元勇者提督   作:無し

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運命の予言者

舞鶴鎮守府

駆逐艦 島風

 

「うーん、そんなにダメかな」

 

「そうだにゃー、もっと連携がとれないと苦しいと思うにゃ〜」

 

「確かに、いざという時外したり、いうことを聞いてもらえなかったらダメだからね

 

私は今睦月ちゃんと時雨さんに戦闘訓練を見てもらっています

 

といっても、連装砲ちゃんは思う様に攻撃してくれなくて…的に当たる事もないけど

 

「うーん、何が気に食わないのかにゃ」

 

「連装砲ちゃーん、よく狙って打ってみてよ」

 

「……ダメみたいだね、島風、魚雷主軸にして見る気はあるかい?」

 

「…その…うん、そうしてみ……ううっ…」

 

時雨さんの提案を受け入れようとしたら連装砲ちゃんに体当たりされるし…悪いとは思うけど…

どうすればいいのかなぁ…

 

「…島風、君が望むならその連装砲は置いて行ってもいい、駆逐艦用主砲は別で用意できる」

 

「………うん、でもまだ頑張ってみる」

 

…私は勇気が足りない、前の島風に対して踏み込めていない…

 

「そう、か…うん、僕たちは応援してるよ」

 

「でも辛くなったらいつでも相談してほしいにゃしぃ」

 

「………」

 

すでに今、辛い…けど、私は頑張る、提督が戦わなくていいように

 

「…っ…?」

 

一瞬何かがピリッてした…?

 

「島風?どうかしたかい?」

 

「あ、なんでもない」

 

 

 

 

 

 

 

 

東京

駆逐艦 電

 

「うーん、これはダメだなぁ」

 

「何が違うのですか?」

 

「この体力ゲージが途切れたらコンボが繋がってないんだよね、だから記事にするには…うーん…」

 

「ゲーム代も安くないですし…そろそろ終わったほうが…」

 

「そうだね、次で終わるよ、あ、電ちゃんもやってみる?」

 

「遠慮しておきます、私はそういうのは得意じゃなくて…」

 

「そっか、ごめんね…うーん、来月の給料は多いし、余裕がありそうだな……よし、電ちゃん、今日は晩ご飯奮発しようか」

 

「え?」

 

「うーん、パック寿司は高いし、回転寿司くらいなら問題ないかな」

 

「お寿司…お寿司なのです!?」

 

「うわっ、え、うん、そんなに好きなの?」

 

「はい!大好物なの、で…す……」

 

急な頭の中に響いた言葉

仕掛けよ、今度こそ、今度こそ仕留めよ

女の人の声でそんな声が聞こえました

威圧的で、恐ろしく、脅すように…

 

「い、電ちゃん…?」

 

「………ごめんなさい、急いで帰りたいのです」

 

「え?あ、うん、わかったよ」

 

ただ、今は落ち着ける場所で

 

 

 

「調子が悪いのかな、今日はあったかいもの食べてゆっくり休もうか」

 

「…ありがとう…なのです…」

 

なんでこの人はあったばかりの私にこんなに優しいんでしょう

何故艦娘にこんなに優しくできるのでしょう

 

私にはわからないのです

 

艦娘の…電子生命体の私には……

 

 

 

 

 

 

舞鶴鎮守府

駆逐艦 島風

 

「いいか、威力偵察という事になってる、お前達は軽く仕掛けて、すぐ帰ればいい、わかったな?」

 

「了解にゃしぃ」

 

「睦月、お前はダメだ、今回出るのは白露、時雨、夕立、島風だけだ」

 

「4人で、かい?提督、少し難しいんじゃないのかな」

 

「………戦うな、戦わなければなんとかなる、はずだ」

 

「…了解!夕立に任せて!」

 

「いっちばんに敵を見つけて、帰ってきます!」

 

敵は、石板の化け物…

 

「…頑張ります…」

 

「………辞退してもいいんだぞ」

 

「やれます…!」

 

だってここでやらなきゃ、今後も逃げ続けるから…

 

 

 

 

 

海上

 

「居た…!」

 

「よし、記録開始!」

 

「音声よし!」

 

「録画よし、交戦を開始します」

 

「……セロハンテープを平面にしたみたいな奴…強いのかな…あの岩人形よりは…」

 

「油断しちゃダメ、油断したら一瞬でやられるよ!」

 

『大地の怒り、全てを揺るがすであろう』

 

「喋った!?というか大地の怒りって何!?」

 

「……待って!全員反転して逃げよう!!津波が来る!」

 

「わ、わわわ!?」

 

