竹林一家。ABに参戦
「なんだ?どうして空に……」
「なぜ、飛行機に?」
「どうなっているんだ!?」
「何がなんだかわからない…」
自分達がP-26A"ピーシューター"に乗っていることに困惑しているとある家族。
彼らは竹林孝太郎の家族。
孝太郎を自分達と違うからと除け者にしている家族の一員と認めてないのである。
実質孝太郎にはネグレクトをしており、事実上の児童虐待をしていた。
そんな彼らは編隊を先頭のリーダーから右斜め後ろのエシュロン編隊のまま
米空ツリー初期機体のP-26Aに乗っていた。
このP-26Aは各国の初期機体の中では唯一の単葉機で、唯一フラップを装備している。
しかし他国の複葉機と比べてもあまり性能差はないが火力は7.7mm機銃とM2ブローニング12.7mm機銃を積んでおり
ブローニング機銃のおかげで単発火力は他国の複葉機に比べれば高い方だ。
が、そもそも彼らには航空機の知識はあまりないようである。(一応零戦とか隼は知っている)
「ん?あれはなんだ?!日本の飛行機のようだが…」
「零戦か!?いや違う!零戦はあんな形はしていない!」
「隼でもない!なんだあの飛行機は!?」
「じゃあなんだ!?」
竹林一家が視線を右にやると
日本で有名な戦闘機である零戦や一式戦闘機隼とは異なる武骨なシルエットを持った戦闘機を見つけた。
その戦闘機が日本の戦闘機だと分かったのは胴体の横に
日本軍機を示す赤い丸がついていたからだ。
「ほう。エシュロン編隊を組んだP-26Aが4機か…一撃離脱で仕留めるとしよう。」
この戦闘機は胴体が短く寸詰まりの印象を受けるが一見彗星(爆撃機の方ではない)を連想させる涙滴型キャノピーと
短く切り詰められた翼は見るからに俊敏そうであり
明らかに零戦や隼ではない戦闘機である事を判明させる。
この戦闘機は日本陸軍二式単座戦闘機"鍾馗"であり武装を12.7ミリ4挺に強化した二型丙だった。
そして、ホ103の威力は20粍並みの威力があるのだ。
ウォーサンダー世界においてはBRが3.7の機体だ。
鍾馗は日本機にあるまじき高速性と上昇力が特徴の戦闘機だ。
特に速度に関しては零戦や隼よりも早く。最大速度632km/hはある。
急降下速度耐性の高さも相まって一撃離脱機として優秀な性能を誇っている。
さらに一撃離脱機のみならず格闘戦もできるのだった。
あるドイツ軍パイロットは鍾馗について
「日本のパイロット全員が鍾馗を乗りこなせば日本の航空兵力は世界最強」
鍾馗を鹵獲した米軍は
「迎撃戦において最適の戦闘機」と評価している。
その鍾馗が自分たち竹林一家に狙いを定めているということは知らない。
「動くなよ…そのまま…」
竹林一家のP-26を見つけた鍾馗のパイロットは
4機の右斜め後ろのエシュロン編隊を組んでいるP-26Aに左斜め横から襲い掛かる。
「回避運動もせずに直線飛行か…チュートリアルを受けてない初心者だな。こりゃ」
「悪く思うなよ」
鍾馗のパイロットは竹林一家を「チュートリアルを受けずに来た初心者」と看破した。
それもそのはず彼らは異世界転移してきたのだからチュートリアルを受けているとかへったくれもなかった。
「まずは一機…」
「うわ!!」
最初に狙われたのは三番目に位置していた兄だった。
回避する間もなく鍾馗の両翼縁と機首から噴き延びたホ103 12.7ミリ機関銃4挺の火箭が
P-26Aの胴体と水平尾翼と垂直尾翼、右主翼付け根付近に突き刺さったのだ。
燃料タンクに直撃したのか火災が火山のように発生したと思いきやそのまま急降下したのだった。
「よし。次だ!」
竹林一家は一瞬何が起きたかわからなかったが兄が撃墜されたことにより
このままだとあの戦闘機に撃墜される。
竹林一家の誰もが思った。
「なんで日本の戦闘機が襲ってくるんだ!?俺達は日本人だぞ!?」
「私達は日本人よ!?どうして同じ日本人を狙ってくるの!?」
「ん?ABじゃ同じ国の兵器が襲ってくるのは日常茶飯事だが…」←鍾馗パイロット 竹林一家の無線が丸漏れなのを知った
ウォーサンダー世界において自分と同じ出身地の国の兵器が襲ってくるのは
日常茶飯事だったが彼らはまだこの世界に来たばかりで何も知らない。
「じょ、冗談じゃない!!日本の戦闘機に撃墜されるのは嫌だ!!」
「俺をあいつの囮にしようとするな!!お前ら囮になれ!」
「父親なら妻である私を守りなさいよ!!」
「知るか!お前たちこそ私を守れ!!!」
「お前たちは私が逃げるための時間を稼げ!!」
なんと父親のP-26Aは妻子のP-26Aなど知らないと言わんばかりに
そのまま急降下し低空へと逃げ込んだ。
「ん?家族で分隊を組んでいるのか…?」←バッチリ聞いていた
「となれば。今急降下した奴は父親か…妻子を見捨てるとは許せんな」
そう父親は操縦桿を横に倒して妻子のP-26Aを盾にして逃げようとするが
鍾馗は妻子を無視し、父親のP-26Aに狙いを定めてきた。
初期機体のP-26が鍾馗二型丙から逃げられるはずがなかった。
