土の国の廃村で行われる闇市…多くの抜け忍達が集まった中心で今…困惑が満ち満ちていた。
「ハ…ハレ? …なんつった今…うん?」
「ハレンチ博士の下に所属する刀匠、村雨です」
「だから何者だそいつは!? 聞いたことねぇよ、うん!?」
「その…じ、実はあまり表には出れない人で…」
「実はもなにもそりゃそうだろーよ!」
長身の男性から怒涛の如く追求され「うぅ…」と小さく唸る、咄嗟に誤魔化したからつい釘を刺された呼び名で呼んでしまったがやはりマズかっただろうか?
でももう後には引けないしこのまま突き進むしかない。
「ハレンチ博士については…その…聞かずに頂ければ。こ、この場で話すのは…あまり良くないと言いますか」
「お、おう…」
「まだガキだろうに…危ねぇ奴もいたもんだな」
「オイラ達が言うのも何だか、世も末だな…うん」
何やら若干妙な空気になったが彼らの追及はなくなった。
どうやら無事に切り抜けることが出来たらしい、良かった。…だというのに鬼童丸さんはどうしてそんな苦虫を噛み潰したような顔を?
「ふん。まぁお前の上司なんてどうでも良い。…小娘、傀儡の仕込み向けのサイズの物を全て見せろ」
「え?」
「ガワはガラクタだったが中の刀の質は悪くねぇ、良い物があったら買ってやるって言っているんだ、早く出せ」
「あ…いえ、その。……本当に"全て"で良いのですか?」
「あ?」
いや、しかし私の作品達に好感を持って他にも興味持ってくれるというのは嬉しい……よし。
ならばこの渦柘榴村雨も全力で応えよう!
店頭に並べた刀を全て片付けて代わりに小太刀やクナイといった小型の作品の多くを収納した巻物を取り出す。
そしてそこに刻まれた術式に手を添えてチャクラを流す。
百や二百を越える私の作品達を片っ端から口寄せする。
残念ながらクナイなどの忍具はサイズが小さいこともあって含有できるチャクラ性質や仕掛けに限界がある為、どうしても通常の刀達に比べれば性能が劣る。つまりは数があって初めて活きてくるのが特徴だ。
だから小型の刀を造る時は大量に造るから数が物凄いことになっているのだ。
「え…と。ではまずこちらの青い塗装付きのクナイから。こちらは"水"の性質変化を持たせており、『丑、申、卯』の印で蓄積した水遁術を先端から噴き出します。圧縮し貫通性を持たせた水なので人体に刺した状態で使えば簡単に相手を貫きます」
遠方から投げ放ったクナイでは相手に刺しても外傷にはなっても致命傷には至らない、その欠点を改良したものがこの水遁クナイだ。欠点としては通常のクナイと比べて重さがあるのと印を結ばなければ使えない為持ちながらの起動が出来ないこと、そして何より使い切りという点か。
「次にこちらの小刀ですが…こちらは"土"の性質変化を持たせており、提供者の特性であるチャクラ吸収の能力が宿っています。ただ小型な為吸収量は乏しいのでその補完として痺れ毒を付着させてあります。以前に私自身も一度使いましたが生け捕り任務などに向いていると思います」
「へぇ…生け捕り向きねぇ…」
「次に"火"の性質変化の…いや、木造の傀儡に仕込むなら"火"は不向き? では先にこちらの"風"の…あと性質変化ではなく形態変化の方に特化した物も…」
「いや、まさかそれ全部説明していく気か? そもそも全部でいくつあるんだ…うん?」
「思い付いた物はとにかく造るから三百を超えた辺りからもう覚えていない、でも皆違う魅力があるから区別はつく、説明には問題ない…です」
「三百を超えた…か」
ふと並べた刀に視線を向けていた傀儡鎧の方がぽつりと声を出した。
造った数については曖昧な受け答えになってしまったがそれでも好感を抱いてくれたのならばそれはそれで嬉しく思う──が。
「あぁ、そういや旦那のコレクション集は今270体辺りで停滞中だったか? 上には上がいるもんだな、うん」
