元勇者提督   作:無し

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絶対包囲

宿毛湾泊地

提督 三崎亮

 

「神通、どうだ」

 

『…間もなく、かと』

 

やはり予定よりずっと早い、というより…刻一刻と早まり続けている

 

「完全停止って話じゃなかったのかよ…」

 

「いやぁ…再誕のせいなんだろうな、再誕が停止を死として認識したせいで…常に再誕している、と言う可能性がある」

 

「チッ……じゃあ戦う時にはとんでもない化け物…か?」

 

ずっと再誕を繰り返し、強化されていると言うのなら…

 

「まあ、数でも質でも…過去最高の戦力だ」

 

「やってやろうじゃねぇの、全員出発の用意はいいんだな?」

 

かつてないほどの連合艦隊…か

全員が海上に整列し、今にも戦いを始めると言う緊張感と、勝利への期待を胸に抱いている

 

「100近い艦船が集まって、一つの敵と戦う…初めての経験なんじゃねぇの?」

 

「この戦い自体、初めての事だ…よし、じゃあ始めるか」

 

駆逐艦が1人壇上に上がる

 

「作戦指揮、統括を担当します、電なのです」

 

フィドヘルの碑文使い、作戦指揮にはもってこいだろう

 

「今回ここに集まった皆さんには…たった1人との戦いをしていただきます、ですがその敵は私たちが束になってもどうなるかわからない爆発力を持っています…碑文、AIDA…その両方を操る敵です、決して一瞬たりとも油断しないでください、私たちは誰かの死を悲しむ事も、喜びを分かち合う事も…もうそんな時間がないほどに後のない状況です、戦場においては今まで以上に自分の指名を果たすことだけを考えなくてはまず勝利はありません…」

 

大きく息をつく

 

「みなさん、今日ここが皆さんの死に場所です、死ぬ気で戦わなくては守りたいものも、人も、仲間すらも…明日を生きることはありません、あなた達がここで死ぬ気で敵を食い止めなくては…何一つ成し遂げたことにはなりません、今までの行動、経験、記憶…それすらも一瞬で消し去られてしまう…敗北とは何も無くなる、この上なく恐ろしいことだと…理解してください、脅すようで申し訳ないのですが…」

 

それ程に負けられない、という事だろう、全体の空気は重い

 

「改めて、私達の中枢となる人員について連絡します、ここに残るメンバーも少ないながらにいます、まず、呉鎮守府の提督、三崎亮、最前線の第一遊撃隊指揮官としてお願いします」

 

「ああ、遊撃隊指揮官、拝命した」

 

「遊撃隊には呉鎮守府より川内型3名、川内、神通、那珂、同じく球磨型4名、球磨、多摩、大井、木曾、合計7名を配属します、全員が異能の力を持った戦士であることから、皆さんの危機を必ずしも救う…重い期待と任務、果たすことを」

 

問題はない

 

「次に、第二遊撃隊には指揮官として九竜トキオを任命します」

 

「わ、わかった…!」

 

「彼は指揮官としての経験はありませんが、皆さんの思ってる何倍も強いのです…しっかりと言うことを聞いてください、ただし、甘えた事を言うようなら私に取り次いで欲しいのです、第二遊撃隊のメンバーを伝えます、フリューゲルさん、構いませんね」

 

「俺ぇ?何だ、俺も指揮官とかに選ばれんのかなぁって期待してたんだけど」

 

「それから舞鶴鎮守府所属、弥生の以上二名を隊員とします、極少人数の部隊ですが、連合艦隊が大規模である以上、少人数で縦横無尽に駆け回る機動力を要とした部隊です、助けが必要な場合はまず第二遊撃隊に連絡を取ってください」

 

空が揺れる、時間は迫っている

 

「連合艦隊についてです、90名を超える過去最大規模の連合艦隊のため、まず私達が気をつけるべきは誤射です、配置などを詳しく決めては対応力に欠けるでしょう、その為あえて詳しくは決めませんが…敵は太平洋にいます、必ず背を北側にしてください、本土を背に戦いましょう…」