「間に合わない!備えて!」

 

「きゃぁぁぁぁ!!」

 

「はひっひっくり返る!?」

 

 

 

 

 

 

提督 徳岡純一郎

 

「何!?地震だと!?」

 

「はい、本土への津波の恐れはないそうですが…」

 

「………猛烈に嫌な予感がしやがる…」

 

急いで倉持海斗に連絡をとる

 

おそらく敵は八相の一つ、となれば、聞くべきはそれを倒した勇者

 

『はい、もしもし』

 

「もしもし、俺だ、八相に地震起こせるような輩はいるか!?」

 

『……フィドヘルの予言攻撃なら…地震も起こせると思います』

 

「予言…?なんでもアリかよ畜生…!おい!五月雨!お前らは津波に呑まれたらどうなる!?」

 

「……わ、わかりません…」

 

『…八相と交戦中ですか、急いで支援できるようにします』

 

「ああ、頼んだ!クソッ…やっぱりこんな仕事…!アイツらは絶対に死なせねぇ…!」

 

 

 

 

 

 

呉鎮守府

軽巡洋艦 川内

 

「もう一回確認するよ、私は今さっき地震があった場所に死にに行く」

 

「いや、そこは生きてくれ、とりあえずお前の仕事は駆逐艦の保護だ、いいな?」

 

「了解、じゃ、行ってくる」

 

「おう、頼んだぞ、4人助けてこい」

 

「間に合うといいけど!!」

 

最速で向かう

にしても…うーん、この距離、それに日本海での戦い以来減ったにしても民間の船もいる

 

なかなか難しいなぁ…出来るだけ急ぐけど

 

 

 

 

 

 

 

駆逐艦 島風

 

「ゴホッ!ゴホッ…!」

 

海水が口の中に嫌というほど入ってくる

体が激しく上下して波に振り回される

 

「み、みんな!!」

 

「ぽ、ぽひぃ…!」

 

「時雨、生きて…うわっ!」

 

白露さんの声が聞こえない…?

 

「そ、そんな…まさか…!」

 

波に呑まれて沈んだ…?

 

ダメ、それは絶対ダメ…だけどどうすれば…

助けないといけないのに…

 

私も強ければ…提督や…みんなみたいに強く…強く…

 

「…ぁ……」

 

大きな波が私を飲み込む

 

私も沈むんだ、そう思った

 

最後は何が浮かぶのかな、期待したけど…違った

みんなで楽しくゲームしてる光景だった…

 

それも悪くないなぁ…だって、一番楽しいから

 

 

「…あれ…?」

 

波に呑まれたはずなのに全然平気だ…

しかも波が押し寄せてきてるのに自由に動けて全く問題ない…

 

今なら白露さんを探せる…!

 

水上を駆け回る、こんなに波が強ければ位置なんて全くわからない

 

「…………」

 

「居た!!白露さん!!」

 

うつ伏せに海面に浮いていた、本当に不味い状況なのは一目瞭然だった

急いで駆け寄りひっくり返す

 

「………」

 

「…息してない!!白露さん!白露さん!」

 

もう一度うつ伏せにして、膝に乗せ、背中を強く押して水を吐かせる

波が強い状況なためにうまくいかない

 

「お願い!起きて…起きて!!」

 

 

「うわっ!うわぁぁっっ!?」

 

「時雨!よくも時雨を…うわっ!?足元が…!」

 

 

そうだ、ここは戦場なんだ

 

急がなければもっとたくさんの被害が出る

 

 

「…起きてー!!」

 

背中に強い張り手

 

「ゴフッ!?ゴホッ!!ゴファッ…!………っ…つ〜〜!!」

 

「よ、よかった、起きた!!じゃあ白露さん、あとは自分で身を守ってね!」

 

そう言って急いで戦闘に向かう

 

 

「…勇者、カイト……?」

 

 

「うわっ!?何これ!!」

 

大きな波を超えた、と思ったら目の前は氷の壁、うまく波を飛び越え、その先へといけば氷の世界

 

「これ…敵がこんなふうにしたの…?海が…こんなの…どうやって戦えば…」

 

『裁きの雷、全てを切り裂くであろう…』

 

「また声がした…!え、この音…雷…!晴れてるのに!?」

 

稲妻が周囲に落ちる

氷を砕き、体に亀裂が入るような痛み

 

「っっ…!し、時雨さん!夕立さん!」

 

「…島風かい!?無事なんだね!?」

 

「白露さんも無事です!!」

 

そこまで言って気づく

 

「連装砲ちゃん…?連装砲ちゃんがいない…!」

 

