ!!?」

 

 銃斗はかけたメガネをくいっと調整し、ドーパントと威圧感を発する格恫達に動じることなくロストドライバーを取り出す。

 

「あ?風都のスイーパー、いや……風都のシティーハンターだ!!!」

 

「奇遇だな……俺達以外にその部屋に用がある奴がいたなんてな……」

 

 更に銃斗の横から別の声が飛び込む。

 

 それは翔太郎の声だった。

 

 互いにウインドスケールの衣装を身に纏う同士の邂逅だ。

 

 翔太郎が銃斗に歩み寄ると、銃斗はそのスタイルにすかさず共感を示す。

 

「おや……!?なんか気が合いそうだなっ、あんた!!!」

 

「おー……!!同感!!同じウィンド・スケール!!!」

 

「いやぁ~、わかる~?!いい酒呑めそうだぁ!!」

 

「いつも事件解決したら閉めに行っている店があるんだ。こうして事件現場で出会ったのも縁……終わったら……どうすか?」

 

 くいっくいっと翔太郎は呑む仕草のジェスチャーをする。

 

「フゥー!!呑むかぁ!!!俺は獲牙銃斗!!!風都のシティーハンター!!!風都の裏社会のガイアメモリ犯罪者や外道達の毒牙にかかった市民達の悲しみ・苦しみの依頼を受けて始末している!!!」

 

 銃斗が握手を差し出すと翔太郎もまた握手を差し出す。

 

「ははっ、シティーハンターってどこの冴羽 獠だよwww俺は左翔太郎。探偵さ」

 

「否定しない!!(大ファンからしたらNIWAKAだろうけど)表と裏で風都を守る絆がゲットワイルド!!!」

 

「メタい、メタいwww……で、俺はこの部屋に監禁されているお嬢様を助けに来た―――……って……唯ちゃんっ!!!」

 

 銃斗との会話の最中、唯の痛々しい姿が視界に飛び込み、翔太郎は即座に彼女に駆け寄る。

 

 彼女を抱え上げるが、同時に怒髪天を突かれた。

 

「てめえらっ、一人の少女を大の男連中で袋にして辱しめやがったのか!!??」

 

「誰かと思えばあの時の探偵か……ふん、青いな。こんなのは裏じゃ当たり前だ」

 

「……んだとォ?!!」

 

 そう言いながら格恫は袋田を見て顎で指示サインを送る。

 

「え?」

 

「ホテルの狭い一室で多数のドーパントで暴れたら迷惑だ。それにヒーローサマの戦いの場には不釣り合いな画(え)になる」

 

「……了解です、代表。田中様、ここは一旦引かれましょう……」

 

 いろんな意味で配慮した格恫は、袋田に戦略撤退を意図した指示を出す。

 

「いや、格恫サン、せっかくならこいつらにお披露目したい。袋田きゅんだけ借りるから行っちゃっていいよー」

 

 だが、フィンガードーパントは袋田を残す形でその指示を断り、かつ格恫達を逃がす意向を示した。

 

「いや、しかし……袋田はともかく、お得意様を残すなどそのような……」

 

「いいから、いいから!!!それに面白いとこ邪魔されて苛立ってんだから―」

 

 長い指をコキコキさせながらドサッと唯の羽交い締めを解くと、その指を伸ばして翔太郎と銃斗に向けて攻撃した。

 

 

 

 ヒュバッ……ドドドドガアアアアン!!!

 

 

 

「うお……!!!」

 

「っとお!!!」

 

 フィンガードーパントの放った一撃を躱すため、翔太郎と銃斗はジャンプしながら扉から離れる。

 

 その隙に格恫達は扉から部屋を脱出していった。

 

「あっ、待ちやがれ!!!」

 

 翔太郎が追おうとしたが、そこに更にフィンガードーパントの攻撃がかかる。

 

「ちいッ!!」

 

「いたいけな人妻や少女を陥れる……それで日常の家庭を崩壊させる。優越と恍惚を感じれるんだぜ?それを邪魔してくれたんだ。ねえ??袋田きゅん?」

 

「はいィ……そしてその少女達は店の利益です……!!」

 

 袋田はそう言いながらガイアメモリーを取り出した。

 

 

『マネー!!』

 

 

 袋田が起動させたガイアメモリは以前、風都のカジノ事件の首謀者が使用したマネーメモリの複製品であり、袋田をマネードーパントへと変貌させた。

 

 翔太郎の脳裏に目の前に傷つき倒れる唯や、タケアキの所業で唯や母親・真知子を奪われ悲しみに暮れていた晶少年の表情が過る。

 

