元勇者提督 作:無し
ベイクトンホテル 会場
駆逐艦 弥生
「……敵がいる…」
「………マジかよ…ここは陸だぞ?」
…司令官は、守る…
「五月雨」
「え、あ、はい、なんですか?弥生さん」
「…自分で、身を守ってね」
「え?」
提督 渡会一詞
「このグラフの通り、アナタ達への支援金はCC社が出しているわ」
「…知らなかったな」
「……提督、CC社ってたしか提督の古巣だよね…」
「…知るか、俺は俺の正義のために生きている」
「……司令官、瑞鶴さんが交戦したと」
「………チッ…」
瑞鶴には、鎮守府を離れ、自宅をガードしてもらっていたが…狙われた?狙いはどっちだ…?
「………此処を離れたらどうなると思う」
「明日の司令官は別の人に置き換わっているでしょう…そして、前任は…塀の中か…墓の中か」
「墓は違うわ〜、寝台に横たわって通夜をして、葬儀、その後火葬だもの〜」
…嫌な気分になるな
「………此処も危険です…銃を持ち込んでる人間が…壁の向こうにいる……北側の窓上3、南窓上5……体に硝煙の匂いと、血の匂いが染み付いてる……職業軍人…手練れです」
「……瑞鳳、今回はお前しかいないぞ」
「……わかってる…私が守る」
重雷装巡洋艦 北上
「つまり、我々海軍はCC社の傘下に収まる事になる」
「……何それ、訳わかんないわ」
「…仮にも、一国の…軍事力が……別の国の会社の指揮下にだなんて……」
…私にはよくわからない
どうなるんだろう…
「………」
暗い顔…
提督の袖を掴む
「……ごめん、北上も…不安…なんだよね……」
違う…そうだけど違うんです…
[私は、貴方の事が心配です]
「…ありがとう……だけど、君達は、自分の事を気にして欲しい…僕は、大丈夫だから」
壊れそうな心が見えるような、今にも砕けそうな…
ヒビの入った硝子の様な…
砕けた硝子は…地に落ち、踏み躙られるだけ…
いや、その鋭さは…誰でも傷つける凶器にもなる…
「………」
「…北上、心配しないで、僕が守るから」
守る…?
守るって何…?
「任せておいて」
やめてください、貴方は、自分を殺そうとしてる
一つヒビが入った硝子は…とても脆い…
今の貴方は…指先一つ触れただけで、割れて砕けるのに……どうしてそんなに、私たちを庇おうとするの…?
提督 三崎亮
「…何?」
「ナブってトコの奴らも居るらしいんだよ…よくわかんないけど、ここには…」
「………狙撃手がそうか?」
「うん、拘束した瞬間に歯を全部抜いて毒薬も確保したから自殺もできない、喋るしかないね」
「…事実なのか?」
「私は事実だと思うよ」
「………此処は思ったより、ヤバいトコらしいな」
「料理に手を出さなくてよかったねぇ」
「……料理上手が多い職場で助かるぜ…ったく」
NABとCC社の戦争か
それに巻き込まれた形になるのか?
「碑文の力は…陸上でも使える、AIDAも同様にね…大井と木曽がいて良かったよ…私1人じゃ守りながら突破は苦しい」
「…馬鹿言え、俺がお前らを守ってやるんだよ」
「…頼もしいねぇ…」
「……しっかし、くだんねぇ話しかしねぇな、あのオッサン」
提督 倉持海斗
「それと、最新鋭の艦娘のプロトタイプを紹介しよう」
最新鋭の…艦娘…?
どう言う意味だ…?プロトタイプ…?
元帥の声に導かれる様に、3人の艦娘が、壇上に上がった
その中には、曙も…居た…
「………っ…」
殺した、と言っていた…
ならばあの曙は…どうなってるんだろう…
「最新鋭って…アイツうちから引き抜かれただけじゃない」
「………提督、提督が用意してたマフラーはたしか…白でしたよね…?」
[私が編んだやつ、気に入らなかったのかな]
「…そんなこと…無いと思うよ…」
あのマフラーは元々北上が趣味として編んでいたものだった、あの別れの日、明石の作ったバッジと一緒に寝袋に詰めておいたけど…そのマフラーは、どうなったのか…考えたく無いな
「この3名は従来の艦娘とは違う、脳にAIチップを埋め込み、演算能力を飛躍的に向上させた」
「…どう言う意味?ねぇ、クソ提と…く……?」
…そう言う意味か、だとしたらもう意識もないのか…?本当に…死んだ、機械になった…のか…?
