ここは母港に存在する主に重桜のKAN-SEN達が生活しているエリアの宴会場。
そこに重桜だけのKAN-SENが集まっていた。
「姉様、揃いました」
「ありがとう、加賀」
その中に重桜の一航戦と言われる空母、赤城と加賀もいた。
「それでは各自、何か問題の報告はないかしら?」
「はい、赤城先輩」
挙手したKAN-SENは五航戦、瑞鶴であった。
普段は真面目で元気な彼女だが、心のうちは指揮官の事を純粋に愛している女の子だ。
そして姉の翔鶴と共にこの「指揮官を見守り隊」に所属している。
「瑞鶴、なにかしら?」
「報告します。指揮官の最近の状態ですが、特に問題無いのですが、ただ・・・」
「どうしたの?」
「いえ、ロイヤルが独自の行動をとっている様に感じたので。確信はありませんが、何か匂います」
瑞鶴の発言で一気にこの場にピリッとした空気が流れた。
「本当の敵は内にあるとは思いたくはないわ。でも現実に制約を破っている者は多いわ」
「五航戦、誰が怪しいかわかっているか?」
「ロイヤルメイド隊ですね。メイド長ベルファストを筆頭にかなり怪しいです」
加賀がそれを聞いて頭を抱えた。
それもそのはず、この母港内での1番の権力者であり、母港に設置されたカメラ、マイクの死角の位置を全て知っているのはロイヤルメイド隊以外いないであろう。
給仕という名目で指揮官に容易に近づける立場でもある為、対策が取りにくい。
更に、メイド個人での行動であれば他の「指揮官を見守り隊」であるロイヤルメイド隊の中の誰かに頼めば止められるが、ロイヤルメイド隊全体が動くのであれば他のKAN-SENが止めるのは容易ではない。
「確信が得られない以上、この件は保留よ。一応、他の陣営にも忠告をしておくわ」
「ですが姉様、このままでは気付いた時には遅過ぎる事になるかもしれません」
「だけど加賀。制約に違反しない限り彼女達を咎められないわ。それに私たち重桜だけで動くのなら指揮官様の見守りが出来なくなってしまうわ。それでは本末転倒でしょ?」
「・・・わかりました姉様」
場の空気が元に戻りつつあった。
とはいえここにいるKAN-SEN達は少し落ち着かなそうな感じがしていた。
「これは独り言よ。聞くも聞かないも貴方達の自由」
そんな中、赤城がそんな不思議な事を言った。
「憶測だけどメイド達が動いているのではなく、動かされていると思うわ。それが出来るのはロイヤルの女王、クイーン・エリザベスと王族と貴族の連中ね。彼女達は「指揮官を見守り隊」のメンバーですけど、集まりには集まらない。これだけの要素で考えるとロイヤルはこの「指揮官見守り隊」の設備を利用しようとしてるっと考えれるわ」
赤城は淡々と語っているが、まわりのKAN-SEN達は内心はモヤモヤとしていた。
「さてと本来の業務に戻りましょう。今日の秘書艦は隼鷹なのよ」
集まっているKAN-SEN達は秘書艦が『隼鷹』と告げられた時、スッと先程の空気が変わり気持ちを切り替えた。
それもそのはず、隼鷹とは重桜の問題児の1人なのである。
彼女は事あるごとに指揮官の事を「オサナナジミ」と呼称し、指揮官に思い出す様に強要するなどの行為をする程のKAN-SENなのだ。
「加賀、準備は出来てるかしら?」
「問題ありません。姉様」
加賀が準備したであろうスクリーンに執務室が映し出された。
映し出された映像には特に問題はなさそうに感じていたが、これで平和的に終わるとは皆考えていなかった。
『ねぇ指揮官。今夜、暇かしら?』
『今夜か?予定は特にないが、どうしたんだ?』
この会話に違和感を覚えた赤城が携帯端末を取り出してどこかに連絡を入れていた。
『指揮官のオサナナジミである隼鷹が、指揮官の夜のおs』
隼鷹が最後まで言葉を言う前に執務室の扉が勢いよく開いた。
扉を開けた主は重桜所属の重巡、愛宕であった。
『ここにいたのね。隼鷹、呼び出しよ』
『貴女も私の邪魔をする気?』
『そんなつもりじゃないわよ。赤城が呼んでるわ。秘書艦は代わりにお姉さんがやるから』
『くっ!?・・・わかったわ』
隼鷹は明らかに肩を落として執務室から退室していった。
『赤城が隼鷹になんの様なんだ?』
『さぁ?怒らせる様な事をしたのかも知れないわ』
指揮官は少し怪しんだが、愛宕のフォローのおかげか気付きはしなかった。
「さてと制約に違反した者には罰を与えないといけませんわね」
そう言うと赤城はこの部屋を後にした。
