一気に恐怖が襲う。
とんでもないことをやらかしてしまったと。
建物内にあったはずのエレベーターの扉の開いた先にあった景色は何故か外になっていて、一面真っ赤に染まり、建物とかは黒に塗りつぶされているような感じだった。
急いでエレベーターのボタンを押し、どうにか戻ってくれと祈るが、何も反応を示さない。
「やばい、やばい、やばい、やばい」
奥歯が震える。
反応しないエレベーターを半ば殴りつけながら「動け、動け」と願うが、エレベーターは動かない。
恐怖で目も開けていられなくなってしまった。
俺はどうすることも出来ず、しばらくボタンを押したのち、その場に座り込んでしまった。
何時間経ったのか。
分からないが、恐る恐る目を開けてみる。
どうか、元の世界に戻ってきててくれと願うが、残念ながら目を開けた先にあるのは、真っ赤な景色。
震える足を抑えながら、エレベーターの外に出ると、そこは俺が全く知らない場所だった。
いや、真っ赤だからそう思ってるだけで知っているのかもしれない。
けど、今の俺には全く分からない場所で、全く検討もつかない場所で、絶望が押し寄せてきた。
俺はこの後どうなるのか。
もう元の世界には戻れないのか。
自分でやったことはには変わりないが、こんな理不尽なことがあっていいのか?
ほんの少しの好奇心じゃないか?
俺はまたしばらく立ち上がれなくなってしまった。
他に誰かいないのか?
そう考え歩き出してもう2時間は経っていると思う。
いや、もしかしたらそんなに経っていないかも。分からない。
こっちの世界に来てから、スマホは動かない。
腕時計をしてなかったことを死ぬほど後悔している。
いや、後悔すべきところはそこじゃないか。
とにかく歩いているが、何とも合わない。
幸い建物はあって、景色が変わるが、何の生物もいない。
さすがに疲れてしまった。
なんなんだこの空間は。
なんで建物だけあるんだ?
人工物じゃないか。
この空間も人間が作り出したのか?
ならどこかで監視してたりしないのか?
「誰かいませんか?」
大きな声で叫ぶが、反応はない。
俺はこの世界に来てから、なにも出来ていない。
なにか食料がないかと、コンビニ(と思われる)に入った。
結論からいえば、何も無かった。
品物はもちろん、棚や椅子、レジなどもなく、トイレには、穴だけがあり、水はなかった。
穴になにかないか覗いたが、すぐにコンクリートにぶつかった。
ちなみにもうひとつ気づいたことがある。
川や海などもない。
雲もない。
空は一面真っ赤なだけ。
この世界に水はないと考えた方が良さそうだ。
しかし普通に喉は乾く。
緊張していたし、結構歩いた。
このままではまずいと思い立ち止まる。
どうすればいいんだ、と涙が止まらない。
しばらくして、涙も止まると、どうしようか迷う。
迷って迷って迷って迷って、時間が経つ。
腹も減ってきた。
以前見た映画で空間に取り残される映画を見たが、それでは無限に飲み物や食料が出る自動販売機があった。
そんなことを考えて、なおさら絶望した。
建物はどれも現代風であった。
どれも鉄筋コンクリートで出来ていて、造形もアパートだったりマンションだったり、コンビニだっりした。
俺は喉も乾き、腹も減った状況であったが、その場で蹲ってるだけではダメだと思い、また歩いていた。
そこで見覚えのある文字が書かれた建物を発見した。
【星セブン】
そう書かれた建物を見た時俺は歓喜に震えた。
なぜかは分からないが、そこに入れば何かが変わると思った。
星セブンという文字が何を意味するかなどは考えなかった。
その建物に入るとエレベーターが見えた。
俺はエレベーターに乗ると、一つだけあるボタンを押した。
【向かう】