元勇者提督 作:無し
宿毛湾泊地
重巡洋艦 青葉
「……うぇ…」
「青葉、グロッキーだね…大丈夫?」
「…北上さん…提督が、提督が毎晩こういうんです、約束を守れなくてごめんって…」
「……まあ、破ったからねぇ…」
謝るくらいなら破らないでほしかった…
「…おえぇぇ……はぁ…はぁ…うえっ…」
「よーしよし、大丈夫だよー…」
「…提督…なんで1人で無茶した挙句死んじゃうんですか…提督…提督…」
「…青葉、多分ね、私は考えなしに死んだわけじゃないと思ってるよ」
「……死ぬのに考えの有無なんて…」
「認知外依存症」
…ネットに消えてしまう病気…
「明石さ、腕輪完成した途端泊地を出て行ったよ、どこに行ったかは誰も知らない、あと島風も出て行った、朧もね」
…明石さんに、島風ちゃんに…朧ちゃん……?
「この3人の関連するもの、なぁ〜んだ」
「…何も無いと思います…おぇっ……」
「あたしも最初は提督が好きって事なのかと思ったけど、それでここを出ていくのも変だよね、というか…なんでこのタイミングなのさ、3人揃って出て行く理由もわからない」
「………」
「この3人には何かあるんだよ、多分島風も腕輪を明石にもらったんじゃないかな」
明石さんに腕輪をもらった…?
島風ちゃんも、って言うのは…?
「さらに言うと朧は明日には帰ってくるはず、だってカレー作る約束つい2.3時間前にしたとこだもん、その時に…朧は明石と腕輪のことで口論してた、明石が持つ予定の腕輪を持っていったみたいだった」
……腕輪の所持者が3人も増えて…増えた方はみんな出て行った…?
「朧は除外して考えよう、だって明石は朧に渡すつもりはなかったんだから…多分渡したく無いわけじゃなかったんだよね、渡すなら島風だったってだけ…なんで?」
「…速いから?」
「いや、多分カイトの力が関係してるでしょ」
「あー…」
でも明石さん自身も持ってるのは何故?
そもそもわざわざ泊地を出た理由は何…?
「あ!いた!」
ドアが音を立てて開く
「げぇっ…阿武隈ぁ…よくわかったね……」
「ほら!私1人で掃除するの大変なんですからちゃんと手伝ってください!」
北上さんは筋力がすごく落ちてる、そんな状況で無理をさせるなんて…阿武隈さん一体どうしたんだろう…止めなきゃ
「…あの…北上さんに掃除をさせるのは…」
「……青葉さん、違います、北上さん私に自室の片付け投げて逃げたんです」
「…阿武隈さん、私も手伝います…連行」
「うぇっ!?青葉!?ほ、ほら…青葉!調子悪かったよね!?
…そういえば少し元気になってる…
「不思議なものですね…今はピンピンしてます」
「なんで治るかなぁ!?」
「はい連れて行きますよー…うわっ、泊地に戻るときにも思いましたけど…」
「…これは…」
子供みたいに軽い…
前に響さんを抱えた事があるけど…それと同じくらい…?
「はなせー!私は片付けなんかしたく無い!」
「ちゃんと食べてますか…?」
「もしかして拒食症…?でもこの前までこんなに軽くなかったし…」
「あら、こんにちは」
「あ、神通さん…って事は呉鎮守府の方到着されてるんですね、尚の事片付けを急がないと…」
「こんにちは…」
「Help me!!」
英語の発音だけは無駄に良いの腹立ちますね…
「…えっと……?」
「あ、気にしないでください」
「ちょっと部屋に連れ帰るだけですので…」
そういえば私こっち来てから北上さんの部屋入った事ないなぁ…それ以前にこっちに来てまだ1ヶ月ちょっとだし…
「…すいません」
「何か?」
「北上さんに…」
神通さん、北上さんにようって何だろ…
「……激しい体重の低下、異様な不快感…いや、何かがない感覚などは有りますか?」
「何さ、いきなり…」
「ちょっと失礼して…」
両脇から北上さんを抱えていた私たちに割り込むようにして腕を差し込む
「…軽いですね、やっぱり」
「……何、あたしの体の大部分がデータだって話?」
大部分がデータ…?