 それだけではない……それ以外にも多くいるだろう見ぬ被害者たち。

 

「てめえら……ぜっってぇ許さねー!!!!風都のクズ共の廃棄作業だ!!!」

 

「レディに手を上げるやつは、肥溜めのゲロ糞以下プンプン野郎だ!!!掃除させてもらうぜ!!!」

 

 翔太郎と銃斗はダブルドライバーとロストドライバーを同時に装着する。

 

「ヴぇ?!!!ロストドライバー?!!」

 

「あんたも変身すんの?!!(ケンジャキかよ)」

 

「あー~……幅広ーい意味で質問が多すぎる……が!!!話はあとにしようか……!!!」

 

 翔太郎と銃斗が互いに驚愕しながらそれぞれのドライバーを装着する。

 

 一方、離れたホテルにいるフィリップにもダブルドライバーが転送装備された。

 

 待ち構えていたフィリップは、サイクロンメモリを起動させる。

 

「早速きたね……!!」

 

 

『サイクロン!!』

 

 

「まった、フィリップ!!ヒートで頼む!!!」

 

「なるほどね……わかった……君の今の荒ぶってる感情にふさわしいね。無論、感情共有できている僕もだけどね……!!!」

 

 

 

 BGM♪ 「Free Your Heat」

 

 

 

『ヒート!!』

 

 

 ヒートメモリを起動させた瞬間、フィリップがメリーに促しをかける。

 

「メリー、ちょっといいかい?」

 

「え?!あ、はい!!」

 

 ダブルドライバーで変身する際、フィリップの意識は仮面ライダーダブルに宿る為、彼の身体は倒れ込む以外他なくなる。

 

「これから僕の身体から意識が翔太郎側の仮面ライダーダブルに移る。その際に僕の身体が倒れ込むから、しっかり支えて欲しい……頼んだよ」

 

「えぇ?!!それって、フィリップさんを……!!!急に言われても心のじゅんびが……」

 

 従来は亜樹子が倒れ込むフィリップを受け止めていたその役を、フィリップはくすっと僅かに笑みを口もとに表してこの場のメリーに託す。

 

 一方の翔太郎もジョーカーメモリを起動させる。

 

 

『ジョーカー!!』

 

「変身!!」

 

 バッと左右対象に二人はそれぞれのガイアメモリをかざし、先にフィリップがダブルドライバーにヒートメモリを挿し込む。

 

 フィリップのヒートメモリが右のスロットに転送されてきたタイミングで、翔太郎はジョーカーメモリをもう一方のスロットに挿し込むと、左右に交差させるようにスロットを弾く。

 

 

『ヒート!!ジョーカー!!』

 

 

 変身サウンドを放ちながら変身する翔太郎の一方で、意識が空になったフィリップが倒れる。

 

 その倒れる方向には見事にメリーがいる方向だった。

 

「きゃあっっ……!!!フィリップさん!!!」

 

 一応は身構えていたメリーだったが、フィリップの身体は彼女の胸にもたれ掛かる体勢になる。

 

「きゃうっっ……!!!(//△//)」

 

 直に受け止めたフィリップの肌触りにドキドキした気持ちを抱きながら、メリー自身も仰向けにフィリップと共にベッドに倒れてしまう。

 

「あうっ……!!!っっ―――フィリップさん……!!!」

 

 肌触りに加え、心地よさげな香りまで感じたメリーは、顔を赤くしながら「しばらくこのまま……」な気分に……なりかけたが、蓮子がニヤつきながら見下ろし込む。

 

「いししっ、メリーったらいきなり距離が縮んでステップアップしちゃったねー☆」

 

「れ、蓮子……!!も、もうっ!!」

 

 

『トリガー!!』

 

 

 一方で銃斗もトリガーメモリを起動させ、それをロストドライバーのスロットルに指し込む。

 

「変身!!」

 

 

『トリガー!!』

 

 

 銃斗もまた変身サウンドを放ちながら仮面ライダートリガーへと変身した。

 

 仮面ライダーダブル・ヒートジョーカーと仮面ライダートリガーは左人差し指とトリガーマグナムを格恫達にかざす。

 

『さぁ……』

 

「お前達の罪を……」

 

「てめぇ達を……」

 

「数えろ!!!」

 

「狙い砕く!!!」

 

 その言葉の直後に仮面ライダートリガーのトリガーマグナムが、フィンガードーパントに向かって放たれた。

 

 

 ディガガガガガン!!!

 

 ディディディディディババガァン!!!