 

そうすればまず誤射はないだろう

 

「第一連合艦隊、旗艦、宿毛湾泊地所属、明石……は不在のため…旗艦、横須賀鎮守府所属、曙」

 

「…もう、私は横須賀じゃないんですけどね」

 

全体がどよめく、あの曙に気づいてなかった連中もいたはずだ

 

「第一連合艦隊である、と連絡を受けた人員はそちらの曙さんの指示をよく聞いてください」

 

「高雄型、朝潮型、綾波型、それから潜水艦…私についてきてください」

 

大多数が離脱していく

 

「次に第二連合艦隊旗艦は…同じく宿毛湾泊地所属、扶桑さん、お願いいたします」

 

「…謹んでお受けいたします…艦種戦艦の皆様、此方に追従するようお願いします」

 

「第三連合艦隊旗艦、同じく宿毛湾泊地所属、赤城」

 

「空母、軽空母種の皆さん、此方にお願いします」

 

「第四連合艦隊旗艦、佐世保鎮守府所属、軽巡洋艦龍田」

 

「はぁ〜い♪重巡洋艦と軽巡洋艦はこっちよ〜」

 

「阿武隈さんと北上さんだけ残るようにお願いいたします、第五連合艦隊旗艦、宿毛湾泊地所属、重雷装巡洋艦北上」

 

「うわ…あれマジなんだ…」

 

「やっぱり北上さんしかいませんよ!呼ばれなかった人達はこっちにきてください!」

 

「私電は基本的に第二遊撃部隊と同行します、決して私も後方の安全地帯にいるつもりなどありません…詳細な作戦配置は既に旗艦に通達済みです、敵を完全に包囲し、殲滅します、良いですか、私たちは死ぬために戦うわけではありません、明日を掴むために戦うのです…!」

 

手が上がる

 

「質問、うちの第五にさぁ…島風がいないよね、それと第一の朧…ていうか第一連合艦隊に至っては旗艦が不在ってツッコミどころだよね」

 

「素早い把握ですね、後から合流すると伺っています、問題はありません…それとも、兼任したいですか?」

 

「うぇっ、パスパス、ていうかあたしが旗艦なのも、ちょ〜っと不満な子とか居るんじゃないの?」

 

「問題ありません、貴方は強いのです」

 

「…だってさ、不満あるだろうけど、第五連合艦隊、あたしの指示に従って」

 

「続いてバックアップのメンバーについて話すのです、渡会一詞、並びに徳岡純一郎の2名は後方で隔離作業を行なってるのです、決して勝手に連絡は取らないように…それから、戦場の激しい移り変わりが辛くなった場合は近くの碑文使いや腕輪保持者に所属を伝えれば一時的に退避する事も可能なはずなのです、碑文使いと腕輪保持者については通達済みなのです」

 

空が哭く

 

「駆け足でしたが、時間なのです…全艦隊、出撃用意を済ませ、最終点検、5分後に第一連合艦隊、第五連合艦隊から出発するように…みなさんに夕暮れ竜の加護があらんことを」

 

日が、少し傾いている

 

 

 

 

 

 

 

海上

提督 三崎亮

 

「…川内、寄越せ」

 

「あいよ、コレで全部?」

 

ジョブエクステンド、力の昇華

 

「…よし、やるか」

 

「うわぁ…真っ白だねぇ」

 

「白もお似合いですよ、提督」

 

両手に銃を構える

銃口の下あたりから光刃が現れる

 

「スケィスは任せた」

 

「りょーかい!夜までにパパッと片付けちゃおっか」

 

「そうですね、甲標的出します」

 

「あとは、どれだけ世界が持つかだクマ」

 

「神通と那珂が見えたニャ」

 

「第一遊撃隊、揃ったな…最後の戦い…か」

 

「所属はホントはもっと違うんだがな、まあ…できるだけ素早く可能な限りの連携を取れる部隊を作るならこうなるか」

 

「…上だクマ、艦載機も来てる…第三連合艦隊も配置についたみたいだクマ」

 