「ええ、私もそちらの方面には詳しくないので…ですがあの惨状を見た後ですと…そうなのでは無いかと」
「……思い出させないでほしいなぁ…」
一体何が…
「あの、何があったんですか…?誘拐された時の話ですよね…?」
「…お話ししても?」
「………私、先に部屋に戻るよ…青葉も気になってるでしょ、聞いていけば」
「…あ、わ、わかりまひひゃ…」
噛んだ…
食堂
「…何故わざわざ食堂に…?私としてはすぐに済ませたかったのですが…」
私もそうだけど、阿武隈さんは話を聞かずに私と神通さんを食堂に連行した
「さ、お願いします」
「……えっと…先に断っておきますけど…」
「そういうの要らないです!」
「えぇ……」
困ったような顔でこっちを見られても…
「簡潔にいうと…北上さんは食べられていたんだと思います」
「食べられていた…?」
「思います、というのは…?」
「状況やその辺りからの推測になりますので…」
食べられてた…食べられてたって言うのは…
「まず、北上さんの大幅な減量についてですが、これは実態の体を何者かに食べられた事に起因すると思われます」
「え?た、たべ、え?ええ?」
「混乱しないでください、何に食べられたかは分かりませんけど…えっと…説明が厄介なのでやってみせますね」
え、やってみせるって…
「あぐ」
自分の腕に噛みついた…
「ちょっ!?何を!?」
「流石に痛いのも此処を血まみれにするのも嫌なので噛みちぎりはしませんけど…北上さんは何者かに体を噛みちぎられると言う行為をされていました」
「そんな…」
「それと減量に何の関係が…?」
「簡単です、どのレベルまで食べられたのでしょうか…先ほど私が北上さんを持ち上げた時…約30kgほどでしたよね、北上さんの身長はだいたい160くらいなので…一般的には55kgほど…痩せてても-10kg程度でしょう…つまり、それだけの分量の肉を食われた…と言う事になる」
「…おぇっ…!」
「やめてください、もらいゲロしそうになります…うぅ……」
「だから先に断ろうとしたのに…」
阿武隈さんを恨もう…
「続けても?」
「……おえっ…」
えずきながら返事しないでほしい…
「北上さんの体に傷がない理由ですが、これは敵方の試作の薬品によるものと思われます、もう私が破壊して回りましたが向こうには修復剤とは異なる回復薬が大量に有りましたので」
…継戦能力充分…だったって事ですね…
「でも、これにより身体の筋力が戻って無いことなどから…これによる回復はハリボテによるその場しのぎに過ぎないと考えられます、つまり完全にネットと乖離した状態になれば再び痛みが北上さんを襲うでしょう」
「…北上さんも、私たちには何も言ってくれませんからね…」
「私も大井さんに話を伺ったときに可能性がよぎっただけですので、確認が取れてよかった」
「わざわざ親切に教えていただいてありがとうございます」
「いえ、こちらとしても気になった事ですので…」
「あれ?北上さんの部屋が開かない!」
「鍵がかかってますね、どうかしたんでしょうか?」
阿武隈さんがドアをガチャガチャする
「ノブ外れるからさぁ…やめてくれると嬉しいんだけど?」
「北上さん!いるなら開けてください!」
「やだ、寝るからうるさくしないで、というか居なきゃ返事できないし…」
…若干涙声…?
「そう言うの要らないので!片付けますよ!」
「今日は、もう良い…」
北上さんの声にノイズがかかってるような…
「…すいません、北上さん、よろしいですか?」
「北上さんは明後日…とお考えでしょうが…私は明日と視ます」
「……」
ドアが開く
「阿武隈、全員に用意させて、戦闘用意を済ませたら、今日にも最後の晩餐と行こうか…!」
「え、えぇ!?」
「ほら!ちゃっちゃと行く!」
「なんで私なんですかぁぁ!!」
軽巡洋艦 龍田
「へぇ…天龍ちゃんはお料理上手なのね〜…」
「……鳳翔さんに軽く習ってましたので」
「…ごめんなさいね…」
「いえ、貴方に非はありませんから」
貴方…か
他のところだと私に食ってかかってきて返り討ちにした子もいればすごく優しくしてくれる子もいる
天龍という存在でも十人十色…だけど、この子だけは私を姉妹として見てない
「そんなに私が弱く見えますか」
「え?」
「私が弱いから守らなきゃいけない…と考えているなら、それは幻想です、確かに私は戦艦のような強靭さはない、だけど私は弱くない」
「別に弱いと思ってるわけじゃ…」
「じゃあ、軽巡洋艦龍田」
「!」
体が強張る
「…貴方にとって、私はなんですか?」
「何って…天龍ちゃんは天龍ちゃんよ〜…?」
「今、畏怖していますね、貴方が畏怖してるのは天龍ですか?それとも私にですか」
「…言ってる意味がわからないわ」
天龍ちゃんに、か…目の前のこの人に、か…
同じ存在でしょう…?
