元勇者提督 作:無し
駆逐艦 曙
横須賀に来てからの私はとても評価された
おかげで忙しい日々を過ごす事になる
だが、それを快く思わないものもいるのは事実
「お前なんか演習でしか役に立たないゴミだ」
「……そのゴミに負けたくせに…何?」
「貴様!」
「殺さなければある程度やっても問題はない」
腹部への拳打
金槌で殴られような衝撃、胃酸が上ってくる
流石に体格差がありすぎる、こんな奴から殴られたら立ち続けられない
「……」
「うめき声ぐらいあげろ、つまらんやつだ」
両手をつかないと顔が地面に突っ込みそう
そんな心境を察してか知らないけど、目の前の戦艦は靴底で私の頭を押し下げる
「ふん…」
足蹴にされても、何も感じない
凍てついたように心が苦しくなる
「ほう、この案は不足かね」
立案しかせず、それすらも犠牲を出す前提の作戦
「いいえ、しかし私の指揮力をご覧頂きたいと思いまして」
「なるほど、そう言う事ならば許そう」
「ありがとうございます」
そして当日、誰も私には従わない
当然だ、力で支配してるのは戦艦だ、こっちは小技でそれを倒して見せたに過ぎない
つまり、私は地位を手にしても誰かを動かすことすらできないわけだ…
「なんだ、やはり貴様の作戦はダメだったか」
「申し訳ありません、出過ぎたことをいたしました」
「…この撃沈数は?」
「報告の通りです」
気を遣って他のやつの撃沈数を上げて報告しておいた
これでこっちに買収できたら苦労しないのだけど
「ふむ、大和型を呼んでおけ」
そううまくいく訳ないか
あそこは…暖かかったな…
ここは寒い、どこに居るより寒い
秘書艦という立場を取り、食事こそまともなモノを食べてはいる、貯金も有る、望めばなんでもできるだろう
しかしそれは…私が心の底から望むことを除いての話だ
こう在るべきだ、こう進むべきだと私は決めたのに、なんで弱いんだろう
簡単に折れそうな旗が今の私だ
「東雲、貴様の艤装を新型の物に置き換えろ」
「…試験運用と言う事にして頂けませんか?」
「構わん」
「…これじゃダメ…か…私が扱えたら他の駆逐艦も同じものを使うことになる…でも、私が扱えなければ…私の評価は下がるだけ」
配備された物はなかなか酷かった
狙えば出鱈目な方向に行く、ただ無闇に火力を上げただけの使えない砲塔
今評価が下がる事は許されない
……私ならできるから
「撃沈数が飛躍的に伸びたか、素晴らしい」
「ありがとうございます」
「実戦配備はできそうか」
「クセが強く、私以外の駆逐艦には厳しいかと思われます」
私の分だけ自分で改修したんだ、頼むからやめてくれ
「ふむ、無理ではないのならやれ、時間は与える、全員扱えるようにしろ」
……
「…畏まりました」
やはり、こうなるか
クセが強い、狙った着弾点とのズレが大きい…
それを直すために一人で全員分の艤装を手直ししなくてはならない
こればかりは訓練で培ったところで他の装備の運用に悪影響を出すだけだ
「………」
人の気配を感じ、すぐに別の艤装を手に取る
「東雲さん、何をされてるんですか?」
駆逐艦綾波…
大人しい、真面目な奴…に見える
多分、思ってるより、腹黒い、私の想像よりもずっと、ずっと……
「綾波さん…明日からあなた達に使っていただく艤装の点検を」
「そんな事わざわざしなくても…」
「本格導入する物ですから、何かの手違いがあってはいけません」
「…お手伝いしましょうか?」
「ありがとうございます、ですが私の仕事ですので」
「そうですか」
…念には念を入れるか
「……やっぱり、こうなってるか…」
綾波の気配を察知し手に取った種類の艤装は全て砲塔内に傷をつけられていた、物によっては暴発の危険もある仕掛けがされていた
下手すれば自分を傷つけるだけなのに、なんでこんな事をするのか理解に苦しむ
それとも私に全部責任を押し付けて消すつもりか
…裏切り者にはお似合いの末路
私は進む事を諦めつつある
「本日より教導担当となりました、東雲です、というのも本日より艤装が更新されます、指定された番号の艤装を装備してから再度集まるように」
「…東雲さん、昨日整備していた艤装とは違うみたいですけれど?」
綾波が両方の艤装を引っ張ってくる
「ああ、其方は改修に回すそうですので、数を確認していたんですよ」
「……そうですか」
私の前でわざわざ落胆した表情を見せるあたり、宣戦布告と取るべきか…ああ、頭が痛くなってきた
「では訓練場に」
「……」
疲れた、まともにいう事を聞く気のない駆逐艦達、仕事の邪魔をしにくる他の艦種
私がいきなり配属されたのがそんなに気に食わないらしい
実力の差ならいくらでも見せつけてるはずなのに
ダメだ、眠い…
まだ夕食すらとってない、シャワーも浴びてない…
……写真の一枚でも貰えばよかったかな、青葉さんならもってたのに…あの鎮守府の頃の、みんなの写真…
「邪魔ですね、コイツ」
誰の声だ…?