私は1人では闘えないのに…こんな大きな氷がゴロゴロしていては魚雷も使えない…

とにかく時雨さんと合流しないと

 

走っている途中、腰のあたりからカチャリと音がする

それを聞いて私は自然と左右の鞘から短剣を抜き出す

 

「…あれ、これ…ゲームの…」

 

なんでそんな事をしたのかはわからなかったけど、今の状況で武器が手に入った

 

「………自分の身は自分で守らなきゃだもんね…!」

 

両手に剣を持ち、表面を駆る

 

前方に石板の敵と、それに攻撃している連装砲ちゃんが居た

 

「連装砲ちゃん!!」

 

全力で走る、急いで連れて帰るために

 

『……姿形こそ似かよへど…』

 

「また攻撃!?」

 

『勇ましき心は真似られぬ…』

 

「……私は私!!コレは真似なんかじゃない!」

 

氷面を蹴り、大きく飛び上がる

 

「やあぁぁぁ!」

 

短剣を突き立て、重力に従って下へと振り抜く

 

石板が大きく揺らいだ

効いている、間違いなく…だけどここで戦えばみんな危険になる

 

「連装砲ちゃん!逃げるよ!」

 

連装砲ちゃんを抱える

べしべしと抵抗をされるが今はそんな事を気にしてる余裕はない

 

「時雨さん!みんな、どこ!?」

 

『……勇敢なる者… 災いの炎、貴様の道を焼き尽くすであろう』

 

「わっ!わわ!!火…!?」

 

足元から火が飛び出し、道を塞ぐ

炎が逃げ場をなくす

 

「………やるしかない…か………連装砲ちゃん…お願い、力を貸して!!」

 

連装砲ちゃんを下ろし、敵に向き直る

 

よく見れば氷の間から白い手が所々除いている

 

「深海棲艦もいるの…!?………やる!やらなきゃ!!」

 

頬を叩き、気合を入れる

連装砲ちゃんに攻撃させながら、私が敵の注意を引く

 

「よし!!」

 

 

 

 

 

 

宿毛湾泊地

提督 倉持海斗

 

「…よし、問題なさそうだね」

 

「提督、おかえりなさい、盗聴器の完全撤去と、例の物、できてます」

 

「さすがだね、明石」

 

「でも思い切った事をしますね、携帯からログインできるようにして、どこに居てもゲームの体を外に出そうなんて、まるで仮面ライダーですよ」

 

「そんなにかっこいい物じゃないよ、腕輪の転送を頼める?」

 

「はい!お任せくださ………あれ…」

 

「明石?」

 

「………あ、あの…提督…」

 

「…そんな泣きそうな顔しないで、腕輪が無くなってるんだね、やっぱり…直接奪いにきたか」

 

「…ご、ごめんなさい…!重要性はわかってたのに!!盗まれるなんて…」

 

「君にいろんな事を一度に任せすぎた僕の責任さ、キミは悪くない…だけどちょっと困ったな…腕輪がなければリアルには出られない……いや、曙の腕輪を使おうか」

 

「え?」

 

「曙は腕輪の所持者だからね、きっと出来る……なら、これも…次に受け継ぐべきかなぁ…よし、曙…アオボノを呼んでくれる?」

 

「あ、はい、それから後で呉の方の応対をお願いします」

 

「わかったよ、誰かな?」

 

「球磨型の方達です」

 

「…わかった、任せておいて」

 

しかし、腕輪が盗まれたか…おそらく大本営

何をするつもりだろう、いい考えなわけがない…そんな野望は絶対阻止しなくちゃいけない…!

 

 

 

 

 

海上

軽巡洋艦 川内

 

前方に見える氷の壁、この辺りの強い波

1人できてよかったなぁ、何が起きたかわからないし

あれ?氷の壁に誰か砲を撃ってる…

白露型の制服…白露か

 

「…あ、ねぇ!そこの駆逐艦!」

 

「今忙しい!!黙ってて!」

 

「待って!私助けに来たんだけど!舞鶴の子でしょ!?」

 

「…そう!ならこの壁を壊すの手伝って!」

 

「……」

 

軽く叩く、かなり分厚い…このまま撃ったところで壊せないか…

 

「よし!行くよ!!離れてて!」

 

「えっ」

 

「…良いよ…力を貸して…スケィス!!」

 

紋様が浮かび上がり、海を軽く撫でる

手には赤く発行する忍刀が現れる

 

「はぁっ!!」

 

思いっきり振る、消して斬れる訳ではない

 

