「Shit 逃げ道が無い」
オールマイトはそう言いながらも、周囲のヒーロー達と協力し合いながら、突如として現れたヴィランの対処に追われていた。
しかもそれには逃げ道を塞がれると言う最悪のオプション付きだ。
元々は宿敵である【
さらに厳しい事にその現れたヴィランと言うのが、行方不明者たちなのだ。
10年程前から発生し始めた、AFOが関与されていないと思われる行方不明者の続出。痕跡はAFOと違い何一つ残らず発見が遅れてしまった。しかも未だに進展が無い事件だ。
そんな事件に巻き込まれたであろう人々が、個性まで使ってどこからともなく現れヒーロー達を攻撃してきたのである。
さらに件の人達の中には、子どもが混じっている。オールマイトは本気で力を振るう事を怯んでしまった。
(洗脳系の個性か、やっかいだ。ちょっとやそっとじゃ解けないようだからな)
行方不明者のヴィラン、怪我したり気絶した者から、姿を消していく為、保護もとい捕獲が出来ない。オールマイトの身体は様々な個性を受けて、瞬く間にボロボロになっていった。
この最悪な時間の最大の幸運は、ヒーロー達が混乱せずに統率がとれて、各自で対処できているからだろう。それでもやられて連れ去られる者が、何人かいるようだが今のオールマイトに知るすべは無い。無かった。
しかしこれは洗脳系の個性によるものではない。クトゥルフ神話における神話生物『シャッガイからの昆虫』通称『シャン』と言う生物が寄生して操っているからに他ならない。
寄生者(以後 シャン兵)達は総勢50人、現在は撤退者が8人出て42人まで数を減らしている。
〉ズゥウン、ガラガラガラ〈
そして、丁度40人までに減った所で、廃工場の一角が崩れた。
崩れた中からオールマイトの良く知る顔が現れた。
「ケホッケホ、ふぅ・・・おっとやぁ久しぶりだね。オールマイト」
姿を現したその顔は、AFOだった。
「いや、絶対それ所じゃないよね」
オールマイトの宿敵が現れたが、今は正直に言ってどうでもよかった。
というかAFOの姿を見て、萎えた。
今のAFOの姿は上半身裸で、ズボンがギリギリの寸での所で、男の象徴が隠されていると言う、非常に哀れな姿であった。しかも無駄に良い引き攣った笑顔だ。それがよりオールマイトに哀れみの感情を抱かせた。
「一言言っておくけど、趣味じゃないからね」
「・・・あぁ、うん。ソウダネ」
いや指摘されても困るんですけど、と言う言葉をどうにか抑えて、棒読みすぎる言葉が出て来た。
そして両者(AFOとオールマイト)は思った。
((どうしてこうなった))
と・・・。