一夏が空に一歩踏み出そうした瞬間。
「少し話をしないか?」
一夏は、足を後退さて後ろを見た。そこには、青い服を着た男性がいた。
「何故、此処にいるのかって顔をしているな。」
一夏は、思っていたことを当てられ驚いた。ここは、IS学園、簡単に入れる訳がない。当然、見覚えも無い人がいるのだから。
「この学園に入るのは、簡単だ。確かに警備は、しっかりとしているが私相手には、意味がない。さて、私は、君と話をしてみたいがどうかな?」
淡々と話し掛けてくる、一夏は、彼に興味を持った。でも一夏は、朝日が上る前にやっておきたいことがあった。朝日になれば先生や生徒が起きる。そうなれば、自分が助かる可能性が高くなる。だから彼の要求に応じることが出来なかった。
「あぁ、時間のことなら心配は、要らない、今の時刻は、深夜1時だ、深夜の2時まで君と会話をしたい。」
それならと一夏も頷いた。
「良いですよ。でも俺の話は、詰まらないですよ。」
「詰まらないかどうかは、私が決める。さて話をするならお菓子や飲み物が必要だな。後、椅子と机も。」
彼は、そう言うと椅子と机が現れた。机の上には、様々なお菓子に飲み物があった。
「さて、食べながら話をしようじゃないか。君も座りなさい。」
一夏も椅子に座る。一夏は、聞きたいこと聞く。
「貴方は、誰ですか?俺は、織斑一夏、といいます。」
「そうか。今は、魔王、と名乗っておこう。その方が似合うっと思ってね。」
一夏は、確かにと思った何も無い場所に机と椅子を出したのだから、まるで魔法を使ってるみたいにそれと同時に束さんにもこんなこと出来るかなっと思った。
「さて織斑くんの話を聞きたいものだ。話してくれるかな?」
「さっきも言ったように詰まらないですよ。」
「なぁに時間は、たっぷりとある私は、君に興味があってね。是非とも織斑くんの話を聞きたいのだよ。」
そして一夏は、今までのことを話した。楽しかったことも辛かったことも全部、話した。今しようとしてることも何故か、魔王には、話せた。もしかしたら誰かに聞いて欲しかったかもしれない。話ながら飲み物やお菓子も食べた。凄く美味しかった。話終えると魔王は、言った。
「それは、大変だったな。私は、織斑くんのことを尊敬するよ。」
一夏は、顔を上げて言う。
「何故?」
「簡単なことだ。君は、イジメにも負けず、孤立しながらも努力をしていた。言うのは、簡単だが実際に出来るかっと言われたら普通は、出来ない。でも君は、やってのけた。」
「でも俺は、あまり活躍出来てません。」
事実、一夏は、近藤と比べたらあまり活躍出来て無かった。
「確かにそうだがくらべるのは酷と言うものだ。あっちには、仲間がいた。それに対して君は、一人だ。差が出て当然、個人の活躍としては、充分活躍している。縁の下の力持ちって言えばいいだろう。」
そう、一夏は、個人としては、充分以上の活躍をしている。
「俺は、弱いですよ。負けてばかりです。始めのころは、勝ってた時もありましが今は、負けてばかりです。」
「それは、当然だろう。君の機体は、白式だったな。あんな剣一本しか使え無い機体だし、君もISに乗ったのは、最近だろうし、玄人向けの機体に素人の君が乗るのだから、無茶振りにも程がある。それでも君は、ある程度、機体を使いこなしている。負け続きとは、いえ、いい勝負をしている時もあるじゃないか。」
「見ていたのですか?」
「勿論、見ていたよ。君が負けてる原因は、師がいないことだ。君は、一人で鍛えている。簡単に言えば自分の弱点が把握しづらいし、第三者視線があれば色々と分かるが一人ではな、把握しづらい。そして長距離戦闘の練習も出来ないしな。機械である程度は、出来ても人と戦うことっとなったら厳しい戦いになるのは、当然だ。人と機械では、動きが違うしな。そしてあっちには、仲間がいるのだから活躍出来て当然だ。だが、君は、単独行動している。差が出て当然だ。」
魔王は、立ち上がり一夏の頭を撫でる。
「泣きたい時は、泣け、その方が気分が晴れる。別に恥ずかしがることはない。今まで辛かっただろう?誰にも褒められず、認められず、でも、君は、努力をした。私は、君に言葉を送ろう。君は、頑張った。少々無理をしているがね。だから、少し休め。」
一夏は、嬉しかった、誰にも褒められず、誰も認めてくれなかった、そして姉にも見捨てられ、自分は、孤独だった。でも魔王は、自分の努力を認めてくれた、褒めてくれた。それが堪らなく嬉しかった。一夏の瞳から涙が流れる。久しぶりに感じる人の体温を感じながら静かに一夏は、涙を流した。魔王は、一夏が泣き止むまで頭を撫で続けた。
一夏が泣き止み、魔王は、一夏に話し掛ける。
「気分は、晴れたかい?」
「はい。」
「そうか。もうそろそろ、時間だな。」
一夏は、それを聞いて残念に思えた。もう少し、話をしたいと思った。
「さて織斑君、君は、見返したいと思わないか。」
「えっ。」
魔王の言ってることは、理解してる。今まで見返したいと思ったことが無かったな。認めて欲しい、一心で頑張っていたのだから。
「でも俺には、ISがありません。あっても負けます。」
そう、一夏のISは一夏を裏切ったのだ。何故なのかわ、分からない。なので一夏は、ISを持っていなかった。
「ISに勝てる物は、持っている。そして私直々に鍛えてやる。君は、どうする?このまま、終わるか、見返すか。どちらを選ぶ?」
魔王は、一夏に手を差し出す。一夏は、悩んだ。でも一夏は、今までのこと思い返した。誰にも褒められず、認めてくなかったことをそして認めてくれた魔王のことも自分が望めば魔王は、手を貸してくれる。一夏の心を暗い何が侵食していく。そして、
「お願いします。俺に力を下さい。」
魔王の手を取った。
「手を貸そう。」
「俺のことを一夏って呼んでくざさい。」
「分かった、さて一夏、行こうか。」
「はい。でもどうやって?」
「心配するな。行くぞ。」
ISの屋上には、誰もいなくなった。始めから誰もいなかったように。
その後、IS学園は、消えた織斑一夏を捜索したが見つけることは、出来なかった。後、織斑一夏に関する物理的なデータがすべて消えていた。始めから織斑一夏が存在していなかったように。
物理的なデータとは、卒業アルバムとか写真とか戸籍とか一夏の私物とか友人に送ったプレゼント(一部除く)とかネットの検索とか。その他色々です。なので織斑一夏は、いなかったようになってます。でも人の記憶は、消さなかったようです。