…おかしい、ここは私の私室で尚且つ今は深夜のはず
誰だ?
「…とりあえずこの辺のものを適当に…ああ、この主砲とか良く使ってましたよね…うーん、でもいま使ってるものを壊さないと意味がないのでは?」
なるほど、読めた…私の艤装を壊して戦績を落とすつもりか
まだ着任して1週間も経ってないのにこんなに過密スケジュールで嫌がらせをくらうとは…
「後は何か……そうねぇ…」
足音から…体重はそこまでじゃない、軽巡から駆逐…艤装は装備してない、そして人数は2人か…
戦闘のつもりはない…いや、心得自体が…つまり戦闘慣れしてないな、侵入も…
手元の携帯を操作して録音を開始する
「……あ、よく着てる服でも焼いておきましょうか」
「制服も何着か行きましょう、大和さんに逆らう罰です」
しまったな、大和型の名前を出されるとまずい…
下っ端の嫌がらせで処理するつもりが上を引き摺り出すとなると…リスクも、手間も問題だ
起きるしかないか
「人の部屋で何をしてるんですか」
「っ!」
「ま、待って!」
やっぱり駆逐と軽巡か…
逃げるなら片付けてドアも閉めて出ていって欲しい
「………深夜に騒がしい…」
散らかされたものを片付けるのは私なのか
「…ん……?…あ…」
ああ、よりにもよって、これに手を出そうとした?
大事な物は…肌身離さず…か
「屋内でマフラーですか」
「綾波さん」
なんでコイツが絡むとこんなに嫌な感じがするんだ…
ストレスで吐きそうになる…
「…綺麗な白ですね、形は歪ですが」
「……どうも」
……やめて、この予感はダメ…
「………良く染まりそうですね」
「どういう意味ですか…」
ダメ、反応するな…バレるな…!バレたらやられる…!
「いえ、別に」
笑った………最悪だ…
「………」
「ほら、どうした、抵抗しろよ」
できるわけがないだろう、戦艦の力になんで駆逐艦が抗えると思ってるんだこの低脳は
「自分のマフラーで絞め殺される…のはどんな気分ですか?いや、マフラーを屋内で巻いてるからたまたま引っかかったが故の事故死でしょうか?」
「ははは!そいつはいい!」
…本当に殺す気はないだろう…それにせよ…意識が…
「………」
「いい顔するじゃないか!ははは!」
今、意識を失ったら……
ダメ…最悪……最低………こ、の…
「………っ…」
此処は、どこ…
あの世…?