「うるせぇ、数を増やせばいいってもんじゃねぇ、コレクションは質なんだよ。…ふん、すぐに消えちまうお前のくだらねぇアートとやらじゃ分からねぇだろうがな」
「あぁ!? そりゃオイラの爆発が質に拘ってねぇってことか!?」
『何で突然言い争い始めてんだこいつら?』
「っ! …私の作品達だって数だけじゃない、むしろ質にこそ拘っている」
『何でお前まで混ざってんだ!?』
右近さんの声が聞こえてくるがここで退くわけにはいかない。私の作品達が数ばかりのものと思われるのは我慢ならないのだ。
「そもそも旦那の人形はどいつもこいつも悪趣味なんだよ、輝き散っていく爆発のようなヴィジュアル性ってもんがねぇ」
「すぐに散っていく物に何の価値がある? くだらねぇ、芸術に必要なのは長く美しく残り続ける不変性だ」
「同感。優れた刀というものは霧の七刀を始め、長い時を越えて残っていく物。幾度の戦いを経てもなお、錆びることも破損することもなく存在し続ける刀こそが名刀たる存在」
「前提から違うんだよ、うん。芸術、アートっていうのは一瞬の昇華! 一つの存在が美しく儚く散っていく刹那の瞬間にこそ本当の美しさがあるんだよ…うん!」
「っ! 分かる。刀で人を斬る刹那の瞬間…舞い散る鮮血と輝く刀身! あれぞ正しく一瞬の美! 至高の芸術! 刀の本来の美しさとは美術品として一室に飾るのではなく、戦場で振るわれてこそ輝くというもの!!」
「「テメーはどっちの味方だ!?」」
「刀は永遠に残っていて欲しい! でも刀が最も美しいのは何かを断ち切る刹那の瞬間!! そこに矛盾はなくむしろ表裏一体として──」
「「美学のねぇやつは黙ってろ!」」
「やだ、もっと語りたい」
『誰か止めてくれ…』
「ゲームオーバーぜよ…」
▼▼▼
「ふぅ…ここまで語ったのも久方振り…意見の違いはあれど楽しい時間だった」
気が付けばあんなにいた客が1人としていなくなってしまっていた…思えば行列を作っていたというのに語り過ぎてしまっていた…やってしまった。
しかし刀の美しさについて思う存分に語ったことで気分は晴れ晴れとしており、降り注ぐ夕陽を浴びながらどこか満足感に近いものを感じていた。
「ふん、美学の無さは気に入らないが小娘の割には良く話せたものだな」
「お2人の話が興味深かったので」
「…ふん」
傀儡鎧の男性はほんの少しだが満足気に鼻を鳴らすと布の上に並べた仕込み向けの忍具を吟味し始めた。
先程までの話の中で感じたがあの人は相当な技術者だ…ならば自分が一つ一つ説明するよりあの人自身が目利きして興味を惹かれるものがあったらそれを説明する方が効率的だろう。
そう思っていると相方である背が高い方の男性がそれまで布の上に並べた忍具類から目を離して顔を上げた。
「そういや、この中に爆発の刀はあんのかい…うん?」
お互いの価値観を語らい合っている間に知ったのだがこちらの方は一瞬の美…即ち爆発に拘りのある方らしいのだが──。
「…爆発の刀は…ない。私の中で幾つかの設計はあるけれどそのどれもが"爆刀・飛沫"を越えられない物ばかり…何より憧れる大爺様の傑作と同じ物を造る以上半端な作品で世に出す訳にはいかないから…」
「"爆刀・飛沫"ねぇ…そんな凄いもんなのか?」
「それはもう! 太刀筋に爆発を乗せ一太刀で複数人を一纏めに吹き飛ばす破壊力とその爆発に耐え得る頑強な刀身! 何より運用にチャクラ消費をほぼ必要とせず白兵戦では最高クラスといって間違いないかと」
「中々興味深いな…一度ぐらいどれ程の爆発か見てみてぇな…うん」
本当に爆発が好きなんだなこの人は…いや、爆発が好きというよりは自らが掲げる芸術性である『一瞬の美』という物に真摯なのだろうか? 爆発については正直あまり知識がないが同じ物造り家としてこういう姿勢は実に好感を持てる。
「私としても爆発の刀は大爺様を越える為にもいつかは造りたいので、形になった時には是非とも一度見て頂きたい」
