霧隠れの狂人   作:殻栗イガ

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ACⅥボス修正前に何とか1週目クリアしてポケモンのDLCも落ち着いたので投稿。
何かスイカのゲームも今流行っているようですし今月豊作過ぎない?


五影会談、開幕失敗!?

 切り落とした私の髪が宙に浮かびゆっくりと右腕の傷口に重なる。

 この大掛かりな医療忍術の効果だろうか、傷口に重なった髪は新たな肉体に変異し癒着していく。

 

 これならば私の両腕も元に戻るかもしれない…凄いものだと感心するばかりだが喜んでばかりはいられない。

 ただでさえチャクラ消費の多い医療忍術、これ程大規模な術式となると一体どれ程の負担が…ましてや明らかに大人数で行うべきところで影分身で賄っているんだ、素人目で見ても無茶をしているのははっきり分かる。

 

「…大丈夫ですか、カブトさん? …治して頂いているのは有難いのですが、これ多分ですが複数人で行うものですよね?」

「その通りだけど別に問題はないよ。確かに多少キツいけどボクみたいなインテリは長時間の仕事で疲れたからといって誰かに「交替してくれ」…なんて頼むのが苦手でね。それなら疲れていても最後まで全部自分でやり切った方が精神的に楽なんだ」

 

 そういうのは多分インテリとは言わないような…どちらかというと陰気──

 

『どうかしたかい?』

「いえ、なんでもないです」

 

 本体だけでなく影分身のカブトさんまでもが一斉に声を掛けてきた為喉まで出かけていた言葉をお腹に押し戻す。言葉のチョイスに少し疑問を覚えるがそもそも今も治療を続けてくれているカブトさんの事を悪く言うのも本意ではない、この事についてはあまり触れない方がいいのだろう。

 

「…まぁ良いや。それよりも精神的には楽とは言ったけどチャクラはどうしようもないからね。右腕2ヶ所と左腕一ヶ所…一ヶ所ずつ休憩を挟ませてもらうよ」

「それは勿論構いませんが…出来れば小南さん達と早く合流したいのですが…トビさんの計画や鬼鮫さんについても報告したいことが沢山…」

「気持ちは分かるが諦めてくれ。処置が遅れれば医療忍術でもどうしようもなくなる場合もある…小休止ならともかく長距離の移動なんてやる余裕はないよ、あとはっきり言うが出血多量で死ぬ傷だ、他人の事よりもまずは自分の心配をすることだね」

 

 どうしようもなく歯がゆいがカブトさんの言い分は尤もだ。

 それ以外に選択肢はないか…。

 

「…まぁ安心しなよ、君のふざけた行動のおかげで連中は五影会談の方を確認せざるを得ないようだからね、君の仲間に手出しするのは後回しになるはずだ…急げば間に合うかもしれない」

「え?」

「八尾のタコ足の魂を土影に渡しただろ…おかげで彼にとって五影の動向が全く読めなくなっただろうからね…五影達が連携するのか、それとも自分達を放って戦争するのか…どちらにしても確認せずにはいられないってことさ」

「なるほど?」

「さては全然分かってないなこれ…まったく、こっちは隠れて見張っていたらあんな事になって笑いを堪えるのに苦労したっていうのにさ」

「見張って…あぁ! 最近たまに視線を感じる事があると思っていましたがカブトさんでしたか?」

「そういう事、出来ればあの面の男本人を監視したかったが奴は時空間忍術で飛び回っているようだし、何よりボクも少し修行していた事もあって動ける様になってからは中々足取りが掴めなかったからね」

 

 …そういう事か、でもそれなら──

 

「私も基本的には竹林に隠れたアジトに居たのですがどこで…いつから?」

「さっきも言ったが暫く修行していたから比較的最近さ、君達が雷雲峡から立ち去って拠点に戻る時からだよ…どうやって見つけたかに関しては…まぁ君と同じやり方だ」

 

 私と同じ? ──そうか! 