違う、あの世にはまだいっちゃいけない…
屋外か…雪が泥だまりを作ってる…
最悪の気分…
「くっ…」
立ち上がろうとしたが、体が重い
ベシャリと音を立てて地面に伏す
冷たい、体が冷たくて、死にそう
ああ、ダメだ、マフラーが汚れる…
「あれ…?」
首元に手を伸ばしたのに、在るはずの感触がない…
「…どこ…?」
周囲を見渡す
探していた物はすぐに見つかった
泥の中で、踏み躙られていた
泥だらけで、ボロボロで、マフラーを止めるバッジは砕けていた
「………」
体が重いとか、そんなのよりも
強制的に動かされる感じで、マフラーを拾い上げた
「……ぅ……っ…」
ダメだ、全部…無くなる
私はなんとか鎮守府に戻り、ひたすらマフラーを洗った
毛糸製のそれは洗えば洗うほどほつれていった
一時間か、二時間か、それほど経った時、手元にはぐちゃぐちゃの塊しか残らなかった
次にバッジの修繕を試みた
踏み砕かれたそれは粉々で、泥だらけで、それを洗うたびにふやけた指先が切れた
痛くはない、何も感じない
ただ、祈っていた
これが夢だと信じていた
壊れた物は、戻らない、決して
私には直せなかった、人より器用な自信はあったのに
笑いが止まらなかった、壊れたみたいに笑うしかできなかった
涙も、止まらなかった、私が自分の為にあそこを発ったのは間違いだった
帰りたい…でも、誰も私を受け入れてくれない
今の私が戻ったところで邪魔なだけ…私は邪魔な存在…
提督にも迷惑をかけたくない
私は自分で退路を立ったのに…
横須賀鎮守府 司令室
元帥
「どうだった」
「壊れました、完全に、すぐそばまで綾波が様子を見に行ったのにも気づかなかった」
「次は元を絶ちませんか?」
「倉持海斗か」
「それは…残念ながらヴェロニカ様の意向に反するかと」
「無視すれば良いのでは?」
「…あれでも大金を払う金蔓だ、無碍にはできん」
「何を気に入っていらっしゃるのか…」
「ふん、気にするな、そのうち飽きる…それに、壊れたのならば…あの手術を受けさせれば良い」
「…なるほど、これでアイツも忠実な機械に」
「ちょうどいい被験体だ、元の性能があれほど良いのなら…何処まで伸びるのか」
「漸くあの忌々しい子が真の意味で仲間になるのですね」
「我々と同じになる、楽しみですな」
「しっかり受け入れさせろ」
「勿論です」
「必ずや適合させてみせます」
「ククク、優秀すぎるのも考えものだな?優秀すぎたが故に、死なねばならんのだから」
「あら、提督、それは私たちが死人だという意味ですか?」
「変わらんだろう」
「全くだ」
呉鎮守府
提督 三崎亮
「よう、大井」
「………」
「……まあ、なんだ、ほら、せっかくうまい飯もあるんだし」
「提督、私はそういうことで誤魔化せる人間じゃありません」
「…ほら、駆けつけ一杯」
「隼鷹にでも飲ませてください」
「アイツは下戸だ」
「…別に私たちの留守中に新しいオンナを連れ込んでも別に怒りませんよ」
「いや、そう言うのじゃねぇし」
「別にそのくらいの方が甲斐性があるような…」
「聞けよオイ」
「ですけど、一言の断りもないのは…ちょっと大丈夫じゃないですね」
「なぁ、頼むからキャッチボールしてくれねぇか?さっにから俺の投げたボールだけ避けるのやめようぜ」
「大井はもうダメクマ、多分ストレスとAIDAで逝かれたクマ」
「あー、それについて聞きたかったんだが…実際どうなんだ?」
「クマ?」
「…問題ないのか?」
「それどころか好調すぎて怖いクマ」
「……川内!」
「………いや、嫌だからね?自分で試せば?」
「流石に全員はキツイだろ…明日でいいから半々やろうぜ」
「………よし、わかった、やるよ…」
「クマ…マジで身をもって試すかクマ…」
「じゃなきゃわかんねぇだろ?」
「………クマぁ…」
宿毛湾泊地
提督 倉持海斗
「読み上げて」
「はい、まず、横須賀鎮守府の駆逐艦東雲の活躍が著しく、関東方面の近海の敵はほとんど沈黙したといわれてます」
「…そう名乗ってるんだね」
「…その様です……それと、岩川、鹿屋両基地航空隊より戦艦級の敵を発見したとの知らせ、ですがまだかなり距離があり、ゆっくりと低速で迫っているそうです、近く撃破の命令を下されるとの事です」
