ありふれたハジメさんには親友達がいます   作:妖魔夜行@

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 何だこの清水は…(魔改造は)やめろー!こんなの清水じゃない!



第三話「天職判明」

 王宮に着くと、すれ違うメイドさんや騎士っぽい人たちに畏敬の念を込めた視線で見られることが何度かあったり、この国の国王、王妃、王女、王子を紹介されその後に晩餐会が開かれた。晩餐会ではシュウたちのこれからの事が話され衣食住の提供と魔人族と戦うための座学と訓練について教えられた。

 晩餐会が終わると部屋に案内されるのだが、各自に一部屋与えられると聞いた時は生徒たちは全員が愕然としていた。シュウは明日の訓練も朝早いとの事でベッドに潜ると直ぐに眠りについた。

 

 


 

 

 翌日から早速訓練と座学が始まった。

 

 まず、集まった生徒たちに横長の銀色のプレートが配られた。不思議そうに配られたプレートを見る生徒たちに、騎士団長メルド・ロギンスが直々に説明を始めた。

 いわゆるゲームなどで言うステータスを見れるプレートらしく、身分証明書にもなるらしい。

 

「プレートに血を一滴垂らして『ステータスオープン』と言えば表に自分のステータスが表示される。ああ、原理とか聞くなよ? そんなもん知らないからな。神代のアーティファクトの類だ」

「団長ー! 質問でーす。アーティファクトってなんですかー?」

「そうだな……アーティファクトって言うのはな、現代じゃ再現できない強力な力を持った魔法の道具のことだ。そのステータスプレートもその一つでな、複製するアーティファクトと一緒に昔からこの世界に普及しているものとしては唯一のアーティファクトだ。普通はアーティファクトと言えば国宝になるもんなんだが、これは身分証に便利だから一般市民にも流通している」

「なるほど……団長ありがと!」

「おうよ! それじゃあ所持者登録してみてくれ」

 

 非常に気楽な喋り方をするメルド。彼は豪放磊落な性格で、「これから戦友になろうってのに何時までも他人行儀に話せるか!」と、他の騎士団員たちにも普通に接するように忠告するくらいだ。

 その姿と態度に黒乃とシュウとハジメの三人は異世界に来て初めて好感が持てた。この人は信頼出来ると三人で共感しあったほどだ。

 実際、黒乃はもう懐き始めている。ただ「団長」と呼びたいだけなのかもしれないが。

 

 生徒たちはメルドの言葉に納得すると、顔を顰めながら指先に針をチョンと刺し、プクと浮き上がった血を魔法陣に擦りつけた。すると、魔法陣が一瞬淡く輝いた。シュウも同じように血を擦りつけ表を見る。

 

 

澤田シュウ 17歳 男 レベル:1

天職:炎闘士

筋力:80

体力:80

耐性:80

敏捷:80

魔力:50

魔耐:50

技能:超直感・炎属性適正・縮地・限界突破・復活・言語理解

 

 

 ステータスプレートにはこのように映し出されていた。「まるでゲームだな」とボヤキつつハジメと黒乃の方へ向かう。黒乃はステータスプレートを見ながら腕を組み首を傾げており、ハジメの方はプレートを見ながらニヤニヤとしていた。

 それほどステータスが良かったのだろうかとシウがハジメに聞こうとするとメルドから説明がなされた。

 

「全員見れたな? 説明するぞ。まず、最初に『レベル』があるだろう? それは各ステータスの上昇と共に上がる。つまりレベルはその人間が到たちできる領域の現在値を示していると思ってくれ。まあ『レベル100』なんてそうそういないがな!」

 

 ガハハと豪快に笑いながらメルドは話を続ける。

 

「それとステータスは日々の鍛錬で当然上昇する。また詳しいことはわかっていないが魔力の高い者は自然と他のステータスも高くなる。ああ、言い忘れていたが後でお前等用に装備を選んでもらうから楽しみにしておけ。何せ救国の勇者御一行だからな。国の宝物庫大解放だぞ!」

 

 メルドの話を聞く限りゲームのようにレベルが上がるからステータスが上がるのでも、魔物を倒しただけでステータスが一気に上昇するということでもないらしく、地道に腕を磨かなければならないようだ。

 

「次に『天職』ってのがあるだろう? それは言うなれば才能だ。天職持ちは少ないんだが戦闘系天職と非戦系天職に分類されているが、生産職は持っている奴が多いな」

 

 シュウとハジメと黒乃は一斉にステータスを見る。シュウの天職欄には『炎闘士』と書かれている。字面から察するに戦闘職のようだが、シュウはどのような物なのか想像がつかないようだ。

 

「後は……各ステータスは見たままだ。大体『レベル1』の平均は『10』くらいだな。まぁ、お前たちならその数倍から数十倍は高いだろうがな! あ、ステータスプレートの内容は報告してくれ。訓練内容の参考にしなきゃならんからな」