力で叩き壊すのだ、一度で壊さないなら二度でも三度でも叩きつけて

 

「壊れろぉ!!」

 

氷の壁が音を立てて壊れる

 

「よし!行くよ!」

 

「…か、艦娘のパワーじゃない…」

 

 

 

 

駆逐艦 島風

 

「貴方達って遅いのね!!」

 

挑発しながら、水上や氷上を跳ね回りながら注意を惹きつける

深海棲艦とは言え、斬りつけるのは抵抗があるけど、それでも攻撃の手を緩めたらやられるのは自分

 

「次!」

 

急いで敵を片付ける

 

「こっちこっち!!」

 

敵は全部こっちを向いてる、なら連装砲ちゃんが攻撃するタイミングは今!

 

砲音、ちゃんと着弾してる…!

 

「よし、よーし…!私も!!」

 

剣での戦い方はわからない、だからゲームのように、体を捻り、跳び回りながら戦う

 

スパスパと小気味良い音がする

 

「私には誰も追いつけないよ…!」

 

絶対に捕まらない、捕まったら私以上に連装砲ちゃんが狙われる…!

 

『裁きの雷、全てを切り裂くであろう』

 

「…さっきの雷!!」

 

自分めがけて落ちてくる雷が…何故か見える、かわせる…!

 

「当たらない!当たるもんか!!」

 

水面に出てきた深海棲艦は逆に雷で焼かれている

 

「今!!」

 

雷の合間を縫い、石板の敵に斬りかかる

 

そのとき私の手がパチッと音を立てた

チラッと見たら、剣が雷を纏っていた

 

「…なら!見様見真似…雷独楽!」

 

ゲームの技を真似る、何故か身体が勝手に動いた、素早く何もかもを切り裂くように

 

「連装砲ちゃん!今だよ!」

 

石板を蹴って後方にかわすと同時に砲弾が直撃する

今ならなんでも出来る気がした

 

「……お願い…!」

 

体に蒼い炎が纏わりつく

 

「月光双刃!」

 

その蒼い炎を剣に纏わせ送り出すように振るう、ちゃんと飛んでいった、敵を攻撃してくれた…!

 

「やれる!やれるんだ…!私だって!」

 

 

 

 

軽巡洋艦 川内

 

「こっちにもいた、大丈夫?」

 

「…はい、貴方は?」

 

「私は呉から派遣されたの、ほら、立って、名前は言える?」

 

「時雨です、こっちは夕立…」

 

「ぽい…」

 

「…よし!後1人!どこにいるかわかる!?」

 

「わ、わかりません…」

 

「時雨!夕立!」

 

「白露姉さん!島風は?!」

 

「え、あ、い、居ませんでした…」

 

「そんな…!てっきり一緒にいると…じゃああの砲音、まさか一人で…!」

 

「急ぎましょ!」

 

「仲間思いでいい事だね!よし!行こうか!」

 

砲音がしてるならまだ戦ってるって事、急いで向かう

炎の壁を切り裂き、氷塊を砕く

 

「…化け物っぽい…」

 

「改二って凄い…!」

 

「一番気にするべきなのは島風の事でしょ!?」

 

 

 

「あ!敵発見!」

 

「うわっ深海棲艦がうじゃうじゃ…って全部伸びてる!?」

 

「こっちは切り刻まれてる…!何があったの…!」

 

「待って!あそこ!島風の連装砲!」

 

「何を撃って…居た!石板の敵!…と…誰?あれ…」

 

「そう!あの人!私助けてくれた人!」

 

オレンジの衣装に身を包み、白い髪を靡かせて敵に斬りかかる姿…自分に似た何かを感じる…

 

「あ、みんな!早く逃げて!」

 

「…まさか島風!?」

 

「ど、どうしたんだろうあの格好…!」

 

「それより私たちも戦わないと!」

 

駆逐達は戦う気満々…か

 

「仕方ない…私もやってあげようじゃないの!」

 

紋様が浮かび上がる、行ける!