「……成る程、それについてわかってる情報は?」
「……鹿屋に常駐する艦隊が一瞬で倒されたと」
「…一瞬かぁ…」
「それから、航空隊は対象が歌っていたと」
「どんな曲?」
「そこまでは…」
「何か心当たりはある?」
「………戦艦長門」
「…わかった、全員に戦艦のことは知らせておいて、東雲…曙の方は何も言わなくていいよ」
「わかりました…それでは失礼します」
「………うん」
何故だろう、胸騒ぎがするのは…
駆逐艦 曙
「ごほッ…!ゴホッゴホッ…!」
「ほら、もう痛い思いしたくないでしょ?」
「お前を受け入れてやると言うのに…強情な奴だ
「急に部屋に押し寄せてきて、殺すなんて言われて…受け入れる奴がいるか…!」
「殺す?脳にチップを入れるだけだ」
「ふざけるな…!」
私の意思は、私だけのものだ
私の望みは、私が叶えなきゃならない
「私は私である事を捨てるつもりはない…!絶対にそんなこと許すものか…!」
「綾波、痛めつける許可はもらっている、やってもいいぞ」
「ありがとうございます…では」
無理矢理立たされ、殴られる
「…ッ…」
「本当に良い顔、素敵です」
「…ペッ」
「あら、口の中を切ったんですか?私の顔にわざわざかけるなんて…すくう手間が省けました、うん、美味しい…」
吐きかけた唾を舐めるなんて、イカれてる…
気圧されるな…コイツならやれる、コイツだけぶちのめして…逃げれば…
私の足で逃げ切れるか?せめて海に出れば…
いや、海でも艤装を潰しても逃げ切れるかわからない…そもそも自分の装備を取りに行けるか?
でも、諦めたら私は死ぬしかない
「…へぇ、その構えは…ボクシング?違う…我流ですか?」
「………」
「まあ、なんでも良いですが!」
右足で踏み込んだ…左の拳でくる、ならば右手で捌いて蹴り…!
「…ぇ…」
「やっぱり、私が殴ってもあんまりダメージなさそうですし…」
足刀蹴りが突き刺さる
重い、これが駆逐艦の打撃…?
「…ぅ……!」
腹に突き刺さった足が私の体を持ち上げる
「実私、足の筋肉を全部取り払って、人工のものにしてるんですよ、如何ですか?」
私の体を持ち上げたまま脚は頂点まで持ち上がる
「如何ですか?気持ちいいでしょう?」
身を捩り抜け出そうとする
「ああ、降りたいんですか?おろしてあげましょう」
背中から地面に叩きつけられる、後頭部に強い衝撃
頭がぼうっとする…
「あ、受け身取れませんでしたか、うーん痛そう」
「…なんか顔が虚ろだが、生きてるのか?」
「………まあ死んだところで問題ありませんよ、細胞が死に切る前なら色々パーツ入れ替えれば解決しますし、心臓も機械製にしてしまいますか」
嫌だ…死にたくない……
やだ…嫌だ…
「むしろ殺した方が徳じゃないのか?動かないんだしな、連絡を入れておこう」
「すぐに手術できるようにしてもらってください」
逃げなきゃ…なんとしても…逃げないと…
「あ、逃げようとしてる、かっわい〜!」
「ひ…!」
死なない…死にたくない…!
なんでもいい、誰でもいい、助けて…!
「この世ってね、非情なんですよ!」
後頭部を踏みつけられる
何か嫌な音が頭に響く
「あー、私もそんな顔してたのかなぁ?!」
ミシッ
踏みつけられるたび嫌な音がする
「ほら、もっと悲鳴あげて!」
メキャッベキッ
顔が地面に埋まっていく
死の感覚が近づいてくる
…提督…
いや、ダメだ…まだ…まだ…!
「…はぁー、ピクリとも動かない、もう終わっちゃった…」
「ははは、頭が半分埋まってるじゃないか」
「早く引き抜きましょう」
誰を引き抜くつもりだ、コイツらは
私は、私はまだ死んではいない…
両肩を掴まれた感覚
そうか、ならば起こしてもらおうか
浮遊感、戦艦に引き起こされたのか、身体はだらんと浮き上がってる
身体は、まだ…動く…
目を見開く
「…あら?まだ生きて…ヴッ!」
綾波のこめかみへ蹴り
そして持ち上げていた武蔵の脛へ両踵を叩き込む
「クソッ!調子に乗るな!」
私がどれだけ痛い思いをしたと思ってるんだ?
