廻人の物語『僕のヒーローアカデミア』   作:蟲鳥獣

9 / 12
第九話

 

 目が覚めた。

 視界には白い天井が映り込む。

 

「・・・ここはっ‼」

 

 〉ガバッ〈

 

「起きましたか、オールマイト。ここは病院です」

 

 大きく起き上がったオールマイトの隣から、声がする。その声はよく知っていいる声だ。

 オールマイトはその声の方向を見て、声を出した。

 

「サー」

 

 そう声の主はオールマイトのよく知る人物、自らのサイドキックでもある『サー・ナイトアイ』その人だった。

 

「えぇ、どうにかって所です」

 

 オールマイトはサーの無事に安堵しつつも、どうしてここに居るのかを思い出し、サーに聞く。

 

「私が寝ていた期間は」

 

「安心してください。まだ半日程です」

 

「そうか」

 

 オールマイトは身体を確認したが、違和感は無い今からでもヒーローとして活動できそうだ。

 そして

 

「私が気絶した後は、どうなったんだ」

 

 オールマイトは、最後に見たあの光景を思い浮かべながら、サーに問いただす。

 その言葉にサーは難しい顔をしながら、オールマイトの問いに答える。

 

「一言で言ってしまえば、作戦は失敗です」

 

「そうか」

 

 オールマイトは真剣で苦い顔をする。笑顔は一つも無い。

 サーはオールマイトの反応を確認しながら、慎重に言葉を選び答えていく。

 

「この作戦に置いて、一番の幸運だと思ったのは、貴方の事です」

 

「私の事…?」

 

「えぇ、アレだけの戦いをして、無傷なんですからね」

 

 サーは、続ける。

 

「この度の作戦では、重軽症者はヒーロー、自衛隊、警察を合わせても1721名、行方不明者が153名、死亡者は今確認できているだけでは、0名つまり1人もいませんでした」

 

 オールマイトはサーの言葉に良いのか悪いのかが分からない。しかし死亡者が確認されていない事には安堵した。

 

「・・・仮にヒーロー陣営とヴィラン陣営が居たとしましょう」

 

「あぁ、それで?」

 

「今回の作戦はヒーロー陣営が、ヴィラン陣営に攻勢を仕掛けると言うものです。しかし」

 

「しかし?」

 

「作戦序盤に新たな陣営が来てしまった、そして両陣営ともその第三陣営に対して、後れを取ってしまった」

 

「それが、作戦の失敗だったと」

 

 サーはオールマイトの言葉に首を振った。

 

「いえ、どちらにせよ最初から失敗です。あのAFOの居た廃工場に残っていた資料によれば、あの作戦は端からAFOの計画した誘導だった・・・」

 

「なんだと」

 

 オールマイトは驚く、無理も無い手に入れた宿敵の情報が、宿敵自身が流した情報だったと言うのだからだ。

 

「問題は被害が大きい事なんです」

 

 サーがそこまで言うと、病室に誰かが入ってきた。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。