 

「来て…此処に…スケィス!!」

 

忍刀を携えた巨人が一気に石板に詰め寄る

 

『さあ!覚悟は良い!?』

 

「な、何アレ!?」

 

「新手!?でも敵に掴みかかってる…?」

 

『味方味方!っていうか私!呉鎮守府の川内だっ…ての!!』

 

石板を思いっきり海面に叩きつける

 

「改二すご…」

 

「そ、そんな事より!撃つよ!!」

 

「てー!!」

 

 

 

 

駆逐艦 島風

 

パリンッ

 

ガラスの割れるような音がした

 

「わっ!?わわっ…!うわぁっ!?」

 

それに反応するように右手から変な形のサークルが展開される

 

『それ…まさかデータドレイン…!?』

 

「えっ!?何々!?わ、わぁぁぁ!?」

 

光線のようなものが発射され、石板を貫く

 

頭の中に声が響いた、カイト…と、人の名を呼んでいるように

 

「な、なんか敵の姿が変わったぽい!?」

 

「と、とりあえず攻撃を続けるよ!」

 

「もうスケィスは良いかな…よしっ、早く決めるよ!日が沈んじゃう!」

 

『……強き勇者…』

 

石板がこちらを見ている気がした

呼びかけている気がした

 

「…な…なに…?」

 

『…迫る終焉の刻、果ては幸なれ、新世界の先に境界はわかたれん……』

 

「…え…?」

 

そう言い終わると石板は音を立てて崩れてしまった

 

敵は、倒した…んだと思う

 

「な、何!?今の!聞こえた!?」

 

「え、うん…な、なんなの…?」

 

「こ、これ勝ったの?」

 

気が抜けると急に体がびしょ濡れになった

 

「ふぇっくし!!」

 

「うわ、だ、大丈夫!?びしょ濡れだよ?」

 

「あれ?格好が元に戻ってる…」

 

「え…?」

 

 

 

 

軽巡洋艦 川内

 

「ま、そういう事で倒しちゃった」

 

『…別に良いけどよ…とりあえずさっさと舞鶴に連れて行ってやれ、帰りは陸路で楽して良いから』

 

「地震のせいで新幹線なんて動いてないと思うし海から帰ってくるよ、5時間くらい見ておいて!」

 

『…はいはい』

 

「さ、帰れるよね?行こうか?」

 

「は、はい…ありがとうございます」

 

「疲れたっぽい…」

 

「実戦なんて何ヶ月ぶりだろうね…」

 

……それ大丈夫なの?舞鶴鎮守府…

 

 

 

舞鶴鎮守府

 

「はー、疲れた…」

 

「よく帰ってきたな…コイツらを助けてくれてありがとう、本当に助かった」

 

「いや、私はあんまりね、その島風って子が頑張ってたんだよ」

 

「島風が…?」

 

「そう!島風ちゃん凄かったっぽい!」

 

「本当にすごかったよ、アレなんなんだろうね?」

 

なるほど、まだ知られてないのか…ここの提督は知らないし、あんまり喋るのも良くないのかな

 

「とりあえず私は帰らなきゃ、燃料ありがとうね」

 

「ああ、こっちこそありがとう」

 

 

 

提督 徳岡純一郎

 

「しかし…なんで戦った…」

 

「いきなり津波に呑まれたんだよ…僕らも逃げる余裕がなくて…」

 

「そうか……なんにせよ、俺はお前達が帰ってきてくれて嬉しいよ、ゆっくり休んでくれ」

 

「あ、提督さん…映像も音声も波に呑まれて壊れたっぽい…序盤が少し映るくらいっぽい」

 

「……防水加工とは言っても、なぁ…仕方ねえ……いや、待てよ…?」

 

本部に倒せてないとして報告したらどうだ?

大本営の奴らにいっぱい食わせるチャンスだ、成功すれば向こうの動きは重くなる、地震を起こせる敵なんてなんとしても仕留めないと困るはずだ…ならばその間に色々動ける…

 

となると、呉鎮守府に根回しも必要か

 

 

 

 

 

『その結果どうなるのでしょうか?』

 

「大本営が動けなくなるはずだ、隠してるような巨大な兵器とかも炙り出せる、俺としては大本営をひっくり返してやりたいレベルだよ」

 

『………動けなくなる、って点は気に入りまきした、良い…ですね、乗りましょう』

 

大本営の動きを止めたい、という考えは呉の提督も同じだったらしい、狙いは知らないが協力者が増えるのはありがたい事だ

 

「よし、あー……誰か資料の作成手伝ってくんない?」

 

 

 

 

入渠ドック

駆逐艦 島風

 

 

「………」

 

聞けば私は別の姿で戦っていたらしい

オレンジの衣装を纏って

 

ゲームのような姿で

 

ゲームのように戦っていたらしい

 

 

「…にへへ…」

 

つい笑いが溢れる

 

「これだけ強かったら、提督のところに戻れるかなぁ…?」

 

今なら受け入れてくれるだろうか

 

「……あ、それよりどうやってあの剣を出せば良いんだろ…?」

 

そこはまだわからない

でも、きっともっと強くなれる筈だ

 

私は、一瞬だけ勇者になれたのだから

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