「…提督、大丈夫ですか…?やはり顔色が優れませんが…」
[休んだ方がいいと思います、此処しばらくまともに休んでないはずです]
「………いや、気にしないで」
曙はこちらを見ることもしない
「このグラフを見てほしい、この東雲はわずか1ヶ月ほど前に着任したが、この通り、この日を境に飛躍的に戦果が伸びている」
1週間も経っていない段階で、殺したのか…
手に力が入る、許せない
…いや、向こうは許しを乞うことはしないだろう見下す様に、笑われるだけか…
いつか必ず、仇は討つ、討たなくてはならない
「この様に実に有用なシステムだ、後々君らの艦隊にも採用してもらうつもりだ」
「っ!!」
どのみち、そうするつもりか…!
「ああ、その才能を見せておかねば不安か、東雲」
「はい」
「…アイツ、間違い無いよね」
「あの曙は…宿毛湾の…」
「………あの化け物みたいな奴だな」
「この東雲は、宿毛湾から移籍してきた、以前の提督に忠誠を誓っていたのだろう…行ってこい」
曙が近づいてくる、恐ろしさすら感じられる目で、こちらを見ながら
「………」
声が出ない、なにを言えばいいんだ、どうすればいいんだ?
今を逃せば、取り返せないかもしれないのに…
「……退いていただけますか」
「…自分から出て行った癖に、随分と調子に乗ってるわね?」
駆逐艦 曙
…そう、それでいい
アンタだけが頼りなのよ…
アンタにしか、任せられないの…
私の身体は、もう私の意思では動かない、元帥が何をさせようとしてるかも大体想像がつく…
殴って…いや、殺してでも私を止めて
「私は命令で倉持さんの前まで行かねばなりません、退いてください」
「……退かしてみなさいよ」
「提督」
「構わん」
…信じてるわよ、アンタなら…
「曙、やめるんだ」
「…黙ってなさい、クソ提督」
…提督、お願いですから…今は私の前から…
「………戦っちゃいけない」
「……なんでよ、コイツは…!」
曙を、退かせて、私の前に立つ…
「…曙は…もう既に死んでるんだ…」
小さくそう呟いた、聞こえるかも怪しいほどの小さな声で
私は…死んでなんか…
提督…私は、生きて、ます…よ…?
私は、曙はここにいます…生きてます…
なんで、私は死んでなんか…
受け入れて、欲しかった、のに……
私は、涙を流し、そのまま提督に殴りかかって
倒れた提督に馬乗りになって、殴りつけて
いやだ…
ダメ……
…こないで……
私は、ただ、受け入れて欲しかっただけなのに…
提督 三崎亮
「おい!止めろ!」
「わかってます!」
大井達を向かわせ、川内を離脱させる
宿毛湾の奴らは…戦艦が抑えてやがる…
このままじゃ嬲り殺しだ…
何のつもりだ、コレは…なんのショーだ…
処刑されるのは…カイトだった、それだけの筈が…なんだ?この悪寒は…
「邪魔をするな、東雲、一度やめ」
元帥の一声で殴るのをやめた、か…まるで機械…
此処で動くのは悪戯にヘイトを買うだけだ、大井も木曾も動いていない、様子を見るしかない
「倉持君、君の持っているオリジンを渡せ…それで今日は勘弁してやろう」
「……オリジン…?……アウ、ラ……」
アウラは…朝潮に取り憑き、ネットに帰った
カイトが持っている訳がない…
どういう事だ…?
何を確信して、カイトを痛めつけている…それともただの見せしめなのか?
「倉持君、我々は君がオリジンのセグメントを保有してる事を知っている、早く出したまえ」
「…持って、ない…」
「……まだ抵抗するかね」
あっちのメンツは…非戦闘員がいる上に軽巡と駆逐…戦艦2に勝ち目はないのがわかってる…隙を伺ってるな…
「……神通、狙撃しろ」
無線に声を通す
狙いは、元帥でも…戦艦でも、東雲でもいい…
隙さえあればアイツらは自分で逃げ出す筈だ
「……」
東雲が何かを取り出す
「拳銃…?」
『…ダメです、狙われてて動けません、当たっても死にはしませんが、恐らく…』
スナイパーライフルの射程で撃ち上げて当てる…?