 

 

「ぐがああぁ、あっかっ……!!!」

 

 戦闘開始と牽制の意味を持ったショットがフィンガードーパントを撃つ。

 

 仮面ライダーダブル・ヒートジョーカーと仮面ライダートリガー……二人の風都の戦士が街の外道ドーパント達に正義の鉄槌を下しにスタートを切る。

 

 マネードーパントのかざす掌から放たれるコインの……もとい、マネーの弾幕を仮面ライダーダブル・ヒートジョーカーは怒りを賭した炎の拳で殴り払っては躱していく。

 

「邪魔くせぇ!!!おら!!!おら!!!おら!!!おらぁぁああああ!!!」

 

 幾ら撃てども仮面ライダーダブル・ヒートジョーカーのヒート側の右拳が振るうパンチが、弾幕たるマネー弾幕を相殺していく。

 

「あれえええ?!!馬鹿な!!?」

 

 ぐんぐんと攻め寄る仮面ライダーダブル・ヒートジョーカーに、あっという間にマネードーパントは間合いを許して、フィリップと昇太郎の怒りの炎の拳を貰う。

 

 

「らぁあああああ!!!」

 

 

 ドゴォグゥンッッ!!!

 

 

「げごばぁ?!!!」

 

「どけってんだよ、おらっっ、おらっっ、おらっっ、おらっっ、おらぁあああああ!!!」

 

 

 ドォガッ、ドボガァ、ボズドッッ!!! ドォッッ、ドォッッ、ドガグゥンッッ!!! ボズガァアアンッッ!!!

 

 

「いつになく怒ってるね、翔太郎!!けど、今のボクも同じ気持ちだ。コイツらのしてきたコトにね……!!!」

 

 何度も打ち込まれる文字通りの炎の拳とジョーカー側の拳がマネードーパントを追い込む。

 

「……げががごこかぁっっ……!!!」

 

 一方の仮面ライダートリガーは、トリガーマグナムをすかさずフィンガードーパントに撃ち込み続ける。

 

 

 ドドドドドダンッ!!! ダダダダダァンッ!!!

 

 

「ちぃいいっっ、しゃあああ!!!」

 

 対するフィンガードーパントは初期には撃たれるが、反撃にうねうねとさせた長い指を縦横無尽に振るい弾幕を相殺させた。

 

「へぇ……通常の弾幕があんまし通じないとはなぁ……」

 

「指力をなめるなよ!!!しゃああああ!!!」

 

 フィンガードーパントは指パッチンの如く、エネルギー指弾を放ち始める。

 

 さながら戸愚呂弟の指弾のようだ。

 

「ひゅー♪スリルー!!!」

 

 フィンガードーパントのエネルギー指弾は仮面ライダートリガーの軽快な身のこなしに躱され、ホテルの壁を次々に撃ち抜いて破壊し続ける。

 

 最早、格恫喝也達の部屋への気遣いの意味はない。

 

「ムカつく躱し方しやがって、くそがっっ!!!」

 

「どのみちこんな騒ぎ起こしたら、経営者が警察呼ぶな-wwwご自慢の指技はどーしたぁ?」

 

「おちょくりやがってぇっ!!!ムッコロス!!!」

 

「あー……ムッコロ言っちゃったナ。ムッコロ田中って呼ぶかぁ?」

 

「やかましー!!!」

 

 フィンガードーパントは両手の指を巧みに動かしながら更に攻勢を強める。

 

「なってねーなぁ~……弾幕ってのはこーすんのさっ!!ムッコロ田中ぁ!!!」

 

 対し、仮面ライダートリガーは小馬鹿なからかいを交わせ、余裕でエネルギー弾幕を躱し続ける。

 

 その最中でトリガーマグナムの乱射撃のような精密射撃で対抗する。

 

 仮面ライダートリガーのトリガーテクニックは、メモリの特性も相まってその凄まじさを見せつけた。

 

 エネルギー弾幕は向かい来るフィンガードーパントのエネルギー弾幕を次々に撃ち弾いて相殺させていく。

 

「なぁ?!!弾幕が全部弾かれ……?!!ちぃいい!!!」

 

 フィンガードーパントは弾幕を止め、接近戦の間合いに持ち込もうと床を蹴る。

 

 バードドーパントにされた唯を一方的になぶり上げた時のように、その長く巨大な指を仮面ライダートリガーに向けた。

 

「しゃあああああ!!!」

 

 しなりすら見せるその巨大な左右の五指は、さながらムチのように仮面ライダートリガーに襲いかかる。

 

 

 

 シュゴファッ……ディガガガガガォオオン!!!

