ここはロイヤルの女王、クイーン・エリザベスと王族、側近のメイド達しか入れない宮殿。
いつも通りにロイヤルの王族達がティータイムを過ごしていたが、女王であるクイーン・エリザベスを筆頭に落ち着かない様子だ。
「ベル!例の物はまだかしら!?」
「陛下、少し前にも同じ事を聞かれましたよ」
そう先程からこの調子なのである。
「待ち遠しいわ!やっとこの日が来るなんて!」
女王であるクイーン・エリザベスは何を待ち続けているのであろうか?
先日よりロイヤル以外の陣営がロイヤルに対して警戒を強めている。
余程、何かこの母港を揺るがす物なのか!?
否!それは・・・
勢いよく扉は開かれた。
そこには走ってきて息が上がっているロイヤルの空母、ヴィクトリアスがいた。
「陛下、完成しましたわ!これが例の・・・
指揮官の私物で作ったぬいぐるみですわ!」
それは案外、普通の物であった。
そうメイド隊の面々が怪しい行動をしていたのは給仕の為に指揮官の部屋に合法的に入った際、指揮官の私服、布団などを極秘裏に同じ物にすり替えて持ち出し、一部のメイドと裁縫が得意なヴィクトリアスがぬいぐるみに作り替えていたのだ。
「大変でしたわ。指揮官の匂いの影響で集中が続かない事が多かったのよ」
「よくやったわ、ヴィクトリアス!これで慣らしていきましょう!」
そうここにいるメイド隊以外のロイヤルのKAN-SEN達は指揮官を意識し始めてから指揮官に近づけなくなっていたのだ。
それは彼女達の生い立ちにあった。
KAN-SENとはいえ彼女達は王族。
周りには好きになる異性の対象がいなかった為、初めて好きになった異性は指揮官なのだ!
その為、好きになってしまった自分に気付くや否やどう接すればいいかわからなくなってしまい、指揮官が近くだけでもうそれはとんでもないことになってしまうのだ。
そして彼女達がなぜ「指揮官見守り隊』の集まりに参加していなかった理由は、指揮官の私生活や仕事姿を見てしまうだけで、もうそれは大変なことなる。
ロイヤルの体裁を守る為にも参加せずにいたが、それではダメと判断したクイーン・エリザベスが妙案として指揮官の私物で作ったぬいぐるみで鳴らしていこうと判断したのだ。
そう彼女達は指揮官の声や姿を見ただけで、とんでもないことになってしまうほどの、
ド変態初心なのだ!
その為、指揮官に匂いを直接嗅いだ日には一週間程、自室でとんでもない事を繰り返すだろう。
メイド隊は指揮官着任当時から給仕の為に指揮官の側でいたから耐性は付いているが、彼女達ロイヤルの上位階級の面々は秘書艦をあまりやってこなかった為、耐性がないのだ。
「これで私達も他陣営に並ぶわよ!」
「これで私達も悲願の秘書艦に戻れるわね」
「早速、渡しなさい。ヴィクトリアス」
ヴィクトリアスはクイーン・エリザベスに自作の指揮官のぬいぐるみを手渡した。
クイーン・エリザベスは手渡されたぬいぐるみを受け取るや否や抱きしめた。
だが!
抱きしめた瞬間、クイーン・エリザベスは膝から崩れ落ちたのだ。
「大丈夫でございますか!?」
控えていたメイド長のベルファストがクイーン・エリザベスに近づいた。
「つ、強すぎるわ」
そう、彼女にとってこれでもかなり刺激が強すぎるのだ!