「残っている者は好きにするがいい。私は少し用事を思い出した」
加賀もそう言い残し、部屋を後にした。
〜♪〜
赤城は部屋を後にした後、戻ってきた隼鷹と合流した。
「貴女、これで何回目かしら?」
「なんでオサナナジミとの時間を邪魔するのよ!?」
「貴女が違反をしたからよ。指揮官様との夜伽は自分からではなく、あくまで指揮官からお誘いをしてもらわないと出来ないことは知ってるわね?」
「知ってるわ。赤城、貴女もオサナナジミと夜伽をしたいでしょ?」
「もちろんよ。でもそれは出来ないわ。もし秩序もなく指揮官様に迫ったら指揮官様が死んでしまうかもしれんないわ。それに何より1番は指揮官の幸せよ」
隼鷹はわかっている様でわかっていない様な表情をしていた。
「今回の事は目を瞑るわ。私は用事があるからお暇させていただくわ」
そう言って赤城は隼鷹と別れた。
赤城が次に目指す場所は重桜の長ともいえる人物、長門の部屋であった。
赤城は長門の部屋の前に着いた瞬間、ノックもせず扉を開いた。
鍵は掛かっておらず、部屋にも長門姿は無かった。
「あそこね」
赤城はそう言うと、部屋の中心にある畳を剥がした。
すると畳の下には隠し階段が存在していた。
赤城はその階段を降りて下に降って行った。
「長門様、いらっしゃいますか?」
階段を降りたところで赤城はそう問いかけた。
「どうしたのだ?赤城」
階段を降りた奥の部屋から長門の声が聞こえた。
赤城はそのまま進み長門がいるであろう部屋に入った。
「.相変わらずですね」
赤城にそう言わせる様な状態の長門は普段とは考えられない様なセクシーなパジャマを着て指揮官の隠し撮り写真集を眺めている姿であった。
そもそもこの隠し部屋は彼女の妹である陸奥にこの様な状態をバレない様に作られた隠し部屋で長門も『指揮官見守り隊』の一員なのである。
「なにようかな?」
「いえ、大した様ではないのですが。ロイヤルに動きありです」
「ふうむ。余は大して力にはなれぬ。赤城、お主が動け。余は三笠様と陸奥の気を引こう」
長門は重桜の長である以上、集まりにも参加できず、重桜の大先輩である『指揮官を見守り隊』に参加していない三笠、妹の陸奥にバレない様にしている為、大きく動けないのであった。
三笠はこう言う事を嫌い機械に疎いため、参加していない。陸奥も指揮官に喋ってしまうかも知れないので参加しておらず、2人には全く知らない事になっている。
「それだけで十分です」
赤城はその言葉を聞けて安堵した。
勘の鋭い三笠と好奇心旺盛な陸奥を押さえてくれるだけで動きやすくなるのだ。
〜♪〜
場所は変わって重桜の一室。
そこには加賀と五航戦のもう1人、瑞鶴の姉である翔鶴がいた。
「そろそろ謹慎が解けるな五航戦」
「そうですね加賀先輩」
「なぜ指揮官に迫った?お前らしくない」
そう翔鶴は少し前に制約を破り罰として秘密裏に自室謹慎になっていたのだ。
「私らしいってなんですか?妹のために好きな人を譲るのが私なんですか!?」
翔鶴は声を荒げた。
翔鶴は瑞鶴の為に指揮官の仲をとり持とうとしていて、自分の心を押し殺しいたがその心のブレーキも遂に破損し事が起こったのだ。
「その気持ちわかるぞ。私も姉様の為に自分を消してきたが、ある時こう言われたのだ。『私たちの指揮官様は心が広いお方だからみんなを愛してくれるのよ』っと。だから五航戦、お前も我慢するな」
「加賀先輩?」
「お前と同じように私も同じ事をしてな。姉様に怒られて目が覚めた。私達の指揮官はそんな小さい男ではない。だからこそお前も遠慮するな」
「・・・わかりました加賀先輩。私、瑞鶴にも先輩にも負けません!」
「それでこそだ五航戦。私を楽しませろ!」
先輩から後輩へのささやかなアドバイスであった。
次回は2番目に多かったロイヤル編です!
どんな展開がいいですか?
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ドロドロの修羅場
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微笑ましい話
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KAN-SEN大暴走
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作者の好きな様にやれよ!