色々なキャラの異世界空戦録    作:両津

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セーラ・ブリテン:スピットファイアMkIX
エリザ・ブリテン:スピットファイアMkIX

Q:どうやってここに来た?

A:艦船に乗って星域を移動するときに起きた歪みに巻き込まれ、そのままウォーサンダー世界へ


大帝国
エイリス帝国女王・先代女王のスピットファイア空戦記 


「セーラちゃん。くれぐれも単独行動はしちゃだめよ?」

「はい。分かっていますお母様」

 

2機のスピットファイアMkIXに搭乗しているのはエイリス帝国の第38代女王のセーラ・ブリテンと第37第先代女王のエリザ・ブリテン。

セーラは見事なブロンドの髪に青緑の宝石の様な瞳を持つ楚々とした美少女だ。

顔立ちは気品がありバランスよく整っている。黄金色の髪は腰まで伸びており美しい姿だ。

セーラは女王という言葉が美しいほどの美貌を持っている。

もちろんエリザも年齢を感じさせない若々しさと気品のある美貌をたたえ長く癖のあるその髪を後ろで束ねている美しい女性だ。

そんな二人がなぜWarthunderの戦場にいるのかというとどうやら一日の終わりにWarthunderをしていたところ

この世界に来ていたようだった。

 

「まずは上昇して高度を取るのよ」

「分かりました」

 

二機のスピットファイアMkIXは機体を緩やかな角度で上昇させる。

2人が乗っているのはスピットファイアMk.Vのエンジンをマーリン60系に換装したタイプ。

搭載するエンジンの過給機のセッティングにより、F(通常型)、LF(低空型)、HF(高空型)の3つの型が存在し、本機はF型であった

Mk.Vに比べ旋回性能こそ低下したものの、最高速度・上昇力・高高度性能ともに大きく向上している。

 

 

「零戦52型ですか…日本の誇る名戦闘機ですね。相手にとって不足はありません」

「セーラちゃん。零戦はスピットファイアよりも機動性に優れているという事を忘れないでね?あと水平面の格闘戦では勝機が薄いわよ」

「強力な13ミリ機銃を持っている乙や丙ではないのなら勝機はあるかもしれませんお母様。」

 

高度4000mほどに上昇したセーラとエリザはコックピットに表示されたレーダー確認すると。正面に敵機が来ていた事を知る。

まだ5kmと距離があるため機体形状はわからないがレーダーには『零戦52型』と表示された。

 

<<おやおや…異世界のイギリスの女王陛下とやらか!面白い!相手にとって不足なし>>

 

零戦52型は長砲身の99式2号20ミリを装備し、多数ある零戦の派生型でも最多生産を誇る零戦だ。

折畳機構を省略、翼端部を再び円形に成形し推力式単排気管を採用し、ロケット効果で約5km/hの増速を図った。

零戦52型の史実における活躍は特攻などで使われたイメージが強いが、実は局地的な戦いでは零戦の天敵とも言えるF6Fを圧倒する戦いを見せていた。

例えば1944年1月7日のラバウルにおける後期の航空戦ではF6Fを相手に邀撃戦を展開、米軍の新型艦載機を相手に12機撃墜(米側記録)零戦隊は未帰還機無しという完勝を納めている。

が、これはベテランパイロットが乗った場合の話である事は忘れてはならない。

 

ちなみに史実でのスピットファイアVS零戦の結果はというと

代表的なものとしてオーストラリアのポートダーウィンでの対日本海軍があるが

全9回の空戦で日本側が零戦6機程の喪失に対しスピットファイアがおよそ38機喪失となる大損害を受けた。

もっとも日本側は飛行時間1000時間以上の超ベテランぞろいなのに対してオーストラリア側にはベテランが少なかったのが原因なのと防塵フィルターによる性能低下が原因だったが…

 

そんな零戦52型の姿がはっきりとなるにつれてセーラはある事を思った。

 

「(スピットファイアがレイピアを持った騎士なら…零戦は日本刀を持った侍ね。)」

 

セーラの思う通りスピットファイアと零戦はレイピアを持った騎士と日本刀を持った侍の差がある。

その日本刀が、セーラ機の正面から向かってくる。

見るからにほっそりとした機体と刃物のような薄い主翼が拡大する。

 

<<来い!!女王陛下!!>>

 

発砲はセーラ機が先だった。

発射トリガーを押すと同時に両翼に発射炎が閃き火箭が拭き伸びる。

スピットファイアMkIXの武装は片翼にブローニング7.7ミリ2挺とイスパノ20ミリが1挺と両翼合わせて合計6挺だ。一度に発射するとP-47系統のブローニングシャワーには負けるものの多数の弾丸がほとばしる。

零戦52型もほんのわずかに遅れて機首と両翼に発射炎を閃かせた。スピットファイアの銃撃とは異なり大きな火の玉のような弾が殺到してくる。

が、お互いに直撃弾を得ないままにすれ違う。

 

<<狙いが甘いぜ!!>>

 

すかさず横旋回戦となり、セーラが発射ボタンを押した瞬間と同時に零戦52型は回転する。

セーラのスピットファイアが放った銃弾は背面なった零戦52型の真下の虚空へと虚しく突き刺さるばかり。

緩横転によって銃弾を交わした零戦はそのまま右旋回しセーラの背後を取ろうとする。

 

 

「っ!」

 