しかもこの鍾馗のパイロットは丸漏れだった無線を聞き。
妻子を見捨てて逃げた父親のP-26Aを許すわけにはいかなかったのだ。
「おいあんた。妻子を見捨てて自分だけ逃げるつもりか?」
「な、何…!!さっきの話を聞いていたのか…!!」
「ああ。バッチリとな!!」
どうやらこの鍾馗のパイロットは先ほどの会話を聞いていたようだった。
「父親なら妻子を見捨てるんじゃねえ!!」
「うわああああああああああああああああああ!!!!」
ピタリと背後についた鍾馗から発射された4挺のホ103 12.7ミリ機関銃は父親のP-26Aを貫いた。
鍾馗に撃墜される瞬間。父親は地獄にいる死神の鎌が自分の首に振り下ろされたように感じた。
けっきょく父親も鍾馗に撃墜されてしまった。
「…どうやら残りの二機は同じチームの奴らがやってくれたか。」
鍾馗二型丙パイロットは自分が仕留め損ねた残りのP-26Aを撃墜した
スピットファイアMKIAとP-40F。F4F-3を見つめる。
<<P-26を撃墜した>>
<<連携のれも取れないとは、素人か>>
<<まあ、初心者だから仕方ないね>>
「あのP-26達。次会う時はいいパイロットになっているといいねえ…」
撃墜されたP-26に乗っていた竹林一家に「強くなってこい」かのように言うと
機体が点滅し飛行場へとワープしたのだった。
~飛行場の食堂にて~
「え?さっきのP-26Aの分隊。お前の家族だったのか?」
「うん。正確には"元家族"だけどね。絶縁したんだ。でもまさかこの世界にまで来るなんて…」
鍾馗のパイロットと飛行場の食堂で会話しているのは。
ドイツ空軍の飛行服を着ている竹林孝太郎だった。
鍾馗のパイロットは孝太郎と友人らしい。
孝太郎は家族とは絶縁したとあっさりとした様子で話す。
「どうだった僕の家族は?」
「父親は家族を見捨てて自分だけ助かろうとしていたな。…いくらこの世界じゃ死なないと言ってもあれはありえないだろ」
「それが僕の家族なんだ。自分たちと違うだけで僕をのけ者。いないもの扱いにしたんだよ」
「信じられねえ家族だな。俺の"家族"はそんな事はしなかったぞ…あいつらが孝太郎を追い越したら悪夢だぜ」←死んでウォーサンダー世界に転生してきた
「大丈夫。あいつらは絶対に僕を追い越すことはできない。」
その言葉は事実。孝太郎以外の竹林一家はというと分隊は組むものの
ウォーサンダー世界のチュートリアルや戦い方。立ち回り方法の説明を「私達はエリートだ」といい
全くのどうしようもないほどの聞く耳持たずなので
今もこうしてP-26Aだけで空戦に向かっているとか…
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それからというものの、竹林一家はランクIIまで開発完了をさせたのだが
結果はよくて対地軟目標(装甲車・対空砲・榴弾砲)を数個破壊とAI機(Bot機ともよばれている)撃墜を数機撃墜できればいい方で
大体は相手チームにより何もできず撃墜されまくっているのだった。
その戦いぶりは敵味方から
「ただのカカシ」
「瞬きする間に全機撃墜できる」
「エリート× ごくつぶし〇」
「敵に回るとすぐにやれるが味方になると足手まとい」
「弾除けとしては超一流。味方としては三流以下。むしろ三流にスゴイシツレイ!」
「竹林一家?ああ。試合途中で出てくるbot機よりも役に立たない連中ね」
「こいつらはbot機よりも仕事しない。bot機は軽トーチカや戦車をやってくれるのに」
「軽目標のあるマップじゃちょっぴりは戦力になる。支配戦?お察しください」
「連携のれもわからないどうしようもない分隊。」
「パイロットしても人間としても最低最悪の三流以下。野良パイロットの方が一兆倍働く」
「竹林一家はどうしようもない奴ばかりだ。ただし孝太郎は除く。あいつはとても優秀なパイロットだよ」
「こいつらと同じような連中がいるけど害悪プレイヤーそのもの」
「大言壮語吐く割にはすぐやられる」
「夜郎自大という四字熟語がピッタリな連中。」
「RBで味方だったけで初手から対地して話にならん。RBは制空するのが大事だ」
呼ばれていた。
「油断はできないから新しい機体は開発しておけよ。」
「一応各国のツリーをそれぞれランクIIIまで進めたから大丈夫だと思うけど…ランクIVはどの国から解除しよう。」
「そこは孝太郎に任せるよ。装弾数のアメリカ。火力のドイツ。機動性の日本とイギリス。バイアスのソビエト。好きな国を選べばいい」
なお、孝太郎は各国ツリーのランクをそれぞれIIIまで進めて
ランクIVを解禁する寸前となっていた。
~幕間~
鍾馗パイロット「聞いたか?この世界にアニメとかゲームとかの転生者とか転移者が来ているらしいぜ。」
竹林「でも僕と同じE組の人が来ているとは限らないよ」
鍾馗パイロット「わからないぞ?もしかしたら来ているかもな…」
竹林「だとしたら殺せんせーも…」
鍾馗パイロット「来るかもしれんな。あいつなら…」