 

 

 

「っとぉおお!!!」

 

「その軌道、見え見えなんだよ!!!」

 

 一撃目こそは躱したが、次に来た二撃目が仮面ライダートリガーを捉えた。

 

 

 

 デガガガカカァッ!!!

 

 

 

「ぐおっ……!!!」

 

 

 その打撃ダメージを受けて吹っ飛ばされる仮面ライダートリガーに更なる追い討ちをかけるように手刀が襲いかかる。

 

「串刺しになれぇ!!!しょぉおおおお!!!」

 

「レイか!!!」

 

 仮面ライダートリガーは吹っ飛ばされながらも、ツッコミをいれながら早業でトリガーメモリをリロードさせた。

 

 

 ジャカカカンッ!!

 

 

『トリガー!!マキシマム・ドライヴ!!!』

 

 

 ダギュダァアアアアアアアアアンッ!!!

 

 

 スローモーションの最中、仮面ライダートリガーは反動回避を意図しての一撃をフィンガードーパントの右手手刀に放つ。

 

 反動で引きの躱し動作を発生させながら、放たれるマキシマム・ドライヴの一撃の青白い強力なエネルギー弾がフィンガードーパントの右手手刀にぶち中(あ)たる。

 

 

 バギュドォバガァアアアアアアアアッ!!!

 

 

「ぎゃああああっっ!!!?」

 

 着弾と共に指先から順にフィンガードーパントの右手を順にかつ一瞬で砕き散らし、豪快な爆破を発生させた。

 

 フィンガードーパントの自慢の指を持つ片方の手が砕き散らされたが、同時に仮面ライダートリガーもまた反動で壁にぶち当たって壁の外に飛び出した。

 

 最早、器物損壊案件のバーゲンセールだった。

 

「……痛てぇっ……!!!くっそ、これじゃ俺らがワルモンじゃねーかっ!!!」

 

「痛いのはこっちだっ!!!ちくしょうがっっ!!!こーなったら袋田きゅんを囮にして状況立て直しするか……」

 

 

『ヒート!!マキシマムドライヴ!!』

 

 

「ヒート・バックドラフト!!!」

 

 

 ズゥドォガオオオオオオオオオォッッッッ!!!

 

 

「ぎゃあああああっっ!!!」

 

「な……ぁ……あっ!!?」

 

 フィンガードーパントの意図した逃走を覆すように、そのとなりでは既に強力な仮面ライダーダブル・ヒートジョーカーのマキシマムドライヴ、ヒート・バックドラフトの強烈な一撃が袋田扮するマネードーパントを囮にさせる間も無く外へと吹き飛ばしていた。

 

「ぎゃああああああ……っっっ!!!」

 

 

 強烈な一撃を叩き込まれたマネードーパントは落下し、逃走していた格恫喝也達の目の前で路地に叩きつけられながらメモリブレイクによる爆発を巻き起こす。

 

 

 ドォグバァアオオオオォオオオオォッッ!!!

 

 

「うおおっっ??!」

 

 爆発と共に袋田からマネーガイアメモリが飛び出し、微小な爆発を起こして破砕する。

 

「袋田っ……くっ、役立たずが!!!」

 

 格恫は歯ぎしりしながら無力化した袋田に無慈悲なセリフを吐き捨て、フィンガードーパントもまた見下ろしながら同じようなセリフを言った。

 

「袋田きゅん……役立たずじゃん!!!ちきしょーがっ……!!!」

 

「あ、待てこらぁっ!!!やっぱり悪党のお約束かぁ!!!」

 

 フィンガードーパントは左手の指先を伸ばしながら窓ガラスをぶち破り、そこから屋上の角に向けて更に指先を伸ばしてホールドすると、その指の縮め作用を利用して逃走していった。

 

 すると、仮面ライダートリガーはスパイダーメモリをトリガーマグナムに装填しリロードする。

 

 

『スパイダー!!』

 

 

 仮面ライダートリガーは、フィンガードーパントの逃走していった破壊部から身を上めがけてのりだし、ホテルの壁目掛けてショットを撃った。

 

 すると銃口からはクモ怪人にありがちな糸状のものが放たれ、それが壁に張り付く。

 

 更にもう一度引き金を引くと縮む力が働き、その特性を利用しての上昇と壁蹴り、(時にはターザンのごときあの物理を駆使する場合もある)後はハリウッドのスパイダーまっっ!!!の要領でいくのだ。

 

「なんかシティーハンター3のOPの香みたいだなwww」

 

