この世界に転生し、15年程の月日が経った。
それはつまり、原作が始まるのと同意義である。
「まぁ正史とは、大分かけ離れている訳だけどね」
「えぇ、そうですね。ナル様」
現在、ナルの目の前には、巨大な校門がそびえ立っている。
その校門は『雄英高校』の物である。
校門前では受験しに来た中学生達が所狭しと群がっており、一般人が見れば流石は倍率300を超える雄英校だ。っと感心する筈だ。
そんな状況下に居ながら、ナルとティックは騒がれることない。
特にティックに関しては、つい最近街中でみんなを従えて大暴れしていた。
その事件の様子はテレビや新聞、SNSと言ったメディアによって、日本全国はおろか一部の海外にまで流れている。もちろん映像には、ティックがバッチリ写り込んでいた。
だと言うのに騒がれないのは、無臭や透明と言った複数の隠密系統の魔術を展開しているからに他ならない。
「う~ん、やっぱり人が多いね」
「ですが、減らす訳にもいきませんからね」
ナルとティックがここに来ている理由は、当然の如く試験の為ではない。
ただの暇つぶしだ。使えそうな人材がいたら攫って、洗脳だったり、シャッガイを寄生させたりして、下に置いておくのも良いだろう。
まぁもう一つ理由はある。
「・・・あぁ、居た居た」
この世界の(原作における)主人公、『
彼を一目見る為でもある。
すでに彼の幼馴染である『
しかしながら、何故か出久には会う事が出来なかった。そしてその理由は既に分かっている。№1ヒーローとその関係者に海外へと誘拐されていたからだ。
一般人である出久が、どうしてそこまでに至ったのか理由は分からないが、出会えなかったのは兎に角そういう事だ。
「うーん、一度
地獄の様な特訓を強いられていたに違いない、ニの腕に細かな傷痕が見える。
「まぁよし、計画に修正は必要はなさそう」
ナルはそう言って、くるりと反転する。
ナルの言う計画とh・・・。
「んっ?どうかなされましたか?」
「なんでもないわ~♪」
・・・。
「ではナル様、戻りましょうか」
「えぇ、よろしく」
ナルに合わせてティックは、手に持ったメモ帳とペンを何処かへ片付けた。
そして同時に1つの巻物を取りだしている。
「承知しました」
ティックはそれだけ言って、巻物の紐の結びを解いて、自らの魔力を込めた。
すれば門は創られ開く、ナルとティックは人知れず、その場から門の向こうへと姿を消し、門は二人が入り終わるのと同時に閉まり消え失せた。