「だったら頭ん中で練ってるだけじゃなくて何度も造ってみることだな…うん。爆発ってのは一瞬の輝きだが、だからこそその美しさ、儚さ、強さを引き出すには長い時間と何回もの試行錯誤が必要なんだよ、うん!」
「なるほど…そうですね…その通りです」
思えば頭の中の思い付く限りで既に爆刀・飛沫に及ばない物と分かりきっているからとそれを造り出すことに怯えていたのかもしれない…霧の七刀を越えるものをそんな簡単に造れるはずもないというのに…
「ありがとうございます、今、新たな道が見えました」
「そりゃ何よりだ…うん。…大体物造りってのは一々頭の中や設計図なんてもんに囚われるもんじゃねぇんだよ。芸術ってのは一瞬の閃きだ! インスピレーションに従って思い描いたものを衝動のままに造らねぇと不純物が混じっちまうのさ! …見ろこの芸術的造形を! 洗練されたラインに二次元的デフォルメを追求したデザイン性! まさしくアートだ!!」
「す、凄い…設計図を作らずにそのクオリティ…これが天才肌の造形家…」
男性が取り出した粘土細工の蜘蛛を見て戦慄する。
噂では聞いたことはあるが一部の造形家というのは設計図やデザイン構成は最低限で閃いたアイディアをそのまま形にしてしまう所謂天才型のタイプがいるらしいがこの人もそうなのか…実に羨ましい…。
「…あぁ? 何を馬鹿な事を言ってやがる? 物造りってのは緻密な計算の上で成り立つものだ。理想のクオリティに寸分違わずに仕上げる完璧な設計図とそれを実現させる技術があって初めて作品造りが始まるんだ…だからテメーの造るモンには"深み"がねぇんだ」
「んだと旦那ァ!? そりゃ聞き捨てならねぇぞ、うん!!」
「また始まったぜよ…」
『もう好きにしろや…』
「そういえば以前に傀儡を合わせた刀の設計図を造ったのだけど…良ければ見て欲しい」
『テメーには好きにしろっつってねぇ!?』
傀儡鎧の方の前に設計図を記した巻物を開いて見せつける、しかし一緒に覗き込んできた相方の男性共々呆れたように口を開かれる。
「明らかにおかしいだろこの設計図…刀持った傀儡人形なのは分かるが隣に書いた山が腰ぐらいって…サイズ比どうなってんだ? 遠近法ってやつか…うん?」
「奇抜な案なら良いってもんじゃねぇぞ、まずこんなバカデカいもんを傀儡糸で動かせるはずがねぇだろうが」
見上げる巨躯とそれに相応しい巨大な刀を腕に持ちつつもその勇ましい要素に負けぬ優美さを意識した女性型の傀儡人形"傀儡人刀・クシナダ"、その反応は残念ながらいまいちだがまずはちゃんと説明をしよう。
「こちらの"クシナダ"は傀儡使いの弱点である接近戦を補う為に術者が中に搭乗する形式となっており、さらに両手足、頭部の操作に各1人ずつ、チャクラ供給として胴体部分に2人と計7人で搭乗する想定をしています」
「複数人で搭乗する傀儡だと…確かにそれなら各パーツを1人ずつが操作すれば実現可能か…」
傀儡鎧の方が少し興味が惹かれた様な反応を示した。
先日ガマブンタさんから入手した巨大な刀、砂の里で学んだ傀儡技術の合作が実現可能かもという言葉にこちらも気分が高揚する。
「勿論このクシナダが持つ刀も特別な物を計画しています。このサイズならば通常の刀とは比較にならない大術式を刻むことが可能ですからその出力も──」
「小娘…村雨だったか? 貴様の周りに優秀な傀儡師はいるか? 3体の傀儡を同時に扱えるレベルで良い」
え? 突然何を…あぁそうか、搭乗する人を考えてくれているのか。
しかし、早速痛いところを突かれてしまった…この"傀儡人刀・クシナダ"…理想としては水月が起ち上げる新世代の忍刀七人衆全員で搭乗するのが理想なのだがそれをしようにも水月は傀儡糸を使えないし残る6人なんて影すらない…。
しかしまったくのノープランで山より大きい傀儡人形を造ろうとしているなんて言ってしまえば酷く無計画な人間と思われる。──ならば!