 そして仮面ライダートリガーは難なく屋上へと上がり、逃走したフィンガードーパントに追い付く。

 

「もう来やがったのかぁ!!?」

 

「ホライゾンだよ、ホライゾン!!!」

 

「はぁ??!!ワケわからん……こうなったら……!!!」

 

「あ??」

 

 フィンガードーパントは再び武明の姿に戻り、再びフィンガーメモリを挿入する。

 

 

『フィンガー!!』

 

 

 するとフィンガードーパントは再び右手を復活させた状態で変異した。

 

「バレットの試作効果だ!!!再挿入すれば再び復活し、ダメージはリセット!!!」

 

「インチキじゃねーか……まぁいいさ。風都の風が吹き、夜景が一望できるゴージャスなこの場所でチェックメイトしてやるよ……!!!」

 

 そう言いながら仮面ライダートリガーは装填したスパイダーメモリを別のガイアメモリに切り替えた。

 

 

『ショットガン!!』

 

 

 そして仮面ライダートリガーは、ショットガンメモリをリロードしたトリガーマグナムの銃口をフィンガードーパントへと向ける。

 

「さぁ……てめぇを……狙い砕くぜ!!!」

 

 一方、目元にクマを帯びながら無気力に倒れる袋田と格恫喝也達の所に仮面ライダーダブル・サイクロンジョーカーが、気を失った唯をお姫様抱っこで抱えて降り立つ。

 

 仮面ライダーダブル・サイクロンジョーカーは高高度からの着地にあたり、このフォームに切り替えたのだ。

 

 翔太郎とフィリップは怒りのセリフを格恫達にぶつける。

 

「唯ちゃんを多数でこんなに傷つけやがって、只で済むと思うなよ、クソ外道店長っっ!!!」

 

「ボクも敢えて言おう。お前は万死に値すると……!!!」

 

「キサマ……!!!」

 

 格恫喝也と先ほど唯を暴行していた二人の格恫の部下は再び各々のガイアメモリを挿入する。

 

 

『ファイター!!』

 

『バイオレンス!!』

 

『アームズ!!』

 

 

 ドーパントに変身した彼らであったが、仮面ライダーダブル・サイクロンジョーカーの後方からもまた、二人の影が近づいていた。

 

 そのタイミングでフィリップ側の意識が翔太郎に語りかけた。

 

「ああ、そうだ翔太郎。ラブホテルで待機している際、根回しをしておいたよ」

 

「根回し??」

 

「あぁ。今夜で芋づる式に彼ら……バレットは終わりを告げる……」

 

 フィリップのその言葉の直後、影の方向からは何かを突き刺す音とドライバーを装着する音が聞こえた。

 

「左……左右のコイツらは俺達で処理する……!!!」

 

「風都の外道に……地獄のタノシミカタを教えてやるか……!!!」

 

 仮面ライダーダブル・サイクロンジョーカーが左右に振り返りながら見えたのは、風都の仮面ライダーである照井と大道の姿だった。

 

「……なるほどな、根回しってそういうわけか」

 

「あぁ。翔太郎、今の内に唯ちゃんを安全な場所に……」

 

「もちろんだ」

 

 風都署の超常犯罪捜査課・刑事と今や風都の裏社会の超常犯罪専門のシティーハンターとなった二人は各々にガイアメモリを起動させた。

 

 

『アクセル!!』

 

 

「変……身っっ!!!」

 

 

『エターナル!!』

 

 

「変、身っ……!!!」

 

 

『アクセル!!』

 

『エターナル!!』

 

 

 アクセルの激しいバイクのエキゾースト音変身サウンドとエターナルの変身サウンドが路地に鳴り響き、両者が変身を遂げる。

 

 仮面ライダーアクセルはアームズドーパントと、仮面ライダーエターナルはバイオレンスドーパントと対峙する形となった。

 

「さぁっっ!!!振り切るぜ……!!!」

 

「さぁ……地獄を楽しみなぁ……!!!」

 

 仮面ライダーアクセルは地面に突き刺していたアクセルブレードを引き抜きながら、仮面ライダーエターナルはサムズアップを挑発気味に逆にさせながら各々の対峙する敵にセリフを吐き捨てる。

 

 その間に路地の端に唯を寝かせた仮面ライダーダブルもまた、ファイタードーパントの前に立ち、ヒートジョーカーのフォームにガイアメモリを切り替えた。

 

 

『ヒート!!ジョーカー!!』

 

 

「さぁ……お前の罪を数えろ!!!」

 

 

 

 

 続く

 

 

 

 

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