元勇者提督 作:無し
海上
正規空母 瑞鶴
『龍田!』
「はぁ〜い、わかってますよ〜?」
前方の深海棲艦…
長い黒髪に黒のワンピース…そして長い肢体…戦艦ル級と呼称されるそれに近いが…感じられるプレッシャーの質は比じゃない
強いんだろうけど、でも、私達にとっては敵じゃない
『…〜…♪』
「歌ってる…?」
「辞世の句って奴かしらね」
『……やっぱり聞こえる』
指示してる…歌のように聞こえるけど、指示
コイツはきっと…何かと一緒にいて、そいつを隠してる…
幻影を低空飛行させる
何が釣れる?
水中から巨大な水しぶきをあげて黒い四足歩行の生物が飛び出してくる
「別の深海棲艦!?」
『違う、そいつ合わせて1人だ…!』
幻影を掴もうとして飛び出してきた怪物に砲撃が集中する
『そのまま突っ込んで!』
「はぁ〜い、透明人間になれるなんて面白いわねぇ〜」
イニスの力で龍田の姿を消し、接近させる
「神槍…ヴォータン!」
怪物の右足が落ちる
「うーん、変ねぇ…完全に消滅しないなんて…あら?」
本体と思われる人型の方が龍田に殴りかかる
「…重っ…!」
槍の柄で受けたものの…龍田が押し負けるか…
『魚雷放て!』
「はい!」
『全機発艦!!』
海中と水上からの同時攻撃
怪物が雄叫びをあげる
「瑞鶴〜?」
『わかってる!レイザス!』
この艦隊のアタッカーは龍田1人、私達は雑魚処理やサポートが仕事
「さあ、道が空いたわね〜?」
『デカブツは任せなさい!』
みた所本体の方は艤装もない、だけど打撃が鋭かった、それなら龍田1人にやらせた方がいい
本体がデカブツならそれはそれで、片足を無くしてそれを庇いながら戦う状態だ、充分私が倒せる
『イニス!!』
空色の光に包まれ、巨人が現れる
「……でっか…何十メートルあるんだろ…」
『くらいなさい!』
両腕から光刃を伸ばし、それで怪物を斬りつける
「そろそろフィナーレねぇ〜、覚悟はいいかしら〜?」
龍田と本体が強烈な打撃戦を繰り広げてる
全くお互いに引かない戦い…
『余裕はなさそうね!ま、これも試しちゃいますか!』
幾何学的な模様が展開されて行く
「あら、それこっちにも貰えるかしら?」
凄い勢いでやり合ってるわねホントに
「ようやくスキが見えたわぁ〜♪」
槍での一撃と同時にガラスの割れる音がする
「流石に穂先に返す余裕はなかったけど…痛かったでしょう?」
『龍田ぁ!離れなさい!』
狙いをつけて、放つ
『っりゃぁぁ!!』
紋章から放たれる光線が敵を貫く
『なにこの感じ…これ、色々やばいッ!』
「うふふふふ〜♪そっちの大きい方は……貰っちゃうわねぇ?」
『…はぁ…ッ…威力があるっていうか……化け物じみた技ね…」
「……まさか、こんな事になるなんてねぇ…貴方はだぁれ?」
「…長門…長門だ…」
「……立てる?」
「…あ…ああ…」
「……詳しい事情は鎮守府で聞かせてもらうから、ついてきて…いや、輪形組むから真ん中に入りなさい……疑う訳じゃないけど念のためね」
「……一つ聞きたいんだが…」
「何?」
「…どんなところなんだ?あなた達の鎮守府は」
「……まあ、悪くないところよ、規律は厳しいけどね」
「…そうか……私の扱いは?」
「……詳しいことがわかってないから、とりあえず捕虜かな…安全が確保できたら艦娘として扱えるけど…前の配属とかある訳?それとも深海棲艦だったのが急にこうなったの?」
「いや、前の………すまん、なんでもない…」
「……どのみち詳しく問い詰める事になるけど…言いたい時に言えば良いわ」
「……感謝する」
「はい、艦隊帰投…あ、そこに艤装全部捨てて、念のためね」
「わかった…」
「お疲れ、瑞鶴、提督戻られたよ」
「え?早くない?あと3日かかると思ってたけど……」
「それについても後で話すらしいから…あれ?その人は」
「詳しくは後で話すけど…戦艦長門だってさ」
「戦艦長門!?」
「そ、拾ってきた……さ、行きましょうか」
「………ここの提督に会うのか…?」
「何?不満?」
「……いや…なんでもない」
「……」
軽空母 千代田
「……え?長門…?」
「そう、なんだかよくわからないけど、拾ってきたって、私も瑞鳳さんからの又聞きなんだけど…」
「……ごめん祥鳳また後で!」
「え?千代田!?」
多分違う、絶対違う…
だけど……もしかしたら…
「失礼します!」
「千代田…ノックもなしに入るのはやめなさいって…」
「長門さんは!?」
「え、え?…営倉だけど…何?」
「失礼しました!」
やっぱり営倉か…なら、もし私の知ってる長門さんなら身分さえ証明すれば…!
