放浪を始めて数百年、当てなく探していると一人の女性が目の前で倒れた。
急いで駆け寄るとかなり体重が軽いことが分かった。聞いてみるとどうやら病に臥せっているらしく今日は調子がいいと思っていたらしいのだが急に体調を崩してしまったらしい。
「助けていただきありがとうございます。珠世と申します」
「私は鬼舞辻無惨です、お気になさらないでください。困ったときはお互いさまです」
その後、旦那さんからもお礼を言われた。どうやら子供もいるらしく彼女は余命が幾ばくも無いらしい。子供が大人になるまで見届けたいと悲しい顔で呟いていた。
…一つ、手はある。
私は手を見た、正確には私に流れる血。それを使えば珠世さんは鬼となってしまうが普通の人と変わらずに生きることが出来る。見た目を普通に人間に変化するには一年近くかかってしまうがそれをすれば老化しない人間にすることが出来る…が。
正直、これを伝えるべきか。
やり方も理解している。私の血を飲ませるだけだ、もちろん適合しない場合もある。だがもうここまで病が進展していると鬼とする以外の方法はないと思われる。
好意で泊めていただいたので子供を寝かしつけたあと。旦那さんと珠世さんと向き合って私のことについて話した。
私の正体のこと、珠世さんの病の治し方。それについての副作用など全てのことについて話した。
その言葉に旦那さんは訝し気な顔をしていたが珠世さんは藁にも縋る思いで私にお願いしてきた。しかしこれは私の独断で決めることではない。
その後、旦那さんと話し続けた結果から旦那さんも折れたようで結果私の血を飲むことになった。いざという時のため、旦那さんとお子さんには離れてもらい。私と珠世さんで向かい会う。
そして器に私の血を入れ珠世さんに差し出す。珠世さんも怖いのか器を持つ手が震えている。
「いざという時には私が止めます」
「…よろしく、お願いいたします」
彼女はその器を呷った。しばらくすると身体を振るわせ器を落した。低く唸り声も聞こえる
「珠世さん? 大丈夫ですか!?」
「ぐぐ…か、身体が…!」
「全身を作り替える最中です。感情が高ぶりやすくなるので落ち着いてください」
ガタガタと体を震わせる彼女を支える。牙と爪が伸び、瞳孔が縦に割ける。
しばらくすると落ち着いたのか力が抜けたように彼女は膝をつく、かなり強い力で暴れていたようで無惨の腕には痣がいくつも付いている。彼女が荒い息を吐いているがしばらくすると自分の体の変化に驚く。
「体が…軽い」
自身の手を見て彼女は顔を顔をほころばせる。立ち上がり体を見るが問題も無いようで正気も保っている。どうやら成功のようだ。良かった。
その後、旦那と子供が戻ってきて二人は治ったことを喜んだ。目や爪や牙は流石に驚かれたがしばらくすれば普通の人間のように擬態できるようになっていた。そこから数年彼女達から離れ、また戻ってくると彼女から一つ話をされた。
「無惨さんは何を探しているんですか?」
「…どうしたんだい突然」
「ずっと気になっていたので」
…言うべきか無惨は悩んだ。無惨が生きている理由は言わば復讐、彼女に言ってもいい物だろうか。
少し悩んだが無惨は教えることにした、
すると珠世は予想外のことを言い出した。
なんと自分もその目的に協力させてほしいと言ったのだ。どうやら旦那さんと話して私との恩を返したいとのことらしい。私はいいと言ったのだがどうやら意思は固いらしい。最終的には私が折れて協力することになった。
「そうか…だが一つ、しばらくは家族と共に過ごすのだ。私は確信を持っているが100年や200年では終わらないだろう。私は旅を続けるが連絡はこいつと行うといい」
私が手をかざすとそこ猫が突然現れて飛び乗ってきた。珠世さんも驚いたようでどこから現れたのかと辺りを見渡す。この猫の名前は茶々丸、死にかけていたことを私の血を与えたことで猫でありながら鬼となった。かなり頭がいいようでいつかは人語を喋らせられるようになりたいものだ。
茶々丸は珠世さんにも懐いているようで彼女の手で撫でられ喉を鳴らしている。
その後、何かあれは茶々丸を介して手紙を送るようにし私は彼女の元を去った。願うは幸せに暮らしてほしいものだ。
それと妙な雰囲気を持つ刀を持った侍と出会うようになった。会うのは決まって夜、会うと危険だから家にいたほうがいいと言われる。僅かながらに血の臭いがする。いったい何者だろうか…
というわけで珠代編でした。
次回は継国兄弟編と鬼との戦闘をやろうかと
あと5~6話ほど行った後に原作を開始する予定です。
一応5~6話の予定ですが話数が増えたり減ったりするかもです。