 

 なるほど、とシュウは頷く。どうやら自分のステータスはこの世界ではそこそこ高い部類に入るようだ。そしてハジメと黒乃はどうなのか、と二人の方を向いてみると二人は顔を顔を真っ青にして汗をダラダラと流していた。

 シュウはそんな二人のステータスが気になりプレートを覗き込んで見ると、

 

 

南雲ハジメ 17歳 男 レベル:1

天職:錬成師

筋力:10

体力:10

耐性:10

敏捷:10

魔力:10

魔耐:10

技能:錬成・言語理解

 

 

日狩黒乃 17歳 女 レベル:1

天職:陰陽師

筋力:5

体力:5

耐性:5

敏捷:5

魔力:30

魔耐:30

技能:陰陽術・不吉・言語理解

 

 

 と、書かれてあった。なんともまあ……ハジメの方は見事な平均ステータスと非戦闘職の天職が刻まれていた。黒乃の方はハジメより酷いかもしれないステータスだった。なにより技能のところに見える『不吉』という言葉が一際目立っていた。勿論悪い意味で。

 

「「シュ〜ウ……」」

 

 二人揃って涙目でシュウに助けを求めるように名前を呼ぶ。シュウは意図を察し、一度目を瞑りフッと笑うと、いつも見せる笑顔を浮かべてハジメと黒乃にステータスプレートを渡した。

 ハジメと黒乃はそれを見て「やっぱり仲間だったか!」と嬉しそうに目を輝かせて顔を綻ばせたが、ステータスを見た瞬間、絶望のどん底に叩き落とされたような表情になった。

 

「ゴメンな、俺……格闘技やってたから」

「「う、う、裏切り者ー!! 」」

 

 二人の叫びは虚しく訓練場にこだまするだけだった。

 

 それからステータスをメルドに報告していくことになり、一番最初に報告しに行った光輝は天職『勇者』、ステータスはオール『100』、技能は十個以上というチートもチートのステータスだった。それを聞いたハジメと黒乃はSANチェックに失敗したのか光を失った瞳をシュウに向けながら乾いた笑みを零していた。

 そしてどうやらチートは光輝だけではないようで……他のクラスメイトたちは光輝に及ばないながら十分チートだった。それにどいつもこいつも戦闘系天職ばかりなのだ。もうハジメと黒乃のライフはゼロである。

 そして順番はシュウに回ってきて、シュウはメルドにプレートを渡した。

 

「ほうほう。ステータスも充分高いな。だが炎闘士なんて天職は初めて見たな……技能の超直感や復活、炎属性というのもスマンがよく分からん。火属性はあるんだがなぁ……恐らくそれと似たような属性なんだろう。見たことも無い天職を持つなんてやはり俺たちとは違うな! 期待してるぞ!」

「まあ、メルド団長の期待には応えられるように頑張ります」

「おう! 頼んだぞ!」

 

 わざわざメルド団長の、と言ったのは国やイシュタルたちの期待には応えないということなのだろう。

 

「じゃあ、いってらしゃい。二人共」

「「うぅ……」」

 

 ハジメと黒乃は二人揃ってとぼとぼとメルドの元へ向かって行った。

 二人が来たのを見て、今まで規格外のステータスを確認してきたメルドのホクホクしていた表情が更に強くなる。それを見てハジメと黒乃は顔を歪ませる。

 

「どれどれ〜? ん?」

 

 あれ? と声を上ずらせる。そして目を擦り何度か瞬きをする。んん? と困惑した声を上げる。

 そして言いにくそうに頭を掻きながらハジメのステータスプレートを返す。

 

「あ〜……なんだ。錬成師っていうのは所謂鍛治職のことだ。鍛治する時に便利だが……」

「なんだぁ南雲、お前非戦系職かよ!」

「メルドさん、錬成師って珍しいんですかー?」

 

 檜山たちのハジメを煽る態度にメルドは一瞬眉をしかめるが直ぐに表情を戻し何事も無かったかのように説明する。

 

「いや、国お抱えの鍛冶師なら全員持っているな。そこまで珍しくもない天職だ」

「ぷっは! だっせぇー! どうやって戦うんだよそれで!」

「てか天職ショボイってことはステータスは高いんだろーな?」

 

 ハジメからステータスプレートをぶん取りステータスを覗く。そしてステータスを見たのだろう。檜山たちは馬鹿にするように下品な笑い声を上げる。実際に馬鹿にしているのだろう。自分たちのステータスの方が高いという優越感が彼らの自尊心を更に増長させた原因だろう。

 

「ギャハハハ!! なんだこれ! ただの雑魚じゃん!!」

「こんなんで魔物倒せんのかよ! お荷物じゃんだっせー!」

「いい加減にせんかお前ら! ハジメにステータスプレートを返さんか!!」

 