愚鈍なお前達にもう捕まるハズがない…
「まだ遊べるなんて嬉しい!!!」
「キチガイが…!」
綾波の蹴りに合わせて蹴りを放つ
コイツのスタイルは一見蹴りが主体
実際決めにくる時は蹴り、この圧倒的な威力、筋肉だけじゃなくて骨にも仕込んでるハズ
「動きが変わりましたね」
「ネタバラシしてくれたおかげで…あんたのやり方は真似しなくていいことがわかった、だけど…まだ終わってない」
「なんの話を?」
コイツは蹴りが主体に見えるが、基本は腕を使った打撃で仕掛けてくる…
足での攻撃は特に強力、しかし筋肉が機械性ということは伸縮が遅く、緊急時の対応力に欠ける、だからコイツは拳打にも余念がないハズ
「さっさとやれ!」
「はいはーい」
見るべきは体の捻り方…待つのは軽い拳打…
違う、これは蹴り…!
「ッ!」
「…かわされた…?……あのー、勘違いして欲しくないんですけど、私戦うのが好きなんじゃなくて、いじめるのが好きなんですよ」
「…だから…?」
「さっさとダウンしてくれると嬉しいなって」
「無理な相談よ…!」
サシの勝負にこだわる相手じゃない…ならば加勢される可能性がある…
此処は逃げるべきだけど、綾波はおそらく私が逃げたところで一瞬で追いつくくらいの脚力がある…
なりふり構う余裕なんてない、ここに居続けるつもりはもうない…私は私として生きる為に、死なない
「大和、囲め」
「わかってますよ」
愚鈍な癖に…!
距離をとって広がり、退路を潰しに来たか…
つまり、綾波を倒さず逃げることは至難、倒してこの2人を掻い潜ることも難題だ
「いつまで固まってるんですか?」
ハイキックか
「…またかわした…動きが良くなってる…?」
これでコイツの中の認識は重症で息絶え絶えのオモチャから、敵に戻った
パンチの連打、だが見える、そしてガードしても問題ないならカウンターができる
「ッ!」
「おい、綾波…」
これで浅いのか…!意識を奪えなかった…
「………ハハッ…火事場の馬鹿力?ちょっと痛いですね…もし私を気絶させるつもりだったのなら、無理ですよ?意識を失っても活動し続ける為にチップがあるんですから」
「…バケモノめ…」
一縷の望みが…断たれた…?
如何すればいい…
「それと、深く考えすぎるのはどうかと思いますよ」
後頭部への衝撃…?
大和型は2人とも動いてない…
しまった、まだ居たのか…
「…ぐ……」
「随分と手を焼かせてくれましたね」
「ああ、全くな、早いところを頭を開いて、これをいれてしまえ」
「待ってくださいよ、全く…なかなか難しいんですからね?………あ、行きすぎた」
「おいおい、死んだのか?」
「大丈夫ですよ、殺してもすぐチップを埋み込めば脳だと誤認して身体は生き返りますから」
「……あ、いけましたね、これで操作して…あ、この人生体電池埋めてませんけど?」
「問題ありませんよ、外付けにすれば良いですし」
「あはは!あれダサいじゃないですか!」
「スマートさにかけるが、まあ良いんじゃないか?」
「生まれ変わった気分は如何だね、東雲」
「はい、ありがとうございます」
「東雲さん、これ、ゴミです、焼いておいてください」
「わかりました」
ビニールに入った砕けた金属片とぐちゃぐちゃの毛糸を渡され、それを焼いた
熱いものが頬を伝い落ちた
横須賀鎮守府 司令室
元帥
「お呼びでしょうか、元帥」
「東雲、以降私の事は他のものに倣って提督と呼べ」
「はい、提督」
「ククク、それでいい……お前には邪魔者を消す時、直接動いてもらう事になるだろう…楽しみにしておけ」
「はい、提督」