「砂の里に1人。まだ下忍の身でありますが才に溢れ、そう遠くない内に可能になるかと」
「…そうか…名はなんという?」
「カンクロウ、4代目風影様のご子息です」
「……そうか」
…? 笑った…のだろうか、僅かにだが傀儡鎧の方の声に若干の違和感があった。
しかしその受け答えに満足したのか傀儡鎧の方から更なる質問はなく視線を売り物の刀へと戻していた…とりあえずは助かったと見て良さそうだ。
「そいで…旦那、ボチボチ選んでくれねぇか…人を待たすのは好きじゃねぇんじゃなかったのか?」
「あぁそうだな…おい、ここに並べたモン全部買わせろ、総額はいくらだ?」
「………え?」
え…これを全部? 確かに値段は一般的な忍具屋よりも安く設定している自信もあるがこれ全部となるとかなりの額になるのだが…まさかこの方、かなり裕福な方なのか?
「旦那ァ! いくらなんでもそれはやりすぎだろうが!」
「知るか、俺の傀儡集の仕込みを全て変えるにはこれでも足りねぇぐらいだ」
「金はどうすんだ、うん!?」
「俺の仕込みはノルマ達成の為の物だ、組織の金で良いだろ?」
「暴論だぞそりゃあ!?」
何だろう…さっきまで美学や芸術性で言い争っていたのに急に生々しい内容での喧嘩が始まってしまった…私は本当に売ってしまって良いのか? 組織って言っていたし同僚の人から怒られるのではないだろうか…私も良く確認せずに色々やって怒られている身なので事の重大性は理解している為躊躇ってしまう。
結局問答の末に傀儡鎧の方が折れたらしい…私としても残念だがその方が穏便に済むことだろう。
「小刀30本とクナイ60、手裏剣40枚、お買い上げありがとうございます」
それでもこれ程の量を買うとは…やはり一流の傀儡使いとなると仕込みに掛ける費用にも加減がない…。
「俺の傀儡人形には仕込みせずに刀を装備させているタイプも多い、次に会う時があれば長刀の方も見させてもらうぞ」
「はい、いつになるかは分かりませんが…お会いできる日を楽しみにしています」
「その時には爆発の刀も造っておきな、見てやるぜ…うん」
「ありがとうございます」
頭を下げてお2人をお見送りする…すっかりと人が減ってしまった闇市をゆっくりと去っていく背が見えなくなると小さく息を吐く。
「…癖の強い人達だった…」
「お前が言うなっ!!」
突如肩から腕が一本生えてきて首を絞めつけると同時に右近さんの荒々しい声がする。
気が付けば四人衆の皆さんが怖い顔して周囲を囲んでいる。これはまた怒られてしまうのか…今回は真面目にお客様と交流を交えつつ売り上げも潤沢に出来たと思ったのに…やはり刀造り以外はどうにも上手くいかないものだ。
▼▼▼
その後は闇市も無事に終わり、ジガバチさんに大量に入った資金の内からお礼も兼ねて借りた分より幾分多めにお返しした後に廃村近くまで来ていたハレ…大蛇丸さんの部下という方と合流する。
何でも四人衆の方々はこのまま木ノ葉へと向かうらしく、代わりに遣いの方が来てくれたのだと言う。別に一人でも帰ることぐらい問題ないと思うのだが…心配して頂けているのか信用がないのかが気になるところだがそれ以上に仕事が終わってすぐ別の仕事で大変そうだと思った四人衆の方々が妙に嬉しそうな顔していることが気になる。
彼らは皆大蛇丸さんを慕っているしあの方から任務を任されるとやっぱり嬉しいのだろうか?
