Another DragonRoad   作:名無しの骸骨

5 / 10
ビーストマンに関する詳細はまだ公式であまり判明していないので、此方も大体独自解釈という形になると思います
それとリュウジはムスペルヘイムのワールドチャンピオンと記載していましたが、web版見るとどうも色々矛盾が生じそうなので、ヘルヘイムのワールドチャンピオンに変更しました


空から大地へ

現在地は上空3000m付近。準備が出来た俺達は地上に向けて降下をし続けている

ユグドラシルにおいても翼で飛行する事はそれなりにあったが、風を切る感覚や翼の操作の感覚などがより鮮明になっていた

そして、何より――

 

「空が綺麗だ」

 

青々とした美しい空を見ながら、白い雲を翼を広げつつ通過する

あちらの世界では大気汚染で昼も夜もスモッグに覆われた暗い曇り空しか見る事はなかった。ユグドラシルにおいて再現された青空を見た時は俺やあいつらも感動した物だが、実際に見るとこうも美しいとは思いもしなかった。図鑑位でしか見る事がなかった景色が今此処にある感動を感じつつ、目的の調査の為に降下を続けた

 

「ダイダル、完全不可知化は切れてないな? 何者かに知覚された様子は?」

 

『ええ、どちらも問題ありません』

 

「了解した。地上に降下しよう」

 

手のひらサイズまで小型化したダイダルに状況を確認し、地上に降下する

降下地点は草原地帯。モンスターの姿は見受けられず、西に森が続いている

東には確かに街のような物が見え、城を見える。という事は国家なのか?

 

「何にせよまずは装備の確認からだな。ティルル、パルラ、装備は問題ないな」

 

「人間種の冒険者風の格好ですね! 問題ありません!」

 

「パルラの方も大丈夫でーす」

 

現在、俺・パルラ・ティルルは竜人が持つスキルの一つで角や尾、翼などを失くして、姿は完全に人間種となっている。肉体的変化のスキルの為に魔法に寄って見破られないなどの特徴はあるものの、相手が高レベルの場合は見破ってくる可能性がある為に油断は禁物である。加えてメイド服からティルルは剣士の装備。パルラは盗賊の装備に変更している。メイド服よりは性能は低い物のこれならば特に奇異の目線を向けられる事はないだろう。ちなみに俺はあのメイン装備では目立ちすぎる為に予備の騎士兵装に着替えている

 

「ダイダルは……不可化は解かずに、俺のポケットの中に入ってくれ。中からでも状況はうかがえるだろう」

 

『はっ、では失礼します』

 

ダイダルはポケットに入って貰い、このまま20km先の街を目指す事とした

 

 

「へぇー人間種の街って結構広いんだねー、ご主人様」

 

「ちょっとパルラ? ご主人様呼びは駄目って言われたでしょ。ちゃんとリュウジさんって呼ばないと」

 

「宜しく頼む……いや、本当に呼び方は頼む。すげー目で見られたから俺」

 

街に到着した俺達は改めて周辺の状況から確認した

街の付近には小規模の村が農業を行っていた。行商人の姿などもそれなりに見受けられ、巡回兵の姿も確認した。レベルは何れも10レベル以下。1レベルを見た時は思わずぎょっとしたが、街の人々を見た限り案外それも普通なのかもしれない

 

 後、異形種には見られなかった物のパルラとティルルの顔があまりに良かった為に主に俺に嫉妬の目線のような物が突き刺さった。ご主人様呼びされた時は殺意すら感じた為に非常に心臓に悪い

 

「しかし、ユグドラシルの通貨が使えないのは参ったな」

 

「一応ご主…じゃなくて、リュウジ様が雑貨屋で色々売ってくれたおかげで当面の活動資金は確保できましたね!」

 

「うん、ティルル。様じゃなくてさんかなぁ……」

 

はっとした顔をするティルルを後目に此処数時間で起きた出来事を思い出す

街の一通りの施設を確認し、旅の者として国の名前・現状・周辺状況・一般常識などの情報収集を行っていた

通貨がユグドラシルとは違った事からまず雑貨屋に行き、一通り商品を見た後にストレージから問題ない物を売却。量としては心許ないが金銭を入手

 

「竜王国、ビーストマン……冒険者か」

 

言葉が通じるかは不安だったが、どうも言語に関しては問題なかったようなので情報収集に関してはスムーズに行えた

現在俺達が居る場所は竜王国と呼ばれる場所らしい

城が存在している事から首都であるという事も間違いない

地図によれば北にバハルス帝国、西にスレイン法国と呼ばれる国が存在する

そして、ビーストマンによる侵攻を受けているらしい

 