セーラ・ブリテンは熱くなり零戦52型の挑戦を受けて立つ。

そのまま咄嗟に操縦桿を握り水平旋回を行う。

お互いの背後を求めあうドッグファイトだ。

が、零戦は格闘戦なら敵なしと言われた戦闘機であり

ましてや折畳機構を省略、翼端部を再び円形に成形しロール及び旋回性能を両立させている52型にあっという間に背後を取られてしまった。

 

「(やられる!?)」

 

そう思った直後。キャノピーの上に取り付けられている円形のバックミラーが赤く光った。

 

<<脱出だ!もう一人いたのを忘れてた…>>

 

火を噴いてバラバラになる零戦52型が一瞬バックミラーに入ったがすぐにセーラの視界の外に消えた。

 

「セーラちゃん。貴女を追っていた零戦は撃墜したわ」

 

レシーバーにエリザの声が飛び込む。

 

エリザのスピットファイアはセーラ機を落とそうと躍起になり後方視認が疎かになっていた零戦52型を撃墜したのだろう。

 

「すいませんお母様。私としたことがつい熱く…」

 

セーラは自嘲的に呟く。

零戦の事を知っていながらも零戦がもっとも得意とする水平面での格闘戦に挑んでしまっていたのだ。

これでは、エイリスの女王として失格だ。

 

がエリザは気にしておらず

 

「ううん。いいのいいの。セーラちゃんのおかげで撃墜できたから大丈夫よ?」

 

と返す。

 

「ありがとう。お母様」と言った直後に新たな敵機が接近してきたのをコックピットのHUDで知る。

コックピットのHUDには『F6F-5』と表示された。

先ほど撃墜した零戦52型のライバル兼天敵だ。

機体形状は先ほどの零戦が華奢で細い機体形状であるのに対してF6Fは

機体全体が太くてゴツく、マッチョのように逞しい。

胴体は樽のように太く中翼配置だった。

ヒグマが翼を手に入れ、空を飛んでるかのようだ。

日本で言うならば『相撲の力士』を思わせるかのような機体だ。

 

「お母様。あのF6Fは私が仕留めます。手出しは無用です!」

「わかったわ。でも危ないと思ったら援護するわね」

 

距離が1kmを切った瞬間。F6F-5の主翼の前縁から火箭が拭き伸びる。

両翼から放たれる12.7ミリ弾がセーラのスピットファイアにスコールのように伸びていく。

 

<<ようこそウォーサンダーヘ!ブローニングシャワーで歓迎してやろう!!>>

 

両翼いっぱいに青白い火箭がセーラ目掛けて飛んでくる。

しかしF6F-5の放った12.7ミリ弾シャワーがスピットファイアの位置に殺到した時は、スピットファイアMkIXはもうそこにはいない。

スピットファイアがその弾に貫かれることはない。

このF6Fと対戦経験を持つエリザ・ブリテン曰く『シャワーを銃弾に変えたような感じ』だそうだが

まさに表現通りの弾量だ。

 

「先ほどの零戦とは機動性が少し低いみたいね…」

 

セーラは操縦桿を握って急角度の右旋回をかけ、一気に右へ回転する。

そのまま急速に右旋回し横旋回戦に持ち込む。

F6F-5の背後にピタリとついた。

 

「…………………そこです!」

 

好射点についたセーラは発射ボタンを押し

片翼にブローニング7.7ミリ2挺とイスパノ20ミリが1挺と両翼合わせて合計6挺の弾丸がF6Fに向けてほとばしる。

両翼から噴き延びた火箭がF6Fの太い胴体と水平尾翼、左主翼付け根付近に槍の穂先のように突き刺さっていく。

 

<<うおおおおっ!!馬鹿な!!>>

 

 

コックピット下部にある燃料タンクにイスパノ20ミリ弾が直撃したのかF6Fは火災が発生。

F6Fは火災により右主翼が千切れ飛んで錐もみ状態となり、火を噴きながら墜落していった。

 

「これで私とセーラちゃんは一機ずつ撃墜ね。後は低空にいるP-47Dだけよ」

「あれでは、私と母様が援護しに行く前に終わりそうですね…」

 

どうやらセーラとエリザが空戦している間に

味方は相手チームの機体をほぼ撃墜していたようだった。

相手チームの残り一機となったP-51は同じチームのタイフーンMK.IB。J21A-2の二機に包囲され撃墜されて試合が終了した。

 

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試合後。飛行場に戻ってきた二人はスピットファイアMKIXから降りるも

その格好はなんとパイロットとは思えない格好だった。

 

セーラはエイリス国旗柄のレーシング競泳水着。

エリザは白いランジェリー下着のみという格好だった。

 

「女王陛下のお帰りだぁ!さあ始めるぞ!」

「修理急げ!なんたって異世界の女王陛下が乗る機体だからな!」

「弾薬の補充もしっかりな!」

「防弾ガラスの交換もね!」

「見事な戦いぶりでした女王陛下!女王陛下にふさわしい戦いぶりでしたぞ!」

 

が、整備の人はというと二人そっちのけで目もくれずにスピットファイアの整備・修理・弾薬補給を開始した。

もっとも最初は驚いていたが今では見慣れた光景として整備の人にとっては当たり前のようだが…

 

「あの…お母様…そろそろこの格好はやめて飛行服にしたいのだけど…」

「何言っているのセーラちゃん。ドクツの総統閣下や日本の帝はビキニで空戦しているのよ?

 だったら私やセーラちゃんもドクツの総統閣下を習ってこういう格好で空戦したっていいじゃない♪」

 

「でも恥ずかしいです…整備員さんたちは慣れたようですが…」

「う~んだったら次は飛行服を着てやってみる?」

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