 余りにも幼稚な行動に見ていられなかったのかメルドが怒鳴り声を上げる。檜山たちは舌打ちをすると面倒くさそうにステータスプレートを投げ返した。

 一方それらの様子を黙って見ていた雫だったのだが、シュウと黒乃が大人しいのに違和感を感じチラリと目線を送ると……。

 

右ストレートでぶっ殺す……真っ直ぐ行ってぶっ殺す……右ストレートでぶっ殺す……真っ直ぐ行ってぶっ殺す……右ストレートでぶっ殺す……

刻んで殺す刺して殺す折って殺す呪って殺す恨んで殺す殺して殺す殺すから殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す

 

 物凄い憎悪のオーラを纏ってブツブツと呪禁を呟いている。なんかあの周辺だけ空間が歪んでいる気がするのは雫の気の所為ではないだろう。

 ヤバい雰囲気に気づいたのかメルドが二人に視線を向けるとギョッとしてハジメのフォローに入る。

 

「ま、まあ非戦系の天職である錬成師なんだ。無理に前線に出てもらう必要は無い。だが最低限、自分の身を守れる程度には鍛えさせて貰うがな。それに皆の武器の整備や強化を迷宮内でしてくれる人材は貴重だ。恥じることは無い」

「はあ、ありがとうございます」

 

 急に捲し立てるように自分の良い点を上げてくれるメルドに困惑しながら後ろに下がる。メルドと雫が二人の方を見ると大分落ち着いたようで呪禁は収まっていた。まあまだ不機嫌ではあるようだが。

 ハジメが戻ってきたのを見て次に黒乃がメルドの元へ向かい、ステータスプレートを渡す。

 

 先程の修羅場に冷や汗を流したメルドだったが、気を取り直してステータスプレートを確認する。

 見慣れない天職に口角を上げるがステータスを見て上がった口角が直ぐに元に戻る。技能欄を見たのか眉も八の字になっていた。

 

「うーむ……陰陽師、というのは聞いたことがないな。ステータスを見るに後衛職であるのは分かるんだが……不気味なのは技能欄にあるこの技能だな」

 

 渋い顔をしながらステータスプレートを見つめていたが不安そうな黒乃の表情に気がついたのだろう。ニカッと豪快な笑みを浮かべ黒乃にステータスプレートを返す。

 

「しかし見たこともない天職を持つのは流石だ! きっとレベルを上げていけば強力な派生技能を覚え、この技能もお前の役に立つようになるはずだ!」

「……そうだね。そうなるよう頑張るよ、団長」

「おう! その意気だぞ!」

 

 メルドに励まされたおかげで後ろ向きだった考えが前を向く。

 

「ようし! 頑張るぞー!」

「一緒に頑張ろうね、黒乃」

「うん!」

 

 溌剌とした笑顔に見惚れたものは少なくない。そのうちの一人である少年が話しかけてきた。

 

「なあ南雲」

「清水くん? どうしたの?」

 

 そう言ってハジメに声をかけてきたのは清水幸利。ハジメと同じオタク趣味のクラスメイトでハジメの数少ない友人の1人でもある。

 

「いや天職が錬成師って聞こえたからさ」

「なんだい? 君もハジメを馬鹿にしに来たのかい……?」

 

 女子とは思えないほど低い声で唸り、睨みつける。これに清水は慌てて首を振り否定する。

 

「ちっ、違う違う!? 錬成師だからって武器だけを創るのが仕事じゃないだろ!? 土や壁を錬成して敵を封じ込む戦い方とか出来ないかなって思ったんだよ!!」

「封じ込む……ああ、そっか。そういう戦い方も確かに出来るね。ありがとう清水くん。戦略の幅が広がったよ!」

「いや……なんだ。さっきの檜山たちの言い草にムカついてさ。非戦系がなんだ! 俺も手伝うから見返してやろうぜ!」

 

 清水が拳を握りハジメに突き出す。ハジメは清水の意図を察して少し照れながらも自分の拳を軽くぶつけた。

 

 その光景を「うんうん」と頷きながらシュウは微笑んでいた。

 

 

 

 

 


 

 黒乃「不本意ながら魔人族と戦うことになった僕たちは戦い方を知るために訓練に参加することになった。

 シュウや筋肉が互いに競いあっている中、小悪党グループがこそこそ動いていた。一体何をするつもりなのかな? 

 

 次回ありふれた親友、

『差別的訓練! アングリー、バイオレンス、ジェノサイド!』

 

 熱き闘志をチャージイン。

 

 ……これ言わないとダメ?」

 




 綺麗な清水は二次創作八幡に通じるものがあると思います。つまり清水はSHIMIZUだったんだよ!
ΩΩΩ「な、なんだってー!?」
 ぶっちゃけうちの清水くんはオリキャラです。清水の皮を被ったオリキャラです。
オリキャラと化した清水くん。
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