ズゥンっと辺りを轟き響かせ地面を揺らす。
現場に到着したヒーロー達は、悪夢が思い蘇ってくる。
AFOというヴィランを追い詰め捕らえる為のあの作戦日の悪夢が、寸分違わずに蘇る。
「ゲタゲタゲタゲタ」
「テケリ・リ、テケリ・リ」
「グルルルル」
「ヒャッハー、大暴れの時間だ」
ゲタゲタ嗤う、赤い浮遊する触手の生やした化け物。すぐに消えまた被害者が出ると見えるようになった。
テケリ・リと言う独特の鳴き声を発声し、得物を喰らいその姿や個性を完全コピーして攻撃してくるスライム状の化け物。
霧、靄、霜、その正体は不明。犬なのか、狼なのか、姿がぼやけて分からない。
そして頭が触手なカエルの様な化け物。行方不明者に指示を出しながら、確実に、堅実に被害を広げている化け物。
さぁ、ヒーローの皆さんSANチェックのお時間です。
成功で1D10、失敗で1D100-50(計算の結果、-になったら、その-を取り払い自然数にする事)
「うわぁあ」
「助けっ」
「個性が効かない」
「止めてくれぇ」
あるヒーローは正気を失い、あるヒーローは懸命に闘うが倒され、あるヒーローは逃げ出す。
まさに地獄絵図だ。
彼らを止める者はいない。
彼らの主人は、今はぐっすりと寝て休んでいる。
「物資を奪取しろ、奪取しだい持ってこい」
彼らは別に主人を裏切っている訳ではない。
「好きにしろ」
主人が休む前に聞いた、主人の言葉だ。
つまり今は自由なのだ。
何をしても主人に咎められる事はない。
「おっらぁっ」
ムーンビースト、そう呼ばれる怪物が槍を投擲する。
時速はどれほどだろうか、分からない。しかしビルを10も貫通しているのだから、その破壊力は恐ろしいものだ。
「テケリ・リ」
ショゴス、そう呼ばれる神々の元奴隷は喰らった存在を模倣し力を発動する。
さらには無数に分裂し、手がつけられなくなる。
「ゲタゲタゲタゲタ」
星の精、そう呼ばれる宇宙生物は自重しない。
片っ端から獲物の血を吸い喰らう。姿が見えなくなってから行動するからたちが悪い。
「・・・・・・ガァア」
ティンダロスの猟犬、そう呼ばれる犬の狼の様な何かは狩りをする。
鋭角から鋭角を渡り歩き、奇襲をかけ狩る。猟犬は時間に縛られない、故に同一の猟犬が複数体同時に出現する。
現場のヒーロー、警官、ヴィラン、一般人、皆が皆いつまでこの地獄が続くのかを考える。
そして№1ヒーロー『オールマイト』が、周囲の声を振り切って現場に到着した時には、全てが終わっていたのだった。