「失礼します!」
「千代田か、お前とはまだ会えていなかったな、留守の間迷惑をかけた」
「あ、て、提督…あ、お帰りなさい、その…長門さんは…」
「……見せ物じゃないんだぞ…」
「い、いや、そういう事じゃなくて…どうしても確認したい事が…」
「……なんだ?まあ…俺もさっき確認に行ったら暴れてな…龍田にやられて今は倒れてる」
「…暴れた?なんで?」
「わからん、俺が行くまでは大人しかったらしい」
「そ、そうですか!じゃあちょっと失礼します!」
「お、おい!走るな!」
間違いない!間違いないんだ…!
「あらあ〜?なんの用かしら?」
「な、長門さんに!」
「……ダメよぉ〜?危険な子みたいだから」
槍の穂先を向けられる
「そんな…す、少しで良いんです!」
「ダメね〜…あら?瑞鳳ちゃん」
「龍田さん、見張りの交代です」
「……随分と早いけど?」
「……元々あの部屋は私のものなので」
「…余計な事をしたら、いくら仲間といっても貫くわよ〜?」
「……できるものならどうぞ」
「………まあ、良いわ〜…あんまりおいたはダメですからね〜?」
「ご理解感謝します…千代田、来て」
「え、あ…はい……」
「……その、覚え、て…るの?」
「……確信はない…でも、私の中の北上の記憶が…会って確かめろって言ってた」
「……きっと……長門さんだよ」
「そうとは限らない」
「………寝てるね」
「…気絶してるの間違いだよ、まあ、どのみちきっとそのうち起きる…多分」
「……覚えてる、のかな…」
「……どういう意味」
「…北上さんみたいに……」
「……北上…さんは、私が悪いの、私が間違えたから…瑞鶴がまちがえてないとは言えないけど…多分大丈夫」
「……そう…」
戦艦 長門
嫌な夢を見た
昔の夢
毎日誰かが死んでいく
庇うべき私が庇われながら、誰かが死んで行った
人間というのは、実に利己的で…恐ろしい存在で…私にとっては看過できるものではなかったが、逆らえば…実に合理的で、私を痛めつけるのに最適な手段で私を痛めつけた
……私は、歌っていた
誰が言ったか、みんなで歌えば怖くない、みんなで歌うのは楽しいと
しかし、私が知っている詩は…こんな事を思っては英霊に顔向けはできないが…
私は誰にも死んでほしくない、だから…戦争の詩は私には歌えなかった
だから、平和な時代の歌を歌いたかった、今の時代が平和であり続けるために、すべての盾となるためにどんなものでも歌った
馬鹿みたいに、大声で、自分を追い立てるために、みんなを守るために
…最期は、満足して死んだつもりだった…
死ぬなら、こうありたいと思いながら死んでいったつもりだった…
なのに、最期……私は、生きたいと思ってしまった…
「…っ……」
此処はどこだったか
「…ああ…」
私は、生き返ったのか…
……悔しいな…私の手をすり抜けた命達は…
私同様に生き返れたのだろうか?