疑問は尽きないがそんなわけで四人衆の方々とは別れて先導してくれる大蛇丸さんの部下に続いて森を歩く。
──ふと、ポケットの内側に違和感を覚えてポケットの中に手を入れて確認してみれば記憶にない一枚の紙きれが入っていた。
『──貴様も何らかの組織の人間なのは分かっている…そこは詮索しねぇが、例の傀儡人形を完成させたければ協力してやってもいい。もしも望むなら三ヶ月後、川の国に1人で来い』
これは…先程の…先程…の…。
あんなに話していたのに名前聞いていなかったのを今になって思い出してしまった…いや傀儡鎧の方なのは分かるが結局あの人は何者だったんだ…。
「村雨様? どうかしましたか?」
「いえ…少し、自分の接客能力の低さを痛感しただけです…」
「はぁ…」
それにしても、この様な形でお誘いを受けるとは…願ってもないが1人で…か。
おろ…ハレンチ博士や四人衆の方々の目を盗んで出かけるというのは難しそうだがさて…どうしたものだろうか。
▼▼▼
一方、闇市の廃村から幾分か離れた位置で2人の男が歩きながら会話をしていた。
数刻前に闇市で村雨の刀を購入した赤い雲模様入りの黒い衣の2人組…傀儡を纏った人物サソリと掌に口を持つ人物デイダラの2人だ。
「旦那があんな回りくどい手段を使うとは珍しいじゃねぇか…うん」
「あの女はともかく、女の周りにいた連中は俺達を見て焦ってやがったからな…本人どもは隠していたつもりだったらしいがな」
「なるほどね。まだ本格的には動き出してねぇってのにオイラ達の情報を掴んでいるってことは…奴らの後ろにはデカい奴がいるってことか…うん」
「あの女が誘いに乗るならそれで良い、乗らずに逃げるならそれもそこまでだ…逆に仲間を引き連れてきてくれるってんならその後ろに潜む奴も簡単に釣れる」
探りを入れるつもりで去り際に村雨という女に手紙を忍ばせたが結局のところ目的はそういうことだ。
…とはいえ、本当に誘いに乗ってくるならそれはそれで悪くないとも思う。
複数人で操る搭乗型の巨大傀儡人形…傀儡については素人の刀匠の女が考えたにしては実に面白い。
アレは搭乗する人間達が余程の意思疎通が出来ることが条件の机上の空論だ…だが、自分の"人傀儡"の技術を持ってすれば──生前の能力をそのまま扱える人傀儡の特性を活かし"傀儡師"を"人傀儡"とし、巨大傀儡を操る中継器として利用することができれば…
思えば自分以上の傀儡師など存在しないからわざわざ傀儡師を狙うという発想は出なかったが──我ながら発想力が乏しかったものだ。
「でもよぉ旦那、その後ろにいる奴って例のハレンチ博士とかいうふざけた奴なんだろ?」
「バカかデイダラ、あんなもん咄嗟に適当言っただけに決まっているだろ?」
「んー…そりゃそうか。まぁ、それがマジならそれこそどんな奴なんだ…って話だがな、うん」
正直咄嗟にしても何だってそんなふざけた名前にしたのか良く分からないがもしもあの女と次に会う機会があればそれも分かることだ。答えがでるはずもないのにここでアレコレ気にするのも馬鹿馬鹿しいというものだ。
「そういやあの女、"霧の七刀"がどうとか言ってたな…それって確か鬼鮫の旦那が持ってる奴じゃなかったか?」
「あぁ、"大刀・鮫肌"だったか…鬼鮫の奴に聞けば何か分かるかもしれねぇな、あの女の名前は確か…渦柘榴 村雨だったか」
ふと、自分達の同僚の男を思い出して次に組織の集会の時にでも確認してみるか…と打ち合わせしながら薄暗い道の闇の中へとその姿を消していくのだった。
案の定、狂人と芸術家達が邂逅すると酷いことになりました…。
何だかんだで本人達は楽しそうです(四人衆の方々から目を逸らしながら…)