「第二ももう到着しています、砲撃の用意は向こうは済んでるようですから、戦いの火蓋が切って落とされたと同時にここには爆撃と砲撃と雷撃が」

 

「あとは第三が間に入って第一と第五でサイドを潰すわけだ…」

 

懸念事項はあと一つ

 

「コルベニクはどこに居るんだろうな」

 

「……残念ながら、敵の手中に視えます」

 

やっぱりか

 

「まあ、やる事はかわんねぇよ」

 

「何が起きるか…はぁ…武者震いしやがる…!」

 

 

 

 

 

 

駆逐艦 曙

 

「仕事を簡単に説明します、私達は近距離でのメインアタッカーで、さらに曙、摩耶さんは一層の活躍を求められます…」

 

「まあ、そうなるとは思ってたわ」

 

「思いっきり叩いて潰す、何も変わらねぇ」

 

「戦艦の砲撃、艦載機の爆撃、そして我々の斉射を交わしながらの戦闘、頑張ってください」

 

「…は?」

 

「おい、流石に冗談だよな?」

 

「敵は強靭です、休む暇もなく叩き潰し続けなくてはなりません」

 

「無視すんな!つーか…え?」

 

「……まあ、死に場所って言ってたし…?戦場の死因の大半は誤射っていうし…?」

 

「そういう話でも無いけどね、緊張感を持ちましょうか」

 

海面が激しく揺れる

 

「…最後の波が…来る…」

 

「行くわよ摩耶」

 

「おう、アオボノ」

 

2人が姿を変える

 

「ふん……泣いても笑っても、最終決戦ってわけです…私も本気でいきます、皆さん、行きますよ」

 

全員が青色の結晶を睨みつける

 

「第一連合艦隊、砲撃用意、曙、摩耶さん、最初は遠距離で周りの砲撃のタイミングを掴んでください」

 

飛行機が増えてきたな…

 

「第三より伝令!私たちを囲むように深海棲艦が湧き出しています!」

 

「何を焦ってるんですか、そのくらい想定内です」

 

「曙さん、我々朝潮型で周囲の殲滅にあたります」

 

「騎士にも協力してもらってください、遊撃隊に連絡、第一連合艦隊に支援は現在不要です」

 

『第一遊撃部隊了解しました』

 

『第二了解なのです』

 

砲音が遠くから響く

 

「さて…最後の戦争の始まりよ、第一連合艦隊全員…撃て!!」

 

結晶が砕け散る

黒い泡が吹き出し、青い光が辺りを包む

 

「さあ!摩耶様の攻撃、くらいやがれ!」

 

「燃やしてやる!」

 

『東雲ぇぇぇぇ!!』

 

咆哮

 

「あら、お呼びですか」

 

『跪け』

 

「お断りします、もはや私は東雲なんかじゃない、今の貴方は裸の王様、供回りすら失い…たった1人…」

 

「曙さん、周囲の深海棲艦の殲滅完了しました」

 

「ほら、大和さん達とか以前にこんなレベル…どうですか?」

 

『ククッ…アハハハハハハ!!……大和?武蔵…?ソれガドウした…!貴様ラ全員皆殺しだ!!』

 

「再び全隊に通達…攻撃始め」

 

砲撃が作り出す煙が元帥を包んでいく

 

「…まだ死んで無い、か」

 

砲口を向け、一発放つ

確かに射抜いた感覚と同時に、肌がピリつく

 

「……全員衝撃備え!再誕の余波が来ます!」

 

爆風と閃光に包まれる

肌を電気が通過する感覚

 

「ぐ…!なんだこれ!」

 

「…砲弾は無事か…」

 

「……前!敵を見て!」

 

「…へぇ、これが、本当の再誕の…」

 

『そうダとも、コレガあれバ我々は永遠ニ全てヲ蹂躙できル!』

 

『あが…うゴ……オぇえ…』

 

『なンで…嫌だ……!』

 

死骸の大和と武蔵…それに深海棲艦まで…

死んでるのに強制的に甦らせる、恐ろしい力

深海棲艦まで復活して…

 