「……」
ここは牢屋か…そうか、私は…暴れたんだ…
ここの提督を見て…殺してやろうと思った
とにかく…殺してやろうと
人間とは実に利己的で…自分本位で……
自分のためならなんでもやる
自分の欲求を満たす事に貪欲すぎる
…鉄格子の向こうに、二つの背中が見えた
鉄格子に寄りかかって、寝息を立てている小さな2つの背中
…見張り、か…
「……今は夜、なのか…?」
「…んぁ…?」
「………ん……」
…起こしては、いけないかな…だがあんなところで寝ては風邪をひくだろう…
やはり起こすべきか
「…もし…もし」
鉄格子越しに肩を揺する
「……んぅ…葛城ぃ…まだ眠いって…」
「…祥鳳…まだラッパ鳴ってないよ………あれ…千代田…?」
「…んぁ…瑞鳳…?なんで…?」
「……あ、そっか…話してる途中で千代田が先に寝たんだった…」
「…そう…だっけ……あれ?じゃあ誰が起こして…」
2人の顔がこちらを向く
「…や、やぁ…おはよう…」
「わぁぁぁぁ!?」
「ッ!…千代田うるさい…耳が…」
千代田と瑞鳳か…両方とも、見たことがある…
「長門さん!長門さんですよね?!」
「あ、ああ、私は戦艦長門…」
「そういう意味じゃない…貴方は、どこの長門ですか?」
「どこのって…」
…口に出す事もしたくない…あんな地獄…
「…離島鎮守府」
「ッ……」
「…やっぱり…離島鎮守府の…長門…やっぱり…」
何かに納得したように…しきりに頷く瑞鳳
その横で目を潤ませる千代田
先手は取るべきか
「…頼む!後生だ!どうかあそこに戻すような事は…!」
「…え?」
「千代田、多分何も知らないよ」
「頼む、私は…もうあそこには戻りたくない…!私は、私は…」
「…顔あげてください…」
「長門さんがそんな、土下座なんて…」
「それほど戻りたくないんだ…頼む、私を哀れだと思うなら…」
「………長門さん、わかりませんか?」
「…何がだろうか…」
「……私たち、2人とも時期は被ってますよ」
瑞鳳…千代田…確かに知ってるが…
「……まさか…2人とも…」
「…お久しぶりです!長門さん!」
「長門さん、ご帰還、心よりお祝い申し上げます」
「…本当…なのか…?抜け出したのか……あそこを…!」
「…私は正確には違いますけど、千代田は」
「はい、なんとかね…」
「……凄いな…本当に、凄い…」
「…幸運だっただけですよ…それに、今はあそこも…」
「無くなったのか!何があっ……いや…」
脳裏によぎる…私は…あそこをゆっくりと歩いて…
「…蛻の殻になってた…あそこは何があった…?」
「あそこは破棄されたんです、今は宿毛湾にみんなで移って…」
「そうか…じゃあ、あんな地獄はもうないのか…?」
「はい、安心してください」
「…よかった…」
「とりあえず、私提督に連絡してくるから」
「了解、どうなるのかな…」
「一応離島時代に在籍してた記録があるし…宿毛湾に送られるのが妥当なんじゃないかな」
「……宿毛湾ってところはどんなところなんだ…」
「…在籍してる子に直接聞いてみるのが早いと思いますよ」
「何…?」
「へー、じゃあ私達の先輩なのね」
「そいつは良い話が聞けそうだ」
「あ、ああ…よろしく頼む…」
千代田が連れてきた3名の駆逐艦はどうやら訳あって預かられているらしい
「ねぇ、長門さん…怖がらなくて良いのよ?」
「…どういう意味だ?」
「…配属されたくないんでしょ…?私にはわかるわ、そんなに怯えた顔をしてるんだもの」
なんだ、この暁という子は…
まるで私の心を見透かしているように…
「……そうだ、私は怖い…恐ろしくてたまらない…」
「…ならそう言えば良いわ、貴方のことを否定する人なんて誰もいないから、司令官も貴方のことを笑顔で迎え入れてくれるわよ!」
「そんな訳がない、人間とはどこまでも利己的な生き物だ、悍ましく、欲に塗れた存在だ」
「む、司令官を悪くいうのはいただけないね」
「そうよ、私達の司令官は優しいんだから!」
「やめなさい2人とも、長門さんも…知らない人を貶すのは良くないわ、自分がいくら不安でも…それはダメよ」
「…君達は人間の恐ろしさを知らないんだ」