アレなら本当にやりそうで恐ろしいな
「刃向かったものは陸軍戦力を各鎮守府にけしかける、邪魔をするなよ」
どうする…別にそんなもんに怯えることはねぇが…一気に犯罪者になるという宣告でもある…
駆逐艦 曙
嘘、嘘だ、こんなこと、夢だ
私が、こんな事を
嫌だ、やめて、誰か、コイツを引き離して
「倉持君、早いところオリジンを差し出せ、今日はそれで勘弁してやると言ったのだ」
巫山戯るな、オリジンは核の発射スイッチと何ら変わらない、腕環を生み出す事も容易になる
…貴方が、持って良いものじゃない…
「オリジンなんて、持ってない…」
「埒があかんな…もう一発みまってやれ」
その言葉に、私の意思を無視して身体が動く
「せっかくの会が白けるではないか、早く言わんか」
「………」
「…だんまりか、ならば趣向を変えよう、綾波」
物陰から綾波が出てくる、というか、居たのか、アイツ…
「あら、この会は3名までの随伴しか許してないけど」
「パーティーが好きな奴でしてね、勝手に来ていましたよ」
何かを…スマホ…?
なぜスマホを持って近寄ってくる…?
何でそんな顔を…やめて、アンタのその顔は最悪の気分になるから…
「東雲ちゃ〜ん、いいもの聴かせてあげる」
…チップの出力を上げる音波とか、か…?
私の耳元で音声を流す
『随分と、東雲、に対して関心がないように見えるな、君にとってあれはモノかね』
元帥の声……?
『…モノでしょう、曙、は、力でしかない…』
……え…?
提督…?
『たとえ人の形をしていても?』
『…仰ってる意味が分かりかねます』
……
「……あっ…ぁがっ…!」
私の手は、提督の首を絞めていて
あれ、私は…
…違う、提督…提督……?
「……私は誰を信じたらいいんですか…?」
久しぶりに、自分の口から発せられた言葉と同時に、体温がどんどん冷めていって
「…もう、何もわからない…!」
世界が音を立てて壊れていく
「碑文…!?」
「碑文使いだったのか!クソ!戦闘用意!」
碑文…?
ああ、コレが私の…
アハっ…アハハハハハッ!……もう、全部壊してしまえ…私は
『来たれ…再誕………コルベニク!!』
「うおォォォッ!』
「やるしかないわね…!』
「出てきて…タルヴォス!』
「何よこれ…!?これ全部敵な訳…!?」
『私達と瑞鳳さんは味方って事でいいのよね…!?』
『勿論です…!』
『……アハっ…!』
駆逐艦 曙(青)
何これ…世界が蒼い…
私も宙に浮いたまま…
天龍は…?あのクソッタレな元帥も、目の前にいた大和型も、どこに消えたの…?
あの大きな八相が…八相同士で…戦ってて…
私はどうすれば良いの…!?
『波状攻撃を仕掛けます!』
『わかってるわ!』
『クソッ!せめてまともな武器でもあればな…!コイツで我慢しろよ!』
巨大なレーザーが青い巨人を焼く
『はぁぁぁッ!』
私には、腕輪の力があるだけ…なのに
私は、どうすれば…いいの…?
大井も木曾も…いつの間にか、AIDAの力を手に入れてる…
此処に浮かんでるのは、みんなそんな能力を持った奴だけ…?
腕輪、AIDA、八相…それらに適合しないとこの世界には居られない…?
だとしたら北上は何で此処に…?
「北上、アンタなんで此処にいられるの…?」
分からないということか、首を振っている
状況把握が早い様で助かるけど…そんな事を言ってる場合じゃない
『ぐッ!?』
『なにこれ…強すぎる…!』
『このままじゃやられる…!』
3人係でも押されてる…
「……やるしかねぇな……いいぜ…来い、来いよ……俺は、ここにいる!スケェェェェィス!』
呉の提督も…使えるのか…
どうすれば、いいの…?私は…
駆逐艦 弥生
眼前で繰り広げられてる戦いは互角に見える
4対1?そんな事相手にとっては関係ないと言わんばかり…
あの黒いヤツが一番強い…一番小さい碑文なのに…青いヤツを殆ど一人で相手に取ってる…
「……」
放っておけば、司令官も、五月雨も、島風も危ない…
使うつもりはなかったかど…
…島風…?