「はぁ、どうせ一筋縄で行くとは思ってませんよ、永遠に?永遠な世界があると思ってるならその間違いを今から正すまで…」

 

再び砲弾の雨が降り注ぐ

 

「イムヤさん、ばら撒いてください」

 

『はい!』

 

最適な位置に水柱が上がる

 

「朧の分まで、私が撃てばいいか」

 

深海棲艦の頭を撃ち砕く

 

「次」

 

 

 

 

 

 

航空戦艦 扶桑

 

「着弾確認、そのままもう一度」

 

…旗艦なんか任せられるとは思わなかったけれど…受けた任務は完璧にこなさなければならない…

 

「扶桑姉様!敵が抜けてきてます!深海棲艦が近くまで!!」

 

群れが迫ってくる…砲撃の構えすら見せて

 

「捨て置きなさい山城、私たちの目標はただ一つ、私達の砲弾は一つとて他の塵芥に向かって放つものではないわ」

 

「そうですよ〜?お掃除は…私たちにお任せあれ♪」

 

一瞬でも遅ければ一発は放たれていたであろう

それを間に合わせ、チリ一つ残さず消してみせた…

 

「さすがですね龍田さん、どうもありがとうございます…自発装填はできましたね!放ちます!」

 

「宿毛湾泊地の人はみんなドライなのね〜?第四連合艦隊に通達、今総指揮官から私たちの仕事の変更があったわ〜、さっき分けたA班のみんなは広く展開して戦艦と空母を守るのよ〜?」

 

それと一緒に第五連合艦隊の駆逐艦も近寄ってきてる…

全隊に同じ通達がされたわけですか…

 

「一刻も早く敵を打ち倒しみなさんの安全を確保しますよ…!」

 

「はい!!」

 

 

 

 

 

重雷装巡洋艦 北上

 

「ほらほら、もっとちゃんと狙う!そこからでも充分当たるよ!」

 

「にゃぁぁ!当たるわけないじゃん!?」

 

「遠すぎるっぽい…」

 

付け焼き刃で教えたけどまだ全然だね、実戦レベルじゃないけどここより前に進ませたら…一つの行動のたびに誰かが犠牲にならなきゃいけなくなる

 

「師匠、私が…陽炎、秋雲」

 

「はいはい、わかってるって!」

 

「秋雲さんだってやればできるんだからね!」

 

…おお、ちゃんと当たった、不知火も努力家だなぁ…

 

「よし、そのまま砲撃続けていいよ」

 

…後方に海風に隠れた敵の匂い…

 

「…そっちの、名前は?」

 

「五月雨です、お任せください!」

 

「いや、ちょっ…」

 

1人で突っ込めなんて言ってないけど…

出鱈目な打ち方でよく当たるなぁ…

 

「まあ火力が足りないか、阿武隈ぁ?手伝ってきて」

 

「えぇっ!?私ですか!?あ、OKです!」

 

口ごたえには一睨みと…

 

「当たんないなら広角射撃に切り替えなね、大丈夫大丈夫、ちゃんと当たらなくても活きて来るから」

 

「…よくこんな戦場でのうのうとしてられますね」

 

「……のうとうとしてると思う?まあ、してるんだけどさ…どうせ今何したところで変わんないからねぇ…それにわざわざあたしが旗艦やってんのも…理由があるわけだし」

 

…そろそろ来るかな

 

「もう一回余波が来るよ、全員備え」

 

「ぐ…!さっきより強い…!」

 

「……こんなところまで衝撃が…!?」

 

…今の波の揺れ…

 

「爆雷投げなよ、潜水艦迫ってるよ」

 

「うぇっ!?ま、まって…あ!落ちた!」

 

「ぽいぃぃ!!…あ、オイルが…」

 

「本当にいる!ソナー早く!」

 

「この状況で役に立つわけないよ!」

 

…うちの艦隊だけオモチャ遊びしてるのはどうにかならないかなぁ…

 

「北上さん、伝令です、護衛に駆逐艦を割きたいと」

 

「大丈夫大丈夫、もう行かせたから」

 