そう、あの悍ましい人間を知らないんだ
「ええ、確かに知らないわ…だけど、私達の司令官の優しさを貴方は知らないでしょう?」
「それは…だが!優しい人間なて本当に一握りの…!」
「そう、一握りしかいないの、それが幸運にも私達の司令官なのよ…病的なまでに優しすぎるのが困り物だけど」
「…それが本当の姿だとは限らない…!」
「それもわかってるわ、でもその上で私は信じてるの」
「何がそこまで…」
「泣いてくれたからかしらね…ほら、男の人って特に泣くのを憚れるとかあるじゃない」
「………言いたい事はわかるが」
「…まあ、宿毛湾に来るなら…会えばわかるわ」
「………」
「失礼します、長門さんの処遇が決まりました」
「あら、不知火さん」
「どうも、丁度良かったです、貴方達も引き払う用意をしておいてください、宿毛湾に戻ってもらいます、夕張さん達にはもう伝えたので」
「わかったわ」
「では、長門さん、貴方は千代田さんや瑞鳳さんからの離島鎮守府の所属であったという証言もありますので、宿毛湾に移ってもらいます」
「………わかった」
「明日からよろしくね?長門さん」
「………ああ、よろしく頼む…」
駆逐艦 暁
「…意見具申させて頂けますか」
「…なんだろうか」
私たちを輸送する手段についての説明を今この会議室でされている
その方法は輸送船に私達を入れて送り届ける
まあベーシックな手段ではあるが
「私はおそらくその作戦では失敗すると思っています、長門さんは予定通りのルートでも構いません、私達6人は陸路を使ったルートを取らせていただけませんか?」
「陸路だと…?」
「あー、暁だっけ、なんで?」
「…実は、司令官に海路を使った移動は絶対するなって言われてて」
もちろん嘘、理由は夕張さん達の使った逃走手段を使う方が安全に見えたから…
「…問い合わせるにも時間がないな…仕方ない、説明が遅くなったせいもあるしな…陸路で行こう、ルートは?」
「各自でいけるわ、私達ちゃんと移動費貰ってるもの」
「え、そうなの?じゃ、じゃあご飯も…」
「青葉うるさい」
「…わかった、じゃあ二手に別れよう、戦艦長門の方には空の輸送船をつける」
狙いはわかってるみたいね…
「じゃあ、無理を承知で言うのですが…瑞鳳さんに輸送船になってもらえませんか?あと、これを積んで欲しいんです」
「……なるほどな…瑞鳳」
「良いですよ、その子の読みがどれだけ当たるか、試してみたくなりました」
「それでは決まりだな、出発は20分後に」
「私達は10分後に3手に分かれてそれぞれ出発します、お世話になりました!ほら!」
「「お世話になりました!」」
「…駆逐艦の方がしっかりしてるって嫌だなぁ…お世話になりました」
「なんか青葉すごく惜しまれてなかった?」
「あ、わかりますぅ?過去のネタがめちゃくちゃウケて」
「…あの世から提督が怒ってるのが見えるわ」
「………ま、もっと怒る相手はいるでしょう…私達の役目はそれを打ち倒す事…」
「何話してるの?」
「わぁ!?あ、暁ちゃん…」
「夕張さんは私とペアね、青葉さんは響、衣笠さんは雷の事をお願いね…」
「………これは…わかりました」
「暁ちゃんも中々嫌な振り分けをしますね…」
「そうかしら?緊張感があって良いと思うわよ」
「…他人の姉妹を、海でもなくただ狙われるだけの状況下で預かるなんて私にはとても…」
「………それもそうだけどね…ま、心配ないわ…でも、いただけないのはここまで狙われる理由よ…」
「……横須賀の情報漏洩阻止なら…私達だけで十分…特に暁ちゃん達は記録的には死んだ事になってる…」
「………ねぇ、本当に私達を殺したい、のかしら…」
「…どういう意味ですか?」
「まって、あ、タクシーがいるわね…アレに乗りましょ」
「そうですね」
「何方まで?」
「………」
「とりあえず博多駅まで」
「かしこまりました」
「…暁ちゃんもタクシーは緊張するのね…」
いや、違う…見間違いじゃなければドアを開けた瞬間この人の体が歪んでた
テレビのノイズみたいにザザッて…
アレは…何…?