 

「遂にカブトさんも首斬り包丁をはじめ、名刀達の匂いを感じ取れるように…」

「もうツッコまないよ疲れてるんだから」

 

 あれ? 思っていたのと反応が違う、せっかく共通の話題で盛り上がれるかと思ったのに…

 

「…ん? そういえばどうしてカブトさんに気付けなかったのでしょう、カブトさんからは私の送ったメスや剪刀の匂いが…あれ?」

 

 アジトにいたころ何度もカブトさんの要望に合わせてメスや医療用のハサミなどを造った事もあってカブトさんの存在は気付けたはずなのだが──今のカブトさんからはそれらの匂いが一切ない…まさか──

 

「…捨てちゃったんですか?」

「誤解だよ、君にそうやって気付かれるから別のところに置いてきただけさ…まぁ、懐に入れていたせいでいくつかはクナイが当たってダメになってしまったけど…そのおかげで致命傷であったが即死せずに済んで助かったんだ、捨てたりなんかしないよ」

「…? 良く分かりませんがそういう事でしたらまた造り直しますね、何本でも、必要な分を幾らでも」

「あぁ、その為にもさっさと治させてもらうとしよう」

 

 折角造った作品達が捨てられたのかと心配もしたが違ったようで何よりだ…。

 しかし一部の作品達が壊れてしまったのならやはり新しい物を造る為にもこの両腕の修復を最優先するしかないか…。

 

 …しかしどうしても小南さん達が心配だし、彼女達に余計な心配を掛けさせてしまうのも申し訳ないな。

 

 

 

 連中モ元々オ前ヲ疎マシク思ッテイタノデハナイカ? 

 

 

 

 ふと黒い方のゼツさんの言葉が脳裏を過る…今にして思えば、たとえそれが事実であっても私のやる事は変わらないのだからくだらない戯言だ。

 元々私が彼らと関わったのも全てはより良い作品造りの為…だから彼らが私を疎ましく思っていても私にとって彼らは大切な人なんだ。

 

 だからこれからも彼らと関わる事はやめたりしないし、彼らに危険が迫っているのなら絶対に助ける。

 そうして彼らとも仲良くなれるのならばそれが一番良い。

 

 そう思えばこんな怪我人が慌てて向かったところで役には立てない。

 追いついた時に少しでも彼らに対し出来る事、伝える事をまとめておいた方が良いだろう

 

 あぁ、それに五影会談とトビさんの動きについてもある程度の予想を立てておいた方が良いかもしれない、確か考えられる可能性としては…

 

 土影様が八尾の一部を雷影様に返却、円滑に話が済んだなら暁対策で五里が連携するという場合。

 もしく土影様と雷影様の話が纏まらず、岩・雲の里間での戦争が勃発し五里の連携が破綻するという場合。

 そして土影様が八尾の一部を隠し持ったまま会談終了を待つ場合…ただしこれも万が一バレた場合は間違いなく戦争になるだろう。

 

 えっと…それで戦争が起きればトビさんは戦力を温存出来るから身を隠す…いや、万が一雲隠れの八尾に何かあると困るから参戦するのか? 

 それと岩と雲以外の3つの里は…ダメだ、複雑過ぎて予想の立てようがない、これが自分の行いのせいだというのだから悲しくなる。

 

 五影会談…一体どうなるのだろう。

 何かと関わる事の多かった綱手様に我愛羅君。

 自里の長である水影。

 偶然出会った事で厄介事を預けた土影様。

 そして見知らぬ雷影様。

 どうか…どうか平和的な会談をお願いします。

 

 治療中の両腕は動かせず手を組む事も出来ないが心ばかりは純粋に祈りを捧げるのだった。

 

 

 

 ▼▼▼

 

 

 

 三狼と呼ばれる口を大きく開き牙を剥き出した狼の頭部の様な山が三つ連なった国、鉄の国。

 雪が降り積もるこの国に聳える城の一室で五影会談が始まろうとしていた。

 

 今回の会談の主催である雲隠れの里長である雷影・エー。

 そしてその呼びかけに応じた残る4つ里の長達。

 木ノ葉隠れの長、火影・綱手。

 砂隠れの長、風影・我愛羅。

 岩隠れの長、土影・オオノキ。

 そして霧隠れの長、水影・メイ。

 

