純愛in六畳   作:三白めめ

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 最後にもう一話、お付き合いください。


蛇足:そのごのはなし

 あの後、風呂場に行ってからの記憶がなくなって、気づいたら次の日の朝になっていた。この体になる前の違いをいくつも感じるようになった。例えば食べる量だったり、それこそ風呂に入った時にのぼせやすくなっていたり。味覚も変わったが、酸っぱいものが欲しくなっていたのには驚いた。それこそ子供なのだから甘いものを好むようになっていると予想していたのだが。

 そうして暮らしていて数ヶ月。やけに太った気がする。そう思って後輩に相談してみるが。

 

「運動しちゃダメっスよ」

 

「はあ?どうしてだ?」

 

 そんなことを言われた。いくら何でも、部屋でこいつと軽く動くくらいで痩せることができるとは思えない。もっと体を動かした方がいいと思うんだが。

 

「イカ腹って言うじゃないっスか。その体だと筋肉が付きにくいんス。だからそんなに焦ることはないっスよ」

 

「そういうものか……」

 

 納得は出来たが、どうにもすっきりしない。

 

「まあ、あと少ししたら元に戻るっスよ。女の子をやってる期間はセンパイの何倍もある私を信じるっス」

 

 やけに自信ありげに後輩は言う。まあ、そうなのだろう。こいつもそういった悩みを抱えたことがあったのかもしれない。女子は、その辺大変そうだしな。

 

「そういえば、私がセンパイに薬を盛ってから、どれくらい経ちましたっけ?」

 

「えっと……五ヶ月は過ぎてるな。六ヶ月にはまだ届いてないが。というか、薬を盛ったって言うなよ……」

 

 しょうがないとはいえ、結構強烈な体験だったんだ。今でも記憶に残っている。

 

「で、それがどうかしたのか?」

 

「いいえ?何でもないっスよ。ただ、この部屋に人が増えるかもなーって話っス」

 

 ──どういうことだ?こいつが誰か拾ってくるとは思えないし、二人だけの部屋に監禁したこいつが、今更だれかを連れてくるなんてこともないだろう。訝しげな眼で、背が届かないから上目遣いに後輩を見ると、今までに見たことのないような、二ヘラとした笑みをしていた。

 

「どういう意味──うわっ!」

 

 後輩が笑っていたと思ったら、いきなり俺に抱き着いてきた。

 

「センパイは可愛いっスねー!うりうりー」

 

 後輩が俺の大して出ていない胸を揉んでくる。相変わらず慣れない感覚だ。どうせなら、頭を撫でてくれた方が落ち着くんだが。そんなことを思って、意外な気持ちになる。この体になってから、やっぱり精神が肉体に引きずられているのだろうか。

 

「はあ。牛じゃないんだから、そんなに揉んでも乳はでないぞ」

 

「ホントっスかー?実はもう出るようになったりしてるんじゃないっスか?」

 

 そんなことを言いながら、後輩はまだ胸を揉み続けている。最近は少し張ってきたかもしれないが、妊娠もしていないのに、そんな急に乳が出たりするわけないだろう。成長期に出ることもあると聞いたが、それにしてもそんなに搾るほどは出ないはずだ。

 

「そんなわけな……い……なんで?」

 

「うわー、思ったより出てるっスね。だから、既成事実ができたって言ったじゃないっスか。今後ともよろしくっス」




 これで本当に完結です。誠にありがとうございました。
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