「オゥッ!?なんか飛んできてるー?!」
「……ジョーカー…ってやつ…?」
「や、弥生ちゃん!ど、どうなってるの!?」
「……わからない…良いけど」
「良くないよぉー!?」
「…うるさい……マハ』
チューリップをひっくり返した様なスカートに猫人の上半身の碑文
コレが私のマハ
「や、弥生ちゃん!?」
『うるさい…怒るよ?』
データドレインを展開する
「…データ、ドレイン…!?」
『コレが…必要なんでしょ…?」
海水を生み出す
「びゃっ!?……あれっ…?これなら…!」
……思ってるより、恐ろしいものを持ってるみたいだね
「いっちゃうよぉ〜!!」
『弥生、出撃します』
提督 三崎亮
『マハだと…!?』
エンデュランスの碑文のはずだ、何故…誰が使ってやがる…!?
『これでどう?』
「6対1!てりゃぁぁぁッ!」
『…新たな碑文使い…!?』
『何だあの装備!?AIDAも無しに…!』
『碑文使いですらないのに…疾いッ!』
一気に戦局が傾いた、とにかく今は押し切るしかねぇ…
『…一気に決めるぞ…!』
コルベニク…最強の碑文
データドレインを使おうが、どれだけ斬り刻もうが
どうやって殺そうが…
何度倒しても再誕する碑文
だから、ここで全力で、斃す
コルベニクの真上に飛び上がる
『タルヴォス…行くよ!』
『木曾!合わせなさい!』
『わかってるよ!アルゴンレーザーをお見舞いしてやるぜ!』
『追い詰めます』
「一緒に行くよ!」
『…覚悟はできたか…!堕ちろォッ!!』
同時攻撃…
威力は充分、手応えもある…
『…仕留めたな…」
コルベニクの作り出した世界が、崩れていく
「…ッあッ…!」
東雲は綾波にぶつかり、2人まとめて吹っ飛ばされたな
「何が…起きた…の…!?」
「これは…!?」
「島風!何でお前ずぶ濡れなんだ!?」
混乱が起きてるか…よし、全員碑文もAIDAも納めてるな…あの駆逐艦…かなり鋭い動きをしてた…
アイツは只者じゃねぇ…いつから碑文を発現してたんだ…?
「……ッ!伏せろ!!」
窓を蹴破り、銃を持った奴らが入り込んでくる
川内は間に合わなかったか…!
「ふッ!」
「あらあら〜、おいたはダメよ〜?」
速ぇ…佐世保の奴らか…
陸戦まで仕込まれてるな、あの動き…
「北側3名制圧した!南は!」
「ダメです!間に合いません!」
銃声
テーブルを盾に隠れるのが限界か
「クソッ、川内!!」
「遅くなってごめん!ヤバいよここ!」
「わかってる!さっさとやれ!」
「それよりも!上の階で既に殺し合いが始まってるんだよ!研究施設みたいなところもあるし…此処はただのホテルじゃないんだって!」
「…何…!?」
ヤバいな…思ってる以上にヤバかったか…!
「クソ!人の事まで手に負えねぇな…早く回収して逃げるぞ!」
「あ、回収はするんだ…」
駆逐艦 曙(青)
「ああ!もう!!持っててよかったわ!この!」
隠し持っていた拳銃で応戦する
「アオボノさん、早くこっちに…!」
「わかってる!」
倒された机の裏に隠れる
「クソ提督の容態は?!」
「…生きてはいます…でも、首にこんなにくっきり跡が…」
爪痕までしっかりと、首に…
どんだけの力で締めたのよ…アイツは…!
「…酷いですね、いったい何故…?」
「クソ提督もクソ提督よ…!大人しくやられてるなんて…」
「お取り込み中のところ失礼します」
不知火か…
「何よ」
「拳銃をお借りしたくて」
「…北上、どうせ撃たないんだし渡せば?」
北上が頷いて渡す
「…師匠、見ていてください」
テーブルの端から拳銃の銃口だけ出して5射
「…仕留めました」
「嘘…」
「……肩をやったのね…」
撃ってきてた奴らは肩を押さえて倒れてる…
本当に…ありえない技術を教えたものね…
「………早く逃げましょう、新手が来るかも知れないそうです」
「…戻らなくて良いわけ?アンタの艦隊に」
「うちの司令官曰く…これで完全に借りを返す、それだけです」
「……行きましょう、アオボノさん」
「………そうね…」
提督 徳岡純一郎
「クソッ!無駄に入り組んでやがる!」
「徳岡さん!」
「渡会!こんなクソ忙しい時に何だ!?」
「外まで援護します、こっちに!」
「…聴いたな!行くぞ!五月雨!島風!弥生!」
「は、はい!」
「此処で止まってくださ〜い」
ホテル出口のそばで急に停止をかけられる
「提督〜、前方に敵が」
「…釘付けにされてる訳か…!」
どうやらこの曲がり角の先には俺たちを殺すには充分な何かを持ったヤツがいる訳だ
「…司令官、私、行くよ…?」
「お、おい!弥生!何するつもりだ!」
弥生がふらふらと進もうとするのを必死で止める
「…提督、私も…」
「瑞鳳…行けるのか?」
「…はい……やれる、やります…」
「…殺すな」
「はい」
渡会の方のヤツも行く気か…!