 影達が各々の席につき、その護衛に選ばれた手練れの忍達も皆上階に配置し数秒、僅かに続いた沈黙を破りこの会談を取り仕切る中立国、鉄の国の大将・ミフネが口を開く。

 

「五影の傘を前へ──」

 

 その言葉と共に影達は自らの里の"字"を刻んだ傘を机に下ろし顔を晒す。

 傘に隠されていた彼らの顔は皆平静そのものだがその内心は様々だ。

 

 他里の抜け忍達が起こした先の襲撃に対する苛立ち。

 現在里が大きな被害を受け、その復旧に奔走する最中に急遽開催が決まった会談に対する不満。

 議題である暁対策について以前から何度も協力を要請するも無視され続けた上で今更の招集への呆れ。

 自里こそが暁発生の地であるという噂話とそれを否定し切れない疑いを抱える事による緊張。

 半ば冷やかし半分で臨んだ会談に向かう道中に突然戦争の火種を寄越された事による焦り。

 

「──これより五影会談を開始する」

 

 そんな彼らの複雑な胸中を知らぬまま、あるいはそれぞれに何らかの思いはある事程度は察しながらもミフネは五影会談開始を宣言した。

 

「俺から話す、聞け」

 

 口火を切ったのは風影、我愛羅だった。

 最年少の影でありその称号を背負って最も日が浅い身であるがそれを感じさせない程冷静に、これまでの暁対策に対する里長達の消極的な姿勢について指摘する。

 

「…人柱力というのは里が持つ戦争への抑止力じゃぜ、奪われたからと言って安易に他里に協力を求めて弱みを見せれば攻め込まれる危険性がある…それを避ける為には秘密裏に動くしかないんじゃぜ」

「…? なんだオオノキのじじい、アンタにしちゃ随分と丁寧な説明だな?」

「──フン、新顔の若いのには話しやすくしてやらなきゃこの会談がいつまで経っても終わらんじゃろうて」

 

 オオノキといえば老年であろうと衰えないその実力故の頑固な上に口の悪い特徴が記憶にある綱手にとって今の態度には少々違和感があった。

 すぐに取り繕ってみせてはいたがどこか発言に気を付けているような…そんな印象を受けた。

 

「尾獣を奪われたといってもそのコントロールには技術、知識、時間が必要です。他里に弱みを明かすリスクと緊急性を比べれば…私も土影様と同様の判断を致しました」

「──既に暁は九体の内七体の尾獣を奪ったとみて良い…とっくに緊急事態だろう」

「それは…」

「グダグダといい加減にしろ!!」

 

 周りと比べても他里との交流がほぼ皆無と言って良い霧隠れは土影側に、唯一以前から暁対策に砂隠れと連携を執っていた木ノ葉は風影側として意見を述べて五影会談は早くも二分を始めていた。

 最初の発言の時点で言い争いに発展し兼ねない空気を醸し出した瞬間、雷影、エーの怒号と共に振り下ろされた拳が机を破壊する。

 

 言い争いを通り越し荒事にまで至り上階に控えていた護衛の忍達もそれぞれの影の下に飛び降りて臨戦態勢をとる、正しく一触即発の緊張感がその場を支配した。

 

「ここは話し合いの場でござる、礼を欠いた行動は慎んでもらいたい」

 

 話し合いの場として設けた机を破壊する雷影は勿論、いざという時はこの場で応戦する気が満々の全ての者達にミフネは冷静に仲裁の声を掛ける。

 

「下がれシカク、イノイチ」

 

 自身の護衛への綱手のその指示を皮切りに影達は自らの護衛役達を上階へと戻らせる。

 

 

 

「青? 貴方も下がりなさい」

 

 しかし護衛の忍達が皆上階へ戻っていく最中1人その場に立ち尽くしていた青に水影、メイは不思議そうに、そして水影として少し厳しめに声を掛けた。

 自身の上司である水影のその指示、しかし青はそれに応えず戸惑った表情のまま口を開く。

 