さて、問題はここからだね…あの無限復活をどうやって打ち崩すか…

 

 

 

 

 

 

駆逐艦 曙(青)

 

「曙…充分、見たわね?」

 

「とーぜんよ…こんだけよく見て合わせられないわけないでしょ…いくわよ、摩耶!!」

 

「おう!」

 

2人で一気に距離を詰める

 

『ハハハ!来るカ!』

 

「曙!合わせるぞ!」

 

2人同時の突き、そして摩耶は上に振り抜く

 

「虎輪刃!」

 

回転斬りと同時に飛び上がる

 

「連撃だ!でぇぇぇいっ!」

 

摩耶が大剣を叩きつけ、その衝撃波をぶち当てる

 

「まだ行くぜ!サイクロン!」

 

「旋風独楽!」

 

挟み込み、同時に回転斬りですり潰す…!

 

『ぐ…ガハッハハハハハハッ!』

 

「変態が…!黙って死ね!」

 

摩耶が大剣で打ち上げたところに追撃をくらわせる

 

「斬り裂け…疾風!!」

 

「虎乱襲!!離脱するぞ!」

 

「わかってる!」

 

離れたと同時に戦艦の砲撃が着弾する

 

「摩耶!」

 

「背後に来い!」

 

大剣を盾に再誕の余波を受け止める

 

「チッ…もう3回目だぞ…復活する度に深海棲艦も増えてやがる」

 

「ごちゃごちゃ言うな!それに深海棲艦は殆ど一瞬で片付いてるんだし、今は気にすることじゃないのよ!打ち上げて!」

 

摩耶の剣に乗り、飛び上がる

 

「天下無双!飯綱舞い!」

 

「ガン!ドライブ!」

 

だけどこのままじゃ埒があかないか…

 

『そろソロ、こちラから仕掛けテモ構わンか?』

 

「…マズイ!」

 

銃剣が現出し銃口が向けられる

 

「曙!退がれ!」

 

「バカ!来ないで!」

 

2人まとめてくらう…!

 

「スケェェェェィス!!』

 

赤い光が私たちを吹き飛ばす

 

「っ…つぅ…ごめん川内、助かった…」

 

『油断しすぎ!まだ被害でてないけど…一度でも食らったらああなるからね』

 

…本土で爆発が…今私たちが避けたから…?

 

「クソッ!ぶちのめしてやる!」

 

「待ちなさい、一回アウトレンジに変更、主力の私たちがやられるわけには行かない…生存重視の攻撃よ!」

 

『支援よろしく!行くよ!』

 

空から巨大な隕石が降り注ぐ

 

「…戦艦の主砲より威力あるんじゃない?アレ」

 

「かもな…チッ、全部持ってかれる前にやるぞ!!」

 

「月光双刃!」

 

「っらぁ!!」

 

斬撃を飛ばす

微々たるものでも構わない、とにかく一撃でも多く…!

 

「川内達が離脱した!くるわよ!」

 

「わかってる…ぐっ!?…重い……!」

 

威力が増してる…さっきよりも…

 

『こちら第一連合艦隊、電さん!聞こえますか!』

 

『なんなのです!?』

 

混線してる…?

 

『おそらく敵は八相の方のコルベニク力も吸収しています!』

 

『意味がわからないのです!もっと詳しくお願いします!』

 

『碑文としてのコルベニクの再誕と、八相としてのコルベニクの再誕、その2つを交互に使っています…!』

 

『…どう言う事なのです…』

 

二つの再誕…?

 

『両方の再誕を同時に使えなくしないとこの戦い…我々に勝ちはないという事です…!』

 

『どうやって!』

 

『それを考えるのがあなたの仕事です!』

 

「うるっさいわね!!」

 

『曙!?混線して…!?』

 

「そんなもん考える前に叩き潰せば解決すんのよ!ほら!さっさとしなさい!!」

 

『了解、全員聞こえてますね!とことん叩き潰しますよ!』

 

もう一度斬りかかる…!