「ならばそれは幸せな事です、それと…山雲さんとお会いした事は?」
「…山雲…?ごめんなさい、全員のことを把握してるわけじゃないの…」
「私の全部を知ってるのは3人、提督と、鳳翔さんと、山雲さん」
全部って何のことかしら…
「……夜会の用意がありますので、あまり邪魔しないでいただけるとありがたいです」
「あ、ごめんなさい…」
「たじたじでしたね」
「あら、秋雲ちゃん、見てたの?」
「覗くつもりはなかったんですけど…聞こえてきちゃいまして」
「……私の姉が本当にいるなら、あの天龍ちゃんだと思う」
「思う、というのは?」
「言い表すのが難しいけど、怖いのよ」
「怖い?怖い姉が欲しかったんですか?」
「そうじゃなくて…嫌われたくない、拒絶されたくない、これが1番初めに来るの、死んでほしくないとか、元気でいて欲しいとか…家族に思うような感情…もちろん同じ鎮守府のみんなにも思ってる気持ちを…あって僅かなあの天龍ちゃんに感じる」
「…何故?」
「わからない…けど、私を動かすには十分すぎる理由…」
…なんなんだろ…この気持ち
「よし、じゃあ私も手伝います!どうせここにいても何もできなくて退屈でしたから」
「あら、じゃあお願いします♪」
「しかし、多分あんな遠回しな言い方してるのをみると…山雲って人に直接当たってもダメかな…よーし!ここは秋雲さんにお任せ!こう言うのは青葉を当たれって言うし!」
「……私に何か、御用でしょうか…?」
「あー…はは…えっと…」
暗い子ね…他の青葉とまるで違う
「山雲って子の事が知りたいんですけど!」
「…何故ですか…」
視線が厳しい、やはり何かあるのね…
「いや、ほら…」
「山雲さんは朝潮型の落ち着いた方で空色の髪をしています、緑のリボンが特徴的ですのでお会いになってください」
事務的な処理ね…本当にこんな青葉は初めて見る…
「いや、じゃなくてぇ…」
秋雲ちゃんが財布に手をかけてる…止めないと
「いりませんよ」
「え?」
「そんなものを使おうとしてる時点でお話しする気にはなりません、失礼します」
…部屋に帰ってしまったわね…
排他的と言うか、何かを守ろうとしてる…
「……なぁんか匂うなぁ」
「そうですねぇ、ところで青葉は青葉でも横須賀の青葉に御用はないですか?」
「うわぁ!?」
「あらぁ…青葉も2人いるのね〜?」
「表向きには死んだことになってるのでやりづらい日々を送っております〜、ども!重巡洋艦青葉です!恐縮ですっ」
こっちは割と一般的な青葉さんね…
「じゃあ早速聞きたい事が…ひぃっ!?」
「え?今何が起きたのかしら…」
青葉さんが消滅した…?
「驚かせてしまってすいません、ちょっと気絶させただけなのです」
駆逐艦電…?