「ごめんなさい、窓開けてもらえる?」
「すいません、この時期でしょ?寒くて敵わないからダメですね」
「私も寒いし、やめときましょう」
「………じゃあ、次そっちに曲がってくれるかしら」
「はい」
路地に入った…人通りは…ないわね、路地だしスピードも出てない…やるなら今
窓の開閉スイッチを押す…開かない…?潰されてるのかしら…
ならもうドアを開けるしかないか
「あ、何やってるんですか!?」
「あ、客ざ…」
「やっぱりね…貴方が何か知らないけど、人じゃない何かよね」
ポーチから拳銃を取り出して引き金を引く
「えっ!?ちょっえ!?」
「………死ぬとは思ってないけど…あれ、本当に死んだのかしら…」
車は停止したし、運転手さんは突っ伏してる…
「え、あの…暁ちゃん…?」
夕張さんを無視して車を降り、運転席のドアを開ける
強い風が入る、そしてそれは…運転手の姿を掻き消した
「…なにかしらこれ、なんで運転手は消えたの…?」
「あ、あの…?」
「…あ、ごめんなさい、ちょっと待ってね…念のために確認したいのよ」
トランクを開ける
何時間ここに詰め込まれたのだろう…冷たくなった人が縛られて詰め込まれている
「…携帯って持ってるかしら…救急車がいるわ」
「いや、持ってないですけど…」
「………仕方ないわね、車内に移動させましょう」
とりあえず時間のロスは避けられないか…
「これ何が起きてるんですか?」
「…ホログラムを見せられてた、と思うんだけど…車内に霧のようなものを充満させて…でも投影機すらないわね…」
「あの…多分すぐに警察がくると思うんですけど…」
「心配ないわ、誰も殺してないもの、ほら、死体なんてどこにも無いし?」
「…人間かもしれない、とは思わなかったんですか?」
「思ったけど、死ぬより殺す方がマシだと思ったの…」
「…強いなぁ…」
「弱いからこれしか考えつけないのよ…」
「いやー、ありがとうございます…」
「いえ、こちらこそ…本当にありがとうございました、今朝方仕事をしようと思ったら急に襲われまして…」
「それは…不幸でしたね…」
「つまり朝からあの中に缶詰だったんでしょ…?やっぱり病院に行った方がいいわ、高速降りましょ」
「そんな、とんでもない、命の恩人を送り届けさせてください」
「…じゃあ次のサービスエリアで止めてちょうだい、そこで休憩にしましょ?」
「いやぁ…ありがたい、本当によくできた方だ…」
「あ、あはは…本当に怖いくらいいい子で…」
「私らは艦娘さんなんてのは佐世保の方を稀に乗せるくらいですから、あんまり詳しくないですけど…やっぱり軍人さんなんですなぁ…」
「まあね…ところで、何か変なものを取り付けられてたりはしない?」
「…あ、今朝はこんなのついてなかったかなぁ…」
「それは…車用充電器?」
「外しちゃダメよ、何があるか分からないから…泊地に着いたら明石さんに見せてみましょ」
「そうですね…安全のためにご協力ください」
「勿論です、こっちもよくわからんものがあるのは不安ですから、助かります」
宿毛湾泊地
工作艦 明石
「だから私の専門外なんですって!」
「ん?明石、どうしたの?」
「あ、提督…アオボノちゃんが…」
「クソ提督もなんとか言いなさいよ!このカプセルの中身を解析させるの手伝って!」
「あー…午後には夕張さんが帰ってくるし、夕張さんに頼んじゃダメかな?」
「……なんだ、専門家が帰ってくるならそれでいいわ」
「…っやったぁぁ!バリーも帰ってくるんですね!」
「嬉しそうだね」
「…私の仲間ですから…!」
「…それと、明石…」
「はい?」
「戦艦長門が、ここに着任する…離島鎮守府時代の戦艦長門らしい」
「…長門さんが…?」