「…土影殿、その懐に隠した巻物を確認させて頂きたい」

「ッ!?」

「お前…その眼、白眼か?」

 

 特殊な仕掛けが施された青の右目…チャクラが集中し血管が浮かび上がるその形態に心当たりがある綱手は自里の一族の瞳術を行使されている事に一瞬顔を顰めるも今話を逸らす状況でなさそうな事、ある意味では忍の世では定石である事だと飲み込んで今は土影へと視線を向ける。

 

「…貴方が隠し持ったその巻物からは異質なチャクラが見える。貴方自身のものではない…我が里が所有していた三尾に近しいそのチャクラ…もしや──」

「こ、これは…」

「土影殿、忍具を必要とする忍への公平化の為、そして何より信用の証としてこの場に傀儡人形や忍刀の持ち込みも許可しておる…しかし疑わしき物ならば検めさせて頂く必要がある」

 

 先程までの平静の顔が一瞬にして険しさと焦りを浮かべた土影に中立としての立場であるミフネまでもが追及の言葉を口にする。

 言い逃れも出来ない事を理解した土影は同じく焦りの表情を浮かべた護衛役の2人に見守られながら懐から一本の巻物を机の上に差し出す。

 

 "八"の字が刻まれたその巻物。

 先程の三尾に似たチャクラという発言とその字を見れば皆、何を意味するのか考えるまでもなかった。

 

「貴様土影ェ!!」

「待て雷影、これは違う!!」

 

 咆哮と共に椅子を跳ね飛ばし自分を掴み掛からんとするエーにオオノキは静止を掛けるがそんな事で雷影は止まりはしない。

 その胸倉に伸びた手は間に割り込んだ砂に阻まれる事で漸く止まった。

 

「…何のつもりだ風影!?」

「ここは話し合いの場と言われたばかりだ…被害者の立場であってもここでアンタから手を出したら話が複雑化するばかりだ。何より土影が何故八尾を所有しているのかも、何故この場に持ち込んだのかも不明確な内ではな」

「笑わせるな! この男がかつて"暁"を利用してきた事は調べはついておるわ!」

 

 エーのその言葉にオオノキは苛立ち気に顔を歪ませる。

 確かに自身は何度か戦闘傭兵集団として"暁"を利用した過去がある。

 それが決して綺麗な手段ではないことは分かっていた、しかし軍縮へと移行した今の時代、自里の忍だけでは立ち行かない状況に差し掛かったが故に余計な犠牲を減らす為の判断だった。

 少なくともそんな軍縮な時代になりふり構わず軍拡を続け他里にいつまでも緊張感を押し付ける雷影にとやかく言われる筋合いはないと──本来ならば言い返すが自らの懐に八尾の一部隠し持っていた今の自分はそれを言える立場ではない。

 

(…なぜワシがこんな事に…)

 

 里長として自里の為ならば清濁に拘るつもりなどない…しかし今回のこれに関しては本当にただの誤解だ。

 しかしその要らぬ誤解のせいで今雷影とは決定的な亀裂が生じた…この状況こそ元凶である例の小娘の狙いなのだろうとオオノキは推測する。

 

 誤解を解かねば最悪戦争だ。

 しかし誤解を解こうにも相手は『雲のきかん坊』とまで言われる程の直情型な男だ…完全に頭に血が上っている今よほどの事がなければその勢いが止まらないであろう事は明白、現にこちらが頭を悩ませている最中にも怒りを抑えつけられたエーはその矛先を全ての里へ向けていた。

 

「ワシがこの五影会談を主催したのは下らん話し合いをする為などではない! そもそも貴様らなど元より信用もしておらん! 岩だけではない! 木ノ葉、砂、霧! お前らの里の抜け忍で構成されているのが暁なのだからな!! それでもこの会談を始めたのはいい加減貴様らの信義を問う為だ!!」

「こっちは抜け忍が出た場合の規定に従い暁の情報も可能な限り渡し筋は通している! 日向の白眼目当てで里ぐるみで戦争の火種を作ったお前が軽々しく信義などと、口を慎め雷影!!」

 

 荒くれるエーの怒号に綱手は真っ向から言い返し睨み合う。

 