本当に電のように現れたけど…横須賀の子だったわよね…もしかしたら横須賀は忍者部隊なのかしら
「…え?き、きぜ…気絶…な、なんで…?」
「青葉さんとお話ししてると不幸になる人が出てくる未来が見えた気がしたのです、お二人も含めて」
「ひぃっ…」
…すごく重い…このプレッシャー…自信…
「貴方、碑文使いね…?」
「…御名答、なのです、それでは失礼します」
一礼すると青葉を引きずってどこかへ…
深入りするにしても、入り方が悪いわね、山雲さんと言う子を知らなすぎるのに周りから調べるのも良くない、か
「直接会ってみようかしら〜…」
「え、まだやるんですか…あれを見ましたよね…?」
「貴方は…朝潮さんね〜」
「あ、すいません、今戻ったところなので着替えてからでも良いでしょうか、衣服の乱れが気になって…」
外套をたたみながらもちゃんとこっちを向いて話すところを見るに、凄くしっかりした子…と言うか家事が早そうな…
「全然構わないわ〜」
30秒もせず綺麗に服装を整えて出てきてくれる
「あの、何でしょうか…確か佐世保の方でしたよね」
「龍田です、よろしくね?私が聞きたいのは山雲さんについてなの」
「……なんでしょう」
やっぱり顔が強張る
「会うことってできるかしら、私はその子について知りたいし、話してみたいの」
「構いませんよ、食堂でお待ちください」
…部屋に通さない、と言う事は…何かをされても止められる人が自然にいる状況を作りたいという事
「わかったわ〜」
…一体何をひた隠しにしてるのかしら
食堂
「お待たせしました〜、山雲です〜」
「態々来てくれてありがとうございます♪」
「すいません、人見知りな子ですので私も同席します」
「…カエッテモイイデスカ…」
「ダメよ?秋雲ちゃん、一度首を突っ込んだら帰れないわよ?」
食堂には疎らに人がいる…
あれは…長門、あっちには扶桑姉妹…何をするわけでもなくただ居る…
つまり護衛に近い役割ね、でも警戒心をあまり感じないところから事情を知らないという線の方が…
「っ…!」
「あ、こんにちは〜、珍しいメンバーですね?」
「翔鶴さん、どうも…」
この翔鶴…他の人より警戒心が強いような気がする…
何か知ってるのね
「こんにちは、良ければ同席しますか?」
「良いんですか?是非」
「秋雲ちゃん、お茶を淹れてきてくれる?」
「助かった…!行ってきます!」
「さて、話とは何でしょうか」
主導は朝潮か…妹を守るため、妥当な選択だろう
ここは正直に言ったほうが印象は良さそうね
「天龍ちゃんに紹介されたのよ〜、山雲さんにあってみたらどうかって」
「…なるほど〜、天龍さんですか〜」
「山雲、天龍さんと関わりが?」
「テレパシーを、感じます〜…」
「……シンパシーのことですか?」
掴みどころのない子ねぇ…
「天龍さんは〜……凄い人ですよね〜?」
「…そうなのかしら…?」
「姉妹艦なのに、知らないんですか〜?」
…独特な間の取り方が気になるわ〜…
「もともと所属が違うもの、知らないことも多いわ」
「………じゃあ、あまり喋れません〜、ここから先は天龍さんの許可を得てください」
…これじゃあ意味がないわね…
でも、何かを隠さないといけないような何かが…
「お茶お持ちしました!…アレ?他の方は?」
「あ、もう帰っちゃったわよ」
「そんなぁ!」
「せっかくだしあちらの戦艦の方々に配ったらどうかしら?」
「秋雲さんまたハズレクジ!?」
「…あれは…」
演習場に来てみたら…あれは天龍ちゃんと…伊勢?
伊勢型も居たのね…報告がなかったし、着任して日が浅そうね…
…砲撃の仕方を教えてる?天龍ちゃんの方が教えてるみたいだけど…
随分と仲が良さそうというか、距離が近い感じ…
「!」
危なかった、今見つかりかけたけど…あの射抜くような目…本当にさっきの天龍ちゃんと同じ人なのかしら
まあ、なんにしても…私が把握し切る事は無理ね、仕方ない、一度…
「あの」
「え、あ、何かしら〜?…伊勢さんよね?」
「良ければ見学して行かれますか?先程からチラチラみられてたし…天龍も気にしてたので…」
「バレてたのね〜、でも結構です、ちょっと施設を見て回ってただけだから」
「…そう、ですか……」
歩き回ると、意外とここは賑やかだ、静かなところには誰も居ない
「あはは!大潮ちゃんやめてぇ〜!」
「ほらほら〜、ここがくすぐったいんですか〜?」
「荒潮、あんまりうるさくしないでよ…」
「…うるさい…」
廊下にまで声が響いてくるほどには賑やかで…
「こんにちは!」
「あら、こんにちは〜」
すれ違う子みんな挨拶するくらいには礼儀正しい、模範的な鎮守府というか…学校?