「お前、部下を見殺しにする気か…!?」
「…コイツはやれる奴です…俺は信じてるんです」
「司令官、邪魔したら怒るよ』
「…弥生…?」
「……お手並み拝見…ね…」
『お互い様…』
弥生の手にはいつの間にか子供用のおもちゃの様な見た目で、異常な程恐ろしい輝きの剣が握られていた
「……何だそれ…おい、弥生…」
『…観てて、私の…闘い』
軽空母 瑞鳳
「…こっち!」
注意を惹き、撃たせる
「…タルヴォス!』
手元に籠手が顕現する、それで弾丸を受け止める
『ッ!…ハッ!』
弾を弾き返す
1人仕留めた…!
『…あとはもう良いよ、まかせて』
『疾い…!』
剣が滑らかに滑る様に…銃を切り裂き、斬られたところから血が噴き出し…
『何、その動き…駆逐艦のソレじゃない…!』
『…私は…エンデュランスに力を貰ってるから』
『エンデュランス…?』
『……ねぇ、貴方達…退かないと…死ぬよ』
敵は悲鳴を上げて逃げ始めた
必死に這いずって逃げようとする敵を弥生は一人一人と斬り伏せていく…
『大丈夫、殴ってるだけだから』
『…バケモノってやつね…』
「よし!道が空いたな!逃げるぞ!」
今は逃げて…明日はどうなるの…?
提督 三崎亮
「お前ら無事か!」
「呉の…!其方は!?」
宿毛湾の連中と合流して脱出を図る
「問題ない!クソ、都内でこんなバカみたいなことしやがって…!」
警察が来る気配がない…
派手な銃声を鳴らしておいて…もう警察も手の内か…となると、明日は…死しか待ってないのか?
『提督、周辺の敵は狙撃で片付きました』
「良くやった…難なく出られそうだな」
…どうすれば…コイツらだけでも…守れるんだ
「後方追撃部隊!」
「この!撃ちまくりなさい!」
「死にますよ…!」
「正当防衛よ!」
「なら銃刀法違反です!どの道殺せば引き返せない…!」
「言い争ってる暇はねぇ!さっさと走れ!」
どうする?どうすればいい…?
「出口はどこ…!?」
「メインの通路さえ通れたらわかるのに…」
「おい!出口はどっちだ!」
『直進し続けてください、その先に外に出る通路があり、その先に門があります』
「わかった!」
『ッ!向こうにも狙撃手がいるみたいですね…しかし、この人数…どこかの軍隊といっても遜色ないです』
…よく見てはいないが、転がってる死体に日本人らしい奴は居なかった…どこぞの国の雇われ兵…って事になるのか?
『提督、300m先で合流します、私にお任せください』
「待て、佐世保のやつがいる、気づかれるな」
『了解』
頼りになる奴だ
「よっと、提督、戻って来たよ!」
「川内…お前どこに行ってやがった!」
「元帥と会長の行方を調べてた、あの2人、撃ち合いの中で堂々としてたからね、ちゃーんと仕事したから!後で褒めてよ〜!」
「どうでもいいからさっさと手を貸せ!」
「………その人、生きてるの?」
「…こんなとこでくたばる奴じゃねぇよ…!」
「…前方敵!」
「構うな!突っ切れ!」
こちらに気付いて銃口を向けた敵が一瞬で体を海老反りにして斃れる
「…さすが…!」
「門が見えたぞ!」
「車が突っ込んで来る!」
「止めろ!」
「無茶いうなぁ…スケィス!』
スケィスが車を受け止め、さらに持ち上げて捨てる
「ったく…便利な奴だ…!」
『酷くない!?」
「また車が来てますよ…でもあれは…マイクロバス…?」
「こっちだ!早く乗って!」
「味方か、助かった!」
「…助かった、曽我部さん」
「えらく大所帯だねぇ…本当にこれにしといてよかったよ」
「追撃なし…離脱完了……助かったね…」
「……」
「……落ち着くにはもっと離れた方がいいな、全員関西だっけ?」