「抜け忍の処理はしっかりと殺して始めて筋を通したと言うのだ! それを怠るから先代の火影が大蛇丸に殺された!──尤も、それは貴様の先代の責任でもあるがな風影!」

「……」

 

 先代の風影であり自身の父である羅砂が大蛇丸と共謀し行った木ノ葉崩し…結局は大蛇丸に利用される形となったが結果的に火影と風影が死ぬこととなった事件に当時下忍であった自分も戦争に参加していた事もあり我愛羅はそれは静かに受け止める。

 

 反論はなく、しかし臆した態度も見せないその反応に雷影は不満気に再び鼻を鳴らすとその視線を霧隠れの長、メイへと向けた。

 

「お前達もだ霧隠れ! 今回の一件、貴様らには知らんなどとは言わせんぞ!!」

「どういう事です?」

「八尾の人柱力でありワシの弟ビーと暁の連中の戦いを監視していた部下がいる! その報告では本来のツーマンセルと違い最初に3人組、その後から更に2人が増援に来たという。…恐らく八尾を完全にコントロールしたビーを確実に倒す為に特別な編成を組んだのだろう、そしてその後から来た2人組の内の1人が指示役らしい素振りを見せていたという」

「特殊部隊の指示役…干柿 鬼鮫ですか…」

 

 霧隠れの抜け忍にして忍刀七人衆最強の一振り"大刀・鮫肌"の使い手。

 彼が八尾の人柱力を襲ったというのならば雷影の怒りがこちらに向くのも当然とメイは顔を曇らせた、しかしエーはその言葉に更に憤怒の様相を剥き出す。

 

「自里の抜け忍の動向すら把握出来ていないのか貴様は!?」

 

 一応被害者の立場であるエーだが最早暴言としか思えない程の勢いで捲し立てるその言葉にメイの顔が青ざめる。

 それは雷影の怒りに臆したのではない、彼女が把握している情報の中で干柿鬼鮫以外で"暁"に所属している人物に2人程心当たりがあった…物凄く嫌な心当たりが。

 しかしそれはあり得ないはずだ、2人の内1人は実力者ではあるが恐らく鬼鮫を差し置いて指示役に選ばれる程ではないはずだ。

 

 そしてもう1人に至っては霧隠れから脱走した者ではあるが厳密には忍ですらない、何を間違えたとしても暁ほど危険な組織があの少女を指示役にするはずがない──そう思いたかった。

 

「監視役の1人にそいつの人相を描かせたら貴様が出した手配書と見事に一致したわ! 我が弟ビーを襲い、八尾の一部を持ち逃げしたのは──この女だ!!」

 

 雷影は机を破壊するかの如き勢いで叩き付けた手配書と似顔絵の2枚の紙──3年前の写真が使われている手配書と目視した記憶を基に描かれた似顔絵では所々に違いは見受けられるが水色の髪と瞳を始め共通する特徴は2枚が同じ人物の物だとはっきりと伝えてくる。

 

 動かない写真と絵では物静かな印象さえ受ける少女──しかし立ち合い人としてこの場にいる侍を除き、この2枚からそんな印象通りに受け取る者はこの場には誰もいない。

 

 木ノ葉隠れの長、火影・綱手。

 その護衛役であるシカクとイノイチ。

 砂隠れの長、風影・我愛羅。

 その護衛役であるテマリとカンクロウ。

 岩隠れの長、土影・オオノキ。

 その護衛役である黒ツチと赤ツチ。

 そして霧隠れの長、水影・メイ。

 その護衛役である青と長十郎は衝動のままに口を開く。

 

 

 

「「「「「その女か~…」」」」」

 

 

 

「…………は?」

 

 暁のメンバーを率いて雲隠れの里の人柱力を襲った大罪人、渦柘榴 村雨…その顔を見た瞬間、彼らは思わず頭を抱えた。

 呆れ、困惑、納得、ありとあらゆる感情を含んだ声が各所から上がるその異様な光景に先程まで場を支配していた緊張感も雷影の怒りも全て消え失せるのだった。

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