「へ、陛下なんのご冗談を」
近くにいた彼女の良き友人であり、理解者のウォースパイトが近づき、持っていたぬいぐるみを同じように抱き抱えた。
「はぁう!?」
だがしかし普段から鍛錬しているウォースパイトですらこれには勝てなかった。
「くっ!なんて強さなの!想像の遥か上を行ってるわ!」
このぬいぐるみの脅威は彼女達の想像を遥かに超え、ある意味一種の戦略兵器と化していたのだ。
「と、とりあえず貰っておくわ。私は用事を思い出したから自室に戻らせてもらうわ。あとベル、今日からしばらく自室に篭るから用がある時は必ずノックをしてちょうだい」
そう言ってクイーン・エリザベスはウォースパイトからぬいぐるみを取り返し足早に部屋を去って行った。
「皆さま、今日はお開きにいたしましょう。各自、お好きにしてください。他のメイド隊の子達にも皆様の自室に入る場合は必ずノックをする様に通達しておきます」
ベルファストはいなくなったクイーン・エリザベスに代わりお開きの挨拶を行った。
各自、集まったロイヤルKAN-SEN達は頬を赤らめながらヴィクトリアスの作ったぬいぐるみを受け取り部屋を後にした。
残されたのはメイド隊とぬいぐるみを作ったヴィクトリアスだけになった。
「ヴィクトリアス様もお休みください。後はメイド隊の方で引き受けます」
「ありがとうねベル。実は私ももう我慢の限界だったのよ。多めにぬいぐるみは作ってあるから後はメイド隊の子達で分けてね」
ヴィクトリアスも足早にこの部屋を去って行った。
一体、ナニが我慢の限界だったのだろうか。
「出てきても構いませんよ」
ベルファストが突拍子もなくそう言った。
すると天井方から3人のKAN-SENが飛び降りてきた。
「なるほど、こういう事だったのか」
「ロイヤルも案外、あれですわね」
「初心で変態淑女が多いのよ。ロイヤルは」
降りてきたのはエンタープライズ、赤城、プリンツ・オイゲンだった。
「ベル、これは一体どういうことですか?」
メイド隊のシェフィールドがベルに問いかけた。
そうこれは本来、他陣営に見られてはいけないはずの事だったのに主君に従順に仕えているはずのメイド長であるベルファストがこの事を密告する様に他陣営のKAN-SEN達に見せているのに対して意義を唱えたくなるのは当たり前だ。
「流石に私達の行動が他陣営に気付かれていました。このままではロイヤルは設備の利用禁止、指揮官への接触禁止まで言われてもおかしくない状況でした。なので見てもらい誤解を解くのが1番だと思い現在に至ります」
「ベル、私達にも今後は説明をしてください。危うく撃ってしまうところでした」
シェフィールドが艤装である砲塔型の拳銃をしまった。
「あらあら、野蛮ね」
「野蛮だけじゃないわ。変態ノーパンメイドよ」
赤城とプリンツ・オイゲンがシェフィールドを煽る様に言った。
流石にシェフィールドも普段は無表情なのにこの時はムッとした表情をした。
「害虫風情が何を仰りますか。駆除しますよ?」
「怖いわ〜」
「弱い犬はよく吠えるっていうわね」
3人は臨戦態勢であった。
流石にまずいと思ったベルファストとエンタープライズが割って入った。
「落ち着いてくださいシェフィールド」
「2人も落ち着け。指揮官が悲しむぞ」
流石に3人は落ち着いて臨戦態勢を解除した。
「ん?そういえば今日の秘書艦は誰だったか?」
「エンタープライズ様、本日の秘書艦は鉄血のアドミラル・グラーフ・シュペー様でございます」
「ちょっと待ちなさい!?」
プリンツ・オイゲンが今日の秘書艦の名前を聞いた時、表情が変わった。
「どうされましたか?プリンツ・オイゲン様」
「シュペーは今日、遠征のはずよ!」
「待て!それじゃあ誰が秘書艦をやってるんだ!?」
「秘書艦の予定表にはシュペー様の名前が書かれておりましたが」
「こんな小細工して秘書艦をやる子は・・・まずいわ!?もしあの子が秘書艦なら指揮官様が危ない!」
「私も赤城と同じ事を考えているわ。秘書艦の予定表を誤魔化してまで秘書艦をやる子はあの子よ」
ここにいる全てのKAN-SEN達は焦りの表情に変わっていた。
「とにかく執務室に急ぐぞ!このままでは指揮官が危ない!」
エンタープライズを先頭に勢いよく扉を開け走り出した。
「まさかこんなことになるなんて・・・まさかこの母港で1番問題児の
ローンが秘書艦なんて!」
どうでしたか?
今回はかなり勢いで書いたので前とは違う感じです。
次回は文字通り鉄血編でローンをメインにしようかなと考えております。
最後に多くのお気に入り登録と感想ありがとうございます。
作品を書く上で励みになります。
更新頻度は変わるかもしれませんが、今後ともよろしくお願いします!
またこうしたらいいんじゃないかとか、こうして欲しい事があれはドンドン書いてください!
どんな展開がいいですか?
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ドロドロの修羅場
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微笑ましい話
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KAN-SEN大暴走
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作者の好きな様にやれよ!