「あ、ちょっと聞きたいんだけど、大潮姉さんを見なかった?」
「今すれ違ったわよ〜?」
「ありがとう、じゃあ」
…あれ?何か違和感が…
……確かに今すれ違ったのは大潮、そしてそれを霞に伝えた…じゃあその前の誰かの部屋から聞こえてきた声は?
「……大潮が2人いるとは聞いてないけど…変ねぇ…疲れてるのかしら」
後方の扉が音を立てて開く
「あはは〜」
山雲が脇を通り抜けて走っていく
「待ちなさいよ大潮姉さん!…って居ないし…あ、今山雲がどっちに行ったかわかるかしら」
「…え?あの…貴方は満潮さんよね…今貴方が探してるのは大潮よね…?」
「言い間違えたの、山雲、知らない?」
大潮と山雲…
「そっちだけど…」
「ありがとう…待てぇぇぇ!」
…山雲は大潮とも呼ばれてる?なんで?
大潮が2人いる、とでも…?
ぐにっ
「ぷぎゅぅ…」
「きゃっ、踏んじゃった…あれ?貴方はどっちの青葉かしら…」
「横須賀です…」
わかりづらいわ…しかも廊下に打ち捨てられてるし…
「……」
周囲を確認する
「軽く聞きたいのだけれど…態々艦娘を別の艦娘の名前で呼ぶ事ってあるかしら…?」
「ふぇ…?えっと……あー……」
「大丈夫よ、さっき周りは確認したわ」
「輪廻転生、って言葉があるじゃないですか?」
「あるわね」
「簡潔に言うと青葉は継承艦なんです」
…沈んだ艦娘の記憶や能力を建造される時に引き継いでしまう現象…瑞鳳のように
「それが…?」
「青葉は少なくとも10回は継承してます」
「…そう…」
有り体に言えば10回死んでいると言う事…
「その中で、いろんな継承艦に出会いましたけど…稀に別の艦娘とし生まれる事があるみたいなんです、そしてそれを隠す子もいれば公言している事もある、そんな時にその艦娘を別の名で呼ぶことも…」
「……じゃあ…」
山雲は…大潮だった…?
そう言うことになるけど…もし、それがあの時の言葉の理由なら…天龍ちゃんは誰なの…?
いや、可能性はあるけど…まだ決まったわけじゃないか…
「ここからは青葉の独自取材で…うぐっ…!!」
「全くおしゃべりなピンク頭なのです」
「…あら〜…本当に忍者みたいね、ところで人の話を邪魔するのはどうかと思うわ〜?」
「自分の事を語る分には止めませんけど、人が隠してる事を勝手に話すのは仲間として許せませんので…」
「あら〜…」
「それとも、アナタも人の墓穴を掘るのが好きなのですか?」
…怖い子ねぇ…
「いいえ〜♪」
「なら、あまり首を突っ込まない事をお勧めするのです」
「…わかったわぁ…」
「少なくとも、私たちの未来は祝福されるべきなのです、その強い想いはきっとアナタの助けになるのです」
「どう言う意味かしら〜?」
「…端的に言えば、薄明の竜のご加護がありますように、なのです」
結局意味はわからないわね
「そう、ありがとうね〜」
「またなのです…早めに逃げないとここもひどい匂いに包まれるのです」
「ひどい匂い?」
「…目が…イタタなのです……」
…何かしら、この刺激臭…火薬…?
確かに目に染みるような…
「げほっごほ!!げほっ!」
「あら、北上さん、大丈夫かしら〜…?」
凄い勢いで倒れながら部屋から出てきた…
「た、たすげで…というか…本当に誰…加賀に激辛料理をさせたやつ…!ここまで匂いが…!」
ああ、これ香辛料の…
「ごめ…早く遠くに…!」
ひどい有り様ね〜…アレルギーかしら、何にしても急ぎましょう
「今夜の夜会は大変そうね〜」
「中止した方がいいっていうか…あー…もうこの鼻やだ」
「鼻?」
「…あ、言ってなかったっけ、あたし瑞鳳の記憶引き継いでるんだよ」
「え?」
瑞鳳ちゃんの…記憶…記憶…?
「…ぬぁっ!?ちょっ!どこ行くのってか引きずってる引きずってる!!」
この後佐世保組で囲った