 

「っ…!?」

 

刃が…通ってない…

 

「硬ぇ…!」

 

『何これ…!攻撃が通らない…!』

 

『周囲にバリアが展開されています!』

 

『ソウダ…これコソ…コルベニクの絶対防御…!』

 

「何よそのクソダサい名前は!!」

 

『はぁッ!!…ダメです、攻撃できません……!』

 

全員が距離を取る

 

『ククク…ハハハハハハッ!』

 

赤黒い色のバリアが纏わりついてる…

 

『…大丈夫、今連絡があった、攻撃するときそのバリアは一時的に解除される…その時を狙うよ!!』

 

…呉の提督か、流石こういうとこで知識があるやつは頼もしい…

 

「なんだ、そういう事…やってやろうじゃない」

 

『ほう?ソノ程度の事、この私が何モ考エてナイと?』

 

バリアを解除した…?まだ何かあるっていうの…?

 

『その誘い…乗ろうじゃん!』

 

『那珂ちゃん!行きますよ!』

 

『オッケ!オルバクドーン!』

 

…本当にまだ届かないの…?

そんな、話が違う…

 

『なんで…バリアを解除したはずなのに…!』

 

『二重…?』

 

『全然効いてない…』

 

『既に知ってルンだロう?私の手元には八相とシテのコルベニクと碑文トしてのコルベニク、二つの力がある…ソシテその両方が絶対防御を発動デキル…そシて八相の力ナら…』

 

銃口を向けて…まさか…

 

『死ネ』

 

『うわっ…!うわぁぁぁぁぁっ!!』

 

『姉さん!』

 

「川内がやられた…!マズイ、摩耶!抑えるわよ!」

 

「この野郎!ハープーン!!」

 

「三爪炎痕!!」

 

弾かれた…

 

『何かシタか?』

 

また赤黒いバリアを纏ってる…

 

「まだまだぁぁ!!」

 

『私も全力を尽くします…アオボノさん!』

 

神通の肩からAIDAが噴き出す

 

「摩耶!アンタは退がって後方から!神通と私で合わせる!」

 

『はぁぁァァァッ!』

 

「炎の爪…走れぇッ!!」

 

ダメ…効いてない…!

 

『ドウシタ!その程度カ!』

 

『マダまダ!!』

 

…AIDAに呑まれてる…?

 

「神通!正気を保ちなさい!」

 

『そんナものヲ保っテ勝てルなら幾ラデモ保ちまス…デモ…捨てた方が勝てル可能性ガあるのナラ…!』

 

「この…!神通!」

 

『神通!!』

 

『……姉さン…』

 

『私がちょっとやられたくらいで…素人めいた事言わないでよ、その程度のAIDAに支配されてさぁ…情け無い…!』

 

「ちょっとって…アンタ死んでもおかしく無いほどボロボロなのになんで立って…」

 

『この程度かすり傷にもならない…那珂!』

 

『オリプス!オリプス!オリプス!!』

 

傷が治っていくけど…それでもふらっふらじゃない…

 

『…っ…はぁ……神通!』

 

『…はい!』

 

『ククク、美しイ姉妹愛ダナぁ?』

 

「だと思うならちょっと黙ってろ…!」

 

銃声とガラスを刃物が滑るような音

 

『…三崎亮か…』

 

『それだけじゃありません…姉さん!木曾!』

 

『わかってる!アルゴンレーザー…くらいやがれ!!』

 

黒いレーザーがバリアに弾かれる

 

『…効いてないニャ…!』

 

『もっと出力をあげるクマ!!まだまだやれるクマ!!』

 

『フン…幾ラ束ニなった所デ貴様ラ等…!』

 

「それはどうでしょうか」

 

…この声は…

 

『…貴様ハ…』

 

「明石!!」

 

「随分と、遅くなりました…でも、ようやく必要分が集まった、この腕輪に」

 

腕輪を展開する

 

「島風ちゃんと、予定外でしたが朧さん、それから実は朝潮さんも手伝ってくれたんですよ…この作戦…」

 

作戦…?