ビーストマンはユグドラシルにも存在する亜人種であり、猫科や狼など獣の姿をしているのが特徴だ。能力値も高く、亜人種としては見た目はそう悪くない為にそれなりの人気を誇っていた。モンスター視点で見るならば比較的低レベルの物が多く、最上位種でも確か60レベル程度だった筈。しかしだ、それにこの国は危うく滅亡させられる瀬戸際まで来ているという。アダマンタイト級……高ランクの冒険者を雇う事で何とか撃退しているものの危機的な状況に変わりないのは確かであるし、それが本当だというのなら兵士や冒険者などもそれ相応のレベルという事になるだろうかと思索を重ね続ける

 

「ふむ、活動資金の事も考えると冒険者になるのが手っ取り早いか」

 

「高ランクの冒険者がどれ位の強さか、ビーストマンと呼ばれる存在がユグドラシルのそれと同じなのか等々、気になる事はあるが方針としてはそれで行こう」

 

 

全員の承諾を取った後に冒険者の宿に移動する

道中で冒険者にパルラやティルルがナンパされ、ティルルが人に向けてはいけない表情をしてたり、逆に俺が逆ナンパされてパルラが吼える犬のような表情になったりしたが其処は割愛しよう。何はともあれ冒険者の宿に移動した俺達はカウンターに居る職員より冒険者登録の説明を受けた

 

要約すると対モンスターの傭兵のような物であり、人間同士の争いには可能な限り関与しない。銅(カッパー)~アダマンタイトからなる認識票によって受けられる依頼が変わってきているが、情勢の悪化によってビーストマンの討伐に関しては鉄(アイアン)以上であるならば依頼を受けられるようになっているようだ

 

「すまない受付嬢殿。竜王国に来たのはつい先程で周辺の状況にも詳しくないのだが、ビーストマンの侵攻は其処まで酷いのか?」

 

「ええ、つい先日都市の一つが陥落しました。防衛隊も健闘し、都市の人々の5割は無事脱出出来ましたが、残り5割は……」

 

「……そうか、情報ありがとう」

 

受付嬢より話を聞きつつ、登録を進める

認識票として銅(カッパー)を貰い、3人共無事に冒険者となる事が出来た

もっとも依頼も一つも熟しておらず、信用はまだまだないだろうが

 

「これで登録完了ですね。これからどうしましょう?」

 

「そうだな。受付嬢殿、現在カッパーで受けられる依頼はあるか?」

 

少々お待ちをという声と共に彼女はカウンターの奥に入っていった

その間にざっくり、付近に居る冒険者の様子を伺ったが正直左程レベルは高くないように感じる。アイアン級の冒険者が10レベル程であり、現在このギルドに居る最高の冒険者、ミスリル級の冒険者でも20レベルがやっとといった感じだ。実際戦ったらどうなるかは分からないが、判断基準としては使えるだろう

 

「お待たせしました。現在受けられる依頼はこのようになっています」

 

「あんがとー。えっとー……薬草採取に薬草採取に……」

 

「全部薬草採取ですね、これ……」

 

受付嬢が持ってきた依頼を確認すると薬草採取の依頼が5つくらい並んでいた。詳細を聞けば、ビーストマンの侵攻による都市の陥落が原因らしい。防衛隊の活躍によって都市内部の5割の人々は脱出に成功したが、死傷者はその後も絶えずに治癒の為に薬草や魔法などあらゆる手段を使用して、撤退しつつ治療を行っていた

 

「その結果、薬草が足りなくなってきたと。輸入で取り寄せる事は?」

 

「法国や帝国からは取り寄ているのですが、それでも数は足りないのが現状です。この薬草採取も本来はアイアン級の依頼なのですが……」

 

「分かった、その依頼を受けよう。薬草の種類を教えてくれ」

 

「有難うございます。ではご説明しますね」

 

依頼内容は竜王国首都より5km離れた村周辺の森に生えている薬草採取。固定依頼料と追加依頼料が存在し、追加依頼料は薬草の量が多ければ支払うとの事だ。森はビーストマンの影響が確認されておらず、比較的安全らしい事は確認した

 

「もう日が落ちるか、薬草採取には明日行くとして宿を取ろう」

 

「さっき確認したらダブルしかなかったですよー」

 

「いや、俺はまだ部屋の確認をしてないんだけd」

 

「ダブルしかなかったです!」

 

食い気味に言わなくていいだろうティルル

確認したら本当にダブルしかなかったので宿はダブルを取った。運が悪い。雑魚寝しようとしたら二人と一匹に止められてしまったので、多数決により川の字で寝る事になってしまった。女性と添い寝とか経験がない。正直言ってこれで寝られるのかと思ったが、意外と気にせず寝る事が出来た

 

これもまた肉体が変わったせい、という事なのだろうが、川の字で寝るかどうかの多数決の際にダイダルも手を挙げていたのは非常に解せない。全員に裏切られたので今日はふて寝し、周囲の警戒をしつつ明日の薬草採取に控える事にした

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