ヤクザがダンまちの世界にいるのは間違っているだろうか   作:リョー

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邂逅そして入団

 晴天の空、辺りを歩く人々、石畳の地面。おぉぉぉ、すげぇー。俺は驚いていた。何に、と言われれば分からないが全てのものに驚いていた。その時、ふと俺の姿がガラスに移った。俺は袴に羽織を着ていて黒くて長い髪をお団子のように縛っていた。顔も髪も全て女のように見えたが股間を触ればそれはそれは立派なブツがくっついていた。何故俺はここにいるんだろう、考えてみても答えはよく分からないが何故かここにいることに違和感はなく、俺に親がいないことは誰に教えてもらわなくても感覚的に理解していた。この世界の基礎知識も有った。しかし俺はどうすればいいのか分からなくなるのもはやかった。兎に角怖い。ここにいることに違和感が無くても怖かった。涙を流すなんてのは男じゃねぇ。でもどうしようか狼狽えていると何者かが俺の肩を叩いた。

 

「美少年発見やなー。今日はええ日や!どしたんや?迷子か?」

 

赤髪で目の細くて綺麗な顔をした女性、って思いかけたところで俺は自分の予想が疑わしくなった。胸がねぇ。

 

「おい坊主、あんたええ度胸しとるな!?」

 

「すまん!すまねぇって!!」

 

「まぁええわ。それよりあんた親はどした?」

 

「親はいない。今日俺一人でここに来たんだ」

 

その女性は俺の目をしばらく見つめた。美しいがどこか雰囲気がそこらの女と違う。なんというか神様のような気配だ。そう言えばこの世界には普通に神がいるんだった。彼女も恐らくそれだろう。

 

「嘘やない、、行く宛はあるんか?」

 

俺は首を振った。

 

「あんたうちの子になるか?」

 

「はぁ?」

 

「あんたみたいな可愛ええ子がうちに来るんやったらそりゃ大歓迎や!」

 

「いや、大丈夫なのか?俺なんかが行って」

 

「あんたの方が大丈夫やないで!オラリオは変態多いからな!だからあんたが良かったらうちにきぃ」

 

俺は差し出された手を握った。まったくの初対面だ。しかし俺はなぜか彼女を信頼できた。

 

「うちはロキっちゅうねん。よろしくな」

 

「半兵衛。桜半兵衛。よろしく」

 

ロキと手を繋いだまま歩いた。俺は初めて母を感じた気がした。

 

 

 

 

 

 ロキに手を引かれ、俺が辿り着いたのはデカい城だった。ロキが門番に何かを話すと門番は俺らを通した。

 

「ここがうちらのホームやな」

 

ファミリア、それは冒険者の集団。冒険者はダンジョンに潜り、モンスターを倒す人のことを言う。そういう基本知識が頭に有ったがファミリアがこれほど大きいものだとは知らなかった。俺らはデカイ城の中に入って、中をしばらく歩いてそれから椅子のある綺麗な部屋に案内された。

 

「ここで待っとってな!」

 

そしてロキは急いで部屋を出ていった。

 その数分後、ロキと三人の大人が部屋に入ってきて俺の座る椅子に向かい合うように置かれた机を挟んで椅子に座った。

 

「どうもこんにちは」

 

「、、、こんにちは」

 

金髪の比較的若そうで少年のようにも見える男と、緑髪で美しくて耳の長い女と、髭を結んでいて豪快そうな男とロキ。

 

「入団希望者だよね?」

 

「ああ」

 

「君は何歳かな?服装的に生まれは極東かな?」

 

「六歳、極東生まれ」

 

金髪の彼は笑顔を崩さないで続けた。

 

「使える武器はあるかな?」

 

「長ドス」

 

「ど、どす??」

 

極東のヤクザが使う言葉じゃん、この場にいた全員がそう驚いた。金髪の彼はぎこちない表情で日本刀を俺に手渡した。

 

「少し振ってみてくれないかな」

 

そう言われて俺は日本刀を鞘から抜いた。握った瞬間それは俺の身体によく馴染み、こいつをどう振れば良いかということを俺は分かっていた。

 

「見事」

 

髭を結んでいる男性がそう言った。切る対象はなくただ振っただけだがそれは空間という実体の無い物を切り裂いたかのようにも感じられた。

 

「なるほど、、、」

 

金髪の彼が何かを考え込んでいると、隣にいた緑髪の彼女が口を開いた。

 

「冒険者というものはモンスターを相手取る。だから危険など当たり前だ。それでもやる覚悟はあるか?」

 

「モンスターという命を殺して強くなろうとするんだ。対等な立場で、どっちも命を落とす可能性をもたないんでどうするんだ。自分だけ安全にモンスターをただ殺そうだなんて筋が違うんじゃねぇのか」

 

「成る程。見応えのある子だな」

 

彼女は満足そうに微笑んだ。

次に髭を結んだ彼が口を開いた。

 

「お前さんさっき六歳だって言ったな。親はどうした?」

 

「母親は生まれつきいねぇ。父親は死んだ」

 

「そうか、すまんかったの。お前さんはどんな大人になりたいんじゃ?」

 

俺は自分がどんな人間に成りたいかを考えた。頭にはぼんやりとその姿が浮かんでいるが言葉には出来なかった。

 

「すまん言葉になんねぇ。でも、俺の中の大人はすげぇカッコいいわけじゃないんだ。ちょっとダサいかもしんない。でも自分に正直で、強くて、流されなくて、、、。すまん」

 

「いや、十分じゃぞ」

 

彼満足げに笑った。全員が何かを考え込み、暫くの沈黙が流れた。そしてその沈黙をロキが破った。

 

「どや?」

 

「ンー、僕はこの子の入団に異論はないかな?とても見所のある子だとおもうんだ」

 

「私もない。家族の一員として愛情を持って接したいと思った」

 

「ワシもないな。こやつの剣技、光るものがあるぞ。今は原石じゃが磨けばダイアモンドよりも凄いもんが出てくるかもしれん」

 

「っしゃぁ!!半兵衛は今日からウチの子やー!」

 

ロキに抱きつかれた。暑苦しいけど嫌な気持ちはしなかった。しかしいつまでも抱きついているロキを緑髪の彼女が拳骨で叩き落とした。

 

「そう言えばお互い自己紹介をしていなかったな」

 

そしてそう言い金髪の彼、緑髪の彼女、髭を結んだ彼と続いた。

 

「僕はフィン・ディムナ。このファミリアの団長だ。よろしくね」

 

「私はリヴェリア・リヨス・アールヴ、副団長だ。よろしくな」

 

「ワシはガレス・ランドロック。よろしくな」 

 

三人の自己紹介が終わり、俺が名を名乗った。

 

「桜半兵衛、ここでの言い方だと半兵衛桜だ。よろしくたのむ」

 

こうして俺はロキファミリアに入団した。そして彼女が入団してきたのも俺と同時くらいだった。

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