 

『何を言ッテイる…』

 

「再誕の八相を打ち倒せる人を、呼び戻しましょう…この場に」

 

『倉持海斗が殺サレ狂っタか!』

 

「…いいえ、最初から私は狂ってます、提督にね」

 

データドレインを放ち…自分を貫いて…いや、それだけじゃ無い、私の腕輪も貫いてる…

 

「私はあるものを集めに行ってました、もともと提督に示唆された薄く、僅かな可能性でしたが…本当に可能だとは思わなかった…だからこれは全部を使う…!私が集めた分、朝潮さんが集めた分、島風ちゃんが集めた分、そして…アオボノさんのPCデータも…」

 

明石の姿が作り変わっていく…

 

『何だト…?ソレハ…』

 

「認知外依存症…確かに、身体中全てデータになってしまう…そしてバラバラになっていく…でもそのデータを集めたら?果たしてどうなると思いますか?」

 

…そうか、明石たちがいなかったのは…

 

「…私はここまで、あとはお任せしますよ…提督」

 

カイトに、変わってしまった…

 

「……明石、これじゃダメだよ…君だけが…君と僕だけがこの世界に取り残されてしまう…」

 

「カイト…!」

 

『…本当に変わった…?』

 

『そノ程度の事デ我ガ絶対防御ヲ突破でキルと思っテイルノカ!』

 

「…その程度?……その程度、か……トキオ、ハセヲ…いくよ、本当にその程度だったか…見せる必要がある」

 

「OKカイト!!」

 

カイトの後ろからトキオが現れる、両手に剣を握って

 

「…あ、剣がないな…曙、貸してくれる?」

 

「ったく…さんざ待たせて忘れ物とか有り得ないっての!!」

 

双剣を投げる

 

「準備はいいね…合わせて」

 

3人が元帥を囲む

 

「はあっ!」

 

「ッラァ!」

 

「そらっ!」

 

3人が同時に通り抜けるように斬撃を放ち、打ち上げる

そしてそれを追いかけるように飛び上がり、乱撃、乱打…そして同時の切り下ろしで地面に叩きつける

 

「行くよ!」

 

「ったく、俺がこれをやるのか…!」

 

「よっしゃぁ!!」

 

自由落下するように3人が斬撃を放つ

海なのに、3人が通った軌跡が傷痕のように赤く光る

 

『何ダ…コレは…ぐ…ガァ…!』

 

バリアにヒビが入る

 

「今だ!摩耶!その剣を叩きつけるんだ!」

 

「お、おうッ!待ちくたびれたぜ!!お前…1番敵に回しちゃいけないやつを敵に回しちまったなァ!?」

 

大きく張り上げ、力一杯に叩きつける

 

『ぐあっ…グァァガァァ!!』

 

バリアが割れた…!

 

「今だ!全員!総攻撃を仕掛けろ!!」

 

『こんなモノ…ミトメん!ミトめんぞォォォッ!』

 

「風・妖・刃の巻物!オラジュゾット!!」

 

木片が隆起する

 

「島風…!アンタも…?」

 

「ちゃんと、提督はまた戦わせてくれたよ…!3人で行こう!」

 

「だってさ、曙」

 

「…上等よ…!」

 

木片を蹴り、すれ違い様に斬撃を放つ

 

「あなたって遅いのね!」

 

「さっきまでの勢いはどうしたのよ!!」

 

『コンな筈が…コンナ筈でハァァァッ!!』

 

「っ!また再誕する!みんな!防御の姿勢をとるんだ!」

 

先程とは空気が違う…

 

『ぐ…がァ…ハハハハハハ!!ハハハハハハハハハ!』

 

…大きな目…?

 

たった一つの大きな目がまるで私達を見てるように…

そして中心から噴き出すAIDA…

 

『……コチラも…最後ノ力を…振り絞ろうではないか…!』

 

「…どこが最後の力よ…永遠に再誕する化け物め…!」

 

『嗚呼、そうだとも…少しすれば絶対防御すらも回復する…もう同じ手では通用せんぞ…!』

 

「………」

 

…カイト…?

 

「この理不尽な戦いを、終わらせよう…もうすぐ、夜になるから」




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